キュアアルカナ・シャドウのビジュに惹かれ、名探偵プリキュア見る。
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面白い。
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ネットに流れていたグッズなどの噂をピースとして考えた結果、キュアアルカナ・シャドウの背景が何となく推測できた。
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カービィ要素入れられそう。
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本作のプロローグが完成。
フリーダムな展開になりますが、よければこのままお読みください。
ボクは──
時々よく分からなくなるんだ
この世界が本当に本物なのか
ボクが見ている都合の良い夢なんじゃないかって
それでも この心が目覚めているのなら───
信じ合える友達と一緒なら──
***
1999年3月16日。
「ファントムに入ってしばらく経ったけど、面倒なのばかりだわ」
「───うん」
心地よい海風が吹き抜ける砂浜にて話すのは、一人の少女と紫色のぬいぐるみのような姿をした何か。
アイスを無表情ながらも美味しそうに頬張る少女はベージュの髪が柔らかく広がっていて、頭には黒いリボンを付けている。それだけだと子供のような印象を抱くかもしれないが、どことなく大人びた雰囲気と黒を基調としたワンピースに、大きな白い襟とフリルも合わさり、夢の国のプリンセスを思わせる。
そんな彼女の横にふわりと浮遊しているのは手のひらサイズの淡い紫色の体に、丸っこい輪郭に大きな耳を持った狐のような生き物。何か普段属しているところに不満があるのか呆れたように愚痴をこぼしている。
すると、その時空から何か強い光が射した。
少女も、狐のような生き物も驚いて顔を上げると、青い空に、奇妙な歪みが生じていた。
「るるか、気を付けて!」
「───うん」
強大な力が、この町───まことみらい市の空を突き破ろうとしているかのような様子に警戒するような視線を向ける、るるかと呼ばれた少女。
衣装はいつの間にか黒いドレスに変化しており髪色も金色になっている。そして何よりも特徴的なのは片手で構えた大きなロッドであり、魔女や占い師という雰囲気だ。
一方、空は星型に裂け、その向こうから何か強い光が差し込んでいる。その裂け目から何か小さな光が飛び出してきた。
「あれは……隕石!?」
その何かは黄色い星をまき散らしながら落下していく。それを見たるるかと狐は、星が落ちていく方角へ走り出す。
「るるか、誰かにぶつかったら大ケガどころじゃすまないわ!」
「───マシュタン、離れてて」
落下物は轟音を立てて墜落していくが、このままでは誰かがケガをしてしまう可能性は否定できない。マシュタンという名前らしい狐の警告にうなづいたるるかは杖を構える。
「───《アルカナスターレイン》」
放たれたのはいくつもの黒い光線。それらは落下物に寸分の狂いもなく着弾し、爆発する。
次の瞬間、砂浜に衝撃音が鳴り響き、砂埃が舞い上がる。砂煙が晴れた先で、一人と一匹が見たのは───
砂浜に半分埋もれた、青色のズボンを履いた人間の足のような何か。
「え、人間!?」
「───!?」
まさか謎の落下物の正体は人間だったのかと驚く一人と一匹。しかし、今日ここら辺に何かが降ってくるというニュースを見た思い出はない。二人が呆然としていると、
「誰かぁ~助けて~」
弱弱しい声と共に、足をバタバタさせる目の前の存在。
「アナタ無事なの!?」
「……! そこに誰かいるの? 抜けなくて困っているんだ!」
マシュタンの呼びかけで誰かいると察したらしい声は助けを求める。
「───待ってて」
「ちょ、ちょっとるるか!?」
「───確かめてからでも遅くない」
よくは分からないが、引っこ抜くことにしたらしいるるかは足を掴んで引き上げようとする。得体が知れない存在に疑問を抱くマシュタンは止めようとするも、案外力が強いらしいるるかはあっという間に引っこ抜く。
「イタタタタ……」
スポンという小気味よい音共に転がり出たのは、桃色の髪をした『少女』。青いシャツの上に桜色のパーカーを羽織った姿も含め、見た目はオシャレな女子中学生といったところか。
「助けてくれてありがと~」
「───別に」
「良かったけど、アナタなんて言うのかしら?」
るるかとマシュタンを見るなり、ニコッとした笑顔でお礼を述べる『少女』だが、マシュタンは先ほどの謎の現象から一体何者かと問う。
しかし、返ってきた答えは───
「えっと……よくわからない……」
「よくわからない……? アナタ、よくわからない裂け目と光と共に降ってきたのよ?」
しょんぼりとした声。
しかし、星型の裂け目や飛来してきた様子を目撃したマシュタンはそんなバカなと言わんばかりに返すが、それに待ったをかけたのはるるか。
「───アナタ、何か覚えていることはある?」
「…………」
だが、『少女』は困ったような目で無言になってしまう。
「───大丈夫、ゆっくり話して」
そんな相手に元の姿に戻ったるるかは優しく語り掛ける。かつての『相棒』がやっていたように。
「……分からない。何も……」
やがて口を開いた『少女』の答えはやはり分からないというもの。
「まさか───」
「───うん、記憶喪失だと思う」
そこからるるかとマシュタンが導き出したのは、『少女が記憶喪失』だということ。
「───マシュタン、あの星型の穴とか見たことある?」
「ワタシも初めてよ。空が裂けてこの子と星が突然飛び出してきたように見えたけど……」
しかし、正体に繋がるような手掛かりは現状ない。先ほど生じた星型の裂け目は消えており頭上に広がるのはいつも通りの穏やかな青空。
「手掛かりになりそうな記憶もないとなると相当の難問よ……」
早くも迷宮入りの香りが漂ってきた状況に芳しくない表情を浮かべるマシュタンの耳に悲鳴が入る。
「───あぁ! 星が───!?」
『少女』の手の中にあるのは弱弱しく光る小さな星。おそらく先ほど落ちてきた時にしがみついていた星で、隕石と誤認してしまったるるかの手によって壊されてしまったのだろう。
「大切なものなの?」
「覚えてないけど……凄く大切なものだと思うんだ」
「───ごめんなさい。さっき光線を打ったのは私……」
本人ですら覚えていないことから正体不明の物体だが、その様子から相当大切なものだったのだろうと推測した彼女は素直に謝罪する。
「……ううん、もしあのまま墜落したらもしかしたら誰かをケガさせていたかもしれないし……その、二人も隕石だと思って攻撃したんだよね? それなら仕方ないよ」
しかし、今こうして助けてくれているあたり悪意はないのだろうと感じている『少女』は気にしないでと返す。その時、そう言えば二人の名前を知らないことに気づく。
「そういえば……キミ達は……?」
「ワタシはマシュタン。るるかのお供妖精よ」
「───よろしく」
相手の問いにマシュタンが横のるるか含めて自己紹介を行う。
「るるかさんに、マシュタンさんだね。よろしく」
「───それよりも立てる?」
「立てるけど……どうしたの?」
改めて挨拶する『少女』に対し、相変わらず無表情のるるかは何か気配を感じた後に立てるかと聞いてくる。
「?」
「これは……マズいわね。さっきの墜落に気づいた人達が来始めているわ」
「───この流れ星も含めて見つかると色々面倒。付いて来て」
「わ、分かった」
どうやら、先ほどの墜落を遠くで目撃した人々が近づいているようだ。面倒なことになる前に自分を連れて行こうと決めたるるかとマシュタンの先導についていく『少女』。
「取り合えず紛れ込むために街へ行きましょう。せっかく可愛いんだし身だしなみもきちんとしなきゃ」
「───そうだね」
まるで魔法のように人がいないルートを迷いなく進むるるかとマシュタンは、後ろの『少女』の汚れた服含めて、これからのことを考えようと話していると申し訳なさそうに、しかしきっぱりとした声が飛んできた。
「えっと……ボク、男だよ?」
「───男?」
「噓でしょ!?」
『少女』いや『少年』の新事実に二人から今日一番大きな声が出た。
***
───三十分後。
街の噴水広場にやってきた少年はマシュタンと共にベンチに座っていた。るるかは食べ物を買ってくると離席している。
「お供妖精って何?」
「プリキュアをサポートする妖精のことね。プリキュアというのは譲れないもののために戦うヒーローみたいなものよ」
「おお、つまりるるかさんはヒーローってことなんだね。さっきボクを助けてくれたの納得だし、マシュタンさんってるるかさんと仲良しだよね」
「勿論よ。ワタシとるるかの絆は引き裂けないわ。後、マシュタンで良いわ」
噴水に腰掛けながらマシュタンからプリキュアやお供妖精についての説明を受ける少年。もしかすると、こののどかで平和な街の雰囲気もるるかの手によって守られているのかもしれないと考えていると、そこへるるかが帰ってくる。おかえりと声をかけると、返事の代わりに何か冷たいものを渡される。
「これは……?」
「───アイス。世界で一番美味しい食べ物で色んな味がある」
その冷たいものはアイスというらしく、上は赤色と白色が混ざったもの、下は黄緑色と白が混ざったものの二段で構成されている。
「いただきます」
初めて見る食べ物だが、お腹が空いているので迷いなくかぶりつく。
「───美味しい!」
「───良かった」
次の瞬間少年はパァーと笑顔を浮かべる。口の中に苺と練乳の優しい甘さが広がり、不安と墜落の衝撃で疲れていた体に染み渡る。
二口目以降も「美味しい美味しい」と夢中になって食べ進める少年に優しい笑みを向けながらも、るるかは七段アイスと共に考え始める。
考えるのはこの少年の処遇。
記憶を失っているうえに、空から降ってきたのも合わせ警察や病院でも解決はしないだろう。そうなると必然的に不可思議な現象も取り扱っている場所でないとだめだ。だが、今の自分が所属している組織は宜しくない。自分の目的が達成しにくくなる上に、何よりこの少年が落ち着ける場所ではないだろう。
(───探偵事務所にいるあの妖精さんに預かってもらおう)
先ほど古巣を偵察したところ、金髪の科学者然とした妖精が出入りするのを見たのも合わせ、そこに任せるのが良いだろうと結論づけたるるかがアイスを食べ終わったら連れて行こうと思った矢先だった。
「だ、誰か助けてくれぇ!!」
「!?」
「何事!?」
悲鳴を上げながら男性が走ってくる。そののっぴきならない様子にいち早く反応したのは少年。
「───どうしたんですか?」
「あっちで不良が暴れているんだが、なんか様子がおかしいんだ! 交番のお回りさんもやられた!」
「わかりました! あなたは早く逃げてください!」
「ちょ、ちょっとアナタ!?」
何があったか聞くや否や駆け出してしまう。
慌てて追いかけるるるかとマシュタンだが、足の速さでぐんぐん離されてしまう。
少ししてやっと追いついた先では───
「大丈夫ですか!?」
倒れている警察官達に心配そうに声をかける少年。
そして暴れまわる不良達には黒いモヤのようなものが覆っていた……
☆灯火の星
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALのアドベンチャーモード。カービィ以外全滅してしまうという衝撃的な始まりとワープスターがファンでも忘れているか知らないレベルで使っていなかったワープ機能を解放したのは非常にインパクトがありました。
☆冒頭
キングダムハーツのオープニングに登場するセリフのオマージュ。
長らくこのセリフが深堀されることはなかったですが、キングダムハーツ3のDLC『ReMind』ラストにて非常に意味深な形で再登場しています。ディレクターによると「当時あのセリフを入れる事で『KINGDOM HEARTS』の世界を承認された」とのことですが……
本作は『心』がテーマなので入れてみました。
☆森亜るるか
キービジュの時点で話題が沸騰し新規視聴者を大量獲得(作者もその一人)、放送開始あたりでバカみたいな量のアイスを食すシーンが多いことからpixivにアイスカウンター記事が作成され、変身バンクが初お披露目された回はYouTubeで100万再生されるなど話題に事欠かないプリキュア。何故かプリキュアでありながら怪盗団に所属しているが、その真意は現時点では不明。
本作では謎の少年と出会い、彼の探求に付き合う中で起こる変化も楽しみにしてもらえればと思います。
☆記憶喪失
ゲームだと、ルーンファクトリーシリーズの主人公(アースマイト)がほぼ必ず陥ることで有名な症状。4以降やっている自分の感想としては、4と龍の国は自信をもってオススメ出来ます。
☆男の娘
カービィは性別不明。カービィの要素を受け継いだオリキャラの性別をどうするか考えたとき、自分の手は導く心のままにこの設定で書いてました。
☆アイス
森亜るるかさん(キュアアルカナ・シャドウ)の代名詞とも呼べる勢いのスイーツ。本作では二人で仲良く大量のアイスを食べるほのぼのシーンを随時お届け予定です。