GATE 国防軍 彼の地にて〝最高〟とともに戦えり   作:びよんど

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なにこれスゴ〜い!って話です。


第十一話 未知の日常

 

 

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「………」ジィィィィ…

 

「……おかわりかい?」

 

「………」コクッ…

 

 

THE・魔法使いな女の子、レレイちゃんにお願いされちゃやらないワケにはいかないよなぁ!

 

器をよこしな!……お残しは許しまへんでぇ!

 

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 

無表情ながらお礼を告げて仲間のところに戻っていったレレイちゃんを見送りつつ、俺は大鍋の中のカレーがどのくらい残っているかを確認してお昼の献立に頭を悩ませるのであった。

 

……あ、いっけね、挨拶が遅れたねぇ。

 

俺はキング、現在は一人で30人以上もの胃袋を支えている〝炊事最高〟のヒーローでござんす。

 

大量の肉じゃがを残して昨日地球に帰還したジェノスの分まで頑張っている健気な男なんですよホント。

 

でもダメだね、あまりにも美味しく作りすぎたせいで肉じゃがとカレーはその殆どが避難民の人達の胃袋の中に消えて逝ってしまった。

 

さてと、マジでお昼どうしよっかなぁ……?

 

 

「ねぇキングぅ。……このカレーっていう食べ物、余っていたらいただけないかしらぁ?」

 

「お、ロゥリィちゃん。……いいよいいよ、どうせもうこれで終わりだしね」

 

「あらぁ、そうなのぉ?」

 

 

このゴスロリ少女の正体には最初驚かされたよなぁ……。

 

ロゥリィ・マーキュリー。

……曰く、暗黒の神エムロイに使える神官らしい。

 

あのゴスロリ服は、つまりはそう、神官服なのだ。

おったまげーΣ(・∀・;)

 

……まぁそれは良いとして、言語理解の技能のおかげで最初っから円滑な意思疎通がこなせたこともあってか、国防軍&ヒーローチームの中で俺がいの一番にロゥリィちゃんと打ち解けられたワケで、今もこうやって向こうから話しかけてくれているのだ。

 

 

「私もおかわりしようと思ってたんだけどぉ。みんな食べ過ぎよぉ」

 

「あれ、君の分じゃないの?」

 

「それはぁ、テュカ()()()の分、らしいわよぉ?」

 

「あっ……そうなのね」

 

 

いかんいかん、人の、じゃなかったエルフっ娘の心の闇にズカズカと踏み入るところであった。

 

レレイちゃんやほかの子に囲まれているあの娘、テュカちゃんの状態は見てくれは正常そうに()()()

 

実際、俺が手ずから治癒したから身体的な異常はないんだけども、彼女の精神に異常が認められた。

 

パーソナリティ障害。

……おそらく発症のキッカケは父親の死だと思われ、その現実を受け入れきれないあまり頭からその現実を切り離してしまったと考えられる。

 

彼女にしてみれば今も父親は健在であり、無事俺達に保護されていると信じきっているがために、どうにか精神の均衡が保たれているワケだけども、当然ながら健全な精神状態とは呼べない。

 

え?……なんで医者でもない素人の俺がそんな病気を知ってるのかって?

 

一番身近にそういうことに詳しい博士がいて、その人から簡単にレクチャーを受けたからだよ。

 

 

「……はい、これで売り切れだよぉ」

 

「しょうがないわねぇ。今日はこのくらいで我慢してあげるわぁ」

 

 

話によると、テュカちゃんはエルフの中でも精霊種に分類される希少な存在らしく、寿命という概念が存在しないとのこと。

 

それは見方を変えれば、生まれながらに彼女は膨大な時間を味方に付けているということでもある。

 

……テュカちゃん自身が抱える問題は、テュカちゃんが味方に付けている時間によって解決させたほうが良いのかもしれないねぇ。

 

テュカちゃんの親父さんの分のカレーを持っていってくれたロゥリィちゃんを見送りながらそんなことを考える俺であった。

 

 

「キングさん、少しよろしいでしょうか?」

 

「ほいっ。……って、クロカワさんでしたか」

 

「覚えていただいて光栄ですわ」

 

 

この基地にいる中で俺(263cm)の次くらいに背の高い女性(190cm)だもの、忘れるワケないですよぉ。

 

 

「コダ村での一件、お疲れ様でした。皆さんがいてくれたから犠牲者を出さずに済みましたもんで……」

 

「……いいえ、むしろお礼を言わなければならないのはこちらのほうですわ。国防軍(私達)だけでは到底、その全てを助けることが出来なかったのですから。それにいま彼女達のために膨大な書類と格闘しているイタミ二尉の代わりに避難民の皆さんの食事の世話までなさっている。本当に申し訳なく思うくらい尽くしてくださってますわ」

 

「仲間のヒーローもお腹を空かせていましたからね。こんな言い方は彼女達に失礼ですが、あくまで()()()です。まぁ当面の食事の面倒は見ますが、本格的な衣食住はそちらに頼らざるを得ません。……ということで、イタミさんによろしくお伝えいただけると」

 

「ええ。まずは住む場所を優先して下さいということで。嗚呼そうでしたわ!私としたことが大事な話を忘れるところでした!」

 

「?……何でしょキングちゃ〜ん!!俺はあなたが、好きだァァァァァァァァァ!!

 

 

……さっきまで晴天だったってのに、急に曇った?

 

否、それは断じて否。

……曇ったのは空だけではなく、俺の今後だ。

 

空を見上げる。

 

そこには、日の光を遮断するように持ち前の巨体と()()()()を目一杯に広げる、空飛ぶ強面オカマがいた。

 

 

エンジェル☆スタイィィィル!!

 

 

筋肉の膨張によって服が裂けて全裸になった。

 

どう見ても天使じゃない。

 

というか人間じゃない。

 

というかもう見たくない。

 

もう、帰ろうかな(震え)

 

……いや、突然現れた変態の怪人にクロカワさんは顔を青褪め、動けないでいる。

 

一人で逃げたら、クロカワさんの命は無いだろう。

 

 

エンジェル☆ハゴ スッ

 

 

はい、普通のチョップ、と。

 

ビンタしても良かったけど、それだと横方向にすっ飛んでいくためクロカワさんやロゥリィちゃん達、あと建物に被害が及ぶかもしれない。

 

そのため仕方なく地面のアスファルトにめり込ませることにした。

……後でイタミさんに謝らないとだなぁ。

 

 

「なんじゃなんじゃ!?何の音じゃ!?」

 

「一体どうしたの―――って、キャァ!?」

 

「何の騒ぎ?」

 

「あらぁ?何かしらこの……ホントに何ぃ?」

 

 

騒ぎを聞きつけてカトーさん達が来ちゃった。

 

アスファルトに半分めり込む全裸変態有翼マッチョを目撃し、あのロゥリィちゃんですら困惑を隠せずにいる。

 

これは隠しようがないねぇ。

 

 

「騒がせてごめんねぇ。てっきり怪人……この世界だと怪異か。怪異が襲撃してきたと思って脳天チョップを叩き込んだんだけど、よく見たら俺の仲間だったんだよぉ」

 

「「「「 仲間?……これが? 」」」」

 

ぷりぷりプリズナー。あの程度の攻撃で気絶してないのは分かってるから、後の自己紹介よろしく」

 

「うん!任されたぞキングちゃん!!」

 

「「「「 うぉぉ!!? 」」」」

 

 

頭からピューピューと血を噴き出しながらも平然と立ち上がり、自らの裸を惜しげもなく晒す強面オカマを前にして化け物を見るかのような目で恐れおののき後退するレレイちゃん達。

 

凄く分かる。……痛いほど凄く分かる。

 

俺だってお近づきになりたくなかったもん(半泣き)

 

 

「S級ヒーロー、ぷりぷりプリズナー。キングちゃんと、ついでにあなた達に会いに脱獄成功」

 

 

レレイちゃん達に短く淡白な挨拶を済ませた後、物凄い勢いで首を曲げ、熱の籠もった視線で俺を凝視するぷりぷりプリズナー。

 

当然、そんな視線は流水の如く受け流し、俺は隣にいたクロカワさんに話しかけた。

 

 

「クロカワさん。大事な話というのは、つまり()()が現着したということですね?」

 

「……え、えぇ、そうですわ。国防軍とヒーロー協会が協議した結果、彼ら『刑務サポーター』の特地での正式起用が決定したのは既に聞き及んでいるようですね?」

 

セキンガルさん経由で。……その刑務サポーターの監督役が暴走して襲ってきたのは感心しませんが」

 

「安心してくれキングちゃん!囚人(ハニー)達は別の場所で待機している。……あまり良い目では見られていないが、俺がいるからには囚人(ハニー)達を傷つけさせはしない!」

 

 

現在進行形で卑猥物陳列の罪を犯しているアンタに誰も守られたくはないだろうけど、サポーターの面々が無事来れたのなら、まぁいいか。

 

……ん、そういや()()()はいないようだけど?

 

…………………………あ、後ろか。ヒョイっとな。

 

 

「……いけず」

 

「再会のハグをするには、ちと間が短いと思ってね」

 

 

空間魔法でも使ったのかな?

 

俺の後ろに回り込んでバックハグしようとしていた()()の間合いから逃れ、さっと振り返る。

 

そこには、チャイナ服っぽいものを着込んだ金髪の美女が可愛らしくぶーたれている姿があった。

 

月の光を閉じ込めたような美しい金髪に、芸術的なまでに完成された美貌、出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ黄金律を体現する体型。

 

傾国の美女とは、彼女のことを指す言葉と言っても過言ではないだろう。

 

……これで軍の一個師団を凌駕する戦闘能力を持っているんだからとんでもないよねぇ。

 

テュカちゃん達も見惚れちゃってるし。

 

 

「アレーティア……いや、今はS級ヒーローのユエと言ったほうがいいかな?」ニヤッ

 

「……私も来た。コッチ側に」ニコッ

 

 

S級1()5()位 ユエ

 

S級18位 ぷりぷりプリズナー

 

 

刑務サポーターとその監督役のぷりぷりプリズナー、駄目押しと言わんばかりのユエがジェノスの代打か。

 

中々悪くない布陣じゃないか……!

 

 

「……キング、色々な人からあなた宛てに言伝を預かってる。でもまずは、あのイケメンから」

 

「ほぅ?」

 

 

イケメン……あぁ、もしかしてビュウト君からかな。

 

なんじゃらホイ?

 

 

「……ネオヒーローズの件、どうにかなりそうだって」

 

 

……なるほどね、そりゃ良かった。

どうやら俺の苦労も少しは報われそうだねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬が牽かないのに、馬よりも速く疾走する馬車。

 

炎龍の翼を抉った魔法の杖。

 

アルヌスの丘に築かれた堅牢にして巨大な城塞。

 

けたたましい音を立てて空を飛ぶ、巨大な鉄のトンボ。

 

一本切り倒すのに、(きこり)が半日かかるほどの巨木を瞬く間に倒してしまうノコギリ。

 

土木作業員100人分は働いて地面を掘り返してしまう、巨大なスコップの付いた鉄の車。

 

そして―――炎龍を屠り去る英雄の実在。

 

ハッキリ言って、レレイは驚き疲れていた。

 

あまりにも理解しがたい非現実的な出来事が重なって、レレイの明晰な頭脳はオーバーヒート寸前であったのだ。

 

 

「……さて、積もる話もあるけども、まずは刑務サポーターの面々にも挨拶しとかないとねぇ」

 

「……今後背中を預ける仲だから、どういった連中か知る必要があるってこと?」

 

大賛成だキングちゃん!ハニー達もキングちゃんに合いたがっていたからな。着いてきてくれ!

 

 

コダ村からここまで自分達を連れて来てくれた大男キングと、金髪の美女(キングの言から名前はユエか?)の口にする言葉が不思議と理解できる。

 

口の動きを観察した感じ、話している言語自体は全く変わっていないにも関わらず、緑の服を着た人達や自分達とも何不自由なく意思疎通がこなせているのだ。

 

……いや、どちらかと言うと緑の服を着た人達と同じ口の動きをしていたため、おそらく出身も同じくしているのだろうが、どちらにしても不思議だとレレイは物珍しそうにキングをずっと観察していた。

 

すると、全裸の変態の手招きを受けてキングが何処かへ行こうとしているではないか。

 

ここで物理的に距離を離されるのは都合が悪い。

……刑務サポーター、サポーターの意味は分からないが、刑務と言っているところから何かしらの罪を犯した者と会うつもりなのだろうと推測し、レレイは行動を開始した。

 

 

「……あれ、レレイちゃん、君も来るの?」

 

「言動から察するに此処で一緒に生活をする間柄になる。なら早めに知り合い交流を深めるのが効率的」

 

「え、そうなのキング!?……も、もしかしてそこの裸の翼人みたいなのがいっぱい……(/////////)」

 

「いや、それはないよテュカちゃん。絶対ない。このぷりぷりプリズナーがおかしいだけだから」

 

おかしい?……いや、違いないな。キングちゃんの海より深い〝愛〟によって俺は、身も心もおかしいくらいに塗り替えられているのだから!

 

「……聞かん坊なところがあるから、何なら無視してもいいよ」

 

 

なんだかんだありつつも、同行自体は認められたレレイ。

 

 

「わ、私もついていくわ!」

 

「私もぉ。仲間外れになんて、しないわよねぇ?」

 

「行ってくるがよいレレイ。儂はもうちょっとゆっくりしていくわい」

 

 

……赤面しながらも興味津々なエルフのテュカと、意味ありげな笑みを浮かべるエムロイ神官のロゥリィが付いてくるらしいが、レレイとしては特に問題はなかった。

 

ロゥリィのほうは何故かハルバートを担いでいたが。

 

 

それではキングさん、私はこれから仕事がありますので……

 

「あぁいえ、クロカワさん、お忙しいところありがとうございました」

 

「……サキ()という愛妻(おんな)がいながらほかの女と浮気。これは即通報レベル……」

 

「やめい。そういう関係じゃないっての。……コラコラ、マジで電話を出すんじゃない!俺は無実だぁ!」

 

「……男は大抵そう言う。黙ってほしかったら今夜私と夜の戦いをする必要がある」

 

何ッ!?俺も参加できるのかユエちゃん!?いや、無理矢理にでも参加するぞ―――

 

「「 ダブル普通のパンチ 」」

 

うおぉぉぉおお!!?〝愛〟は不滅だァァァァァァ!!!

 

 

キングとユエのダブルパンチを受け、遥か彼方へ吹っ飛んでいった全裸の変態。

 

その死(※残念ながら死んでません)を悼む間もなく、レレイ達はユエに先導されるキングの後を付いていった。

 

……何気に、師弟の合わせ技が炸裂した初めてのタイミングである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よくよく考えればそうだった」

 

「何が?」

 

「……レイタロウは金髪の子が好み。プリズナーは論外として、さっきのクロカワって女も金髪じゃなくて黒髪だった。あれじゃあ勝負の舞台にすら立てない……」フッ

 

「言うてゲームセットしてるんだけど」

 

「……愛人王に、(おれ)はなる……ッ!!」

 

「麦わらに謝りなぁ?」

 

「……もしかして、あの耳長の金髪の娘を狙ってる?」

 

「いやいやいや。……当然、狙ってないですよぉ?」

 

「……気を付けたほうがいい。あの娘のストライクゾーンには私すら含まれている」

 

「それって君のほうが気を付けるべき案件じゃない?」

 

「……世の中にはNTR(寝取り)という業深いジャンルがある。私が仮にあの娘に寝取られたら、レイタロウはあまりのショックに異世界への扉を開いてしまうかもしれない」

 

「クソッ、もしかしなくてもサキ氏の入れ知恵だなぁ?帰ったらとっちめないと……!」

 

「……サキ氏は私の第二の故郷。それはそうと着いた」

 

 

言語自体は分かっても、キングとユエが何を言っているのかよく理解らずにいたレレイ達。

 

とりあえず、キングが金髪の子を好んでいるということだけ把握した時点で、ようやく目的の場所に辿り着くことが出来たらしい。

 

そこは、周りの建物と比べて一回りも小さな(小さいと言ってもレレイ達が暮らしていた家よりも大きいが)建物であり、見てくれ自体は何の変哲もなかったが、レレイでも感じられるほどの大量の人の気配が集まっていた。

 

 

「……正確な人数は把握してない。けど、ざっと50人以上は集まってると思われる」

 

「全員が全員、ぷりぷりプリズナーと同じ臭蓋獄の出身なのかねぇ?」

 

「……さぁ。とにかく見てもらったほうが早い」

 

「そうだねぇ。すみませーん!出てきていいですよー!」

 

 

キングの野太い声とともに扉が開かれ、中からぞろぞろと人が出てきた。

 

その誰もが例外なく同じ衣服を着た屈強な男ばかり。

 

凶悪な眼光を光らせ、大小様々な生傷を体中に張り付けるその様は、否が応でも堅気(カタギ)の者ではないことを如実に表していた。

 

 

ドッドッドッドッドッドッ

 

 

突如として大気を震わせる爆音が鳴り響く。

 

その音に注意を向けるあまり、キング自身の立ち姿に僅かながらの変化が生じていたことに気付いた者は、ごく一握りしかいなかった。

 

 

「(……彼、一体どこまで使()()()のかしらぁ?)」

 

 

エムロイ神殿の神官して何百年にも渡って血と闘争に明け暮れたロゥリィは、キングの現在の立ち姿に言いしれぬ不気味さと畏怖を覚えていた。

 

 

「(炎龍が襲って来た時も、避難民の誘導に終始するのみで結局その実力を垣間見ることが出来なかった。……それで今日、ようやくその実力を拝めると思ってたのに、あの全裸の翼人を殴り飛ばす瞬間を目で追うことが出来なかった。()()()()()()()()()()()()()()……)」

 

 

()()()()()、今までの長き人生でまずなかったことだ。

 

 

「(……敵として相対すれば、私は負ける。負け方までは想像できないけど、負けるってことだけは確信を持って言えるわぁ)」

 

 

見え透いた結末。

……それ故に、ロゥリィは心底興奮していた。

 

 

「(……何とか理由を付けて戦いたいものねぇ。今まで重ねた敗北は数知れないけれど、()()()()()()()()()()()()とは、ついぞ会えなかったわぁ。……言ってしまえば、彼が私の()()()―――)」

 

「「「「 キングさん、今日からよろしくお願いしますッ!!! 」」」」

 

「……えぇ?」

 

 

誰の口から零れた声なのか、空気の抜けたような疑問符が空間を木霊した。

 

目の前にいる男達は一様にキングに頭を下げている。

 

 

「俺達はッ!!」

 

「人生をやり直すチャンスをッ!!」

 

「「「「 キングさんから貰いましたッ!! 」」」」

 

「国のために命がけで働く軍人さんッ!!」

 

「平和を守るために戦うヒーローの皆さんッ!!」

 

「マジでリスペクトするッス!!」

 

「そんなスゲー人達のお役に立てるようッ!!」

 

「「「「 粉骨砕身に働き、真面目に職務に従事し、世間様に顔向けできるような立派な人間になることを、ここに誓いますッ!! 」」」」

 

 

見るからに悪人面な野郎共の口から飛び出したとは思えないほどの立派な宣誓に、言葉までは分からないまでも、ロゥリィ達は目をパチクリとさせて困惑するほかなかった。

 

 

ドッドッドッドッドッドッ

 

 

「ほ、ほどほどにね……?」

 

「「「「 はいッ!!! 」」」」

 

 

キングの狼狽え気味な言葉に、男達は威勢のいい掛け声で応えた。

 

ここに、刑務サポーターとの協力関係が始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(異世界、トータス、天職……あっそうだ。いいこと思いついたぞ!中々面白い考えじゃないか……?)」

 




次回、刑務サポーターの強化テコ入れ回です。

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