彼女が恋心を理解したときトレーナーの決意とは?
エスポワールシチーのストーリーを見て衝動的に書きました。今回の作品が初めての文章作成だったので拙い文脈やキャラ崩壊をしているかもしれませんが、良かったらコメントください!
エスポワールシチー「あいつの事どう思ってるかだぁ?」
トレーニング終わりの夕方頃チームメンバーに唐突にそう聞かれた
ウマ娘A「エスポちゃんトレーナーさんと昔からの仲なんでしょ?どう思ってるのかなって」
エスポワールシチー「どうってお前…。」
どう思ってるいるのか、自分でも形容しがたい気持ちに戸惑ってしまう。
あいつとはプロジェクトKで初めて会った仲で、自分の走りを示してくれた…他の大人とは違って…
大切?いや…大事な…そうじゃない、もっとこう深い関係だと感じてはいる
感じているが…適切な関係性を示す言葉が見つからなかった
ウマ娘A「そんなに悩むのかなぁ…?」
エスポワールシチー「う…うるせぇ!!わかんねーもんはわかんねーンだよ!!」
思わず声を荒げてしまう
昔ならここで怖がられて苦笑を浮かべられながら避けられていただろう
しかし、チームメンバーはくすくすと笑いながら自分の肩をポンと叩き何かを察したような顔で頷いている
エスポワールシチー「な…なンだよ!?」
ウマ娘A「いーや?エスポちゃんも乙女なんだなぁって」
乙女?あーしが?なんで?
チームメンバーの言葉が本気で理解できず更に戸惑ってしまう
エスポワールシチー「舐めてんのか!?あーしがいつそんな…乙女とか…弱い所見せたって…」
ウマ娘A「まあ…別の意味でかな?」
全部分かっているかのような顔と表情を見て無性に腹が立ちその場から逃げるように去ってしまった
その夜チームメンバーの言葉が反復し頭の中を駆け巡る
エスポワールシチー「なんだよ…クソ…!」
寮のベットで座りながら苛立ちを隠そうともせず思わず声が出ていた
その様子を見た同室のコパノリッキーが少し心配そうに声をかけてくる
コパノリッキー「どうしたの?またトレーナーさんと喧嘩でもしたの?」
心配そうな彼女の顔にハッとなると同時にリッキーの言葉に否定の意を示そうと慌てて訂正する
エスポワールシチー「いや…そうじゃねーンだけどよ…なぁ…」
あーしも頭がいい方じゃない
だから同室の彼女に今日起きた出来事、チームメンバーに言われた言葉の真意を聞いてみた
当事者でもない彼女に質問するのはお角違いだとは理解している
ただなにか糸口があればと…
コパノリッキー「なるほどねぇ…確かに!エスポさんはわかりやすいかもね」
またこの顔だ…あーしの事を見透かしているような、分かったような顔
お前までなんだよ!といい返そうとしたが彼女は更に言葉を続ける
コパノリッキー「それなら…エスポさんのトレーナーさんと二人で話せば分かるかもね☆」
あいつと?なんで?
また戸惑ってしまう、なんなんだ?どいつもこいつもあいつの事ばっか…
次の日トレーニング前にあいつの部屋に寄ってみることにした
コン…コン…
トレーナー室のドアをノックする、どうぞーと中から声がする
ドアを開けると相変わらず書類の山から顔だけ覗かせるトレーナーの姿を見つける
エスポワールシチー「よぉ…わりぃな…トレーニング前に…」
トレーナー「エスポ?珍しいねどうしたの?」
自分に向けられる視線、その視線に思わずうっ…と息が漏れてしまう
トレーナー「エスポ?どうしたの?」
エスポワールシチー「いや…その…きょ…今日のトレーニングはどうすんだ!?アァ!!?」
気まずくなって思わず声を荒げる
そんなあーしを見たあいつは困惑したように苦笑しながら答える
トレーナー「お…おぉ…いつになく気合い入ってるね…今日はね…」
多分様子がおかしいことは気づかれているはずだった
でも、あいつはいつもの様にトレーニング内容を教えてくれる
そうだよ…こいつはいつも、あーしや皆の為に頑張ってくれて
時には寄り添ってくれて…道を示してくれて…
エスポワールシチー「あ…そうか…あーしはこいつを…」
トレーナー「ん?どうしたエスポ?」
リッキーやチームメンバーの反応にようやく合点がいった
首を傾げるトレーナーを他所眼に意識すると無性にこの場にいることが気まずくなってしまう
エスポワールシチー「な…」
トレーナー「な?」
エスポワールシチー「舐めんなよおおおおお!!ゴラァあああああああ!!」
恥ずかしさだったのか、それともバレたくなかったのか
金色の髪に似合わない、真っ赤になった顔の色に…
エスポが去ってしまった…
俺は何かしてしまったのだろうか?
自室の机に座りながら手を前に突き出し俺は静止してしまう
ポカーンと口をあけながら何が起きたのか理解できなかった
トレーナー「なんだったんだ…?一体…?」
珍しくトレーナー室に一人で来たと思ったら、怒られて逃げられてしまった…
最近はチームメンバーとも上手くいっていると思っていたのになにがどうなった?
トレーナー「と…とりあえずトレーニングいくか…」
未だに頭の中は疑問でいっぱいだったが、トレーニングをほっぽりだすわけにはいかない
すこし重い足取りでトレーニング場に向かう
ウマ娘A「あ!トレーナーさん!今日もよろしくお願いします!」
ウマ娘B「お願いしまーす!」
チームメンバー達に挨拶をされいつ通り笑顔で挨拶をする
その後ろにジャージ姿のエスポワールシチーがばつの悪そうな顔で小さくまとまっていた
トレーナー「…エスポもよろしくね?」
先ほどの出来事もありこっちまで気まずそうな態度で挨拶をしてしまう
エスポワールシチー「お…おう…」
目線は合わない、いつもは強気な釣り上がった目、それでいて綺麗な瞳が真っすぐこちらを見つめてくるのに
今の彼女は何かを隠している小学生のように顔をそらしている
トレーナー「じゃあ今日はーー」
トレーニング自体は順調だった
エスポワールシチーもトレーニング自体はいつも通り真面目に取り組んでいる
そして、併走トレーニング中にバチっとエスポワールシチーと目が合ってしまう
瞬間エスポワールシチーは盛大に転んでしまう
トレーナー「エスポ!?」
軽く流していたとはいえ併走中に転倒したのだ
急いでエスポワールシチーのもとへ駆け寄る
チームメンバーも心配そうに駆け寄ってくる
トレーナー「大丈夫か!?エスポ!?」
エスポワールシチー「いってて…お…おう…大丈夫…ピェ!?」
転んで少ししたエスポワールシチーはゆっくりと立ち上がり
自分の顔を見るなり尻尾と耳をピンと立て変な声を上げる
しかし、俺はそんなことお構いなしに気づけば彼女を抱き上げ近くのベンチまで走っていた
エスポワールシチー「ば!?離せコラぁ!大丈夫だって言ってンだろ!?」
彼女の静止を無視しベンチに腰掛けさせる
息つく暇もなく彼女の脚をくまなく触れ触診を行う
エスポワールシチー「~~ッ!?こんの…ぶゎあああかあああああ!!」
触診が終わろうかと思ったその時、彼女の怒号が聞こえ俺は地面に仰向けに倒れていた
俺の顔を蹴り上げた張本人はとんでもない末脚で逃げて行ってしまった
ウマ娘A「トレーナーさん…大丈夫ですかぁ?」
ウマ娘B「首繋がってます~?」
仰向けのまま動かない俺を心配して寄ってくるチームメンバー
慌てていたとはいえ確かに突拍子もなかったか…と自分の行いに反省し起き上がる
トレーナー「いてて…トレーニング用の靴でよかった…」
チームメンバーの娘に介抱されながらそんなことをつぶやく
ウマ娘A「顎砕けてなくてよかったです…」
こわ…ウマ娘のパワーで顔面を蹴り上げられたのだ
確かに打ち身だけで済んだのは良かった…
トレーナー「なあ…エスポはどうしたんだ?いままであんなふうになったことなんて…」
確かに突拍子もなかったのは事実だ
だが、あんな反応をする彼女を見たことは無かった為不思議に思ってしまった
チームメンバーなら何かを知っているかと思い疑問をぶつけてみることにした
ウマ娘A「うーん…あそこまで取り乱すなんて…相当重症かも?」
ウマ娘B「そうだねぇ~」
重症!?なにか彼女が自分に隠し事をしているのか?
確かに彼女は弱さを見せない一面を持ってる、だからチームメンバーの言葉に過剰反応してしまう
トレーナー「な…なにか重大な症状が!?エスポはなにか隠してるのか!?」
チームメンバーの肩に手を置き迫真の表情で詰め寄る
苦笑するチームメンバーに更に詰め寄り教えてほしいと懇願する
ウマ娘A「しょ…症状と言えば…そうなのかなぁ…」
ウマ娘B「そうだよねぇ~」
埒が明かなかった、チームメンバーに口止めでもしているのか
チームメンバーの肩から手を放し強くつかんでしまった事を謝罪した後エスポワールシチーを探しに行くことにした
逃げてしまった…あいつはあーしの事を心配してくれたのに
顔まで蹴り上げて…
もちろん本気で蹴ってはいない…いないが…
申し訳なさと罪悪感で胸がいっぱいになった
エスポワールシチー「あーしの…ばか…」
あーしはあいつの事が好きだ、それもトレーナーとウマ娘という意味ではなく
異性として
それに自分で気づいた時にはあいつの目線…仕草…全部が気になって
恥ずかしさや嬉しさが溢れてきていた
エスポワールシチー「あぁ~~!!クッソ!!何してんだよあーしは!!」
でもさっきのはダメだ、心配してくれたあいつを振り切って逃げた
どんなレースからも逃げなかったあーしが、あいつの前からは逃げてしまった
しかも怪我をさせてしまったかもしれない
その事実に無意識に瞳から雫が頬を伝って落ちる
エスポワールシチー「くそ…」
時間はもう夕方河川敷に座り込みただ夕日に照らされる
そんなあーしの前に影が落ちる
トレーナー「やっと見つけた…」
あいつの影があーしを包み込む
その声を聴いた瞬間顔を上げる
あいつの微笑むやら心配するやら、複雑な表情を見る
エスポワールシチー「お前…なんでここが…」
トレーナー「見つけるさ…君がどこにいても…着いてこって言ったのは君だろ?」
その言葉を聞いた瞬間せき止めていた何かが溢れた気がした
止められない涙もお構いなしに小さく咽び泣いてしまった
トレーナー「落ち着いた?」
あーしが泣いている間こいつはずっと黙って隣で待っていてくれた
なにか聞くわけでもなく責めるわけでもなく
ただ黙って…
エスポワールシチー「わりぃ…ダセェ所見せた…」
トレーナー「そんなことないよ…君は強い娘だ…涙だって見せたくないだろうに」
強い娘…そういえば初めて会った時もそんな事言ってたっけな…
そう思いフッと笑みがこぼれてしまう
エスポワールシチー「フハハ…本当…お前は変わんねーな」
トレーナー「そうかな?そうかもね、今でもエスポの事を想ってるよ」
エスポワールシチー「っ…」
顔に熱がこもるのがわかる
バレないだろうか?夕日に照らされているおかげで気づかれないだろうか?
こいつの言葉を聞くたびに気持ちは大きくなっていく
トレーナー「…ねえエスポ?俺になにか隠し事してるなら教えてほしい」
そう問われ心臓がドクンを跳ねるのが分かった
顔の熱が伝わるように心臓の鼓動が早くなるのが分かる
バレていたのか…と観念する自分もいる
でもこの気持ちを露呈したとき、今の関係が壊れるのが辛い
きっと耐えられずまた逃げてしまう
トレーナー「弱みは見せたくない…わかってる…けど…おれは君のパートナーだ」
声を紡がれるたびあーしの鼓動は隣のこいつに聞こえるんじゃないかと思えるほど大きくなる、痛いほどに
パートナー…そんなこと言われたのは久しぶりだった
エスポワールシチー「こえーんだ…お前に…あんたにこの秘密がバレるのが…」
トレーナー「うん…でも大丈夫…どんな症状を持っていようと俺は君を支えるよ」
そう…この気持ちを伝え想いがバレるのが…ん?症状?
トレーナー「例え走れなくなったとしても…君の価値は変わらない!」
んんん???
走り?症状?なんの話をしているんだ?
なにか…なにか致命的にズレている事を確信する
エスポワールシチー「ば…」
トレーナー「ば?」
エスポワールシチー「ばああああかあああああ!!!」
あーしはすぐ立ち上がり涙目で河川敷を全力疾走し学園へ向かった
振り返りはしなかった、あのバカが何か声をかけていたが聞くことは無かった
また…逃げられた…
手を前に突き出し静止したまま彼女を見送った
またもやポカーンっと口を開け
その後学園へ戻った俺はチームメンバーやエスポワールシチーの転倒を聞きつけたコパノリッキー
全員からこのクソボケトレーナーと叱責されてしまった
あの出来事から数日
俺は自室で書類整理をしていた
あの日からエスポワールシチーとはほとんど会話していない
幸いチームメンバーからは脚が悪いとか体調が悪いわけではないということは聞いた
その時も小さくクソボケトレーナーですねとポツリと言われてしまった
トレーナー「なんなんだよ…一体…」
書類整理をしながら頭を掻きむしる、チームメンバーやエスポワールシチーの態度に疑問が尽きない
彼女の事は誰よりも見てきた自負がある、彼女の良さは一番に理解しているつもりだ
けど、今回ばかりは本気でわからない
怪我や病気じゃなければなんだ?
あのエスポワールシチーの態度は?チームメンバーの態度は?
トレーナー「わからん…気分転換に散歩にでも行こう…」
朝から書類整理に追われていたこともあり、俺は伸びをした後学園の中庭に散歩へ出かけた
そんなとき、一人のウマ娘の姿を見た
スマートファルコンだった
スマートファルコン「皆さーん!ファル子のライブ見に来てねー☆」
中庭には多くの人が賑わいウマドルスマートファルコンの宣伝活動の応援をしていた
トレーナー「ファル子さん…そうだ…彼女なら…」
ダートのライバル…エスポワールシチーと切磋琢磨した彼女ならあるいは…
そう思い一縷の望みを抱いてその輪の中に入り声をかける
スマートファルコン「ん~?きっとそれはエスポさんの推しがトレーナーさんなんだよ☆」
トレーナー「推し??」
推しとは…いわゆる…推し?ウマドルやアニメなどで使うあの?
スマートファルコンの屈託の無い笑みを向けられうっ…と思わずたじろいでしまう
エスポの推しが俺?よくわからなかった
スマートファルコン「一度エスポさんとお出かけしてみたらどうかな?学園だと話せないこともあるだろうからね☆」
そう言われてふと思う、確かに…一度腹を割って話す必要があるとは思った
このままではエスポワールシチーとの関係が壊れてしまうような…そんな危うさを感じていたところだった
トレーナー「ありがとうファル子さん、あ…ウマドル活動の宣伝頑張ってね」
そう言い残し俺はその場を後にする
後ろから宣伝活動を手伝っていたエイシンフラッシュの声としゃい☆というスマートファルコンの声が聞こえた気がした
トレーナー「えーっと…」
俺はチームメンバーにメッセージを送りその日は留守にすること
エスポワールシチーには次の休日時間があるか、お出かけしないかと待ち合わせ場所を添えてメッセージを送った
チームメンバーからは了解のメッセージと(次は無い)の四文字が…
エスポワールシチーからはサムズアップのスタンプだけ返ってきた
あいつからメッセージが来た
あの日から気まずくてほとんど話していない
トレーニング中も指示を聞くだけで、それ以外は逃げるようにその場から帰っていた
それなのに、あいつは次の休日出かけようとメッセージを送ってくれた
そのメッセージに思わず口角が上がる
そんな自分に気づき両手で頬を軽く叩き喝を入れる、メッセージにはスタンプだけ送った
ちょっと淡白かなとは思ったがどうせ後で会うからと気にするのはやめた
エスポワールシチー「服…いつものやつで良いか…」
好きな男性とのお出かけ、おしゃれでもしようかと思ったがあーしはそういった事に疎かった
変に気負わず自然体でいることを選んだ
エスポワールシチー「いた…」
待ち合わせ場所で待っているあいつの姿が見えた
あいつもラフな私服で立っていた、あっちも変に気負った格好じゃなくて少しほっとした
トレーナー「あ!エスポ!」
あーしの姿を確認したあいつは軽く手を振り声をかけてくる
小さく深呼吸をしてから歩み寄る
エスポワールシチー「おう…突然なんだよ…面貸せなんてよ…」
あくまで自然体に…そう思えば思うほど心臓の鼓動はうるさくなっていく
気づかれていなかった…とは思う…多分…
トレーナー「じゃあ行こうか」
こうしてあーしとあいつのお出かけ…デートが始まった
エスポワールシチー「もう夕方じゃねーか…」
楽しい時間は一瞬というもので、そろそろ学園へ戻らなければいけない時間だった
あいつは終始あーしを気遣って…行きたいと言った場所へ連れて行ってくれて
ますます好意が溢れてくる
トレーナー「最後に寄りたい場所があるんだけどいいかな?」
その提案を拒否する理由はなかった
今日一日あーしに付き合ってくれたお礼にと思って
しばらくして着いたのはあの日の河川敷だった
エスポワールシチー「んだよ?こんな所になんかあんのか?」
トレーナー「…エスポ」
すこし低い声があーしの耳に入ってくる
そのいつもと違う雰囲気にドキッとして黙ってそちらを振り向く
トレーナー「エスポはさ…今日楽しかった?」
そんな当たり前のことを真剣に聞くものだから思わず吹き出してしまう
エスポワールシチー「プ…アハハ!んだよそれ!」
トレーナー「な!笑うことないだろ?」
笑われたことなのか、それとも自分でも当たり前のことを聞いてしまったと思ったのか
照れながらそう答えるその顔が愛おしくて思わずジッと見つめてしまう
トレーナー「…恥ずかしいからあんまり見るなよ…」
エスポワールシチー「わりーわりー、似合わねーなと思ってよ」
夕日に照らされ更に赤くなるこいつの顔を見てやっぱり好きだと再認識する
夕日を二人で眺める、そんな沈黙を破ったのはこいつの一言だった
トレーナー「エスポ…君の気持ち聞かせてくれないか?」
その言葉に再度心臓が跳ねる
今回は勘違いじゃない確信をついた質問、そう直感で感じた
エスポワールシチー「なんだよ…気持ちって…」
わざとらしく聞き返す
本当は分かっている…真意を理解したうえで切り返した質問
しかし、言葉に詰まる…伝えてしまえば終わってしまうと思っているから
トレーナー「さすがに俺も馬鹿じゃないからさ…今日まで考えたよ…色々…」
逃げられない…
あーしの最も得意でレースでは負けなしだったあーしの逃げ
それがこいつの前ではまるで意味をなさない事を直感で感じ取る
いや…もうすでに…あの時から…
トレーナー「まあ馬鹿だったかもね…いろんな人に話を聞いて…君の事を想い続けた…」
その素直さ…諦めの悪さ…何も変わっちゃいなかった
言の葉を紡ぐたび…またあーしの瞳から雫が溢れた
エスポワールシチー「だって…変だろ?あーしはカッケェウマ娘…強ぇーウマ娘なのに…自分のトレーナーを好きだなんて…
怖かったんだ…もし拒否られでもしたら…この関係は終わるんじゃないかって…」
気づけば吐き出していた
こいつを想う気持ち、あーしの気持ち全部吐き出していた
変わらず隣で黙って聞いてくれている事にどれだけ感謝しているか
トレーナー「まいったな…まさか本当だったなんて…」
まるで当たってほしくなかったかのような言葉
終わったと思った、この関係は今日限りで終わりを迎えるのかと思った
次の瞬間あーしを待っていたのは温かな、いままで感じたことの無かった温もりだった
トレーナー「ありがとうエスポ…ちゃんと気持ちを伝えてくれて…」
気づけばあーしは抱きしめられていた
理解が出来なかった…だって…さっきの言葉からは想像できなかった行動だったから
エスポワールシチー「は…?え…?なン…で?」
トレーナー「その…改めて考えたって言ったよね?そしたらさ…一つの答えしか出なかったんだ…君の事が好きだって…異性として…」
その瞬間人目もはばからず泣いた
泣くことなんて弱ぇー奴がすることだと思ってた
でも、止まらなかった…止めることなんて出来なかった
トレーナー「落ち着いた?」
そう優しく聞く彼に小さく頷く
あーしが泣き止むまでずっと優しく抱き留めてくれていた彼の腕に愛おしそうに手を回す
エスポワールシチー「あーし…あんたが好き…トレーナーとウマ娘としてじゃなくて…男として…」
彼も小さく頷く
優しく微笑む彼の顔は夕日に照らされ輝くように見えた
エスポワールシチー「はあああああ!?どういうことだコラァ!?」
自室にエスポワールシチーの怒号が響く
トレーナー「しー!エスポ!声がデカい!落ち着いて!」
エスポワールシチー「落ち着いてられっかよォ!どういうことだ!?その…接触禁止ってのは!?」
そう、エスポワールシチーに俺は接近禁止命令を出したのだ
と言っても別に会わないとか話さないとかそういうことじゃない
確かにあの日二人は正式にお付き合いを始めた
ただ世間体を見れば彼女は学生で俺は大人
卒業まで公に接触するのは危険だという事を伝えた
エスポワールシチー「まあ…そういう事なら…あんたに…迷惑かけたいわけじゃないから…」
トレーナー「大丈夫だよ、休日は二人で出かけられるし」
全く不満を持っていないわけじゃないと言った顔のエスポワールシチー
しかし、俺だって辛い!自由にエスポワールシチーとイチャイチャできないのは…
エスポワールシチー「まあ卒業までだしな…それまでは…レースに集中すっか…」
そうレース
彼女がウマ娘である以上卒業まであくまでトレーナーとウマ娘という関係を崩すわけにはいかない
そう決意を決めた時
突然彼女に唇を奪われた
トレーナー「ちょ…エスポ!?だから不用意に…」
エスポワールシチー「ハッ!あーしはエスポワールシチーだ!恋もレースも一着しか狙ってないんでね!」
そんな自信満々の彼女を見て苦笑しつつも、これから大丈夫だろうかという少しの不安を感じているのだった…