精神的タイラズマ小説。15禁ぐらい。純愛。
平への恋心を自覚しつつある東。ある日、自分の心の声が聞こえ始める。
心の声の命じるままに自分を内省したり、平と昔の男たちを比べてオナニーしたりする話。

■キャラ
東:ようやく初恋の目覚めを感じる遅咲きの女。オラオラ系が好きと思い込んでいる
平:平の心を独占する罪なメンズ
心の声:東の本心か、それとも分裂した自意識か

★プロット/展開/詳細描写/台詞は作者が書き、校正にAIのべりすとを利用/調教して書いています。
★本作はハーメルン/Pixivで公開しています。

作者:eronosuke
ハーメルン:https://syosetu.org/user/514099/
Pixiv:https://www.pixiv.net/users/125632702/novels


1 / 1
タイラズマ ~東 心の声 R15(正ルート)~

タイラズマ ~東 心の声 R15(正ルート)~

 

 

# 第一章:私の中の変化

 

 

ベッドに沈み込む私の体が、天井に向かって伸びた両足に合わせて微かに揺れる。この部屋の空気はいつもと変わらないはずなのに、心の中だけがざわめいていた。

 

 

「……私って結局、どういう男が好きなんだろう」

 

 

布団を握りしめた指が白くなっているのに気づき、力を緩める。仰向けの姿勢で腕を額に乗せ、目を閉じると、脳裏に浮かぶのはこれまで付き合ってきた男たちの顔。

 

 

みんな「オラオラ系」だった。強引に迫ってくるような、自信満々な態度の。私はそういうタイプに弱かった……いや、「弱かった」なんて過去形で語れるほど単純じゃない。今だって、そんな男たちに魅力を感じるのは確かだ。

 

 

『本当に?』

 

 

心の中で別の私が問いかけてくる。その声は甘く、けれど鋭いナイフのように刺さる。

 

 

『繊細な男の子は嫌い?平みたいな?』

 

 

胸が疼く。その疼きが何なのか、もう否定できない。

 

 

「違うよ……平は……」口に出してみると、その名前が妙に喉を通っていく。唾液が乾くのを感じて、慌てて飲み込む。「ただの友達だし」

 

 

嘘だ。自分で言っておいて即座に認める。友達なんかじゃない。ただのクラスメイト以上の何か。それ以上踏み込むことさえ恐ろしく感じる存在。

 

 

---

 

 

目を開けると、天井の模様が歪んで見えた。視線を動かすと、壁に貼ってあるポスターが目に留まる。それはが教えてくれたバンドのもの。

 

 

「なんでこんなところに貼ってるんだろう」

 

 

呟いてみる。答えは簡単。好きだから。このバンドも、そして教えくれた本人のことも。

 

 

『男と付き合うときに告白もされたことないし、したこともない』

 

 

頭の中の声が続ける。そうだ。これまでの恋愛は全部「なんとなく」始まって、「なんとなく」終わった。熱量もなく、ドラマもなく。

 

 

「それでいいんだよ」自分に言い聞かせるように呟く。でも、その声はどこか不安定で頼りない。「結局最後は離れちゃうんだから」

 

 

また嘘。

 

 

『そう思ってるだけで本当は何を求めているの?』

 

 

心の問いかけが痛いほど核心を突いてくる。本当は分かっている。でも認めたくない。なぜなら……

 

 

-----

 

 

目を閉じると瞼の裏に広がるのは暗闇ではなく、鮮明な光景だ。平の寝顔。授業中の横顔。教室でふとした瞬間に見せる微笑み――ひひっと笑うあの独特の笑い方。

 

 

あの笑顔を見るたびに心臓が跳ね上がる。それを誤魔化すために、ついつい拳を振り上げて『デュクシ』なんてふざけてみるけど……

 

 

「デュクシ……」

 

 

独り言を呟いてみる。右手を伸ばし空中で止めると、指先まで熱くなっていくのを感じた。あの距離感。あの感触。あれもこれも全部――全部平に対してだけ特別なんだと気がつく。

 

 

「私……平のことこんなに好きなんだ」

 

 

声に出すことで現実感が増す。怖いくらいの現実感。同時に身体中が熱くなり汗ばむほど恥ずかしさが募る。

 

 

それでも目を開けて天井を見据える私。ここで逃げてはいけない。認めなければならない真実から決して目を逸らさない。

 

 

『あなた今までセックスで感じたことってある?』

 

 

思考が突然深く突き刺さってくる。

 

 

「感じた……こと?」

 

 

言葉が出ないまま再び瞼を閉じると過去の記憶が蘇る――幾度となく重ねてきた肌。けれどそこには快楽も悦びもないただ表面的な接触だけ。喘ぎ声も作り物だったと今さら思い出す。

 

 

「一度も……感じなかったかも」

 

 

自覚したら怖くなった。震える息遣いで吐き出した言葉に答えるように心が静かに告げる。

 

 

『そうね……でもあの人にされたら?平にだったら?』

 

 

その仮定に身震いするほどの衝撃を受けた。想像するだけで身体中の神経細胞すべてが覚醒したみたいだった。耳鳴りとともに呼吸困難になりそうになるほどのリアルさを伴って脳内で再現される情景――平の掌で触れられる自分の肌――あの温もり

 

 

「平……」

 

 

唇から漏れた名前に合わせて全身鳥肌立つように痺れ渡る快楽予感

 

 

涙ぐんだ眼で虚空見つめながら呟いた言葉には確信滲み溢れ出てきて

 

 

「確かに……平としたときは感じることができると思う……いや絶対……」

 

 

理性放棄する寸前まで追い込まれるくらいの興奮状態に突入する。

 

平に抱かれ押し倒され弄ばれ奪われることを期待してしまう私。

 

自分自身、存在を否定できぬほど巨大な感情が膨れ上がる。

 

 

---

 

 

# 第二章:私の中の変化

 

 

---

 

 

目を開けると、部屋の闇が妙に濃く感じた。照明をつけたままなのに、視界の隅がぼやけている。手を伸ばしてスマホを探し当てると、画面に表示された時間は午前0時を過ぎていた。

 

 

「こんな時間まで何やってるんだろう……私」

 

 

溜息をつきながらベッドサイドテーブルにスマホを置き直すと、その動きで部屋の空気がわずかに揺れた。それに誘われるようにして、再び記憶の糸が紡ぎ始める。

 

 

---

 

 

平のことを考えるようになったのはいつからだろう。最初はただの同級生だったはずなのに。中学時代は彼の存在すらほとんど気に留めていなかったのに。でも高校に入ってからの彼は——別人だった。痩せて、髪型を変えて、服装にも気を遣うようになった彼を見たとき、胸がざわついたのを覚えている。

 

 

「変わっていく人って……いいよね」

 

 

ベッドに横たわったまま呟く。天井に向かって伸びる右腕が宙に浮いたままだ。指先が微かに震えている。これは緊張なのか、それとも期待なのだろうか。

 

 

『過去の男たちと比べてみてよ』

 

 

心の中で自分の声が囁く。冷たく、しかし挑発的なその声に抗えない。

 

 

「そんなの……」

 

 

否定しようとするものの、脳裏に浮かぶのは元カレたちの顔。オラオラ系で自信満々で強引な彼ら。そしてそんな男たちに流されていた自分の姿。

 

 

『でも平は違うでしょ?』

 

 

その問いに目を閉じる。瞼の裏側で映像が再生される。コンビニで働く平の姿。休憩時間にコーヒーを飲む彼。時折見せるひひっという笑い方。

 

 

「平は……違う」

 

 

言葉が滑り出る。その違和感こそが、東を苦しめている正体だった。

 

 

-----

 

 

『じゃあどんな風に違うの?』

 

 

心の中の声がさらに掘り下げる。逃げられない。

 

 

東はゆっくりと足を開いた。パジャマのショートパンツが腰までずり上がり、太腿があらわになる。シーツが肌に触れる感覚が妙に刺激的で、小さく息を飲んだ。

 

 

『試しに考えてみたら?平となら……』

 

 

その提案に従い、手が股間に向かって伸びていく。指先が布越しに割れ目を探り当てると、既に湿り気を帯びているのが分かった。驚きと恥ずかしさが混じり合った感情が胸を締め付ける。

 

 

「でも……これは……」

 

 

言葉を探す途中で思考が止まる。自分でも信じられないスピードで反応していた。

 

 

『感じてるじゃん。今まで一度も感じたことないのに』

 

 

心の中の声が笑う。嘲笑ではなく、むしろ慈しむような響きを持って。

 

 

「違うよ。だって……これは」

 

 

指先が優しく円を描く。その動きはどこか探るように慎重で、それでいて決定的なものでもあった。小さな痺れが背骨を駆け上がり、肩甲骨のあたりで炸裂する。

 

 

「平なら……」

 

 

言葉の続きを心の中で紡ぐ。それは言語化できるほど具体的ではない曖昧なもの。けれども身体の反応は明白だった。

 

 

-----

 

 

『今までの男とは何が違うの?』

 

 

問われるままに記憶を探る。過去の男たちとの行為。それはどれも似たようなものだった。荒々しく突き上げられる腰使い。自分の意志など関係ないかのような一方的な快感追求。そして東自身もそれを演じることに慣れていた。

 

 

「あの時は演技だった」

 

 

自分でも驚くほど冷静な声が出る。だが下半身からは湿った音が立ち始めている矛盾に苦笑するしかない。

 

 

『でも平なら違うよね?きっと』

 

 

その確信があるからこそ東はこの夜を迎えていた。手の動きが加速していく。すでにショーツ越しではなく、直接の指が割れ目に沈んでいた。

 

 

「平なら……もっと丁寧に……」

 

 

その言葉と共に思い出されるのは平の剣道部時代の姿。竹刀を持ち凛とした佇まい。そして現在の仕事中の真摯な態度。どちらも粗暴さとは無縁だ。

 

 

『優しくしてくれそうじゃない?』

 

 

心の中の声に頷きながら目を閉じる。イメージの中で平がそっと近づいてくる。両手を東の頬に添えて目を覗き込むように見つめられれば——

 

 

「んっ」

 

 

声が漏れた瞬間だった。それまでの緩慢な動きとは異なる鋭い感覚が全身を貫いた。反射的に腰が浮き上がる。シーツが擦れる音。湿った呼吸音。

 

 

「平……っ」

 

 

名前を呼ぶことで魔法が解けるかのように全身から力が抜け落ちる。波が引くように快感が収まっていった。

 

 

しばらくの間、東はただ呆然としていた。天井を見つめる視線は何も捉えていない。

 

 

「これが……感じるってこと?」

 

 

自問自答しながら起き上がると、自分の秘部が驚くほど濡れていることに気づく。ティッシュを取り出して拭いながら、奇妙な感覚に囚われていた。

 

 

今までの性経験ではなかった種類の充足感。満たされたというより解放された感覚。しかもそれは全て平という一人の人物によって引き起こされているという事実。

 

 

-----

 

 

『まだ足りないんじゃない?』

 

 

心の中の声が再び囁く。まだ収まり切っていない欲望に気づいてしまった東は深く溜息をつく。

 

 

「馬鹿みたい」

 

 

苦笑いを浮かべながらも再び横になる。手が自然とまた股間に向かっていく。

 

 

『平ってどんなキスをするのかな?』

 

 

その質問に答えを求めるように唇を舐める。濡れた唇の感触。同時に中指が乳首に触れると、そこでも新たな快楽が生まれる。

 

 

「平なら……絶対舌入れてくるよね」

 

 

妄想の中で平の顔が近づいてくる。鼻先が触れ合うほどの距離。吐息を感じる距離。そして互いの唇が重なる瞬間——

 

 

『舌が絡む感じとか想像してみてよ』

 

 

言われるままに舌を動かす。口腔内での運動が性的興奮と結びつく奇妙な感覚。唾液で濡れた下唇を噛みしめれば甘美な痛みと共に新たな快感が広がる。

 

 

「平……キス上手そう…かも……」

 

 

想像の中で平とのファーストキスが始まった。最初は躊躇いがちに触れ合う程度。徐々に深くなっていく口づけ。舌が入り込んできて絡み合う様子までも克明に思い描けば——

 

 

「んぅっ!」

 

 

突然押し寄せてきた快感波に耐え切れず東は大きく仰け反った。背中が弓なりになるほど強い快楽。指先は更なる刺激を求め続けている。

 

 

『すごいねぇ。今までこんな風になったことあった?』

 

 

自分自身に対する問いかけに頭を振るしかなかった。確かに経験はある。しかし今回のような種類の快感は初めてだったのだ。

 

 

-----

 

 

時間は刻一刻と過ぎていく中でも東の自慰行為は続いていた。平という存在を思うだけで身体中が熱くなる。

 

 

『でもさぁ本当に付き合ったらどうなるんだろう?』

 

 

ふとした疑念が過る。果たして本当に平と恋人になれる日が来るのだろうか?そもそも彼自身は自分に対して特別な感情を持っているのかも不明瞭だ。

 

 

「それでもいい」

 

決意とも諦めともつかぬ言葉を呟いて目を閉じる。想像の中で二人が歩んでゆく未来図を思い描こうとする。

 

 

『このままじゃ駄目だよね。本当の自分を見せる時なのかもしれない』

 

 

窓際で頬杖をつきながら、東はそんな想いを巡らせていた。もうすぐ夏休みが終わる。そしてそのあとには大学入試が待っている。時間がいくらあっても足りないはずなのに、平のことを考える余裕はある──いや、むしろ平のことで頭がいっぱいだからこそ、勉強にも集中できないのだ。

 

 

心の奥底から湧き上がる声が囁く。

 

 

『だったら行動すればいいじゃない? 今までの東じゃなくて、新しい東で。平のことだって真剣に向き合わないと』

 

 

「……新しい東、か」

 

 

その言葉を繰り返しながら、東は机上の参考書をパタンと閉じた。高校二年生の頃は確かに違った。あの時はまだ平を男友達以上には見ていなかったし、自分の過去も堂々と曝け出していた。でも今はどうだろう? 平の顔を見るたびに心臓が跳ね上がり、触れる指先が震える。過去の自分と今の自分──あまりにも大きな隔たりを感じて東は困惑していた。

 

 

「私は一体、どっちなんだろう……」

 

 

その問いへの答えを探すように、東はスマートフォンを開いた。LINEの画面には平とのやり取りが並んでいる。受験勉強に関する短いメッセージばかりだが、それでも東にとっては宝物だった。

 

 

『ねぇ平、明日ってファミレス行く?』

 

 

いつもの調子で送信した文字列を見て、東は我に返った。「またいつもの私だ」と嘆息しながらも返事を待つ。数分後、平からのシンプルな「うん」というスタンプが届いた瞬間、なぜか涙が出そうになった。

 

 

-----

 

 

翌日の放課後。いつものファミレスで向かい合って座る二人。夏の残暑で店内は冷房が効いていて涼しいが、東の体温は異常に高かった。

 

 

「ここ分からないんだけどさ」

 

 

平がノートを指差す。数学の問題集らしい。彼の筆跡を見ているだけで東の胸はざわついた。

 

 

「ああ……そこはね」教えようと身を乗り出した拍子に、腕と腕が触れ合った。紙のように薄い袖越しに伝わる体温に驚いて東は咄嗟に飛び退きそうになったが──

 

 

『今こそだよ! ここで逃げちゃダメ』

 

 

心の声が強く後押しする。東は恐る恐るもう一度距離を縮めた。肘同士がぴったりとくっついた状態で平を見上げる。

 

 

「それでね、この公式使うといいと思うんだ」ぎこちなく説明を続ける彼女に対し、平は特に気にも留めずにうなずいている。しかし東にとってこれは小さな革命だった。

 

 

今までならこういう接触を避けていたはずだ。けれど今日の自分は違う。心の中では怯えているのに、どこか解放的な気分さえある。

 

 

-----

 

 

帰り道。夕暮れ時のホームで電車を待つ二人。秋の気配を感じさせる涼しい風が吹き抜けた。駅前の改札機を通り抜ける際にも東はさりげなく平の隣へ寄り添った。肩がぶつかるほどの密着度に自分でも驚きつつも離れない。

 

 

「今日はありがとうな」

 

 

不意打ちのように投げかけられた感謝の言葉に、東の鼓動はさらに速まる。恥ずかしさと嬉しさで言葉にならない感情が渦巻く中、

 

 

『言えば? ずっと好きだったって』

 

 

頭の中で響く声に一瞬振り返ったが、現実はそれほど簡単ではない。唇を噛みしめながら小さく頷くことしかできなかった。

 

 

それでも確かな変化が生まれたことに東自身も気づいていた。これまでは距離を保つことに必死だったが、これからは──

 

 

「ねぇ平」

 

 

呼び止めると彼は訝しげに立ち止まる。緊張で喉が渇くのを感じながら、それでも東は微笑んで言った。

 

 

「秋になったらさ、また一緒に勉強しようよ。それと……」一呼吸置いて続けた。「たまには違う場所でもいいかもね。例えば……公園とか」

 

 

平は少し驚いた顔をしたものの、すぐに頷いてくれた。それだけで十分すぎるほど幸せだった。

 

 

電車が到着し扉が開く音。乗り込む人々の波に逆らわず自然と二人並んで座席に着く。ふとした拍子に触れた膝と膝の感触に全身が熱くなる。

 

 

『大丈夫だよ。今の東ならきっと平に思いを伝えられる日が来る』

 

心の声に励まされながら、東は窓の外の夕焼け空を見つめた。自分の影と重なるように隣に座る平の姿が映っている。どんな未来が待ち受けていようとも、もう逃げないと決めた心強さがそこにあった。

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。