※生成AI画像注意
ウマ娘がファンのために行う行事として、『ファン感謝祭』というものがある。
だが逆に、トレーナーがウマ娘のために行う行事として、『ウマ娘感謝祭』というものも存在する。
それは外部の人間を一切遮断し、完全にトレセン学園内で行われる、いわば文化祭のようなものだ。
トレーナーたちは、それぞれの担当ウマ娘やその友人たちのために、屋台や出し物、演劇など、さまざまな催しを用意する。
そしてこの俺もまた、珍しく、とある催しに参加していた。
それは———
『レディース&ジェントルメン&ウマ娘たち!! さあさあ、待ちに待ったウマ娘感謝祭の第一種目———トレセンT王位争奪戦の始まりだああああああ!!!!』
MCの掛け声とともに、会場のボルテージは一気に跳ね上がる。
『トレセン王位争奪戦』。
ウマ娘のトレーニングを共に行っているトレーナーたちの中から、最強の王者を決める、いわばプロレス大会だ。
肉体美と技術を競い、最も人気と実力を兼ね備えたトレーナーが、その年の王者として君臨することになる。そして次の王者が決まるまで、その座に座る者は食堂を無料で利用できるのだ。
だが俺にとって、食堂が無料になることなどどうでもよかった。
俺にはもっと、別の理由があるのだ。
『第一コーナー! この人の横に並べるパチンカスは存在するのか!? トレセン学園トップクラスのパチンカス!! 給料は当然全ツッパ!! なんならメジロカードローンにも手を出していると噂の真のパチンカス!! メジロアルダン&トウカイテイオーのトレーナーァァァ!!!!』
大歓声(ブーイング)が会場内に響き渡る。
その声が、たまらなく心地いい。
『パチンカスT! なぜ今年はこの『トレセン王位争奪戦』に参加を!? 正直我々は、この大会どころか『ウマ娘感謝祭』にすら顔を出さず、いつものようにパチンコを打っているものと思っておりました! その理由は!?!?』
MCにマイクを突きつけられる。
だが俺はそれを受け取ることなく、当然のように答えた。
「明日、キン肉マンのパチ打つから」
『うーーーーーーん!!!! パチンカス!!!! 『ウマ娘感謝祭』を願掛けに使うとは、まさにパチンカス!!!!』
歓声(ブーイング)がさらに大きくなる。
それに応えるように、俺はMCのマイクをひったくり、観客を指差して叫んだ。
「お前ら、俺が負けると思ってんだろ? 甘ぇ……甘ぇよ……!! 『PA大海物語5ブラックLT99ver』くらい甘ちゃんだぜェェェ!!」
『おぉ!? 何を言っているのかさっぱり分かりませんが、とてつもない自信です!! 一体その自信はどこから来るのか!?!?』
MCも観客も、まるで信じられないものを見るような目で俺を見ている。
そんな視線を受けながら、俺はドヤ顔で言い放った。
「なぜなら俺は昨日———時間にして6時間42分。“お願いマッスル”という名の過酷なトレーニングを乗り越え、LTをぶち当てた男だからなぁ!!!!」
会場に「おぉ……」というどよめきが広がる。
それをかき消すように、テイオーが俺に向かって叫んだ。
「トレーナー! 何発出したの!?」
「300発!!」グッ!!
『駆け抜けてるゥゥゥ!! 6時間42分も打ってLT駆け抜けているゥゥゥゥゥ!! カス!! まさにパチンカス!!!!』
静まり返っていた会場が、再び熱を取り戻す。
いいねぇ……昂ってきたぜ!!
『さぁさぁ!! 続いて第二コーナー!! このパチンカスをぶちのめすのは、この男ォォォォォォ!!!!』
「え? 陣◯智則?」
神速のインパルスもびっくりの反応速度で放たれた俺のツッコミを完全に無視し、観客たちの視線は第二コーナーから現れた男へと一斉に向けられた。
ジェンティルドンナのトレーナー
期待度:★✴︎✴︎✴︎✴︎
「おいおい死んだわ、俺」
『両者リングイン!! 『トレセン王位争奪戦』第一回戦が———今、幕を開けようとしています!!!!』
「えっと……お手柔らかにお願いしますね」
「ウンチ!!!!(せいかいのおと)」
ついに始まる『トレセン王位争奪戦』。
会場の視線を釘付けにするのは、ジェンティルドンナに鍛え上げられたジェンティルTのムキムキボディ。
それに対し、パチンカスTの身体というと———
ボディと呼ぶには、あまりにもぷよぷよすぎた。
ふくよかで、だるだるで、ぽよんぽよん。
そして、二段腹だった。
「うわぁ……一般成人男性として見れば、ちょっと太ってるくらいなんだけど……ジェンティルTと比べたら、ものすごく哀れな身体だ……」
「いえ……そんなことありませんよ、テイオーさん。あれを見てください」
「あれ……?」
テイオーは、アルダンが指差した先を見る。
それは、パチンカスTの右前腕部だった。
「トレーナーさんの前腕……あそこだけは、ジェンティルドンナのトレーナーさんにも負けていません……きっと、私たちには想像もできないほどの過酷なトレーニングの証です……!!」
「いやただパチンコ打ちすぎて変に鍛えられただけじゃない!?!?」
「トレーナーさんは言っていました……肘掛けに頼っていては、当たるものも当たらない……誠心誠意、自分の力で打ってこそ、真のパチンカーだと……!!」
「かっこいいこと言ってる風でそれただのパチンカス!!」
『それでは、第一回戦……開始ッッッ!!!!』カーン!!
ゴングと同時に飛び出したのは、パチンカスTだった。
圧倒的なパワーとスタミナに対抗するために導き出した答え———それは、先手必勝による短期決戦。
ムキムキに鍛えられた右腕をギリリと握りしめ、ジェンティルTの胸筋へと狙いを定める。
「パチンコで鍛えられた俺のゴッドハンド……それをさらに超えた、俺の超必殺奥義!! くらえっ!! ダイヤモンドハンドッッッ!!!!」
『パチンカスTの右手が輝きを放ち、ジェンティルTの胸筋へと迫る!! その美しくも眩い右手は、まさにダイヤモンドの如く!!』
「いやただのパクリじゃん!! しかもダイヤモンド系統よりマジン系統に進化させた方が絶対強いよトレーナー!?!?」
だが。
パチンカスTの攻撃を前にしても、ジェンティルTは微動だにしなかった。
回避も、防御もせず、ただ静かにその動きを見据えている。
そして一呼吸。
ジェンティルTは、その
「えい」ペチン
「ぶべらぁぁぁ!?!?」
『おおっと!? パチンカスTが叩きつけられたァァァ!! 凄まじい回転をしながら後方へ吹き飛んでいくゥゥゥ!!!!』
「トレーナーさん!?!?!?」
「だから言ったじゃん……」
口元を押さえて叫ぶアルダン。
その隣でテイオーは、呆れたような目でトレーナーを見つめていた。
『強い!! 強いぞジェンティルT!! やはり今年の王者も、この男で決まりなのかァァァ!?!?』
「えっと……大丈夫ですか?」
「」チーン
『し、死んでる……!? 圧倒的筋肉を前に、パチンカスは死んでしまったァァァァァァ!!!!』
「トレーナーさんっ!?!?」
「なにこれ? なんなのこれ?」
『パチンカスTを心配するメジロアルダンとトウカイテイオー!! それに対し、ジェンティルドンナは———』
「ㅎvㅎほほほ……」
『笑っているゥゥゥ!! 担当トレーナーの圧倒的な力を前に、剛毅なる貴婦人は不敵な笑みを浮かべているゥゥゥ!! これが前年王者の貫禄なのかァァァ!?!?』
「いや、笑ってるっていうか……自分のトレーナーの筋肉に見惚れてるだけだよね? ムッキムキの筋肉見て涎垂らしてるだけだよね?」
前年王者を前に、地面に倒れ伏すしかできないパチンカスT。
このまま、何もできずに力尽きてしまうのか。
誰もがその敗北を確信した、その時。
———パチンカスTの体が、ピクリと動いた。
『これは……生きているっ!! パチンカスT、まだ生きているぞォォォ!!』
「トレーナーさん……っ!!」
「なにこれ? 本当になんなのこれ?」
アルダンの声を受け、パチンカスTの体に力が宿る。
震える腕で。
震える足で。
震える体で。
———ゆっくりと、立ち上がった。
『たっ……立ち上がったァァァァァァ!! パチンカスT、立ち上がったぞォォォ!! まさかの復活演出だァァァァァァ!!!!』
「トレーナーさん……っ!!」
「ねぇ、この茶番ほんとになんなの? アルダンさっきから『トレーナーさん』しか言ってないじゃん。最近のワンピースのガヤみたいなボキャブラリーになってるじゃん」
立ち上がった。
どれだけ力の差があろうとも。
どれだけ惨めな目で見られようとも。
パチンカスは、立ち上がった。
それはまるで、世界中すべてのウマ娘に向けた———パチンカスからのメッセージのようだった。
諦めなければ、必ず勝機はある。
今まで紡いできた知識が。
経験が。
直感が。
パチンカスを、奮い立たせる。
パチンカスに力が漲る。
ウマ娘たちの思いがパチンカスに集まる。
さあ、今こそ。
力を解放させるのだ!!!!
ボタンを押せ!!!!
『敗北ゥゥゥゥゥ!!!! パチンカス、復活演出を経てもなお敗北ゥゥゥゥゥ!!!! 第一回戦の勝者は———ジェンティルTだアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!』
「えーっと……勝ったよ、ジェンティル!」
「ㅎvㅎほほほ……」ジュルリ
「なにこれ」
翌日、パチンカスは当然のようにキン肉マンに95k吸われた。
自分でも書いててよく分からないです。
でも私はこういう話を書きたくて本小説を投稿し始めたんです。
それだけは分かってください。
あと、基本AI画像は嫌いなんですけど、今回の演出をしたいがために使ってしまいました。
お許しください。