本日のたんプリではくれあさん回。
何故か直接予告状を手渡ししたり先行カットで見たことない表情を浮かべるるるかさんや、どちらの姿のるるかさんともくれあさんが会っているなど「これは記憶を失ったキュアエクレールでは……?」と思えてくるのですが……(くれあさん=キュアエクレールなら当初の計画通り事が進むので非常に助かります)
さて今回から原作突入です!(とは言っても描写の関係で3話からになります)
10話目にしてあんなさんとみくるさん初登場です!
STAGE2ー1 Polka Dot CityscapeⅠ
────ハルが怪盗としての己の役目を見つけた数日後。
「これがボクの席?」
「────貴方は私の補佐になっているから隣に座れとウソノワールの指示」
「凄いフカフカ!」
「気に入ったようね」
るるかの席の隣に新たに置かれた座席に座りながらハルはその柔らかさに感動していた。
先日の事件を受けたのも含め、彼が関わるにせよそうでないにせよ怪盗団ファントムの流れを知った方が良いと判断したるるかがウソノワールに進言したことで彼用の座席が配置されたのだ。
「会議についてだけど、分からないことがあったら聞いても良いけどあまり異議は挟まないように」
「異議?」
「簡単に言うなら否定意見ね。アナタは未知の闇や呪われた魔道具への対策要員としての側面が強くてマコトジュエルを盗む仕事には殆ど呼ばれないでしょうけど、あまり反対意見ばかり言って妨害されると困るわ」
「……そもそもマコトジュエルを盗むのって『ウソで覆われた世界』を作るためなんだよね? それが良いことかどうかはまだ分からないのが本音なんだけど」
はしゃぐハルだが、「マコトジュエルを盗む」という仕事に対してはまだ否定的な立ち位置なのは事実。マシュタンから反対意見は控えろと言われても納得はしづらい。
「その気持ちも分からなくはないけど組織に所属している以上我儘ばかり言うのもオシャレじゃないわ」
「────少なくとも妨害行為だけはやめて欲しい。その代わり、貴方の意思が固まるまではニジー達に加勢はしなくて良い」
「……分かったよ」
しかし、組織に所属している以上ある程度は上の意向や指示に従わなければならないのが宮仕えの世知辛さ。
ハルがウソノワールの逆鱗を踏んで消えられるのは彼女たちの目的含め避けたいマシュタンとるるかは釘を刺す。
「────異邦人に、キュアアルカナ・シャドウ。会議だ」
さて三人が話していると、ウソノワールが入ってきた会議だと告げる。
ニジー達も少し後に入るのを眺めながら早速座席に座ると、ウソノワールは『未來自由の書』を拡げる。
「申し訳ございません、ウソノワール様。新手の名探偵プリキュアにマコトジュエル奪取を阻止されました」
「未来自由の書を読み解くに、約束の時まであと僅か。マコトジュエルを獲ねばならぬも、この失態……」
初めは最近の出来事の報告と謝罪。
ニジーは新たなマコトジュエルが出現すると預言された結婚式場や小説家の近辺へと向かったのだが、そこで名探偵プリキュア────キュアアンサーとキュアミスティックと名乗る二人の少女によってマコトジュエル奪取を二度続けて阻止されたのだ。
「……名探偵プリキュア? マコトジュエル?」
「おっといけねぇ。ハルはまだそこら辺の事情知らなかったな」
その中で聞きなれない単語が次々飛び出し、目をぐるぐる回すハルを見たゴウエモンは解説に入る。
「俺たちが狙っているマコトジュエルは今は欠片になっちまっているが、元々は一つの巨大なジュエルだった。かつて人間たちの心から現れた、真実の想いが寄り添い、形を成したものだ」
「誰かの想いが具現化してるから綺麗なんだ」
「そしてファントムの新技術であるハンニンダーを生み出すのにも必要だ。その強さは……お前さんの方が強いわけだが、それでも柔じゃないはずだ」
先日の模擬戦でハンニンダーを生み出したマコトジュエルを見ながらハルはそれがもっと大きな何かの、ほんの一部だったということを知る。
「ウソノワール様や俺たちの野望を達成するためにはそのマコトジュエルが一つに固まった巨大なジュエルの力が必要だ。だが、ここでそれを邪魔する奴らが『名探偵プリキュア』とそいつらが所属する『キュアット探偵事務所』だ」
「名探偵と怪盗……お話の世界でも対立するライバルってわけだね」
「忌々しいことにキュアット探偵事務所は、我らファントムから、マコトジュエルを奪わせまいと、世界各地を転々と移動させていた」
キュアット探偵事務所と名探偵プリキュアは最初から、怪盗団ファントムの存在を知っており、マコトジュエルが悪用されることを警戒して、ずっと守り続けていた。
「……あれ、でも今は欠片になっているってことは事故でも起きたのかな?」
「ふむ察しが良いじゃないか、ガーリーボーイ。マコトジュエルがこの街に現れることを、ウソノワール様は突き止めた。そしてある夜、手に入れようとしていたんだ」
だが、今ではマコトジュエルの欠片と呼ばれる一つは怪盗団ファントムの手にあり、そして先日ニジーが別のマコトジュエルを盗もうとした。そこから今のマコトジュエルは欠片になってしまっているのは分かるがそうすると何があったのかと首をかしげるハルに、今度はニジーが説明のバトンを受ける。
「手に入れようとしたところ、青い蝶────プリキュアの邪魔が入り、マコトジュエルは粉々になり、この街に散っていった」
「青い蝶……何かオシャレで強そう!」
「呑気な感想言うんじゃないし! あいつが出たら超ヤバいっしょ!」
争奪戦に勝利した怪盗団ファントムの首領ウソノワールは巨大なマコトジュエルに触れようとしたが、そこで青い蝶────名探偵プリキュアが粉々にするという選択を取り、ファントムの野望は阻止されてしまった。
「ボクその人と会ってみたいな。もしかしたら未知の闇や呪われた魔道具の事件を解決するのに協力してくれるかも」
「────それは不可能」
アゲセーヌ達がその青い蝶の強さにビビる中、ハルは自身が追う謎について事情を説明すれば協力してくれるんじゃないかとポンと手を打ちながら閃くも、隣から否定が入る。
「────青い蝶は消えた……。貴方がいくら探しても……見つからない」
「……るるかさん?」
いつものような冷静な無表情の裏で何かをこらえるような様子の彼女にハルは違和感を覚える。それについて更に訊ねようとするがゴウエモン達によるマコトジュエルの話が続くことでストップする。
「バラバラになった欠片を、俺たちが集めてるってわけだ」
「せっかくウソノワール様が願いを叶えようとしてたのに、邪魔したせいで余計な仕事を増やされたわけ。アタシは湖に落とされたしでマジチョベリバ!」
(何というかプリキュア側が正しいような気がするけど黙っておこう)
『ウソに覆われた世界』の是非についてはまだ否定よりな立ち位置であるハルは言いがかりではと思うも、さっきのマシュタンの忠告通り黙っておき、話を昨日の出来事に戻す。
「それにしても昨日現れたプリキュアってことはるるかさんのお友達?」
「────心当たりがない」
プリキュアという共通点からるるかの知り合いなのかと聞くも彼女も心当たりがない様子。以前謎が残るが彼らがマコトジュエルを盗むという目的は変わらない。
「『未来自由の書』が、新たなマコトジュエルを示している」
ウソノワールの声が劇場に響く。次の標的に緊張が走る中、その空気を切り裂くように、弾む声が響いた。
「うっふふ! 今回は、アゲが行くしかないっしょ!」
スポットライトが照らすのはアゲセーヌ。この間の事件ではウソノワールを除けばメンバー内でただ一人小鳥遊光輝の改心作戦に関与できなかったこと含めうっぷんが溜まっているようでやけにやる気の様子。
「アゲセーヌ、なぜお前が!」
「アンタのギャルの変装、ちょー下手! ありえない、チョベリバ~!!」
ハルから見ても露骨に不機嫌だと察せる程のニジーの声が静まり返った劇場に響くのに対し、アゲセーヌは彼の女装スキルの低さをからかうように肩をすくめて大げさにため息をつく。
ギャル風女子高生に変装していたニジーの姿はハルは知らないが、本職のアゲセーヌや変装が得意なるるかからすれば「まだまだ」な判定をもらっているニジーはそのプライドからか真っ向から反論する。
「喧嘩はダメだよ!」
「また騒がしいこと」
「うん」
二人の言い争いを止めようとするハルの隣で、マシュタンが呆れたように呟きるるかは我関せずとアイスを食べている。
結局、今回のマコトジュエルの回収役としてウソノワールから指名されたのはアゲセーヌであり、ノリノリで現地へ向かう彼女に対し落ち込んだ様子のニジーへハルは「ドンマイ」と声をかけたが「黙っていてくれガーリーボーイ!」と逆ギレされたのであった。
***
────二時間後。
「あそこが今回マコトジュエルが出てくると言われているインテリアショップだね」
ハルはるるかとマシュタンに連れられ、とあるインテリアショップが見える斜め向かいの路地にいた。
「アゲセーヌは首尾良く盗めるかしら?」
「────名探偵プリキュアが現れるか、そして彼女達の腕次第」
『未來自由の書』を解読したウソノワールの言葉によると、『家具が集まる店の始まりの刻を観た輝きを秘めるモノ』にマコトジュエルが宿ったと言われ、そこからアゲセーヌはこの店だと当たりを付けたらしい。
「そうね、そしてハル。今からアナタにはミッションを与えるわ」
「ミッション?」
「────ハルにはアゲセーヌの首尾の確認と、名探偵プリキュアが現れたら観察をお願いしたい」
だが、ここからでは店の中までは見通せない。
そこでるるかとマシュタンはハルには中で事態の観察をしてもらい、自分たちは外で待機する作戦を提案する。
「良いけど今回変装道具持ってきてないよ?」
「────私のプリキットを貸す」
「ええ!?」
それについて異議はないが変装する方法について訊ねるハルに対し、るるかがプリキットを取り出すとマシュタンがやけに大きなリアクションを取る。
「ダメよ、るるかの可愛い唇が触れているプリキットを使わせるなんて!!」
「イタタタッ!? よく分からないんだけど!?」
「カマトトぶるのは止めなさい! 間接キスを狙おうたってそんな企みお見通しよ!」
「……間接キス?」
そこからハルをポカポカ殴りながら反対の意思を示すが、その理由が分からないハルは頭にはてなマークを浮かべる。
「え、まさかこの子本当に分からない感じ!?」
「────マシュタン、そもそもハルは記憶が殆どない。感情方面も赤ちゃんならそういう方面の知識がないのも自然」
その様子から彼が本気で戸惑っているのだと察したマシュタンに、るるかは目覚めてまだ数週間で記憶喪失の彼にまだそういう感情はないのだと解説する。
「────それに今回変装道具がない。私達が入る手もあるけどその場合アゲセーヌから手柄を横取りと言いがかりをつけられる危険性もある。勿論使う前と使った後は拭いておく」
「それならマコトジュエルを盗むことに興味がないハルに行かせた方が良いってことね……」
更にハルが独特の立ち位置にいることから観察役に持って来いだと判断したるるかの言葉でようやく冷静になるマシュタン。
「分かったよ。それなら店内で観察してくるね」
「────お願い。プリキットで変装を」
話が落ち着いたことでるるかから手渡されたプリキットを、以前彼女がやっていたように唇に塗るハル。
すると、ハルの姿が金髪のツインテールと眼鏡が特徴的な中性的な姿に変化する。
「それじゃ行ってくるね」
「────気をつけて」
準備が整ったハルは建物から降り、インテリアショップの扉を潜るとチリンという音と共に悲鳴が上がる。
「ああっ!?」
「!? どうしましたっ!?」
「どうしたんですか!?」
「ないんです! 置物が!」
「え!?」
驚く女性の視線の先には赤い座布団。だが女性店員の表情から察するに先ほどまでは何かがあったのだろう。
「さっきまであったのに!」
(アゲセーヌが盗んだのだろうけど……誰だ?)
奥から男性店員も現れるが見つからない模様。アゲセーヌが盗んだのだと気づいたハルだが、問題は彼ですら彼女が今化けている姿が分からないこと。
どうするかと考えていると、彼の前にいたオレンジ寄りの明るい茶髪の少女が進み出る。
「私たちに任せてください!」
彼女と隣にいた小豆色のロングヘアーの少女が取り出したのは小さな本とペン。
そこから光が出ると、たちまり小さな本は大きく変化する。
「「私たち、キュアット探偵事務所の探偵ですっ!!」」
二人は堂々と名探偵プリキュアの証────プリキットブックを開き、顔写真と名前を示す。
「た、探偵……?」
「「事件を解決してみせます!」」
(この二人が話題に出ていた名探偵プリキュア!)
名探偵プリキュアと初邂逅したハルは目を少し大きく開きながら、彼女たちのお手並み拝見とばかりに観察を始める。
奇しくもハルは探偵達と同じく、この中に潜り込んでいる怪盗────アゲセーヌの正体を探す状況。言ってしまえばどちらが先に見抜けるかの勝負……とまでは言い過ぎだろうが、るるかからのミッションのためにも上手く立ち回る必要がある。
────数分後。
「一体何の騒ぎ?」
「What’s happened?」
「どうやら窃盗事件が発生したみたいです。解決のために探偵さん達に協力してください」
店内にいた全員が一階のフロアに集められた。
さっきまで探偵達を案内していた女性店員――前田ちほ。
亀の置物がまだあった時最後に触っていた若い男性店員――仲手川卓也。
買い物に来ていた女性客――賀来さえこ。
観光でまことみらい市を訪れているという外国人――トム・ミラー。
そして最後が、直前に店内に入ってきたハル────いや、今は安藤夏。偽名は昨日読んだ雑誌で特集されていたあんドーナツが美味しそうだったのが由来だ。
「お店にいるのはこれで全員です」
「犯人は別の誰かで、こっそり入って取って出ていったとかは?」
情報は一通り説明された。
どうやら探偵二人と共にいた金髪の白衣を着た少年を案内していた前田ちほが最後に置物を目にしたのは十分前。探偵達を二階へ案内した後、彼女たちが家具をゆっくり見る時間を確保しつつ裏で雑務を片付けようとしたに降りたら問題の置物が無くなっていたことに気づいたとのこと。
明るい茶髪の探偵────明智あんなが腕を組みながら周囲を見回す通り、犯人がここにいる4人だけとは限らない。既にアゲセーヌが素早く脱出している可能性はある。
「でも、ドアを開けると鳴るベルは安藤さんが入ってきた時以外鳴っていません」
「私も店から出てきた人は見てません」
それに対し、卓也が首を振る。確かに夏(ハル)が入ってきた時も入口にあるベルが音を立てていたし、夏(ハル)自身も店から出てきた人影は見ていない。
「他に出入口はありませんか?」
「家具を出し入れする搬入口があります」
だが、この店には裏手の搬入口がある。そこからなら、気づかれずに出入りできる可能性はある。
「犯人はそこから入って、置物を持って出ていったのかな?」
「かもしれないけど、決めつけるには早いよ。ここにまだ犯人がいる可能性も考えないと」
あんなが推理を口にするのに対し、相棒らしき少女探偵────小林みくるは首を横に振った。
「でも、みんな置物は持ってなさそうだけど」
確かに、誰の手にも亀はないがこのままでは誰も店から出れない。
その中でハルは考える。
(置物が消えた時間から察するにおそらくアゲセーヌが盗んでから脱出までには時間がなかったはず。そうなると今置物はどこかに隠されているはず)
「分かりにくい場所に置いておいて……後からこっそり……」
「────! 安藤さん、それです!」
「……結婚式のティアラのときと同じかも!」
だが、推理の途中で無意識に口から言葉がこぼれていたらしく、あんなとみくるが反応する。
「(あ、助けちゃった……?)えっと独り言漏れてました?」
「ですけど、助かりました!」
ハルとしてはアゲセーヌに協力はしないし邪魔もしないスタンスだが、うっかり口を滑らせ探偵達の援護を図らずもしてしまったことに少し動揺する。
「……」
(あれ、あの人一瞬こっち睨んできたような? ………まさか!)
探偵達が隠し場所となりそうな店内を探す中、ハルは一瞬だけある方向から鋭い目線を向けられたように感じ、そこで事件の真相に気づいた……
☆Polka Dot Cityscape
『カービィのグルメフェス』で流れるBGM。
爽やかな曲調がテーマだが、ゲーム内ではイチゴを巡った醜い争いが繰り広げられているのでゆったり聞く暇はサウンドトラックでしかない。
☆名探偵プリキュアやマコトジュエルについての解説
怪盗団所属スタートなのでそこ周りについても説明を早く受けられました。
……おかしいな、何で原作主人公達は敵組織からこんな重要事項の説明をされているのでしょうか?(ロンドンの探偵事務所、本当に不安)
☆プリキットを貸され変装したハル
るるかさんと間接キスではという描写がありますが、個人的に『お互いが恋愛感情がまるでゼロな関係だとこういうのをしても特にドラマはない』という感想を抱いているので導入しました(自分は女友達と一つのパフェをシェアして食べたことがありますが、特に何もドキドキはなかったです)。
☆うっかり探偵達を助けてしまうハル
るるかさんの助手なのでカービィと比べると推理力は高めなハル。
うっかり口を滑らせて推理の鍵となってしまいましたが……まあ怪盗キッドもコナンと仲良しなので自然でしょう!
評価していただいた
☆9:カイ・シルフィル様
ありがとうございました。