「スイ、とりあえず家の中のマッピング出来た?」
「はい〜」
メガミを家にお迎えしたらやる事のひとつ。それは家のマッピングだ。このマッピングを行わないとメガミは非常に迷いやすい。もし家の中や近所のマッピングを済ませずに外に出てしまうとほぼ確実に帰って来られなくなり、野良メガミとなってしまう。
「マッピングデータの記録完了しました!」
「よし。これでおーけー。じゃあ自分の充電ドックをキープしてな。」
「はい・・・・・・」
マッピングさえ済ませてしまえば自分の充電ドックにどこからでも帰ってこられるので中には町中マッピングしてちょっとしたお使いにメガミを使うマスターもいる。500mlペットボトルのジュースくらいならば持って帰れるがそこまでメガミを使うならば自分が自販機に行ったほうが早い。
「スイ。とりあえず部屋に戻ろう。」
「はい。」
部屋に戻るとロコとケイがパソコンで動画を見ており、それを横目にスイを充電ドックに置く。スイはカラカラと関節を回していた。
「スイ〜関節回ししすぎると関節摩耗するぞ〜」
「スイ、シリコンオイル差しますか。」
「あ、大丈夫・・・・・・」
起動したばかりのメガミの関節回しは癖みたいなものだ。体の最適化が済めば治まるので気にしないマスターなのであった。
「スイ、デフラグするからそのまま寝て。」
「はい。」
メガ赤外線通信でスイをパソコンに接続しメガミデフラグツールを起動する。スイはあっという間に眠りに落ち、デフラグを始める。ロコとケイは懐かしそうに見ていた。
「あー私達もこんなだったねぇ。」
「私の頃はもっとデフラグ長かったですよ。人間の睡眠時間と同じくらいでした。」
「そだっけ?」
BULLET KNIGHT エクソシスト WIDOWのロコよりも前、それこそメガミデバイスが発表されて間もない頃に発売されたWISM・ソルジャースカウトのケイはK社も手探りの時期だった。今でこそアップデートを重ねて柔軟な稼働状態を維持出来ているが当時は不具合多数でメガミが起きている時間よりも寝ている時間の方が長かった。そうして20分ほど。
「ん・・・・・・」
「あ、起きた。」
「おはようございます。」
「ひゃわ・・・・・・!!」
「慣れないねぇ。」
「まぁ今日起きたばかりですから。」
「スイ、どう?」
「あ、はい。マスター・・・・・・整合性チェック、クリア。マッピングは最適化されています。」
「よし。じゃああとは好きにしていいよ。」
「え、えと、好きに、と言っても・・・・・・」
「遊ぼーよスイ!」
「的当てしますか?」
「あ、はい・・・・・・」
メガミ達は遊び始めたのでマスターはPUNI⭐︎MOFU マオのパッケージを取り出す。まだ未組み立ての武装を組み立てる為だ。残りはスタンプハンマーとスーパーネコパンチだけ。大した作業ではない(尚、この大した作業ではないのは熟練のモデラーが真剣に数時間作業に取り組んでの作業だからである。)のでちゃちゃっと済ませる。
「・・・・・・。」
プラに精密機器を取り付ける作業ではあるがはんだ付けなどは必要ない。初心者でも気を付けて時間をかければ出来る作業である。それをこのマスターは手慣れた手付きで熟して行く。
「・・・・・・。」
ふと気になったのでメガミ達が何をしているのか見るとベッドの上で空き缶を的に的当てをしていた。WISM・ソルジャースカウトのハンドガンを手にスイが乱射している。メガミの武器から発射されるビームなどは派手な色と光、そして音だが威力は本当に大した事はない。放たれたビームが目に当たってもかゆいくらいで皮膚に当たっても蚊に刺された方が痛い。他の近接武器も威力は無く、例えば空き缶に近接武器をフルスイングしても音がなる程度の威力だ。メガミバトル以外ではダメージを与えることは不可能である。K社が安全に気を使った結果だがこれはよいものだと思う。
「うわああああああああ。」
「スイ!スイ!ちゃんと前見て!!前!!」
「スイ!!!しっかり構えて!!!」
「うああああああああああ。」
「うわースイ!!こっち向いちゃダメだってば!!!」
「スイ!!!トリガーから指を離してください!!!」
なんかてんやわんやになってるけどマスターは無視した。早く組み立てなければ。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「ふぅ。出来た。」
苦節4時間。PUNI⭐︎MOFU マオの武装は完成した。これをスイに手渡す。
「うわあああ〜〜〜!!」
「どう?スイ。」
「ありがとうございますマスター!!」
早速ぶんぶん振り回しロコとケイが避難している。
「あとはバトルですね!」
「え?あ、おう。」
「バトル・・・・・・しないんですか?」
「今日はもう遅いからまた今度ね。」
「・・・・・・むぅ。」
「ええ・・・・・・」
「むぅ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「わかったよ・・・・・・シミュレーション一回だけね。」
「やった!!ロコ!!ケイ!!やりましょう!!」
「わたしグレイヴアームズどこいったっけ。」
「私も偵察ユニットどこかに行きました。」
「ええ〜〜〜〜???」
「待って待って・・・・・・うわエクシードバインダーガチガチ。シリコンオイル差さないと。」
「偵察ユニットほんとどこ行ったんですか?マスター知りません?」
「知らないよ。装備はちゃんと片付けておきなさいって言ってるじゃん。」
「すみません。部屋かな。」
「部屋・・・・・・あ!スイ!」
「はい?」
「スイの部屋忘れてた。ちょっとこっち来て。」
スイを手に乗せ部屋の端っこに反対向きに設置したカラーボックスを開ける。
「あーーーーーーーー!!!!!こらマスター!!!!乙女の部屋を勝手に開けるな!!!!」
「仕方ないだろロコ。それにロコの部屋ガラクタしかないじゃんか。」
「ガラクタじゃないし!!!!」
「スイ、ここ空いてるのスイの部屋にするから。家具がこっちのダンボールに入ってるから好きなの選んでね。」
「無視すんなマスター!!!」
「LEDテープ付けなきゃなんないな。スイッチまだあったっけ。」
「きーーーーーーーー!!!!」
「あははは・・・・・・」
「スイ、私の部屋にも遊びに来てくださいね。」
「あ、はい。わかりましたケイ。」
よしこれでバトルのことごまかせた、とマスターは安堵するもスイは忘れておらず、部屋のコーディネートを終えてから改めてバトルを要求するのであった。流石に折れて夜九時にバトルする羽目になったのだが、シミュレーションではやっぱり満足出来ないと言われてしまうのであった。