Edge of Heart   作:星空エクレア

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 くれあさんを個人的な助手にした理由とトップオブリリーしたのかについてるるかさんに詳しく聞きたいのですが(アルカナ・スターレインが降り注ぐまで後3秒)。
 そして、組織を乗っ取ったるるかさんに対して、「頼ってくれても良いんだぞ」など声をかけているゴウエモンは器が大きすぎます(るるかさんは真面目にゴウエモンでも良いので抱えている事情を話すべき)。

 そして、本作の独自要素のモチーフの一つにもなっているキングダムハーツシリーズの最新作が来年後半に発売日が決定。コレクション版買って発売日までに全てクリア出来ればなと考えています。


 今回から『キュアアルカナ・シャドウあらわる!』回をもとにしたオリジナル中編【Nachtflügel編】開幕!
 オリジナル要素もたっぷり入れてお送りしていきます。
 


STAGE2ー6 NachtflügelⅠ

 

 

 怪盗団ファントムのアジトの地下トレーニング場にて。

 

 

 「───《アルカナ・スターレイン》!」

 

 襲いかかる黒い光線の弾幕を走りながら避けるのは本体が青くつばが赤いキャップを被り、パーカーが青と黄色の縞模様の姿で両手を光らせるハル。

 その動きは当初よりも正確で無駄もないが、黒い光線はまるで狼の群れを思わせる大群で彼の逃げ道を塞ぐように振り注ぐ。

 

 

 「⋯⋯!」

 

 目の前を塞がれるが、瞬時に低い位置が空いていることを見つけたハルはスライディングでその隙間を滑る。

 だが、その動きを読んでいた────否、そのような避け方に誘導していたアルカナ・シャドウは鋭い蹴りを繰り出す。

 

 

 「《バニシュ》!」

 

 だが、その瞬間短く詠唱したと同時にハルの姿が一瞬にして消える。

 攻撃が空を切ったアルカナ・シャドウは少し驚いたような表情を見せながらも素早く周囲を見渡す。

 その背後へ────。

 

 「《テレポ出現》!」

 「────!」

 

 ハルが姿を再び現す。

 気配を感じ取ったアルカナ・シャドウは背後へ蹴りを放つも、ハルは再び消えてしまう。ハルが別々の地点へ出現する度にアルカナ・シャドウは攻撃を仕掛けるも回避される、戦況はその繰り返し。

 

 

 「《テレポ出現》! からの《サイコキネシス》!」

 「────っ!」

 

 振り回されて僅かな隙が出来たところを見計らい、ハルは電撃エネルギーが混ざった波動を放出!

 アルカナ・シャドウは杖でガードするも、捉えようがない強力なサイコエネルギーの波動に押される。

 

 

 「どんどん行くよ! 《バニシュ》!」

 (───瞬間移動で惑わせ、隙が出来たところに強烈な一撃を叩き込み即離脱する『ヒット&アウェイ』……単純だけど非常に強力)

 

 迂闊な追撃はせずに再び消えるハル。ここで突っ込んでくれればカウンターをしていたアルカナ・シャドウだが、これではそれは狙えない。

 超能力によるトリッキーな動きと『ヒット&アウェイ』戦法の教科書通りではあるが高い水準でそれをこなしているハルの動きを前に、アルカナ・シャドウは警戒しつつも次の手を打つ。

 

 

 「(────ならば)《アルカナ・スターレイン》!」

 

 最も得意とする必殺技《アルカナ・スターレイン》だが、今回は真上からまるで流星群のように降り注がせる軌道で放つ。

 地下トレーニング場の殆どを黒い光線の弾幕が埋めていき、これではどこに出現しても黒い光線を食らってしまう────ある一点を除いては。

 

 

 「《テレポ出現》!」

 

 そこはるるかがいる場所。

 ちょうど真上に黒い光線の源を抱くこの場所は、発動者であるアルカナ・シャドウを守るためにも死角となっている。

 

 

 「────そこ」

 

 だが、それはアルカナ・シャドウの罠。ここまでの攻防で今のハルが強力な技を出すには集中力を高める必要があり一瞬の隙があることを見抜いていた彼女が誘い込んだ罠。

 鋭い回し蹴りが彼の腹に叩き込まれようとする。

 

 

 だが、次の瞬間全く同じタイミングで素早く腕をクロスしてガードを固めたハルの姿が消える。どういうことかと、アルカナ・シャドウが目を見開いた瞬間────!

 

 

 

 

 「《予言者の見極め》!」

 

 辺り一帯を凄まじいサイコエネルギーと電撃が走り、彼女は大きく吹っ飛ぶ。

 

 「るるか!?」

 (───カウンター技⋯⋯!)

 

 観戦していたマシュタンの驚いたような声が響く中、大ダメージを負ったアルカナ・シャドウは何が起こったか素早く理解する。

 攻撃が当たるタイミングでハルはテレポートで消えながら、こちらの攻撃の威力を自らの力として取り込みより強力なサイコエネルギーの波動に変換したのだと。

 一瞬でもタイミングを間違えれば成せなかったであろうその威力は凄まじく、ギリギリで壁を蹴って勢いを殺さないとノックダウンもあり得た。

 

 

 

 「やったぁ、大成功!」

 

 離れた場所に姿を現したハルは嬉しそうな大声で叫ぶも、その体は若干ふらついている。

 無理もない。先程から超能力を連続で発動するために常に高い集中を維持していた上に、カウンターを成立させる中でアルカナ・シャドウの攻撃を全く無効化したわけではない。

 どちらも消耗が激しい以上、勝負は次の一撃で決まる。

 

 

 「────《アルカナ・スターレイン》!」

 「《エレクトリカルムーブ》!!」

 

 アルカナ・シャドウは黒い光線を、ハルはこれまでの攻防の中でも一番巨大で強力なサイコエネルギーの塊を生み出す。

 互いの渾身の攻撃がぶつかろうとした時だった。

 

 

 「おっと、ここまでにしておきな」

 「「!」」

 

 桜吹雪が駆け抜け二者の攻撃を中断させる。

 

 「二人とも見事な戦いだった! 真剣勝負に水を差すのは無粋だが、これ以上は止めさせてもらったぜ」

 

 同時に拍手しながら訓練場の中央へ歩くのはゴウエモン。

 二人が摸擬戦をやるのを耳にした彼は、可愛がっている新人二人の戦いぶりに興味がありマシュタンと共に観戦していたのだ。

 

 「そうね、二人とも熱くなりすぎるのは止めなさい。冷や冷やしたわ」

 「────ごめん」

 「止めてくれてありがとう~。思わずエキサイトしすぎちゃったよ」

 

 そんなゴウエモンとマシュタンの言う通り、これ以上やれば訓練のレベルを超えた戦いになる、そう考えストップに応じたるるかとハル。

 ゴウエモンが冷蔵庫から持ってきてくれたスポーツドリンクを飲みながら先ほどの模擬戦の感想に移る。

 

 「マシュタン、水晶玉貸してくれてありがとう」

 「貸してくれと言われた時は驚いたけど、こんな能力もあったのね」

 「────ハルのさっきの能力……『エスパー』。今まで見てきた中で一番強力だった」

 

 ハルがくるんと宙返りしながら、いつもの姿に戻ると同時に右手に出てきた水晶玉をマシュタンに返す中、変身を解いたるるかは興味深そうに今回の模擬戦で彼が使用した『エスパー』能力について訊ねる。

 

 「ありがとー! 『エスパー』能力は最近練習して戦い方身に付けたんだ。ちょっと疲れやすいけど、超能力で攻撃や回避まで出来るの結構便利なんだよね」

 

 ようやくアルカナ・シャドウと引き分ける程にまで成長出来たハルが嬉しそうに語るように、先程見せた戦い方こそ『エスパー』能力の真骨頂。

 念じることによって、自在に姿を消したり、離れた地点へ移動出来たり、強力なサイコエネルギーの塊をぶつけたりなど『超能力』を使いこなすコピー能力なのだ。

 

 

 「その中でも予言者のなんちゃらは相当強力に見えたぞ。離れていても痺れるかと思うぐらいの波動が走っていたぜ」

 「《予言者の見極め》はカウンター攻撃なんだ。あそこまでの高いサイコエネルギー保つには相手の攻撃エネルギーも必要なのが難しいところだけど……」

 「タイミングを完全に見極める必要があるのね」

 「何か随分複雑だが……つまり強いってことだな! お前さんもそんな能力を使いこなせるようになったってことは、こりゃ心強いぜ!」

 (────ここまで相手の動きを見切れるようになったからこそ真価を活かせている)

 

 そして、アルカナ・シャドウをノックダウン寸前にまで追いつめたカウンター攻撃《予言者の見極め》を切り札とする。今回はこれまでの模擬戦で動きを熟知していた彼女相手だからこそ成功した部分はあり、実際のバトルで使いこなすのは難しい可能性は高いが非常に強力なコピー能力だろう。

 そして、アルカナ・シャドウによる戦闘訓練や自主トレーニングで相手の動きをよく観察することや、攻撃の緩急をつけることなどを学び身に付けてきたからこそ、この強力な能力を活かせている側面もある。これが他の能力にも応用出来れば彼女からしても免許皆伝といったところかもしれない。

 

 

 ────十分後。

 

 「────ところで、ハル。今日はもう暇?」

 「? えっと、夕ご飯までの仕込みはもう終わっているから空いてるけど……」

 

 模擬戦が終了し、シャワーを浴びに行こうとするハルをるるかは呼び止め、ある誘いを持ちかける。

 

 「───それなら、美術館に一緒に来てほしい」

 

 

***

 

 ────一時間後。

 

 るるかに連れられたハルはまるで屋敷のような巨大な建物の前にいた。

 

 「ここが────宝生美術館……」

 

 現在の自宅である怪盗団ファントムのアジトに負けず劣らず綺麗で広々とした建物に驚きながらも先を行くるるかに付いていく。

 

 「────チケット二枚お願い」

 「分かりました。二千円になります」

 「────これで。はい、ハル」

 「ありがとう」

 

 チケット代金を支払ったるるかから手渡されたチケットを見せ、内部に入るハル。

 

 「美術館の中では静かにするのよ。後は展示品には手を触れないように」

 

 美術館という場所に初めて入る彼に、小声でマシュタンが簡単なマナーを教えながら三人は展示されている美術品を見ていく。

 

 (凄く綺麗……!)

 

 その中でもハルの目が留まったのは一枚の絵。

 それは煌めく星々の海の絵。大多数の観客の目は他の美術品に留まっているようだが、ハルは何故かその絵に惹きつけられる。

 

 「────ハル、その絵が気になるの?」

 「うん、上手くは言えないんだけど……何だか凄く懐かしくて暖かい気持ちになれるんだ……」

 

 理由は自分でも分からないが、その絵が凄く気に入ったハル。るるかもその絵を見上げ少し考え込む表情。

 

 「────時間だから行きましょう」

 「……うん」

 

 だが、いつまでもそうするわけにもいかないのでるるかの言葉を受け、他の展示物を見に行くがどれもそれ程心を惹かれず展示フロア全てを歩き終わった。

 

 

 少しして。

 美術館を出て、近くに停まっていた馴染みのアイスキッチンカーで本日のアイスを買ったハル達は公園のベンチにておやつの時間。

 

 「────ハルはあの美術館、どう思った?」

 「う~んとね……あの銀河の絵は凄く好きだな」

 

 るるかに感想を訊ねられたハルはやはりさっき心惹かれた絵が一番好きだと述べる。それに対し、るるかとマシュタンは顔を見合わせるも、マシュタンは何やら複雑そうな表情。

 

 「えっと、ハル。驚かないで聞いてほしいのだけど……」

 「?」

 「────あの美術館の展示物は全部偽物」

 「へぇ偽物ね⋯⋯⋯⋯に、偽物!?」

 「やっぱり外に出てからカミングアウトして良かったわね」

 

 そして、るるかによる衝撃のカミングアウトに素っ頓狂な声を上げるハル。彼のあまりの驚きぶりに『美術館の中でこの情報を話していたら余計な騒ぎを招くところだった』と、自分たちの判断の正しさを確信するマシュタン。

 

 「な、なななな何があってそんなことにっ!? もしかしてニジー達がやらかした!?」

 「疑いたくなる気持ちは分かるけど、今回は違うわ」

 「────あの美術館の館長であり、この街を代表する富豪、宝生ちなみの仕業」

 

 一方、贋作だらけの美術館という異常事態をまだ飲み込めないハルはニジー達がこっそり本物と贋作を入れ替えているのかと疑うが、そうではないと述べる二人。

 

 「宝生ちなみさん?」

 「────三代続いている企業の社長。その中でも彼女の代でここまで大きくなった」

 「るるかとアタシはあの美術館を訪れたのはたまたまだけど、その中の宝石が明らかに贋作だったの。それで少しずつ調べていく中で展示品が偽物ばかりなことを突き止めたのよ」

 

 彼女達が宝生ちなみを調べたきっかけはハルと出会う数日前、気晴らしに宝生美術館に入った時のこと。展示物の中には宝石もあったのだが、それらの知識も多少あるるるかとマシュタンは宝石だけでも全てが偽物なことに気づき、調べていく内に美術館の展示品が贋作ばかりだということを突き止めたのだ。

 

 「宝生さんはこのことを知っているのかな……?」

 「────故意なのか、それとも業者に騙されているのかはまだ分からない」

 

 だが、美術館が贋作ばかりで埋まっている理由についてはまだ不明。現時点では宝生ちなみが故意に行っていることなのか、それとも悪質な業者に騙されているのか判断は出来ない。

 「それならばボク達で調べよう!」とハルが提案しようとしたその瞬間、彼の頭に何か不思議な感覚が走る。

 

 「…………っ!」

 「ハル?」

 

 突然頭を押さえた自身を心配するマシュタンとるるるかを他所にとある方向から悍まい気配を感じたハルは立ち上がる。

 

 「……あっちの方に不気味な闇の気配を感じる!」

 「────まさか!」

 「付いてきて!」

 

 見覚えがあるその動きから既視感を覚えたるるかとマシュタンは、先導するハルについていく。自身の中で走る感覚を信じ歩いたハルの目に現れたのは────

 

 

 「ここだけど……」

 「────アトリエ」

 「アトリエ?」

 「芸術家さん達の仕事場であり、発想の舞台となる場所よ。お家も兼ねているケースも多いわね」

 

 メインストリートからだいぶ離れているため、人通りが少ない静かなエリアに建つ一軒家。庭には何やらオブジェのようなものがいくつも並んでいる。それを見たるるかとマシュタンはアトリエだと推理する。

 

 

 「それでここから闇の気配を感じるの?」

 「うん。このアトリエの中から感じるよ」

 「────ハル、コピー能力用の品はすぐ出せる?」

 「それについては大丈夫。もしもの時はマシュタンに水晶玉貸してもらえば良いしね」

 「アタシはるるかのお供妖精よ! アナタのじゃないわ!」

 

 そしてハル曰くアトリエの中から闇の気配を感じるとのこと。インターフォンに手をかけたるるかはハルに万が一戦闘になった時の用意は出来ているか訊ねるも、水晶玉を当てにしている彼の発言に「アナタのお供じゃない」と噛みつくマシュタン。

 それにため息をつきながらるるかがインターフォンに手をかけようとした時、荒々しくドアが開いた。

 

 

 「────帰りな! いくらお金を積まれようが、祖母の絵の贋作は描かねぇよ!!」

 

 出てきたのは、勝気そうな雰囲気をまとった、赤い髪を後ろに縛った若い女性。手やエプロンにはいくつもの絵の具が付いている。

 

 「あーた、まだそんな生意気なことを言うのかしら?」

 「!」

 

 続いて出てくるのは赤いドレスと眼鏡が特徴的な紫髪のマダム然とした女性。彼女の左手には黒い真珠の指輪がはまっているが、それに目を向けたハルの頭により強い痛みが走る。

 

 「るるかさん、あの人は!?」

 「────宝生ちなみ。まさか、ここで出会うとは……」

 「あの美術館の!?」

 

 隣に来たるるかに彼女について訊ねると、先程話題に出てきた宝生ちなみだということが判明する。

 

 「────それでその様子だと何か掴んだ様子……」

 「宝生さんの左手にある指輪……おそらく呪われた魔道具だ」

 

 そして、今彼女の左手にある黒真珠の指輪からハルは未知の闇や呪われたネックレスと同じ気配を感じ取っていた。

 

 「芸術を愚弄する真似は死んでもしません! それに、あの絵は私にとっても大事なものなんです!」

 「あたくしはあーたの御祖母さんから援助を続けているのだけど、そんな態度をとるようなら考えさせてもらうわ」

 「ちょっと待ってよ! それは脅しじゃないか!」

 「……何かしらあーた?」

 

 一方、女性と宝生ちなみの言い争いは平行線のまま。

 その中で援助という言葉を持ち出して無理やり従わせようとする宝生ちなみの物言いにカチンときたハルが思わず割って入る。

 

 「通りすがりの一般人です。言いたいことは三つ、『今すぐそのお姉さんを脅すのをやめること』『贋作の展示品を引き下げること』そして『その黒真珠の指輪を外すこと』です。中でもその黒真珠の指輪は非常に危険なものです」

 

 怒りの感情を覚えながらも宝生ちなみに対し、脅しや贋作の展示を止めることと、闇の気配を感じる指輪を外すように警告するハル。

 

 「……!? 何故展示品が贋作だと……! ……まぁ良いですわ。子供二人なら誰も信じないでしょう」

 

 贋作というワードに動揺を見せる宝生ちなみだが、何か思惑があるのかすぐに余裕そうな表情に戻る。

 

 「ほほほほほ! 何を言い出すかと思えば、最近の子供はマナーがなってない上に虚言まで言い出すなんて教育がなっていないですわ」

 「話を聞いてください! こっちは真剣なんです!」

 「────落ち着いて。私が代わる」

 

 そして警告を笑い飛ばす彼女に対しハルはヒートアップするも、それを見たるるかが半ば強制的にバトンタッチを行う。

 

 「あら、あーたはそこのお馬鹿さんと違って、利口な大人の判断が出来そうね」

 「────ええ。証拠がない以上訴えてもはねのけられるだけ」

 「そうね。あーた達子供が訴えても、社会的地位が高いあたくしの言葉が真実となる。これが社会の秩序よ」

 

 宝生ちなみの余裕の理由はまだ子供に過ぎないハルとるるかよりも、富豪で社会的地位もある彼女の言葉を世間は信じるから。そして美術館の展示品が贋作ばかりという証拠を掴まれていないと確信しているから。

 

 「そして指輪を外すなんてありえないですわ! この指輪を手にしてから幸運がいくつも舞いこむですもの!」

 「────その代わり一つ警告。その指輪に魂を売ってはならない」

 「負け惜しみ? 本当に最近の子供はマナーがなっていないわね。さて、こんなところで遊んでいる暇はないわ。藤堂さん、あーたの賢い選択待っているわ」

 

 玉座にいる宝生ちなみには、ハルの熱い言葉もるるかの冷静な言葉も届かない。興味をなくしたように近くにあったリムジンに乗って去って行く。

 

 「…………」

 「あ、あの……!」

 「────今追っても話してはくれない。情報整理の時間も必要だから日を改めるべき」

 

 そして足早に藤堂と呼ばれた女性もアトリエ内に引っ込んでしまう。追いかけようとするハルだが、るるかは今は止めておくべきだと提案。

 

 「…………やっぱり呪われた魔道具に侵食されつつある人は説得には応じてくれないんだね」

 

 なんて奴だと怒る気持ちは強いが、小鳥遊光輝の一件で呪われた魔道具に魅入られた人は心が歪んでしまっていることを知ったハルは複雑な気持ちを抱える。

 

 「────だからこそ、貴方の力が必要になる」

 「……そうだね。宝生ちなみさんを助けるためにも帰って作戦会議だ」

 

 だが、今の自分は悲しむだけの無力な存在ではない。

 怪盗として出来ることをするために、気持ちを切り替えアジトがある方向へと歩き出した。




 
 【エスパー】

 ねんじて きえるよ マジきせき!
 ↑で ねんりき 何かを うごかす?
 みらいを よんで みきわめガードだ
 ねんりき ほうしゃで 電ゲキダメージ!
 いくぜOK、エスパー少年!

 初登場は『ロボボプラネット』。
 その名の通り念力や瞬間移動などの超能力を操る能力。
 相手を自らに触れさせずに圧倒するヒット&アウェイな戦法を得意とし、中でもジャストガード時に発動するカウンター技《予言者の見極め》は非常に強力。
 ちなみにカービィの中の人はスマブラシリーズでネスの声も担当しており、この能力の見た目はそれをかなり意識していると思われる。

***

 ☆Nachtflügel

 キングダムハーツⅢRe Mindのシークレットエピソードにて戦うことになる謎の人物ヨゾラ戦の曲【Nachtflügel】。
 ドイツ語で「夜の翼」を意味する。


 ☆摸擬戦

 実は6話連続でハルとるるかさんのバトルシーンがなかったため、今回からの中編の冒頭に入れました。
 通常コピー能力(ウルトラソードなど特殊系統除く)の中でも最強格候補に挙げられる『エスパー』能力で、ハルはるるかさんと互角以上の勝負にたどり着いています。これに関してはハルが強くなったとも、コピー能力の中でも強力な部類でようやく追いつけるるるかさんの強さともどちらにも取れるようにしています。


 ☆美術館デート(?)で目撃した、贋作だらけの展示品と呪われた魔道具に侵食されつつある宝生ちなみ

 追加されるオリジナル要素の中核を握るのは『呪われた魔道具に侵食されつつあり、原作以上に悪どくなっている宝生ちなみ館長』。
 これに関して、原作の該当話を見た時に「ペルソナ5のあの話と似ているなぁ」と個人的に思ったのが理由になります。後は彼女をより掘り下げたくなったのもあり、彼女に関して独自設定をかなり乗せる予定です。


 評価していただいた

 ☆10:紅生姜の里様
 ☆9:白2野1威様、飲むタイプの点眼薬様
 ☆1:Observer様

 ありがとうございました。
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