ホウエンチャンピオンは帰りたい   作:鵲一号

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どうして主人公にORASの主人公を選んだのか?
互いの設定的に、ものすごく帰還させやすい要素が揃っていたから、というものがありました。
唯一両親が揃っている主人公でもありますし。


後編

その日も私は諦めること無くナックルシティ……いやさ、ガラル地方に帰る手立てを探していた。

このトリステイン地方にきてもうどれくらいだろうか、半年は経ったか?

まったくもって迷惑な拉致をしてくれたものである、あの……なんだっけ。

モモンの実、みたいな髪色だったことは、覚えているんだが。

まぁどうでもいい。

 

「あっ! チャンピオンさんだー! ひっさしぶりー!」

「……モンモン?」

 

 

今回はここ、タルブタウンという地に足を運んだのだが、まさかの再会であった。

姿は見知らぬ少女のもの、声も聞いたことがない。

しかしあの元気溌剌さと私を“チャンピオンさん”と呼ぶ者など、この地方にはモンモンしかいるまい。

厳密に言えばシエスタさんも、私をチャンピオンさんと呼ぶが、あの姿はどう見てもシエスタさんではないし。

というか一人なのかモンモンは?

 

「元気だったかモンモン」

「そりゃもー元気元気。毎日お仕事たのしーし、お料理もおいしーしね」

「……その楽しいお仕事はどうしたんだ?」

「あっ、そーだったそーだった。チャンピオンさんイーところに来たね! ナイスタイミンッ!」

 

イーッと歯を見せて笑うモンモン。

はて、ナイスタイミングとは?

 

「こっち来てこっちっち!」

 

ニビジムを攻略していないのにおつきみやまに向かおうとするトレーナーのように、私は強引にモンモンに手を引かれ連れられていく。

このままタケシ氏と戦わされるのだろうか。

なんてアホな事を考えていたら。

 

「おーいシエスター! 丁度いい時にいい人が来たよー!」

「もう、モンモン、何処に行って……。あ、チャンピオンさん!」

「これは……お久しぶりです、シエスタさん」

 

手持ちポケモンだけがいて、トレーナーがいないはずもなかったか。

モンモンはシエスタさんにぎゅうと、抱きついている。

これは、おんがえしを使ったら威力102くらいは、出るだろうな。

 

「チャンピオンさん、本当に丁度いい時に来てくださいました」

「モンモンからも聞いてはいたんですが、それはどういう事で?」

「ええと……ちょっと私にも事情はよく……とにかく歩きながら説明しますね」

 

シエスタさん曰く。

今は学園(トリステイン地方ではスクールのことをそういうらしい)から長期休暇を貰っていて、今は里帰りの真っ最チュウだということ。

一緒につれてきたモンモンが、いきなりボールから飛び出しその辺の女の子にへんしんしたと思ったら、強引に連れて行かれたとのこと。

その連れて行かれた場所は“家の掟で開けてはいけない”という蔵だったこと。

モンモンがどうしても“懐かしいニオイがする”と騒ぐので、家族に内緒でこっそり開けた所。

ある物を見つけた、という。

そのある物というのが……。

 

「これなんです」

「────────これは」

 

マスターボール。

一般には流通していない、ボール製造工場か、その上役の会社が、何かの記念か、大会商品などで授与するために製作する特別なボール。

その効果は“必ずポケモンを捕まえる”という破格のもの。

相手がポケモンなら、伝説のポケモンでも、ウルトラビーストでも、コイキングでも、なんでも。

ボールが当たりさえすれば、本当に100%の確率でゲットしてしまうのだ。

かくいう私も、荒ぶるグラードンを鎮める際に、マスターボールを渡されたので、その効果の程はよく知っている。

そんなシロモノがなぜ……ここに?

トリステイン地方はモンスターボールも流通していない、未開の地だったはずでは?

 

「ね、これマスターボールだよねチャンピオンさん」

「……あぁ、間違いない」

「マスターボール?」

「モンスターボールの一種ですよ。それも特別な」

「これをポケモンになげるとなんでも捕まえちゃうんだよ! おっそろしー」

「ええ!? モンモンでも!?」

「あ、いえ。既にポケモンボールと紐付けされているポケモンは、自動で投げられたボールを弾くので、モンモンは大丈夫ですよ」

「なんだ……よかった」

 

最も、かなり遠い地にある、オーレ地方では、悪の組織が“スナッチ”なる、人のポケモンを奪う技術を開発した、というのだから恐ろしいが。

まあ数年前にネットニュースで、悪の組織の壊滅と、技術の抹消が決定された事が報じられたので、そこまで心配ではないか。

ともかく。

 

「……なぜマスターボールがこんなところに?」

「ねーフシギダネ。でもなんかぼく、このボールからすごく懐かしいニオイがするんだ」

「それは……名無しの洞窟にいたポケモン……、ということか?」

「んー……かもしんない」

 

名無しの洞窟と一口に言ってもカントーとカロス、二つに存在する。

だがモンモンはカントー出身だ。

となると、通称“ハナダのどうくつ”ということになるだろう。

ハナダのどうくつに生息するポケモンは……確か……。

ラッキーやサンドパン……ドードリオ……モルフォンにスリーパー……サイドン、ガラガラ……。

マルマインとオコリザル……レアコイル……。確か近年ソーナンスやアブソルの姿も確認できたか……。

ギャラドス……ゴルバット……それにモンモンもそうであるようにメタモン……。

そして滅多に表に出ないが、それらのポケモンの進化前……。

あとは……。

あとは……?

……………………。

……まさか。

 

「…………ミュウ、ツー?」

 

先に挙げたポケモン達に、マスターボールを使うとは思えない。

こうは言っては何だが、ハナダのどうくつ内部に多数生息しているし、なんなら別の場所でも出会えるポケモン達だ。

ここぞ、ここしかない、というタイミングで投げるに値するポケモン達では……ない。

ミュウツーの捕獲を担当されたのは、同じカントー出身であるチャンピオン歴もあるレッド氏……。

トレーナーに任せるなら、私もそうであったように、伝説のポケモンを捕獲するために、マスターボールを渡されていてもおかしくは……ない。

まずいな。

考えれば考えるほど、中身がミュウツーとしか思えなくなってきた。

あのレッド氏でさえ、捕獲するのに大怪我を負ったポケモンが、この中に?

“はかいのいでんし”を持つと言われるポケモンが、ここに?

…………私の手持ちで抑え込めるか。

しまったな、あくタイプのポケモンがいない。

はがねタイプのボスゴドラなら、エスパー技を半減できるな。

しかし、はどうだんやきあいだまを撃たれたら一巻の……。

ならばとくぼうの高いサーナイトで……。

……いや駄目だ。何故真っ先にバトルになる思考に入っている。

話せばわかる……かもしれない。

ミュウツーは知能が高いそうだし……。

話せば……わか……る……。

多分。

きっと。

おそらく。

メイビー。

 

「あー! なんのニオイかと思ったらミュウツーかー! これ!」

「う、モンモン、理解ってしまったのか」

 

できればハズれていてほしかった。

コイキングとか入っててほしかった。

 

「みゅうつー?」

「あんね、すっっっっっっっっっっっごく強くて、すっっっっっっっっっっっごく凶暴なポケモンなんだよ」

「ええええ!?」

「まあ驚くでしょうね。私も驚いてます」

 

はてさて……目の前に座すは中身がミュウツーだと確定したポケモンボール。

語りかけるか、いきなり開けるか。

ん、待てよ?

 

「モンモン、シエスタさん、このマスターボールになにかリアクションは?」

「んー、それがね」

「とりあえずモンモンが中にポケモンがいるっていうんで、話しかけたり、ボタンを押したりしたんですが」

「なーんも反応ないの。揺れすらしないし出ても来ない」

 

何気に危ない橋、渡ってるな、二人共。

下手したらこの村、壊滅してたぞ?

しかし、揺れないのはともかく、開閉スイッチを押しても出ない、か。

モンスターボールは、ポケモンとモンスターボールに対する知識が浅い者に誤解されがちだが、決してポケモンを一方的に閉じ込める牢屋ではない。

目の前にいるモンモンがそうであるように、自分から勝手にボールを飛び出すこともできるし、出たくなければ出るのを拒否することもできる。

つまり、ミュウツーは何らかの理由で、ボールから出ることを拒否しているのだ。

話しかけても何も反応しないのを見るに……恐らくは、心因性のなにかで。

ミュウツーは人工ポケモンだ。

エーテル財団が論文で公表した“アルセウスを目指して作られた”シルヴァディというポケモンや、ポリゴンのように皆に親しまれる用途を思って作られた、いわゆる“望まれて作られた”ポケモン達ではない。

ミュウツーは、ミュウのまつげのDNAを研究している時に“作れたから作った”という身勝手な理由で作られたのだという。

カツラ氏とフジ博士の、懺悔するような、絞り出す声でのインタビュー映像が、今でも鮮明に思い出せる。

恐らくは、それが野生化して凶暴だった理由。

恐らくは、それが捕獲されて心を閉ざしている理由……か?

……なんにしても、私も話しかけてみなければなにも進まない。

マスターボールを拾い上げ、語りかける。

 

「……君は、ミュウツーなのか? ……それとも別のポケモンなのか? 聞こえていたら、少しでも反応してほしい」

 

何も反応がない。

 

「……反応する気がないのか? それとも聞こえていないのか?」

 

……何も反応がない。

 

「……心を、閉ざしているのか……?」

 

…………何も、反応がない。

ううむ。

なしのイシツブテだ。

こうまでスルーされるともしかして中身ないんじゃないかと思ってしまう。

だがモンモンが、他でもないポケモンが、同族のニオイを感じ取っているのだ。

ポケモンは、人間より遥かに優れた身体能力を持つ。

嗅覚とて、それは同様。

そんなモンモンが言うのだから、中にポケモンが入っているのは間違いない。

間違いない……が……。

 

「駄目だなぁ……」

「チャンピオンさんでもだめかー」

「せめて声じゃなくて、思いでも伝えられたらいいんですけどね……」

「そうですね……、ん? 思い……?」

「え?」

 

そうか────!

 

「サーナイト!」

 

ポン、と軽快な音と共にサーナイトが優雅に飛び出す。

 

「わ、綺麗な人」

「シエスタシエスタ、これポケモン」

「えええええ!?」

 

……確かにサーナイトは、タマゴグループがひとがたではあるが。

モンスターボールから出てきたのに、人間だと思うのはどうなんだろうか……。

ともかく。

 

「サーナイト、念力で、私の思念を、このマスターボールの中のポケモンに繋げてくれ」

 

サーナイトが何故? とでも言うように首を傾げる。

 

「恐らく、中身はエスパータイプだ。特性がテレパシーではないお前でも可能なはず。──頼む」

 

サーナイトは目を伏せて、首を横に振る。

危険なのだろう。

 

「危険は承知の上だ」

「おー! そのテがあったか!」

「? ???」

 

サーナイトは、渋々ながらも頷いてくれた。

目を閉じ、意識を集中する。

脳内に、サーナイトの念力が流れ込んでくるのを感じる。

それが、マスターボールに繋がるのも。

語りかけるなら、これしか、ない。

 

『……聞こえるだろうか』

【…………………………何者だ。…………………………我が眠りを、覚ますものは】

 

────!

繋がった!

 

『いきなり不躾ですまない。私はホウエン地方のチャンピオン。ポケモントレーナーだ。目の前に沈黙したモンスターボールがあると相談され、居ても立っても居られなくなり、語りかけた。不愉快にさせたら申し訳ない』

【ポケモントレーナー…………、か…………】

 

……怒りだす気配は、ないな。

もちろん慎重にコトを運ばなければいけないのは、確かなんだが。

心因性の何らかを患っている可能性が、あるんだからな。

 

『よかったら、いくつか質問をして構わないだろうか』

【……………………我に何を問う、ポケモントレーナー】

 

思ったより寛容だな……。

 

『君は……その……ミュウツー……なのか?』

【然り】

 

おおう。

モンモンビンゴ。

 

『ここはカントー地方から遠く離れた地だ。何故こんな所に独りで?』

【……………………ふむ】

 

む、まずい、地雷だったか?

間が長かったぞ。

 

【それに答えるにはここは窮屈だ。ボールから手を離せ、ポケモントレーナー】

「え?」

【出る】

 

私がなにか答えるまでもなく、ミュウツーはボールから飛び出した。

カツン、と音を立てマスターボールが地に落ちた。

身長2.1m。それが宙に浮いている。

成人男性の平均身長を、優に超える偉丈夫が、こちらを見下している。

……すさまじいプレッシャーと、きんちょうかんだ。

 

「おー、ミュウツーだー。ひさしぶりにみた」

「ひえええええ!?」

 

この両者の反応の違いよ。

モンモン、のうてんきすぎやしないか?

シエスタさんは腰を抜かしているというのに。

サーナイトが私を庇うように前に出るが、多分大丈夫だと思う。

肩に手をやり安心させてやる。

 

「サーナイト」

【ふむ、そちらの小娘……いや、メタモンか。その気配は、かの洞窟に居た個体だな】

「あれ、バレた」

「ええええ!? なんか頭の中に声が!?」

【そちらの娘がメタモンのトレーナーか。まぁいい。トレーナーが二人ではややこしいな。では、そうだな、ホウエンのチャンピオンよ】

「……あぁ」

【ずいぶんとポケモンに慕われているようだな】

「……お陰様で、な」

【フン。──貴様の問いに答えよう】

 

【何故我が“この世界”に居るのかを】

 

………………。

なんだって?

────世界?

 

 

【元々我は、フジ博士と共にシオンタウンにいた】

「シオンタウン……、カントーの街か」

【そうだ。フジ博士は、死んだポケモン達を慈しみ、ポケモンタワーにて霊を慰めるため、あの街に居を構えていたのだ。我はそれに沿っていただけにすぎない】

「……その、なんだ。ナイーヴな話だったら謝るんだが……」

【何だ】

「フジ博士の事を、まぁ……なんていうか……」

【許しているな】

「う、そう、聞きたかったです、はい」

【仔細は省くが……、我は彼と対話をしたのだ。長い時間、な。それゆえ和解した……、とだけ言っておこう】

「そうだったのか……。それは、よかったな」

【貴様に祝われるような話でもない】

「……すんません」

 

わかっちゃいたが、寛容なだけで結構ツンだな。

さすがはミュウツーと言ったところか。

ところでポケモンタワーとは、もしかしなくても、現ラジオ塔のことだろうか。

ということは、ミュウツーはラジオ塔に改修される前の時間からこの地方に来ている?

……言わないほうが良さそうだ……。

 

【そうしてシオンタウンで暮らしていたある日、フジ博士の眼の前に、謎の円形が現れた】

「謎の、円形?」

【人の身の丈ほどだろうか。反射はしていないので鏡と評するのは少し違うかも知れぬが。とにかく、そういった物体だ。年齢もあり、耄碌していたのだろう。フジ博士は、不用意にそれに触れようとした。我は危険視し、それに割り込んだ】

「……私が、この地方に来た時と似ている……」

【同じ案件なのだろう。我らも、気がつけばだだ広い草原にぽつりと立っていた。何故か、フジ博士は、若返った姿になってな】

「……若返った? どういう事だ」

【解らぬ。我は、セレビィの“ときわたり”の影響ではないか、と睨んでいるが】

「ジョウト地方の伝説のポケモンか……」

 

セレビィ。

ときわたりポケモン。

澄んだ森がある場所に現れ、傷を癒し、草木に力を分け与える。

未来からやってきたとも言われて、物体の時間を操作するチカラを持っているんだとか。

あくまで文献を読んだだけなので、その実態までは知らないが。

他にも似た能力で言うと、シンオウ地方の伝説のポケモン、ディアルガが時を操る能力を持っているとか、いないとか……。

まあ、当事者のミュウツーがわからんというのなら、わからんとしか言いようがない。

今は言及を避けよう。

 

【そうして若返ったフジ博士と我は、この世界を探索……、違うな。一人のポケモントレーナーと、一匹のポケモンとして、冒険を始めたのだ。気持ちまで、若返っていたようでな。あの時は、それはもう楽しそうにしていたものだ……】

「…………」

 

郷愁に耽るような声音をしている。

今この場にフジ博士がおらず、ミュウツーがマスターボールに引き籠っていたということは。

……そういう事なのだろう。

 

【我々は冒険の中で、元の世界に帰る手段を発見した。が、それは我々には不可能な手段であった。故に、フジ博士はこの世界に骨を埋めることを決意した。最終的にこの村に流れ着き、伴侶ができ、子が産まれ、孫が産まれ、若返る前の容姿にまた戻り、そして…………、帰らぬ人となった】

「…………、そうか……、フジ博士は、この地で亡くなられたのか……」

【そして我は……フジ博士を……、いや、我が父を、亡くしたショックで、すべてを拒否し、ボールに閉じこもっていたのだ。フン……、我ながら女々しいことよ。笑うなら笑え】

「笑えるものか……」

 

少し、ショックな話である。

同じ境遇にあった人が、帰らずにいたままだったとは。

もしや自分も……と、想像せずには居られない。

……ん?

ちょっと待てよ?

 

「今元の世界に帰る手段を発見したと言ったか? それを教え……」

【貴様に教える義理はない】

「ぐ、ぐーッ」

 

ですよねー。

ただでさえツンなミュウツーが、情報提供なんざしてくれるはずもなかった。

帰りてえなら自分で探せや、っつーコトなのだろう。

 

【我がこの地にいた理由は、以上だ。原因などは解らぬままだがな】

「……もう一つ聞きたい。どうして、目覚めてくれたんだ?」

【叩き起こされただけだ。と、言いたいが、我が父と同じ世界から来たものを、無碍には出来なかったのだろうな。我も甘くなったものよ】

「そうか……」

【貴様もこの村に住めばどうだ? 話し相手くらいにならなってやらんでもない】

「私は帰りたいの」

【つまらん】

 

悠久を生きる伝説のポケモン様のお相手なんぞしていたら、それこそ死んでしまうわ。

情報を持っているミュウツーがアテにできない以上、なんとかしてどこからか文献でも探さなければ……。

そう思っていたら、となりでおずおずと手が上がった。

 

「あ、あの~……」

「どうしました?」

「えっと、その、ミュウツー、さん? でしたっけ」

【そうだ。我に何用だ、メタモンのトレーナー】

「あ、シエスタっていいます」

【個体名なんぞ覚える気はない】

「そ、そうですか……」

 

うむ、誰にでも平等にツンだな、ミュウツー。

シエスタさん、露骨に凹んでいるぞ。

 

【で、何用だ】

「……はっ! そ、そうでした。その、さっき聞こえたフジって名前のお祖父ちゃんなんですけど……」

【我が父がどうした】

「お子さんなんですか?」

【生み出された、という意味では、そうだな】

「……??」

 

こればかりは説明してもピンとこないだろうなぁ。

ミュウツーも詳しい説明をする気はなさそうだし。

勝手に話したら殺されそうだし。

 

「えーと、ていうことは、私とミュウツーさんて親戚なんだなぁ、なんて、思ったりして……」

「…………はい?」

【…………………………、……なん、だと…………?】

「え? え? どゆこと?」

「え、あの。うちの先祖代々のお墓に刻んである名前だったんで……」

【ミュ、ミュー……!?】

「ミュウツーがテンパってる!?」

 

ミュウツー は こんらんしている!

 

「えーとつまり、そのフジって人は、シエスタの遠いおじいちゃんだってこと?」

「そうよ、多分だけど」

【な、な……、父の子孫…………!? お前が……!?】

「は、はい……、いけませんでした……?」

【……せろ】

「え?」

【墓標を見せろッッ!!】

「は、はいいいいいいッ!!」

 

すごい勢いでオーラを発するミュウツー。こええ。

しょんべん漏らしそうなプレッシャーになんとか耐え、我々一行はシエスタさんの案内で、シエスタさん家の墓地に向かった。

 

「こ、ここ、これでひゅ」

【…………!! ……間違いない、カントーの文字だ……!!】

「本当だ……、私にも読める……」

「読める! 読めるぞ!」

「えっ、みんなも読めるんです? モンモンまで?」

 

という事はミュウツーの言う通り、この墓にフジ博士が眠っているのだろう。

墓石にはなにやら、カントーの言語でメッセージが掘られているようだ。

ミュウツーはそれを熱心に読んでいた。

横から盗み見するのは、あまりにも野暮であろう。

遺族(ミュウツー)の手前、安易な真似は出来ないので、黙祷だけしておいた。

 

【…………。そうか…………。父は…………、子孫を、遺していたはずだったのにな……。我は、何を…………】

 

…………。

ミュウツーが墓に手を当て、悔やむような声を絞り出していた。

今までの時間、フジ博士の子孫の教育でもしていれば、と思っているのだろうか。

まぁ、私は……、気持ちの整理をつける時間は、大事だったと思うが……。

 

【────シエスタと言ったな】

「え? あ、はい……」

【これを持て】

「え……」

「マスター、ボール……」

「それってミュウツーの……」

【我は、父の遺したものを大事にしたい。今そう、墓前で誓った】

「…………」

【故に、お前は今から我のトレーナーだ】

「え」

「えー!?」

「なんとまぁ……」

 

なかなか理論が飛躍した気がするぞ。

シエスタさん大丈夫か? 付いてこれてるか?

 

「トト、トレーナーって、モンモンみたいな……」

【そうだ】

「うっそ、ぼくミュウツーと同僚?」

「えええええええええええええ!!」

 

付いてこれてないよな……やっぱ……。

その後しばらく、シエスタさんが正気に戻るまで時間を要した。

 

 

「じゃあ、これからよろしくお願いします、ミュウツーさん」

【さん、は不要だ。父の子孫なのだからな】

「う、うーん……」

 

このプレッシャーにいきなり慣れろというのも無茶だよなあ。

 

【────さて、ホウエンのチャンピオンよ】

「おっと、私か?」

【貴様が我を起こさねば、我は子孫に相まみえることもなかった。貴様のお節介に、礼を言わんでもない】

「……それは、どうも」

 

ツンが少しデレたようだ。

なんて言ったらぶっ飛ばされそうだから、言わないが。

 

【貴様、元の世界に帰りたいと言っていたな。礼として、手を貸してやらんでもないぞ】

「────本当か!」

「やったじゃんチャンピオンさん!」

 

モンモンに背中をバシバシ叩かれる。

いや、なんとまぁ、瓢箪から駒というか、人生万事塞翁が馬というか。

情けは人の為ならずというか……。

 

「おしえてくれ たのむ!」

【まあ落ち着け。前提条件として、貴様、飛行するポケモンを連れているか】

「……? あぁ、手持ちにいるけど……」

【それは高速飛行が可能か。例えば、カイリューのような】

「カイリュー……? カイリューの速度は確か……」

【時速約2,500km。16時間で地球を一周するしんそくだ】

「そこまで出たかなぁ……」

 

そこまで求められるのだろうか。

少し不安になってきたぞ。

 

「え……っと、一応、こいつなんだけど……」

 

ポン、と軽い音と共に、風切音が轟く。

 

【ほう、ラティオスか】

 

ラティオス。

むげんポケモン。

腕を折りたたんで飛べば、ジェット機を追い越すスピードだと言われているポケモンである。

ダイゴさんと一緒に、こいつに粘着していた悪漢を追い払った際に、付いてきてくれることになった子だ。

 

【ん? 何を持っている。それは……メガストーンか】

「メガストーン……?」

「特定のポケモンは、メガシンカと言って……ってまぁ、分かりませんよね……」

「わかりません」

 

シエスタさんは目を丸くしているばかりである。

 

【そういえば父は往年、メガシンカの研究に熱意を注いでいたな……】

「へえ、そうだったのか」

【我を捕獲したトレーナーも、リザードンをメガシンカさせていたものだ】

「それは……、初耳だな」

 

あのレッド氏がメガシンカ使いだったとは。

古い雑誌の、まるで水彩画のような写真近影ばかり脳に焼き付いているせいか、あまりイメージになかった。

 

【ふむ……。メガラティオスならば、不足はなかろう】

「と、言うと?」

【元の世界への帰還の方法。それは、成層圏まで飛ぶ必要があるからだ】

「成層圏か……。レックウザの住処だな」

【この世界にはおらんぞ】

「そうなのか……」

 

レックウザといえば、一緒に隕石を破壊したものである。

懐かしい思い出だ。

今はどうしているだろう、元気にやってるだろうか。

 

「というか……ちょっと待ってくれないか? いや、情報は欲しいんだが、その前に聞きたいことがあって」

【なんだ?】

「さっきから元の世界この世界って……。ここ、ガラルから遠く離れた地方じゃないのか?」

【…………】

「ああッ、ミュウツーがすごく遠い目をしている!」

「私、なにか言っちゃいました?」

【貴様、底抜けのアホか?】

「そこまで言うか」

 

そこで初めてミュウツーから聞かされた情報によると、この世界はマジでポケモン世界とは別の異世界らしい。

いや、だって、野生ポケモンが、いたじゃんよ……?

 

【それらは、我々のように迷い込んだ個体なのだろう】

「あ……、そうだったんスか……」

【野生ポケモンがいるからと、疑問を抱かないとは……、これだからポケモントレーナーは……】

「私を悪く言うのは構わないがポケモントレーナーは嫌いにならないで下さい」

【どの口がほざく、どの口が】

「はぐ!」

 

きゅうしょに あたった!

 

【話を戻すぞ】

「はい」

【この世界と元の世界は、皆既日食の日に、二つの世界を繋ぐ扉が開き、日食に向かい飛び込むことで、二つの世界を行き来することが出来るという】

「日食に、向かい……? どういうことだ、皆既日食は自然現象であって、物理的な何かじゃないぞ」

【そこは我も知らぬ。実際に皆既日食に向かい飛んでみなければ分からない】

「試したことはないのか?」

【残念だが、我はそこまでの速度では飛べん。日と日が完全に重なるほんの一瞬しか、扉は開かないそうだからな】

「……シビアだなぁ……」

 

話が本当なら、作戦はこうなる。

皆既日食発見! すぐに離陸する! ほんの一瞬を狙って太陽にダイブ! 失敗すればそのまま宇宙にシュポーン。

……かなり、リスキーでは?

 

【まぁ、身の安全は保証出来んな】

「だよな……」

【それでもやる、というなら、皆既日食が起こる日程程度は確認してやろう】

「分かるのか?」

【我を何だと思っている】

「ミュウツー様ですよね」

 

さすがプロだ。

ちがうなぁ……。

ま、とはいえ、やれるだけやってみよう。

 

【身の安全は保証できんと言ったが、そのように気楽でよいのか?】

「まぁ、私、こういうの持ってるし」

 

そう言ってマグマスーツを取り出す。

マツブサさんから貰ったまま、カバンに仕舞いっぱなしだったが、それが功を奏したと言える。

これ、メガレックウザと一緒に隕石に激突しても無事で居られるシロモノだからな。

すごいからな、マグマ団のかがくのちから。

もし万が一ラティオスといっしょに宇宙にシュポーンしてしまっても、すぐ戻ってくれば大丈夫だろう。

ラティオスの方も、メガシンカすれば、宇宙でもいくらかは耐えられるはずだし。

 

【…………ズルいな、貴様】

「ズルいとか言わないで?」

「……なんです? その……服?」

「すごいスーツなんです」

「へぇー……」

 

シエスタさんはしげしげとマグマスーツを見ている。

いいでしょう、一張羅なんですよ。

 

【帰還の意思があるのはわかった。皆既日食の日程は調べてやるゆえ、それまで我が村で呑気に待っているが良い】

「もう自分の村扱いしてるしー」

【なにか悪いか? メタモンよ】

「べっつにー?」

 

モンモンは害がないと分かったからか、ミュウツーに速くもナメた態度を取り始めたようだ。

同郷だからというのもあるかもしれないが、実に気安い。

その性格が少し羨ましくもなる。

しかし、皆既日食か。

記憶が定かなら、あれって見られる機会は、数年単位で飛ぶものじゃなかっただろうか。

どうしよう、“もう5,6年待て”とか言われたら……。

 

 

 時が経つのは早いもので、皆既日食の日、当日。

ミュウツーが起きたあの日から、数日程度で皆既日食が訪れるというのは、とても幸運な話であった。

逆に言えば、あそこでミュウツーを起こしていなかったら、次は何年後になったかわからないので、ギリギリ間に合ったとも言う。

その間私はタルブタウンで、シエスタさんの家にご厄介になりながら暮らしていた。

シエスタさんも、ラグラージ達と打ち解けてきたようで、良い遊び相手になってくれていたものだ。

もうすぐ仕事の関係でスクールに戻らないければならないというのに、わざわざ歓待してくれるとは。

足を向けて寝られないとはこの事だろう。

戻らなければならない、といえば。

 

「本当によかったのか? モンモン」

「うん」

 

ハナダのどうくつ出身のメタモン、モンモンのことである。

もし私の帰還が成功したら、おそらく彼もフジ博士のように、故郷に帰る手段を失うことになる。

そうなれば、ハナダのどうくつに帰るチャンスは恐らく今だけ。

そう聞いたのだが。

 

「ここには、“たいせつなもの”がいっぱいできたから」

 

そう、力強い瞳で返された。

この世界に迷い込んでからの三年間で、彼なりに思い出を沢山積み上げてきたのだろう。

それはきっと、故郷に勝るものになったのだ。

私は、それを尊重したいと思った。

 

「でもでも、せめて見送りくらいはさせてね!」

「あぁ」

 

そう言って、私の出立に立ち会ってくれたモンモンは、何故だかシエスタさんの姿をしている。

やはり、気に入っているのだろうか?

我ながら、彼女にボールを託して正解だったと思う。

そんな事を考えていたら、ミュウツーから声がかかった。

 

【始まるぞ】

「…………よし」

 

太陽の端に、影がかかる。

急いでマグマスーツを着て、ボールからラティオスを出す。

 

「ラティオス!」

 

ポン、と軽い音と共に、風切音が轟く。

気合は十分のようだ。

こちらを見て、頷いてくれた。

 

「行くぞ、メガシンカ!」

 

私のメガバングルと、ラティオスのメガストーンが呼応する。

光とともにラティオスは繭のようなものに包まれ、それを破壊し、メガラティオスが咆哮を上げる。

颯爽とメガラティオスに乗り、離陸を開始した。

目指すは────太陽。

 

「がんばえー!!」

【さて……どうなるか】

 

メガラティオスは凄まじいスピードでどんどんと空に向かって上昇していく。

マグマスーツを着ているから遠慮はいらない、と伝えていた通り、普段そらをとぶ時とはかなりの違いだ。

これがメガラティオスの本領なのかと軽く驚いている。

陸地が遠ざかっていく間にも、太陽は徐々に影に侵食されている。

特に何があるという兆候は見受けられないが、このまま接近して大丈夫なのだろうか。

そう思った時である。

 

「あれは……────、ソルガレオ!?」

 

文献でしか見たことがない、アローラ地方伝説のポケモン。

それが、皆既日食を背負うように、宙に立っていた。

こちらを一瞥すると、まるで“付いてこい”と言わんばかりに顎で示してから、皆既日食に向かい空を駆け始める。

が────。

 

「うあうあ~! 追いつけてないよ~!」

【……無駄足であったか?】

 

このままでは、完全に皆既日食が重なる瞬間に間に合わないだろう

扉とやらも閉じるかもしれない。

最後の一押しが必要か。

何か加速する手段……、となれば、あれしかない。

 

「ラティオス!! ──おいかぜ!!」

 

これで速度は二倍。

 

「早くなった!」

【ほう……】

 

ぐんぐんとソルガレオの背中が近づいていき、やがて肉薄する、と思った、その瞬間。

 

めのまえが まっしろに なった。

 

 

「行っちゃった……」

【姿が見えぬ。帰ったか……】

「………………」

【どうしたメタモン、寂しいか】

「そりゃ、まあ。寂しいよ。ほんの一瞬だったけど、ぼくの“おや”だモン」

【そうだったのか?】

「うん。周りのみんなに嫌われたかもってときに、一緒に行くかって言ってくれたんだ。嬉しかったなあ」

【……付いていかなくて、よかったのか】

「いいんだ。比べるわけじゃないけど、こっちの世界にも、大事な人はいっぱいいるから」

【大事な人……か……。…………】

「……ミュウツー?」

【それをせいぜい、大事にしてやることだ。先駆者からの忠告だ】

「うん」

 

 

ホワイトアウトした視界がやがて戻ってくると、そこは、見たこともない祭壇のような場所であった。

 

「ここは……?」

 

メガシンカが解けたラティオスから一度降り、祭壇のような場所に足をつける。

その中心に、ソルガレオがいた。

彼はこちらをじっと見つめている。

 

「君が……、導いてくれたのか?」

 

ソルガレオは何も言わず、ただこちらを見ているばかり。

真意はわからないが、こうして彼がここにいるということは、ここは元の世界なのだろう。

 

「……おかげで、帰ってこられたよ。ありがとう」

 

私の言葉にフン、と鼻息を一つ着くと、ソルガレオは高らかに雄叫びを上げて、空高く跳び上がり、何処かへと去っていった。

 

「…………」

 

考えてみれば、あいも変わらず、伝説のポケモンに縁が多い人生だ。

ラティオスを悪漢から助けたり。

原始の力を取り戻し、荒ぶるグラードンを鎮めたり。

レックウザをメガシンカさせて、地球に迫る隕石を破壊したり。

異世界に飛ばされ、ミュウツーに出会ったり。

そして今度はソルガレオ、か。

まったく、このままでは、そのうちパッとミュウにでも出会ってしまいそうである。

 

「ん?」

 

ラティオスにマグマスーツを引っ張られ、なにやら抗議された。

もういい加減ボールに戻せということだろうか。

まぁ、疲れたろうしな。

マグマスーツを脱ぎ去り、乱雑にカバンに押し込め、ラティオスをボールに戻してやる。

その時に気付いたのだが、ポケットに仕舞っていたスマホが、やけに振動している。

 

「────うわ」

 

怒涛の勢いで通知が流れていく。

ダンデさんから。

ダイゴさんから。

父から、母から。

ハルカさんから。

マツブサさんから。

ホウエン地方の四天王の皆さんから。

どこで自分の連絡先を知ったのか、ヒガナさんからまで。

そのどれもが、安否を確認するものばかりであった。

それが、何件も何件も。

通知が収まらない。

スマホの振動が止まらない。

かろうじて上部に表示されている日付を見れば、ワイルドエリアに赴いたあの日から、異世界に言っていた日付分、丸々経過しているようだった。

 

「……そりゃ、行方不明扱いにもなるか……」

 

改めて自分の巻き込まれていた事態を実感しつつ、止まらない通知は後で確認するとして、まずは両親から、通話を掛けるのであった。

 

「あ、もしもし。父さん? そう、()。今ジム? 今まで何処に行ってたって、えーと、まぁ、話すと長くなるんだけど────」




・サーナイト トレース ♀ Lv82 @サーナイトナイト ボール:モンスターボール

 おだやかなせいかく ものおとにびんかん。
 トレーナーが 12さい のとき。
 ホウエンちほう 102ばんどうろで Lv4の とき であった。

 おぼえているわざ/
 サイコキネシス
 ムーンフォース
 さいみんじゅつ
 テレポート

 ・ミツルくんがラルトスを捕まえる際に、オスメス揃って見つけてしまったため片方だけ引き剥がすのは可哀想だという
  父センリのアドバイスのもと、チャンピオンがゲットした片割れのラルトス。
  チャンピオンロードでのメガエルレイドvsメガサーナイトは激アツだった。(相性的には超有利とか言わない)
  テレポートは完全にバトルに使えないわざだが、この子をボックスから引き出す時はトレーナーとのバトルで使う案件ではまずないので、緊急時用に思い出させた。
  基本的に争いを好まず、人の心の機微に敏感で、トレーナーに優しく寄り添うタイプだが、
  こいつはマジでダメだと判断した相手(悪の組織など)には苛烈になる側面がある。
  エスパー技の強弱調整に優れ、状態異常も扱う搦手のエキスパート。

・ラティオス ふゆう ♂ Lv96 @ラティオスナイト ボール:ハイパーボール

 いじっぱりなせいかく ちょっぴりみえっぱり。
 トレーナーが 12さい のとき。
 ホウエンちほう みなみのことうで Lv30の とき であった。

 おぼえているわざ/
 サイコキネシス
 りゅうせいぐん
 10まんボルト
 おいかぜ

 ・マグマ団に無理矢理捕獲されそうになっていた所をダイゴと一緒に救った個体。
  別に助けてもらったからって恩を感じてるわけじゃないんだからね! 男のツンデレ。
  流石準伝説というべきか、おや曰く「強くなりすぎた」。普通の野良バトルでは大抵出てこない。
  チャンピオン一行の最終兵器。
  メガシンカでビューンと飛べるため“そらをとぶ”要らず。超便利。
  物語のクライマックスを飾るいいとこ取り野郎。
  基本的に速度が武器のため、近寄っても離れても特殊攻撃で戦える。
  おいかぜはそれを強化するチートバフ。


・ミュウツー プレッシャー Lv100 ボール:マスターボール

 さみしがりなせいかく あばれることがすき
 カントーちほう ハナダのどうくつで Lv70の とき であった らしい。

 おぼえているわざ/
 サイコブレイク
 じこさいせい
 はどうだん
 いのちのしずく

 ・“おや”はレッドだが、ポケモンリーグに預けられ保護、その後フジの手持ちになった。
  若返ったフジろうじんと人生を共にする内に彼のことを“父”と認め、その身内にだけは心を許すようになった。
  いのちのしずくは少しでも栄養状態の悪い世界で父を長生きさせようとした彼の想いから思い出した。
  実は“造られた存在”ゆえにとてもさみしがりで、父の逝去と共にマスターボールに引き篭もり外部を拒絶していた。
  誰に話しかけられても反応を返さなかったのは、サイコエネルギーで自分の周囲に膜を張っていたから。
  なので“返さなかった”ではなく“返せなかった”が正しい。
  無理矢理念力で突破してきたチャンピオンの思念でようやく長い眠りから覚める。
  父の子孫に会わせてくれたので内心チャンピオンには感謝している。(照れるので表には出さない)
  チャンピオンが元の世界に帰って以降、シエスタの手持ちになる。
  多分この世界の最高戦力だぞシエスタ。
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