【未完】そのトレーナー、パチンカスにつき   作:ぽこちー

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『この小説を読みながら、もしくは感想書きながらパチやスロを打ったら勝てた』

という感想をいただきました。

いや、なんで????????

感想の催促とかじゃなくて普通になんで???????

逆に俺負けたんだけどなんでなん????????????




神の眼を持つ神童

 

 

 俺が小学四年生の時。

 

 荒れていく俺を見かねた、珍しく優しい親戚の『秋川家』に引き取られた。

 

 けれど俺は、それまでと何も変わらなかった。

 

 世界は相変わらず、色を失ったまま。

 灰色の景色の中で、ただ時間だけが過ぎていく。

 

 小学校高学年にもなると、自然と輪ができていく。

 

 幼馴染同士。

 気の合う友達同士。

 同じクラブの仲間たち。

 

 小さな世界の中で、それぞれの居場所が形作られていく。

 

 当然ながら、そのどこにも俺の居場所はなかった。

 誰とも関わらず、ただ一人で過ごす日々。

 

 それに加え、『秋川』という名は、ウマ娘に関わる者なら一度は耳にしたことがある家系だった。

 

 ごく普通の家庭に生まれた俺からすれば、ひどく場違いな場所に放り込まれたようなものだった。

 

 そしていつからか、この眼のことまで広まり始める。

 

 “神の眼を持つ神童”なんて大層な呼び名が、勝手に貼り付けられていた。

 

 そのせいだろう。

 教師たちの態度は、目に見えて変わっていった。

 

 名前を呼ぶ声色。

 接し方。

 ほんの些細な仕草の一つ一つが、妙に丁寧になる。

 

 腫れ物に触るような、扱い。

 当然、それを面白く思うような人間はいない。

 そういう人間がどうなるかなんて、決まりきっている。

 

 話題にされ、からかわれ、やがて、ストレスの捌け口になる。

 

 

「また“神童様”かよ」

 

 

 誰かが、わざと聞こえるように呟いた。

 

 下駄箱を開けた瞬間、鼻を刺す腐臭が広がる。中には、生ゴミが詰め込まれていた。

 教科書は濡れて波打ち、ページ同士が貼りついている。机は校庭の端に転がっていたこともあった。

 

 けれど、「秋川」と呼ばれるたび、教師の声色はわずかに変わる。やけに丁寧で、やけに気を遣った響きになる。

 

 なくなった教科書は、すぐに新しいものが用意される。机が消えれば、誰かの席がそのまま俺に回される。

 

 特別扱い。

 それが、火に油を注いだ。不満は消えず、むしろ膨れ上がっていく。

 

 そして、ある日。

 

 

 「ちょっと来いよ」

 

 

 放課後の校舎裏。

 集まっていたのは、十数人。

 全員がニヤつきながら、図工で使う木の棒を手にしていた。

 

 

 (ああ、そういうことか)

 

 

 そのうちの一人が、何かを叫びながら踏み込んでくる。

 

 振り下ろされる軌道。重心の移動。筋肉の収縮。

 

 全部、見える。

 

 だから、避ける。

 

 空を切った木の棒の隙間に入り込み、拳を叩き込む。

 

 鈍い音。

 

 崩れる体。

 

 次。

 

 また来る。

 

 避ける。殴る。

 

 殴って、避ける。

 

 殴る。

 

 殴る。

 

 それでも、足りない。

 

 ひたすらに、殴る。

 

 視界の奥で、何かが軋む。

 

 この眼を使いすぎているせいだと、どこかで理解していた。

 

 脳に、鋭い痛みが走る。

 

 それでも、止めない。

 

 眼の奥が熱い。

 

 頬を伝うのは、汗か、それとも血か。

 

 どうでもいい。

 

 泣き声が響く。

 

 誰かが地面に這いつくばる。

 

 それでも。

 

 ただ、殴り続ける。

 

 なのに。

 

 何も、感じない。

 

 達成感も。怒りも。後悔も。

 

 何一つ。

 

 ただ、空っぽのままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなことをしても、何も変わらないんじゃないかい?」

 

 

 凛とした声が、静かに割り込んだ。

 

 気づけば、誰も立っていないその場に一人。

 

 コツ、コツと、規則正しい足音が響く。

 

 そのウマ娘は、倒れ伏した連中を一瞥し、そして俺を見る。

 

 

「綺麗に急所だけ外している。……流石だね」

 

 

 一歩、また一歩と近づいてくる。

 

 

「けれど、君の力はこんな風に使うものではない」

 

 

 間合いの内側に入り込まれる。

 それでも、不思議と警戒心は湧かなかった。

 

 

「だからさ……」

 

 

 ほんの少しだけ口元を緩めて、そのウマ娘はこう言った。

 

 

 

 

 

「その力、俺のために使ってくれないかい?」

 

 

 

 

 

 これが、幼馴染(スピードシンボリ)との最初の出会いだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「———嫌な夢(懐かしい夢)を見た」

 

 

 目を開くと、そこには古びた趣のある旅館の和室があった。

 

 畳の上には三つの布団。アルダンとテイオーが、規則正しい寝息を立てて眠っている。

 

 そして俺はというと、和室の窓際にぽつんと置かれた、椅子とテーブルの謎の空間。『アタシのことどれくらい好き?』『ホテルの窓際にある椅子とテーブルの謎の空間くらい好き』で有名なあの謎の空間で寝ていた。

 

 俺は目を閉じ、これまでのことを思い出す。

 

 俺たちは今、“ケイエスミラクル大改造計画”と銘打って、山奥にあるメジロ家の療養所兼トレーニング施設へと来ている。

 

 この眼に加えて、メジロ家のバックアップ。条件としては申し分ない。これでケイエスミラクルの身体を、より早く、より強固に鍛え上げることができる。

 

 ……まあ、そのためにそれなりの対価は払ったが(借金バイプッシュ)。でも問題ない。パチで勝てばいいだけの話だから。

 

 ケイエスミラクルというウマ娘は、虚弱体質だ。

 

 体の弱さゆえに高熱に苦しみ、時には命の危機にさえ晒された。

 

 それでも。

 

 担当医や両親、そして周囲の支えによって、彼女は走れるようになった。

 

 彼女は、たくさんのものを貰ってきた。

 

 命も。体も。脚も。夢も。

 

 そして、奇跡さえも。

 

 だから、今度は返す番だ。

 

 彼女自身の走りで。

 

 GⅠの勝利で。

 

 『ありがとう』を、届けるために。

 

 ……たぶん。

 

 だからだろう。

 

 俺があいつに、妙に肩入れしているのは。

 

 俺にも———伝えたい相手がいるから。

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナー……さん……」

 

 

 不意に呼ばれ、目を開ける。

 

 視線の先。

 

 そこには、ケイエスミラクルが立っていた。

 

 泣いている。

 

 瞳に涙を溜めたまま、こちらを見つめていた。

 

 

「ケイエス? どうして泣いてるんだ」

 

 

 問いかけると、彼女は小さく首を振り。

 

 ほろり、と一筋。

 

 涙を零しながら、俺の手をそっと握る。

 

 

「大丈夫です、トレーナーさん……。トレーナーさんには、おれが……アルダンも、テイオーもいますから……」

 

 

「……おまえは何言ってるんだ?」

 

 

 思わず、例のmeme顔で見返してしまう。いや、本当に何を言ってるんだこいつは。

 

 

「それに……スピードシンボリさんも……」

 

 

「———は?」

 

 

 思考が、一瞬止まる。

 

 こいつは、今、何を言った?

 

 

「おれ、走ります」

 

 

 ケイエスは、ぐっと手に力を込めた。

 その瞳には、もう迷いはない。

 

 

「おれを支えてくれた、みんなのために。おれを導いてくれた、トレーナーさんのために」

 

 

 まっすぐに、言い切る。

 

 

 

「貴方があの人(スピードシンボリ)の隣に立つのに相応しい、最高のトレーナーだってことを———おれが証明してみせます……っ!!」

 

 

 ———ああ。

 

 どうやら俺は。

 

 また、とんでもなく面倒な(ご立派な)ウマ娘を選んでしまったらしい。

 

 





トレーナーの眼の代償を知っているアルダンvs何も知らないテイオーvsトレーナーの過去を知っているケイエスvsトレーナーの全てを知っているスピードシンボリvsダークライ


さあ張った張った!!
え? 私ですか?
当然ダークライに賭けますとも


ケイエスミラクル視点の話を書こうと思いましたけど、ケイエスミラクルの育成すれば分かることなのでみんなケイちゃんを育成しようね!!

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