たんプリ最新話、衝撃の情報が飛び出すぎてどこから書けば良いのか……
るるかさんが怪盗団ファントム乗っ取った可能性高くてこの小説の展開にもかなり影響しそうです。しかし、未來自由の書がどうにも信用がおけないのと今のるるかさんが冷静でないことから、彼女とマシュタンが真の黒幕に騙されているのではないかと考えています(こっちはマホロアでそのパターン学習済)。
まあ、実は映画予告の探偵事務所シーンでるるかさん映っていることからシルバーウィーク前には合流するでしょう。
今回は原作アニメ6話のお話です。
ニジーが盛大に調子に乗ってやらかす中ハルはどのように立ち回るのか?
行方不明のニジーを探すために出発したハル、るるか、マシュタンだが数分後トラブルが起きていた。
ぐううううぅうぅぅ~
「お腹が空いて、力が……」
「お、落ちるからしっかりしなさい!」
「────面倒」
朝食後、何も食べていないハルが空腹でふらつきだしたのだ。
るるかの介助もあって幸い墜落事故にはならなかったものの、このままではニジーを探すのも困難。るるかとマシュタンもお腹が空いていると言えば空いてもいる。
「────美味しい洋菓子店があるからそこまで付いてきて」
「洋菓子……うん、頑張る!」
その中でるるかが一回補給のための寄り道を提案。ハルも何か食べられるのであればそこまでは頑張ろうと決め、立ち上がる。
しばらく歩いた先に見えてきた、見覚えがある建物にハルは目を丸くする。
「ここって……【パティスリーチュチュ】だ!」
以前大変お世話になった洋菓子店【パティスリーチュチュ】の扉を開けるハル。焼き菓子やケーキなど甘いスイーツの香りが漂う中青い髪の女性店員が声をかける。
「あら、ハルさん、お久しぶりです」
「くれあさんお久しぶりです」
「────知り合い?」
「うん、この間の事件で出会ったんだ。依頼者さんへの報告とかでこのお店使わせてもらってね」
二人の間で面識があることに少し驚いた表情で訊ねるるるかに、ハルはくれあとの出会いについて話す。小鳥遊光輝の一件で依頼者となった清水由香の相談や、依頼完了の報告をするにあたりこの店を使わせてもらったのだ。
「────そう。ハルがお世話になった」
「お二人ご友人なんですね」
「はい!」
「───ええ」
ハルが世話になったと頭を下げるるるかに対して、くれあは気にかけているハルと【パティスリーチュチュ】の常連客であるるるかが友人なことに微笑ましさを覚える。
ぐうぅぅぅ……
「う、お腹空いているんだった。くれあさん、何かオススメのスイーツありますか? 今お腹減ってて……」
「それならアップルパイが焼き立てですよ。後はアイスクリームも勿論美味しいです」
「それじゃボクは……アップルパイで!」
「────私はラズベリーとチョコミントと……」
だが、ここに来たのは遊びに来たのではなく、お腹が空いて力が出ない状態を解決するため。そして行方不明のニジーを早く見つけ出さなければならない。
自身のお腹の音でそれを思い出したハルはくれあのオススメに従いアップルパイを、ブレることはないるるかは今日の気分に従いアイスを次々注文していく。
「ようやく食べ物が……! いただきます!」
「────お行儀悪い」
この後の任務のためにテイクアウトにしたが、あまりの空腹と美味しそうな匂いを前に待ちきれず一口アップルパイを食べるハル。口の中に広がるリンゴの甘味とサクサクのパイ生地のハーモニーにうっとりとした表情を浮かべる。
「よし、これで戦える! それじゃ再出発!」
こうして復活したハルはるるか達を連れ、人目のつかないところで再度箒に跨り、虹ヶ浜へ飛びあがった。
***
────七分後。
「────あ、ニジーいた!」
虹ヶ浜に面している静かな森の中にニジーが立っているのを見つけたハルは地面にゆっくり着地する。
「ニジー、大丈夫?」
声をかけるも、彼はその場で立ち、目を閉じている。まるで何かを考え込んでいるようだった。
「……どうして戻ってこないわけ?」
「……迷子になった?」
「んなわけないだろっ!!?」
マシュタンが声をかけてもニジーは答えないが、るるかのあまりにも不名誉過ぎる問いかけには即座に怒鳴り返す。その大声とアグレッシブな動きを見る限り、怪我をしたわけではないみたいだがそうなると余計何故帰って来ないか分からないハル。
「じゃあどうして?」
「フン……より美しい結末を求める自分がいるのさ。本当にボクは……欲深い怪盗だよ」
「……どういうこと?」
それに対し、ニジーはまるで舞台上の役者かの様な気障な動きを交えながら自身の美学を語るが、ますます首をかしげるハル。
「────プリキュアを倒すつもり?」
「その通りだ。ウソノワール様の障害となる存在は排除しなければならない」
ニジーの真の狙いは名探偵プリキュア────キュアアンサーとキュアミスティックを倒すこと。
「ウソノワール様にそう言った手前ね! ボクには後がない、華麗に決めて魅せる! そして、名探偵プリキュア達を倒し二つのマコトジュエルを持ち帰るこの決戦はウソノワール様にご覧いただかないシークレットライブ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ! ウソノワール様はマコトジュエルを取ってきて欲しいだけで、プリキュアさん達を倒せとは言ってないよ」
上空から舞い降りる二羽の燕のハンニンダー。先程のダメージから幾分回復しているようで憎々しい表情を浮かべている。先程の勝負でニジーは今回のハンニンダーはこれまでと比べて相当強いと確信しており、名探偵プリキュア達を倒し、ウソノワールに認めてもらう最後のチャンスだとも考えている。
「今日はもう帰って、また後日倒しにいこうよ! 帰って来ないことウソノワール様やゴウエモンおじさん、アゲセーヌ皆凄く心配しているよ!」
「……鬱陶しいな! 少し成果を上げてウソノワール様に認められているからって新人が意見するな!」
だが、ニジーの一番大事な任務は名探偵プリキュア達を倒すことではなく、マコトジュエルを奪ってくることなはず。それはファントム内の空気で理解しているハルは宥めようとするも、それは強い嫉妬心を抱いているニジーからすれば逆効果で余計ヒートアップしてしまう。
(────完全にすれ違いね)
その横でるるかは興味なさそうにアイスを頬張る。
ウソノワールはプリキュアを倒せとは言っていない。なのにニジーは、プリキュアを倒さない限り認めてもらえないと思い込んでいる。先程画面越しに見た名探偵プリキュア達以上に心が通じ合っていないことで起きているトラブルだ。
「これはもう何を言っても止まりそうにないわね」
「ええ。ハル、ニジーの自由にさせましょう」
「……うん」
説得は不可能と判断したマシュタンとるるかは、傷ついた表情のハルを連れ観戦に徹することに決める。
────少しした後。
「フフ……足場のない海は、飛べない君たちには不利に働く。対してこちらは、空を自由に舞うツバメ。さあどうする?」
虹ヶ浜では名探偵プリキュアと二羽のハンニンダーの決戦の幕が上がっていた。
先程は敗北を喫した名探偵プリキュア達だが、ハルが見る限り先程よりも幾分かは気持ちが落ち着いている様子。しかし、戦況は尚もハンニンダー側が有利といったところか。
理由は戦いの舞台である虹ヶ浜────砂浜と海というフィールド。踏み込むたびに足を取られ、跳ぶたびに軸がぶれる砂によって思うように動けない二人は海に叩き落されてしまう。
しかし、アンサーとミスティックも完全に負けているわけではない。水しぶきとともに次々と空へ飛び出した紫色の光の円盤の数々に次々と飛び乗って、それぞれ鋭い攻撃を繰り出す。
「あれなら燕達相手にも不利は抑えられる! だけど、あれってプリキットの一つ?」
「────おそらく。あの二人の後ろに優秀な技術者がいる」
軽やかな動きやコピー能力の技で空中戦を得意とする自分とは違い空中戦は不得手だと思い込んでいたハルだが、彼女達の持つアイテムの力に驚きの表情を浮かべつつも少し嬉しさを見せる。
「マコトジュエルを返して!!」
「ツバメの像を返しなさい!!」
「フハハ……まだ幕は上がったばかりさ!」
反対に海に叩き落されたハンニンダーだが、それでも余裕な笑みを崩さないニジーが指を鳴らした瞬間、海から飛び上がった二羽のハンニンダーが光を放ちながら一点へと引き寄せられていく。光が止んだ先にあったのは巨大な二対の翼を広げた姿のハンニンダー。
「力を合わせるとは、こういうことさ!!」
ニジーが高らかに叫びながらハンニンダーへと飛び乗る。そのまま翼が大きく羽ばたき一直線にアンサー達へと突っ込んできた。
見た目はただの体当たりかもしれないが、その重さが違う。
「「ああっ!?」」
その突撃によって、アンサーとミスティックが築いていた足場ごと粉々に消し飛ばされる。二人はすぐさま別の足場へと跳び移ったが、ハンニンダーは翼を羽ばたかせながら追い回し、足場を次々と破壊していく。
『ハンニン……ダー!!』
周囲の空気が震えたかと思えば、ハンニンダーの全身から、ツバメの形をしたエネルギーが無数に生まれ、渦を巻きながら二人へと殺到する。
「うっ!?」
「ああっ!?」
直撃したエネルギー弾が二人の体を砂浜へと叩きつけた。
「だ、大丈夫なのあの二人!?」
「落ち着きなさい! あなたが飛び出したら面倒なことになるわ」
凄まじい砂煙が上がる中、顔を真っ青にしたハルが立ち上がりかけるがマシュタンが制止する。平和を大事にしているハルがニジーを心配しつつも名探偵プリキュア達側もまた気にかけていることをマシュタンは知っているがそれでもハルに明確な裏切り行為をさせるわけにはいかないのだ。
「……で、でも……!」
「────怪盗として先輩からアドバイス。一時の感情に振り回されず、真に行動するべき時を窺いなさい」
(真に行動するべき時────?)
良くも悪くも誰かを見捨てることはしないハルの想いを知っているるるかは、ハルの肩に手を置いて冷静に諭す。
それを聞いて少しだけ落ち着いたハルは再び座り直すもその言葉に引っ掛かりを覚えていると、砂浜にある人物たちが現れた。
「ポチーーー!」
「大丈夫か、二人とも!?」
「ここで登場か……ベイビー妖精!」
(あれは時空の妖精さん! それに初めて見る人!)
金髪の白衣の少年と彼に抱かれた時空の妖精。
アンサーとミスティックを助けに来たと思われる二人に対し、ニジーはそうはさせないとばかりにハンニンダーに命じる。
彼らに飛来してくる燕の光弾。しかしその中の一つが軌道を変えて、アンサー達へ向かう時空の妖精の方へ向かって行った。
「(────これのことか!)るるかさん! あの子達は助けたい!」
「────ハルは時空の妖精側を。金髪の子は任せて」
「OK!」
その光景とるるかがキュアアルカナ・シャドウに変身したのを見て先ほどの彼女の言葉の意味を理解したハルは近くに落ちていた石を《キャプチャー》し、星型弾に変えて鋭く剛速球を投げる。自身に迫ろうとしていた燕がキラキラ輝く星に吹き飛ばされたことに驚く時空の妖精だが、すぐに目的を思い出しそちらを優先する。
「……何だ今の黒い光線と……星は……?」
一方、大量の燕の光弾に襲われかけていた金髪の少年は突如燕達が黒い光線の弾幕に消し飛ばされたことに違和感を覚え、二つの攻撃が飛んできた方向を見るもアップルパイとアイスクリームの甘い忘れ香だけが残っていた……
***
────その後。
奇跡のプリキットミラールーペの力によって繰り出される新たな必殺技《フライング・スペクトル》によってハンニンダーを倒されたことでマコトジュエルを取り返され、ボロボロのニジーの前にハルとるるかは現れる。
「────くっ…………」
「────帰りましょう」
痛みと屈辱に震え横たわるニジーに対し、まるで死刑執行人かのように冷たく、彼の運命が下されるアジトへ帰還するように言うるるか。
「────誰の……せいで…………!!」
「────全てあなたの責任。ハルが一番最良の選択肢を提示してくれたのにくだらない嫉妬心と底知れぬ強欲で突っぱねたあなたの、ね」
ニジーは憎悪がこもった目で、邪魔をしてきた二人を睨み付けながら非難するもるるかは正論を叩きつける。彼女、いやハルがこの戦いの前に行った心からの説得に耳を傾けてさえいればこんな無様な目には遭わなかっただろう。
ただ私欲で欲張り、そして今回不調だったプリキュア達を散々見下し上から甚振った彼の行いと慢心から起きた敗北だ。
「くそっ……くそくそくそっ────!!」
そして本来ならハルとるるかを裏切者として告発したいが、ウソノワールに繋げないシークレットライブにしたため証拠がない。むしろ、「責任から逃れるためにくだらない嘘で二人に冤罪をかけようとしている」と新人思いのゴウエモンが思い込んで突っぱねる可能性が高い。
それを理解しているからこそ、ただわめくことしかもうニジーには出来なかった。
「………………」
その中で悲しそうな表情を浮かべるハルはニジーを静かに見つめていた。
────アジト帰還後。
「お前の役目は終わった」
舞台に立たされたニジーはスポットライトに照らされ、ウソノワールからたった一言だけ告げられる。それは栄光ではなく、終焉の知らせ。
絶望と後悔に染まったニジーが立つ床が少しずつ沈んでいく。ウソノワールの怒りを買った者が送られる奈落。そこへ送られた者は決して生きては帰れない暗い暗い闇の底。
「ひっ……! ……ぁ……ウソノワール様……! ウソノワール様!!」
「行くがいい、奈落の底へ」
まるで見せしめのように、わざとゆっくりと、床が下がっていく。一瞬ではなくじわじわと迫る終わりは慈悲など全く存在しない処刑。
その様子を、アゲセーヌとゴウエモンが戦慄した表情で見つめている。身を乗り出したその顔から読み取れるのは、ニジーへの心配といずれ自分たちも同じ末路を辿るかもしれないという恐怖。
「う……ウソ……! ウソノワール様!! お、お待ちください! とびきりの情報があります!」
どんなに声を上げても床はさらに沈んでいく中、ニジーは叫んだ。
「プ……プリキュアの一人、キュアアンサーは……2027年から1999年に来たと!!」
「「……!?」」
「「────え?」」
「────キュアアンサーさんが!?」
その衝撃の情報にゴウエモンやアゲセーヌだけでなく、るるかやマシュタン、ハルも目を見開く。
「恐らく……違う時代から来たんです……」
「何……?」
ウソノワールにも衝撃の情報だったようで、ニジーを奈落へと堕とそうとしていた舞台は動きを止める。
違う時代のプリキュア────キュアアンサーという、本来この時代には存在しないはずの人物が存在している。怪盗団ファントム側にも正体不明の存在としてハルがいるが、名探偵側にも同様の存在がいるのはそう簡単にスルーして良い話ではない。
「……未來自由の書にも記されていない……まさか……!」
「ウソノワール様、ニジーの処刑はやめにしませんか?」
手元の未來自由の書にも書かれない二人目の存在に驚愕の様子を見せるウソノワールに対し、提案する声が響く。
「────異邦人、どういうことだ?」
「確かにニジーは口は悪いし、何かカッコつけだし、失敗だらけだと思います」
「アンタ逆にけなしてどうするし!」
その声の主はハル。
だが、死体蹴りするかのような彼の言葉にアゲセーヌがツッコミを入れる。ここだけ見れば、散々八つ当たりや皮肉を言われてきた恨み辛みを晴らすための行いに見えるかもしれない。
「でも、ニジーの忠誠心はウソ偽りのない本物だともボクは知っています。今回はウソノワール様の力になりたいという思いが暴走してしまっただけなんです」
だが、ハルは同時に知っている。ニジーはウソノワールをとても慕っているのだと。ハルはウソノワール含め怪盗団ファントムメンバーに親しみは覚えているが忠誠心とはまた別のものだ。それを知っているからこそ、その点ではニジーのことを凄いと思っているのだ。
「────ニジーは命令に従わず独断で動いた末にマコトジュエルを持ち帰らなかった。その裏切りは処刑しなければならない」
「確かにそうかもしれません。ですが、このまま処刑したらゴウエモンおじさんやアゲセーヌ、るるかさんやマシュタンも恐怖で支配することになります。それは良くないことだと思うんです」
勿論、命令を無視しその結果組織に損害を与えたニジーの失態は厳しく処罰するべきだ。
しかし、実質死刑とも言える奈落行は残されたメンバーにも多大な悪影響を及ぼしてしまう。自由な心を何よりも愛するハルからすれば避けるべき未来だ。
「それに、ニジーは前にボクの仕事を手伝ってくれました。彼の力がなければボクだって失敗していたかもしれない。未知の闇や呪われた魔道具に立ち向かうためにはるるかさんやマシュタン、ニジー、アゲセーヌ、ゴウエモンおじさん、そしてウソノワール様全員の力が必要なんです」
さらにニジーには以前仕事を手伝ってもらった恩、そして今回任務の妨害をした負い目はある。このまま消えてもらえば自分とるるかの罪は未来永劫封印できるが、我が身可愛さにそんなことをするのは自身が大切にしている信念に反する行為。
だからこそニジーの弁護を彼は行っていた。
それに対し、ウソノワールはしばらく考えた後に立ち上がる。
「────処刑は中止だ。しばらくは奈落刑はやめにするが、腑抜けた行為をすれば容赦はしない」
「────え……?」
ウソノワール直々の処刑中止宣告にニジー達は呆気にとられる。
「異邦人よ、日頃の貢献を考慮し今回は不問にするが次に歯向かえば処罰を下す。努々忘れぬことだ」
「────分かりました」
反抗を見せたハルに対し釘を刺したウソノワールが劇場から出ていった後、るるかとマシュタンは少し呆れた様子で話しかける。
「アナタお人好しにも程があるわ」
「────ニジーを庇う程世話になってないのに」
「ニジーだって仲間だもん。消えられたら……悲しくなるよ」
るるかやマシュタンからすれば、ハルがニジーを助ける必要性も義理も皆無。むしろ日頃嫌味をぶつけてくる以上見捨てても許される範囲だが、それでも助けるハルもお人好しが過ぎるだろう。
「あぁ~長い一日だった。今日は疲れたし、ゴウエモンおじさん達にはレンジで簡単に出来る豚バラと白菜蒸し作って、ボク達はドリア食べよっか」
だが、一日中ピリついた空気の中にいて相当疲れた様子のハル。今日の夕食は手ごろな料理で終わらせようと考えながら歩いていると後ろから声をかけられた。
「おい、ガーリーボーイにキュアアルカナ・シャドウ」
「あ、ニジー大丈夫?」
「何かしら?」
「────また恨み言?」
「こら二人とも、そんな喧嘩腰になっちゃダメだよ!」
振り向けば不機嫌そうな様子のニジー。恨み言かと構えるマシュタンとるるかにハルは注意する。
「片方はその通りだ。君達の裏切りのせいで失敗したようなものだ。最後助けたぐらいで帳消しになると思うなよ」
「それは事実だけど、戦う力を持たない人を傷つけるのは怪盗じゃなくて強盗だよ」
ニジーの言う通りハルとるるかの横槍が無ければプリキュア達に勝てていた可能性は高く、そこだけ切り取れば彼の恨みも真っ当なところはある。だが、あの時ニジーは戦う力をほとんど持たない妖精と少年をも傷つけようとしていたためハルは立場を超えて邪魔することを決めたのだ。
最後助けたとしても、ハル本人が意図しているかどうかはさておきマッチポンプな側面もある。おそらくこのまま話しても議論は平行線になるだろう。
「……ガーリーボーイ、僕はどこまでも甘っちょろくて生意気な君のことは大嫌いだ。ウソノワール様に意見しようなど身の程知らずだ」
ニジーがハルを嫌いなのは変わらない。己の信念を最優先に行動するなど甘っちょろくて生意気な性格で、どこまでも希望と未来を信じているその姿はニジーからすれば目障りなことこの上ない。
それに加えウソノワールに新人が意見しようなど恐れ多くその境界を軽率に踏み越えることは本来ならば許されない。
「……だけど、今回だけは礼を言わせてもらうよ。ガーリーボーイ───いや、ハル」
「え、初めてボクの名前読んでくれた!?」
だが、それでもウソノワールに対し自分を認めてあげて欲しいと進言したことに何か心境の変化があったようで、今までハルのことを『ガーリーボーイ』というあだ名でしか読んでこなかったニジーは初めて本名で呼ぶ。
「ふん、疲れたから僕は寝かせてもらうよ」
「あ、それならドリア食べてから寝てよ。美味しく出来てるからね」
「……ふん、せっかくだから食べてやるよ。冷蔵庫にあるんだろ」
驚くハルを他所にキッチンへと向かっていたニジー。
「───相変わらずキザ」
「全く庇ってくれたハルにもう少し感謝しても良いぐらいだわ」
「まあまあ、ニジーは素直じゃないんだよ」
仮にも擁護してくれた相手にかける言葉ではないとぼやくるるかとマシュタンをとりなすハル。ほんの少しだけ彼と距離が縮まった気がするのはきっと気のせいじゃないだろうと笑いながら……
☆腹ペコが弱点のハル
公式メディアミックスの一つ【プププヒーロー】内のカービィのようにお腹が減ると戦えなくなる弱点持ちです。
☆パティスリーチュチュに揃った、ハル、るるかさん、くれあさん
エクレールと決まったので、くれあさんをより積極的に出していけます。本作ではこの三人に焦点を当てる機会が特に多くなる予定です。
☆調子に乗るニジー
本作では下に見ているハルの方がウソノワールに評価されている劣等感も合わせ、原作以上にウザくなるように心がけました(笑)。
原作アニメ25話で主人公っぽいこと言ってましたが、平常時の調子に乗ると途端に出てくる小悪党ぶり見ると「酷い目か不憫な目に遭わせてもまあ良いか」と思えてくるのは自分だけでしょうか?
☆ニジーの弁護をしたハル
ニジーの調子に乗って欲張った末のやらかしは処刑されても文句が言えないレベルですが、ハルだったら庇うなと思い、この展開にしました。
本作では原作に加え未知の闇や呪われた魔導具という不確定要素が加わっているため、ウソノワールも軽率な粛清が出来ない状況になっています。
☆次回の予定
学園迷宮回やしるくさん回はハルをあまり絡ませられないのと原作そのままになりそうなのでカットします。
次回からは皆様がお待ちかねであろう『キュアアルカナ・シャドウ現る!』回を元にオリジナル要素を盛り込んだ中編の予定です。
評価していただいた
☆0:ガイアーシュ様
ありがとうございました。