たんプリ原作にもいそうで、あんなさん達の前に現れる謎の先輩探偵キャラっぽいなと思います。しかし、ハルのイメージCVって誰になるのでしょうか……(声優さんに詳しくないため思いつかない)
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そしていよいよ本日、名探偵キュアアルカナ登場回。
果たして変身バンクはどうなるのか、変身及び加入経緯はどうなるのか、一部で批判されているドノツラ展開になってしまうのかそれとも納得のいきやすい展開になるのかなどなど不安と楽しみが混ざっています。
今回で調査回終了です。宝生ちなみや彼女の家についてかなり独自設定を盛り込んでいますがよろしくお願いします。
「あたいは藤堂薫。お茶で良いかい?」
「ありがとうございます」
アトリエに招かれたハルとるるか。
二人の前に麦茶のグラスを置きながらフルネームを名乗る藤堂薫。
「それで、先程言っていた黒い指輪と恐ろしい存在に宝生さんが心を蝕まれつつあるというのはどういうことだい?」
「───深くは話せない。早急に宝生ちなみと黒い指輪を分離させるために手がかりが必要」
「いや、ここは事情を説明するべきだと思う。ある程度は秘密にしなきゃいけないのは分かるけど、それだけじゃ藤堂さんも困ると思うんだ」
二人が言っていた『宝生ちなみは現在恐ろしい存在に心を蝕まれつつある』という言葉の意味を訊ねる藤堂薫に対し、自分達の身を守りつつ目的を速やかに達成することを目指す秘密主義のるるかと必要とあらば込み入った事情でも話し状況を明確にすることも辞さないハル。
「ふむ……どうやらアンタら、込み入った事情があるようだね。秘密主義にしたいお嬢ちゃんの気持ちも分かるが、こちらとしては話せる部分だけでも話してくれた方が助かるさね。そっちのハル程ペラペラ喋らなくても良いからさ」
それを見た藤堂薫は二人の込み入った事情を察しながらも、るるかに語れるところまでは語って欲しいと要求する。
「────信じがたいことかもしれないけれど、貴方が知らない世界……裏側の世界で発生した、トラウマに起因して人の心を歪ませる恐ろしい闇の災いが今あちこちでバラまかれている」
「ボク達はそれを止めるために今動いています」
それに対しるるかとハルは話せるところまでは隠さずに事情を話すと薫は「……闇か」と何か呟き考える様子。
「そしてあの黒真珠の指輪がその災いの可能性が高いんです。宝生ちなみさんがあの指輪をはめたのはいつ頃ですか?」
「それなら、去年の夏だ。そういや、あれをはめた辺りから手段を選ばずにより残酷なことをしていたな……」
「残酷なこと?」
「ああ、相手の弱みを握って詐欺に近い条件で契約を結んだりこの間アンタらが見たように贋作制作を望まない芸術家に無理やり贋作を作らせようとしたりだな」
(────小鳥遊光輝の暴走の始まりと時期は一致する。同一犯の可能性が高い)
更に彼女から宝生ちなみが黒真珠の指輪を嵌め始めた時期が判明し、小鳥遊光輝が呪われたネックレスを付け多くの女性を弄び始めた時期との一致から同一犯の可能性が高いとるるかは推測する。
「贋作……それも去年の夏からですか?」
「いや、あの美術館が出来た当初から贋作を展示していた。『盗まれるのが怖い……だけど、皆に見せびらかしたい』という思いでな……」
「────贋作展示に手を染めたのは彼女本人の咎。それなら今の彼女の暴走の原因の一つであるトラウマもそこにあるかもしれない」
一方、ハルとるるかが首を突っ込むきっかけとなった贋作展示に関しては、紛れもなく宝生ちなみ自身の意思によるもの。薫が語る言葉だけなら随分得手勝手な動機だが、『呪われた魔道具は身に着けた人間のトラウマや心の闇を歪んだ方向へ暴走させる』ことを前回の事件で知ったるるかは、宝生ちなみが大きくゆがんだ原因がそこにあるのではないかと考えている様子。
「……まさか、僅かな手掛かりでそこまで推測されるとはね。お嬢ちゃんは名探偵に見えるよ」
「────私は探偵じゃない。得られた情報を整理して見えてきたものを言っているだけ」
そんな彼女に、脱帽したような様子の薫は宝生ちなみの過去を話し始める。
「宝生グループがあそこまで大きくなったのは、宝生ちなみの手腕によるものだ。世の中の奴らはあいつをお金持ちや社会に進出する女性の理想像など好き勝手言うけど……あいつは相当苦労していたんだ」
「苦労……?」
「宝生グループの始まりは、宝生フーズ。あいつのお祖父ちゃんが始めた会社なんだけど、彼は相当のお人好しでね……だいぶ人情経営をしていた。当初は売れない芸術家だったお祖母ちゃんもそのおかげで芸術家を続けられたけど……そのせいで破産寸前の経営難に陥って宝生家には度々借金取りが押しかけてきていた」
それは宝生グループの背景。
宝生ちなみの祖父は人格者ではあったものの経営者としての適性はあまりなく、困っている人にお金を無利子で簡単に貸すなどの人情経営をし過ぎてしまった。その代償は大きく、宝生家には一時期毎日のように借金取りのヤクザが押しかけていた。
「貧乏だったせいで、その頃流行っていたおもちゃを周りの中で唯一買ってもらえなかったんだ、宝生ちなみは。そのせいでだんだんハブられていった」
「……嫌な人たちに絡まれて、友達も出来ない……一人ぼっちだったんだ」
その中で当時流行っていたおもちゃも買ってもらえず、友達も出来なかった宝生ちなみ。その孤独にハルは憐れみを覚える。
「彼女の父親に代替わりしてから少しづつ経営も好調にはなった。その中で貸した金の回収もしていた。だけど、あたいのお祖母ちゃんのように感謝してお金を返す人もいる一方、多くが『人でなし!』だの『冷酷!』だの言われてね……過労と心労で宝生ちなみが20歳を迎えた頃に亡くなった」
「そんな!? 貸したお金を返すの当たり前なのに!?」
「────おそらく善意に付け込んで踏み倒すつもりだった」
更に、貸したお金を回収しようとした彼女の父親を好き勝手に非難した心無き怪物達の話にハルは絶句し、るるかも怒りをにじませながら彼らの魂胆を指摘する。
「宝生ちなみからしたら子供時代や実の父親を奪った、腐った人間たちに強い憎悪を抱いていて、他者を信用していない────それも隙を見せたら自分の大切なものを盗んでくる、と」
「───その頃のトラウマが蓄積し、贋作展示や今の暴走に繋がっている可能性は高い」
「……あれ? 贋作展示する理由ってなんだろ? 盗まれるのが怖いなら美術館なんか作らずにあのお家に大切に仕舞えばいいのに」
そして、宝生ちなみの心の闇────他者を泥棒や金という利益でしか繋がることの出来ない信用のおけない怪物だと思い込んでいる────ことが推理できたが、そうなると美術館なんてものを造ったのか分からなくなるハル。
盗まれるのが怖いならセキュリティが厳重なあの豪邸に仕舞えば良いはずだ。
「────例えば、ハル。貴方が凄くお腹が空いた時に、美味しい食べ物が大量にあったらどうする?」
「それはたくさん食べるかな。お腹ペコペコなら余計に」
「────そう、このように満たされない人がいざ満たされる機会に出会ったら過剰に満たされようとする」
「……! もしかして、宝生さんが贋作展示に走ってしまった理由って……」
「ああ、自分の富の象徴である高価な美術品を自慢したいけど、他者を泥棒だと思っていることから本物は怖くて飾れない……だから贋作展示に手を染めたんだろう」
だが、るるかと薫の推理はこうだ。
幼少期から満たされず奪われてばかりだった宝生ちなみ。彼女の努力で現在の富を得て、その象徴となる美術品もいくつも手に入れられるようになった。その象徴を見せびらかすことで、自身はもう弱者ではないのだと自覚したいが、高価な美術品は盗まれる可能性が高くまた幼少期のような目に遭うわけにはいかない。
それならば、愚かな大衆の前には贋作を展示すれば良いのだと彼女は考えたのだろう、と。
「……ありがとう、腑に落ちたよ。だけど、やっぱり宝生さんにはもうこんなことやめさせたい。こんなことやっても本当の意味で満たされないよ……」
「……ありがとな。あいつのことをそこまで真剣に考えてくれて。もしかしたら……そんなアンタだからこそお祖母ちゃんの絵を好きになってくれたのかもしれないね」
宝生ちなみの背景を知り、ようやく腑に落ちた様子のハルだが、だからこそ呪われた魔道具を破壊しこんな悪事は止めさせなければならないと改めて決意を固める。
それを見た藤堂薫は近くの本棚から一枚のアルバムを取り出す。開いたページには、ハルが宝生美術館で唯一惹かれた、煌めく星々の海の絵の写真が載っていた。
「あ、この絵!」
「【Nachtflüge】という絵だ」
「ナハト……?」
「────Nachtflügel……ドイツ語で夜の翼を意味する」
その絵のタイトルは【Nachtflüge】。夜空を煌めく星々はまるで翼のようなことから付けられたタイトルだ。
「やっぱり凄く綺麗……」
「あの贋作だらけの美術品の中で唯一の本物で……あたいのお祖母ちゃんの遺作だ。お祖母ちゃんはお金を貸してもらった縁で、孫の宝生ちなみのことを気にかけていてね……。彼女に寄贈するよう遺言に残したんだ」
やはり強く惹かれるその絵にハルがキラキラした目を浮かべる中、薫は宝生ちなみとの思い出を語り始める。
「あたいはまだ駆け出しでね……。でも、お祖母ちゃんのネームバリューで売れたくないから正体を隠しているんだ。だけど、中々売れない中あいつは様々なイベントで援助してくれているんだ」
「────芸術家にとってパトロンは重要」
「ああ、だからあいつには感謝している。そして援助し始めた当初のあいつは、ハル、アンタと同じようにこの絵のことを心から好きだと言ってくれていたんだ」
「それだけこの絵が凄いってことですよ」
芸術家にとって支援やパトロンは非常に重要。
藤堂薫も著名な芸術家だった祖母の名前を出せばより売れるかもしれないが、「亡き祖母のように芸術で大衆の心に訴え世界を良くしたい」という信念を持つ彼女はそれを良しとせず、非公開にしている。
「元を辿れば、あいつが贋作展示に手を染めた時から止められなかったあたいにも非はある。あいつの心が歪むのを見て見ぬふりをしていたからな」
中々作品が売れなくても宝生ちなみは薫の祖母との繋がりから援助を続けていた。それ故に贋作展示という犯罪を前にしても指摘できず見て見ぬふりをしてしまい、今最悪の事態になりかけていることに責任を感じている。
「あたいはこの絵を純粋に綺麗だと言ってくれたあの頃の宝生ちなみに会いたいだけなんだ。だからアンタらに託したい」
「────私達を簡単に信用しても良いの?」
「ちょっと、るるかさん! そんな意地悪なこと言っちゃダメだよ!」
「あたいはこれでも芸術家さ。アンタ達の魂の炎の熱さが分らないほどぼんくらじゃない。───得られた情報を冷静に分析し真相に近づく理論派の森亜るるかに、純粋な心の光を持つ直観派の桜宮ハル。そして二人とも譲れない信念を持つ……最高のコンビを見ていたらあたいも賭けたくなったのさ」
そして、自分の目の前に現れた桜宮ハルと森亜るるかという人間の魂の炎の熱さを見ている内に彼らを信じたくなったのだ。
「頼む、お祖母ちゃんの友人だった宝生ちなみを救ってくれ」
「勿論です。虚構の世界も、宝生さんを苦しめる悪夢も終わりにします」
「───私に失敗はない」
彼女から託された願いをしかと受け止めたハルとるるかは深くうなずいた。
***
翌日。
情報は出揃ったので予告状の準備やマコトジュエルの奪取と呪いの指輪の破壊の二つのミッションを同時に達成するための計画を練ろうとしていたハル達だが、「最近働きづめで疲れてるだろ? 美味いどら焼き屋あるから行こうぜ!」とゴウエモンに半強制的に連れ出された。
「どら焼き買ってくるから待ってろだなんて……ホント意味わかんない」
「ね、アイスの方が美味しいのに」
「……そうじゃなくて」
「そうだよ、るるかさん」
そして今は公園のベンチでどら焼きを買いに離れているゴウエモンを待っているわけだが、相変わらずのアイス大好き娘ぶりなるるかの発言にツッコミを入れるマシュタンとハル。
るるかにも忖度せずツッコミを入れる姿に、天然でお人好しなハルも成長しているのだとマシュタンは少し感動した。
「ボクとるるかさんとマシュタンが最高のトリオなように、どら焼きにアイスを合わせたらもっと美味しくなるはずだよ」
「そうでもなくてね……」
その直後にルンルン気分で小学生レベルの発言をしたハルにマシュタンは「自分がしっかりしないと……」と思い直していると何やら急いだ様子のゴウエモンが戻ってきた。
「あ、おじさん。どら焼きありがとう」
「マコトジュエルが出そうだ!」
「あらびっくりね」
「だからちょっくら行ってくるぜ」
どうやらあんなとみくるが依頼人らしき女性と一緒にいる現場を見かけたことでマコトジュエルが出そうだと判断した様子。
ハルにどら焼きが入った袋を渡しつつ、勇んで出陣しようとするゴウエモンだが、ある懸念を抱いたハルが呼び止める。
「えっと、どうやって奪うつもりで?」
「宅配便装って直接奪うつもりだが?」
「やっぱり! 暴力、ダメ絶対! 強行するならご飯づくりボイコット起こすよ!」
「────ゴウエモン、困るから止めて」
「分かった! 俺だってハルの料理が無くなったら困る!」
「……るるか達、ライフラインをハルに頼りだしてないかしら?」
それは手口についてだが、相手に直接怪我を負わせかねないゴウエモンの怪盗とは全く思えない計画にハルは猛反対。
彼の口から飛び出た料理ボイコット宣言に対し、るるかはいつもより力の入った言葉で反対の意思を示し、ゴウエモンはタジタジとなる。その光景に怪盗団ファントムのライフラインを握っているハルは実はファントムの裏番長なのかもしれない、とマシュタンは呆れる。
「だけど、あの絵を盗めなくなっちまうのが厄介だな」
「……気は進まないけど文句ばかり言うのも良くないか」
だが、そうなるとマコトジュエルを見す見す見逃さなければならなくなる。
それはそれで日頃お世話になっているゴウエモンが怒られることや文句ばかり言うのも良くないかと考え、渋々な様子で立ち上がったハルはポシェットから絵筆を取り出す。
「コピー能力『アーティスト』!」
次の瞬間星の飾りがついたベレー帽をかぶり、虹色の絵の具がついた絵筆を持った姿に変身する。頬の水色の絵具と緑色のパーカーがアクセントだ。
「新しいコピー能力か!」
「あら、その名の通り『アーティスト』と言った格好ね」
「よーし、《ペインター》!」
初めて見るコピー能力に興味津々な三人を前に、ハルはキャンパスを取り出し絵筆を走らせる。
「────描いた絵を実体化させる能力」
すると、発煙筒がいくつも飛び出す。描いた絵を実体化させる特殊な力を持っているのが『アーティスト』能力なのだとるるかは気づく。
「これで火事を装えば何とかなるかも」
「ありがとな! それじゃ行ってくるぜ!」
描いた発煙筒をゴウエモンに手渡しながら作戦を伝えるハル。ゴウエモンは礼を言いながら、ターゲットの住むマンションへと走り出す。
しばらくすると、名探偵プリキュアの二人が全速力で走っているのが見えた。みくるの手には絵画がある。
「あら、せっかくハルが手を貸したのに失敗したのかしら?」
「まあ、それで良いとは思うんだけどね」
探偵達側に絵があることからゴウエモンが失敗したのかと考えるマシュタンと、これで良い気もするとある意味問題発言を口にするハル。
二人は疲れた様子で一度足を止めたが、すぐにゴウエモンが追いついた。流石にスタミナは怪盗の方が上なのだろう。
「俺達の渾身のトリックをどうやって見破った?」
「煙が発生しているのに焦げ臭い匂いがなかった」
「小説でも有名な火事偽装トリック!」
「流石、アンサーさんにミスティックさん。すぐ気づいたか」
「アナタ、アタシ達の前だから良いけど仮にも敵を褒めるのはどうかと思うわ」
追いついたゴウエモンにどうしてハルが考案したトリックがバレたのか尋ねられた探偵二人は煙が発生しているのに焦げ臭い匂いがなかったことから、火事ではなく誰かが何かしらの目的があって仕掛けたトリックなのではないかと考えた様子。
自分が考案したトリックを破られたにもかかわらず満足そうに頷くハルに、マシュタンは自分の立場を弁えて欲しいと釘を刺す。
一方、じりじりとにじり寄るゴウエモン。フィジカルの差でゴリ押す気なのだろう。
「だったら……オープン!プリキットミラールーペ!」
追い詰められたあんながプリキットミラールーペを取り出し、絵にかざした。
「はなまるコピー!」
かざされた絵が四枚に分裂して、あんなとみくるそれぞれの両手に全く同じ絵が渡された。
「ミラールーペのコピー機能!どんなものでもそっくりそのまま増やせちゃう!」
「なっ!? な……なんだと!?」
それは宝生邸潜入時にるるかが見せたミラールーペのコピー機能なのだが……
「待って! それは探偵側がして良いことなの!?」
「────私たちがツッコむのも変な話だけど確かにそう」
本物を守るためとはいえ、贋作を生み出すという探偵達の行いに全力でツッコミを入れるハル。自身も事情があるとはいえ非合法なことをしている以上おおっぴらに説教は出来ないが、それはそうとして探偵側の躊躇いがなさすぎる戦法に思わずツッコミが出てしまうのは無理もないかもしれない。
「くっ……どれが本物だ??」
「早くマコトジュエルを回収したら?」
「マシュタン、君は鬼なのかな?」
「お前ら! そうは言ってもだな……!」
本物と贋作が混ざった四枚の絵を持ってバラバラの方向に逃げるあんなとみくるを前に完全に混乱しているゴウエモン。怪盗の手並みをやらを見せてみろと言わんばかりに上から目線で指示するマシュタンにハルとゴウエモンはそれぞれツッコミを入れる。
「簡単ね、『本物なら絶対に守る』」
「……! なるほど……」
だが、冷静にアイスを食べながらのるるかの助言にゴウエモンは何やら閃いた様子。すると、彼は近くの噴水に向かって扇子を振り、桜吹雪を叩きつける。たちまち噴水の水が柱のように轟音を立てて吹き上がり、大量の水があんなとみくるに襲い掛かる。
「────! あんなさんが片方を背中で庇った!」
「────依頼人の大事な絵は何としてでも守る。それはセオリーだけど、バレないためには両方とも体で守るべき」
すると、みくるは反射的に両脇で抱えていた二枚の絵を盾に、あんなは右手の絵で防御した。たちまち消えてしまう三枚の絵────つまり贋作だ。
依頼人の大事な絵を守る姿勢は見事だが、この状況では贋作を盾にしてバレてしまう方が問題。探偵二人の戦略ミスだとるるかは冷静に指摘する。
「後はゴウエモンおじさんに任せよう。帰ったら予告状作らなきゃ」
「────ええ」
だが、二人が手を貸せるのはここまで。後はゴウエモンに任せて、自分達は計画の準備をしようとハル達は一足先にアジトへ戻った。
尚、いつものようにハンニンダーは名探偵プリキュア達に負け、マコトジュエル奪取は失敗した。
***
────その日の23時。
「ふ……ふふ、うふふふふ……はぁぁぁ……」
一人の女性がオークションの冊子を読みながら、うっとりと笑っていた。
彼女は宝生ちなみ────この宝生美術館のオーナーだ。室内に響く笑い声は、夜の静寂にひどく浮いている。
「次のオークションも素敵なこと! コレクター魂が疼いちゃう! ムフフフフフ……鑑定員達にはいつも通り金を掴ませ、何も知らない大衆には贋作を見せれば良いわね」
この醜い世界では金さえあれば強者になれる。そう思い込んでいる宝生ちなみの下に飛んできた二枚のカード。カードは空気を切りながら弧を描き、宝生ちなみが手にしていた冊子を貫通した。
「ぎゃああああああ!!?な、なんですの……?」
震える手で冊子をどかし、宝生ちなみはテーブルの上に落ちたカードを恐る恐る手に取った。
そしてもう一通は……
「か、かかかかか怪、盗、団んんんんん!!?」
予告状の文字を目にした瞬間、宝生ちなみの叫び声が夜の美術館に響き渡った……
【アーティスト】
カラフル 絵ふでを ひっさげて
お絵かき しゅぎょうの たびに出る!
おいしい ぐげん化 まほうのごとく
フレンズたちにも わけあたえ
アートで せかいを すくうぞピース!
初登場は『スターアライズ』。
描いた絵を実体化させたり、作った彫刻をぶん回して攻撃したりとアートにちなんだ攻撃を行う能力。
『スターアライズ』では真上と真下に攻撃が出来ない、技の火力が低すぎるなどから扱いにくい能力だったものの、カービィ同士の大乱闘ゲーム『カービィファイターズ2』では真上への攻撃技が追加されたり、置き技や固めが強力だったりなどから(ゲーム性が大きく異なる影響含めて)そこそこ強力な評価となっている。
***
☆二人目のターゲットは宝生館長
呪いの指輪をはめてしまったことで原作以上に承認欲求が肥大化し暴走している彼女。
原作では承認欲求と盗まれるのが怖いという思いのままに不正に走っていたキャラと描かれていましたが、本作では独自にその背景を付け足しました。
本作では不遇キャラはなるべく少なくしたいなと考えています。
☆ゴウエモンの強盗手段には苦言を呈し代案を示すハル
第10話見返したらゴウエモンの手口が強盗だったので、流石にハルが苦言を呈す展開にしました。
更に、依頼人の絵画を守るためとはいえ躊躇いもなく贋作コピーに走ったあんなさんとみくるさんにもツッコミするシーンも書かせていただきました(勿論、そこまで強くツッコめる立ち位置にハルとるるかさんはいませんが)。
☆予告状送付
次回からいよいよ美術館潜入です。皆さんが長らく待っていたであろうシーンをたくさんお送りできるかと思います。