Edge of Heart   作:星空エクレア

6 / 10
 コナンコラボのニュースに衝撃を覚えました……
 超えられるんですね、局の壁……(それに伴い、前回のお話からコナンネタを削除させていただきました)
 そしてニジーが出撃するようで、果たして彼はサッカーボールと空手から生き延びられるのか? さよならニジーになってしまうのか?(二ジーへの扱いが雑)


 前回から恋愛関連のお話なので一つ設定周りのお話を。
 本作はオリ主であるハルがるるかさんとくっつくかは未定です。原作でるるかさんとエクレールさんによるかなりの百合展開出されたら流石にそれを無視してくっつける勇気は作者にはございません。
 迷った場合はアンケート設置してその結果で決めるかもしれません。
 


STAGE1ー5 色男のバラッドⅡ

 

 

 「リアルの学校に入るの初めてだなぁ」

 「───遊びに来たんじゃない。後、女の子らしい口調を意識」

 

 由香に出会い現状の把握とある取り決めを行ってもらった後、聞き込み調査をするためにまことみらい大学にやってきた二人だが、学校というのを初めて見るハルはあまりの広さに興味津々な様子。

 しかし、今回は小鳥遊光輝という男の身辺調査を行いに来たのだとるるかが注意する。マシュタンは警察署に潜り込んで美優達の取り調べの様子などの把握を担当しているためここにはいない。

 

 「はーい。それでどこから聞き込みするの?」

 「───清水美優さんの所属する経済学部の棟に行く。普段の彼らを知っている人たちがいるはず」

 (何かるるかさんって怪盗というよりも名探偵って感じするなぁ……)

 

 その中でも冷静にるるかは調査指示を出していく。その姿にハルはテレビドラマで見た名探偵の香りを感じるがこれ以上無駄口は叩かず、調査に集中するべきだと考え彼女と共に経済学部の棟へ向かう。

 

 

 経済学部の棟とされている大きな建物に入った一行。

 まずるるかの目が留まったのは掲示板。大学はこのような掲示板があり重大なニュースなどが描かれているケースが多く、見てみれば昨日起こった公園での刃傷沙汰未遂について書かれており「絶対にこのようなことをしないように!」と大きく注意書きがされている。

 現場に直接居合わせたハルがやはり広まってしまっていることに複雑そうな表情を浮かべ、改めて今回のターゲットである小鳥遊光輝の写真を見る。写真の中の彼はシルバーブロンドの髪をしたホスト(テレビドラマで見て知った)を思わせる男。服も伊達男という印象を持たせ、いかにもテレビに出てくるモテ男というイメージを抱かせる。

 

 (⋯⋯これ以上悲劇は起こさせないぞ!)

 

 『何としてでも解決して見せる』と決意を新たに、まずは建物内を巡ってターゲットについて何か知っていそうな人を探そうとした時、後ろから声が聞こえてきた。

 

 

 「でも驚いたよな。清水や大川、水瀬が殺し合い寸前まで行って逮捕されたなんて」

 「別に以外でもないだろ。調子乗ってる小鳥遊に盲目な奴らだったし」

 「小鳥遊が刺されてない方が不思議だよな」

 「あいつ、何か校門辺りで見たことない男たちに囲まれていたけど警察なら逮捕か?」

 「それだったら良いけどな。ざまぁ見ろだ」

 

 振り向くと、四人の男子学生達が一塊になって談笑していた。会話の内容から彼らが小鳥遊光輝や美優達に良い感情を持っていない事は明白である。

 ハルとるるかは顔を見合わせ頷き合うと、体の向きを変え彼らのもとに歩いて行った。

 

 「その話、もう少し聞かせてもらってもよろしいですか?」

 

 美人二人(片方は男なのは知る由もない)に突然声をかけられたためか、男子学生達は緊張したように目線を彷徨わせる。

 

 「実は私たち、清水美優さんとグループワークの授業を受けていたんです。でも、昨日から全然連絡が取れなくて……」

 「そうしたらあなた達の話が聞こえて……事情を知っているなら教えてくれませんか?」

 

 そんな彼らにるるかは困ったような演技をしながら、ハルは事情をより知りたいという本心から問う。

 

 「良いけど……二人は何て名前なんだい?」

 「東山カレンと言います」

 「……大本リンです」

 

 最初は戸惑っていた男子学生達だが、彼らが別に警察官や講師などではなさそうなことと見たことないものの美人大学生二人と接点を持てそうだという下心から少しずつ乗り気な様子を見せる。それを逃したくないため、予め打ち合わせておいた偽名を使ってその下心を利用するカレン(るるか)と、心が多少痛みながらもノリを合わせるリン(ハル)。

 まず彼らは前提となる昨日の刃傷沙汰について話し出す。どうやらあの現場を直接は関係ないが同じ学生も目撃していたらしくその人物から友達、そしてその友達へと、噂として加速度的に現在進行形で広まっているようであり、彼らもそれで耳にしているらしい。

 

 「それでは小鳥遊光輝という人について教えてくれませんか?」

 「小鳥遊はおとなしい奴だったよ。特に目立つことも無くてなんか何時も教室の隅っこにいる感じの」

 「うん。別に悪い奴ってわけじゃなかったかな。」

 「それなんですが、ボ……ワタシの耳にはあなた達が彼のことを悪く言っているように聞こえたのですが?」

 

 リン(ハル)の問いかけに彼等は再び閉口する。如何に嫌いな相手とはいえ、女性達含めて悪口を言っているのを聞かれていたことに躊躇いがあるのだろう。だが、じっと二人に顔を見つめられてるうちに観念したように語り始めた。

 

 「あいつ、去年の夏休み前は本当に地味な奴だったんだ。それが夏休み頃から人が変わったように見た目や性格変わった途端にモテ始めて、なんか複数の女性にも何人も手を出してたみたいなんだよ」

 「突然人が変わったように……」

 

 それはテレビでたまに見るイメチェンというものなのか、それとも何かしらの外的要因があるのか。まだ判断は付かないがリン(ハル)は注目する。

 

 「元々顔は悪くないから女性からの受けは悪くなかったんすけどね。自分がモテるって自覚したせいか奥手だった性格が嘘だったみたいに調子に乗り出して、家に女子を連れ込みまくってたみたいなんすよ。そんなんだからおこぼれをもらおうと企んでいる男以外からはほとんど無視されてるぜ」

 (───由香という少女が目撃したのはおそらくその取り巻き)

 

 一方、カレン(るるか)は今の光輝の周りにいる男友達は損得だけで繋がっていると見抜き、場合によっては突破口に使えるだろうと素早く計算する。

 

 「そのイメチェンについて何か大きく変わったってところありますか?」

 「そうだなぁ……。といっても髪染めてるし、服のセンスも変わったりと変わりすぎてて分からん」

 

 未知の闇が背後にいる可能性を疑っているハルは何か光輝が大きく変わったところはないか訊ねるも、そもそもの変貌が変貌なためか芳しい結果は返ってこない。

 

 「とにかくあいつらには気をつけた方が良いぜ、東山さんに大本さん」

 「ありがとうございます」

 「気をつけます」

 「それでさ、そろそろお昼だし一緒に食べない?」

 「ごめんなさい、そろそろ次の授業に向けて準備しなきゃいけないんです」

 「失礼します」

 

 これ以上彼等から得られる情報はなさそうだと判断した二人は男子学生達のナンパをかわしながら建物を出た。

 

 

 一先ず男性陣から聴取は出来たので、次は女性側の証言を取る。

 これに関しては由香から予め美優の友達だと聞いており、時間になったら落ち合うと約束してもらっていた赤野千夏という女子学生に話を聞くために図書館前のベンチで待ち合わせをしていた。

 

 「あなたがハルさんですか? えっと、男の人だと聞いていたのですが……」

 「これについては海より深い事情があるんです……」

 「───それで横にいる貴男は?」

 

 開幕女装について訊ねられ、改めて羞恥心が込み上げてきたハルは顔を赤くしながら飲み込んで欲しいと願う。一方ある意味原因のるるかは全く気にすることなく、千夏の隣にいる大柄ではあるが穏やかそうな男性について訊ねる。

 

 「俺は塩谷大五郎っていうっす。……その光輝の友達……だったっす」

 「あの、彼については警戒しないでください。彼はその……凄く良い人です」

 

 どうやらあの光輝の元友人らしい。驚くハルと流石に少し警戒した様子のるるかに対し、千夏は拙いながらもフォローする。確かに大五郎からは先ほどの男性達のような下心を感じない。決めつけてはいけないと二人は考え事情を訊ねる。

 

 「───まず、清水美優さんについて教えてほしい。変貌周りを詳しく」

 「美優は凄く大人しくて優しい子でした……。私、ドジって落し物した時も一緒に探してくれて……」

 

 千夏は語り始める。妹の言う通り、美優が変貌したのは今年に入ったあたり。それまでの優しい性格とは違い、常にイライラしたような塞ぎこんだ様子になり、光輝にばかりに執心するようになった。流石に心配した千夏が話しかけても光輝を狙っているのかなどと噛みつかれるばかり。

 

 「その、ハルさんが美優を止めてくれたと聞きました。本当にありがとうございます」

 「そんな当然のことをしたまでです」

 

 それでも千夏は元の美優に戻って欲しいと願っている。その大切な友達すら見えなくなってしまっている美優は今何を思っているのだろうか……とハルは考えてしまう。

 その中でるるかは大五郎に光輝について聞き取りを開始する。

 

 「───次は小鳥遊光輝について聞きたい」

 「信じられないかもしれないっすけど……光輝は凄く真面目な奴だったんす。卒アルの写真撮ってきたっすから見てほしいんすけど」

 「え、これは問題の彼?」

 「───勤勉な学生って感じ」

 

 その中で大五郎が見せてきた光輝の写真にハルとるるかは目を大きくする。写真の中の彼は黒髪で地味な髪形、制服をきちんと着用し眼鏡をかけていた。

 

 「やっぱり驚くっすよね……」

 「そう言えば、さっきの人達も『夏休み前は本当に地味な奴』って言ってた」

 「───その時の彼のことを詳しく聞かせて」

 

 とても由香から貰った写真の中の人間と同一人物とは思えないが、そうなると一体何があって今の人間性になってしまったのかという謎が出てくる。そこに事件を解明する鍵があると踏んだるるかはそこを重点的に聞き取りを行う方向に舵を切る。

 

 

 「元々光輝とは美術部で出会ったんす。と言っても、俺はコンクールで入賞とか出来る程上手くはなかったんすけどね。一緒に作品作ることも多くて自然に気が合って、友達になったんす」

 「友達ってやっぱり良いですよね」

 「光輝には主に勉強方面で助けられること多かったっす。良い奴だったんすよ、本当に」

 

 大五郎は光輝との思い出を語り始める。

 よくある創作物のような派手なことはなかったが、二人の間には確かな友情があった。楽しいと思える日々だった。

 しかし、それに影を落とす出来事があった。

 

 

 「実は光輝には付き合っていた恋人さんがいたんすけど、高2の冬頃別のクラスのイケメンに盗られたんす」

 「えっ……」

 

 それは恋愛のドロドロ。

 光輝はその年の夏頃に恋人が出来たのだが、冬頃に別のクラスのテニス部所属のイケメンにかっさらわれたのだ。

 

 「『地味だし話がつまらないから』『名前負けしすぎてダサい』という言葉で捨てられた光輝は三日間ぐらい失意のどん底で学校に来れていなかったっす……」

 「そんな……」

 (───話が繋がってきた)

 

 理由を書くならば、性格の不一致。その時の光輝は良くも悪くも真面目過ぎた。相手の女性はそもそも彼女が付き合おうと思ったのも彼が成績優秀という肩書にしか興味がなく楽にノートを入手するためだけだった。

 更に彼女は芸術の美しさに心を奪われるわけではなく、バイクのタンデム・シートに乗ったりディスコに行きたがったりするタイプだったのだ。そしてテニス部のイケメンはバイクを乗り回したり派手な遊び場を知っていたりと『イマドキの女子高生』好みだったのだ。

 あまりの悲劇に言葉を失うハルに対し、『イマドキの女子高生』ではないがそこら辺の機敏にも多少は理解しているるるかは顔色を全く変えず少しずつ光輝の素顔に近づいていると確信する。

 

 

 「そして光輝への風評被害も発生したんすけど……俺は覆せなかったっす……」

 

 一方、大五郎は己の罪を告白する。光輝を振った女性と略奪した男性が自分たちの保身のためについた嘘がクラス全体を支配する空気を前に我が身可愛さで完全な訂正に動けなかったのだ。

 

 

 「何とか再び学校には来れたんすけど、やっぱりどうしても塞ぎこむことがあって……大学は別々になったんでリスタートだと思ったんっす」

 

 その後、大五郎の励ましもあって光輝は再び学校には来れたが心の傷は完全には癒えなかった。彼を裏切った女性も責められることはなかった。彼女は美人であり、狭い学び舎という世界では勤勉さよりも顔の良さや性別の方が幅を利かせるのだ。

 だがそれでも、大学は問題の女性と別々になったので心機一転新たなスタートが出来るはずだと彼は思っていたし実際夏休み前までは順調だった。

 

 

 その中で夏休みに起きた異変について大五郎は語りだす。

 

 「夏休み、旅行に一緒に行ったんすけどその時光輝の首に変なネックレスがかかっていたんす」

 「変なネックレス?」

 「蛇に弓矢があしらわれたネックレスっす。光輝は『幸運のお守り』だと言ってたっすけど……オシャレに疎い俺からしたら不気味にしか見えなかったっす。あ、これその写真っす」

 (確かに不気味だな……)

 

 きっかけは光輝が蛇に弓矢があしらわれたネックレスを付け始めたこと。本人は嬉しそうに『幸運のお守りなんだ』と言っていたが、ハルやるるかから見ても趣味の悪いアクセサリーにしか見えなかった。

 

 「それから少しずつ光輝はおかしくなっていったっす……。突然髪を染めたり、香水を付けたり……後は言葉遣いが何というか……チャラい感じになったっすね」

 

 一方、大五郎の話はそこから光輝はどんどん変貌していったことに繋がっていく。

 髪から始まり服や香水を言った見た目の変化はともかく、モテ始めていくと性格はだんだん軽薄になっていった。それは真面目で勤勉だった元々の彼の長所を完全に殺してしまう変化だった。

 

 「しまいには女性がいつも周りにいるようになってからは俺とあんまり会話してくれなくなって……友達止められてしまったっす……『お前みたいな芋臭い奴は近寄らないでくれ』って……」

 「なんて酷いことを……」

 

 そしてついには苦しい時も側にいてくれた親友の大五郎すら切り捨て、日中は女性か軽薄という言葉でしか表せない男たちとつるむようになってしまった。

 

 「清水さんの妹さんから昨日のことは聞いたっす。他の人を破滅させるような真似までしてしまうなんて……信じたく無いっすけど事実なんすよね……」

 「───ハルがギリギリのところで食い止めた。けれど、このままだとそれ以上の悲劇が起こる」

 「優しさも、俺との思い出も何もかも……忘れちゃったんすかね……」

 「それは⋯⋯」

 

 他人を弄ぶ外道へと変わり果てた親友の姿に大五郎はうなだれながら呟くことしか出来ない。

 ハルは無力ながらも己に出来ることを見出し覚醒したが、世の中そんな強い人ばかりでも特別な人ばかりでもない。大五郎のように外から見ることしか出来ない人が大半なのだ。

 

 「───あなた達は小鳥遊光輝や清水美優さんから黒い闇が昇っているのを見たことある?」

 「……いえ、無いです」

 

 一方、るるかは感傷に捕らわれることなく最後の質問を行う。彼女は良くも悪くも冷静でドライな故にやるべきことを見失っていない。前回の事件の時のことを参考に背後の洗い出しに入る。

 

 「……すみません。思い当たらないです」

 「……ほんの一瞬だけだったっすけど、光輝の後ろから微かに見えた気がすることあったっす。……でも、そんなオカルト番組みたいなこと起こるわけないっすし目の錯覚だと思ったんすけど……」

 (もしかしたらそのネックレスに……)

 (───この異常事態の鍵がある可能性は高い)

 

 予想通り大五郎から有力そうな情報が入る。

 人を変貌させる呪いのアイテムなど相当オカルトチックであり一般人からすればあり得ないと切り捨てるものだが、不思議な世界の住民であるハルとるるかはそのネックレスが光輝の変貌の原因になっていると睨む。

 

 

 「⋯⋯もしかして、何かあるんすか?」

 「確信めいたことは言えないんですけど……もしかしたら、小鳥遊光輝の目を覚ますことが出来るかもしれません」

 「───そうでなくてもこれ以上の被害者は生み出させない」

 

 そうなれば、後は作戦会議をした後にネックレスを破壊するために動くのみだ。上手くいけばこの悪夢も終わりを迎えるはずだ。

 

 「友達なのに何も出来なかった俺が言えることでは無いっすけど……それでも……光輝の目を覚まさせて欲しいっす!」

 「私からもお願いします。美優みたいな人をこれ以上生み出させないようにしてください」

 「分かりました」

 「───最善は尽くす」

 

 それぞれの友を心配する二人の純粋な想いを受け取ったハルとるるかは頷いた。

 

***

 

 一時間後。

 大学で大体の聞き込みが終わった二人は長居は無用と去り、マシュタンと合流して街の噴水広場でアイスキッチンカーで買ったアイスを食べながら情報を整理していた。

 

 「そう言えば、警察に事情聴取されたってことはもしかしてボク達が動くまでもなく逮捕されるんじゃ……」

 「そう思いたいところだけど、残念ながらそうでもなさそうよ」

 

 ふと、『警察に取り調べされているのなら光輝は逮捕されるのでは?』という至極当然の疑問がよぎったハルだが、マシュタンは良くない知らせを持ってくる。

 

 「どうやら光輝という男はメールみたいな形跡が残る手段では指示していないらしいわ」

 「つまり?」

 「───しらばっくれることも可能」

 

 理由は目に見える証拠で騒動の指示を出していないことと、それぞれの女性に「最近変な女性に付きまとわれて困っている」と仄めかしただけで後は彼女たちの暴走であるから。

 確たる証拠がない以上警察も逮捕は出来ず、言葉巧みに意のままに操る彼の狡猾さが非常ににじみ出ている。

 

 

 「───だけど、情報は大体集まった」

 「あのネックレスが原因で変貌したってことなんだよね……」

 

 だが、状況は悪いことばかりではない。

 光輝の変貌には謎のネックレスが関わっている可能性が高いこと、そしてそのネックレスには人を操る未知の闇が関わっている可能性もまた高いことが明らかになった。もし、光輝が逮捕されていたら彼との接触は困難であり、ネックレスの破壊に手間取るところであった。

 

 「ならば、破壊しに行きましょう。ターゲットの家は補足済みよ」

 「───ありがとう、マシュタン」

 「ねぇ、二人とも───」

 

 ネックレスの破壊へと動き始める二人にハルが先程から抱いていたある疑問を口にしようとした時だった。

 

 

 

 「……!?」

 

 頭に何か不思議な感覚が走り止まる。

 

 「───大丈夫?」

 「どうしたの?」

 (……これは…………!?)

 

 心配して寄ってくるるるかとマシュタンの声が聞こえる一方、ハルはとある方向から悍ましい気配を感じる。

 

 「……あっちの方に何か不気味な闇の気配を感じる!」

 

 気配の方向を向くとより強まる感覚から確信を持ったハルはこっちだと指をさす。

 

 「この子、レーダーの役割もあるの?」

 「───ハルについては謎だらけ」

 

 今度は付いていけるようにスピードを適度に出しながら走るハルに対し、マシュタンとるるかは彼について新たな謎を口にする。

 そして、彼らが辿り着いた先にいたのは───

 

 

 

 

 

 

 「───俺と一緒にお茶しないかい?」

 「は、はい! 喜んで!」

 

 どこか恍惚とした目を浮かべる大人しそうな女性と、端正ながらもどこか不気味さが混じった表情を浮かべる男───小鳥遊光輝であった……

 




 
 ☆調査時に使った偽名

 苗字はそれぞれるるかさんとカービィの声優さんの苗字、名前はその声優さんの他代表キャラから頂きました。


 ☆光輝の背景

 探偵ものを中心によくある『犯人の背景は必要かどうか』問題。個人的には描くべきだと判断し、今回多めに尺を取って書かせていただいています。
 そしてターゲットが抱えているトラウマや変貌の理由として非常に疑いのある謎のネックレスなど出てきました。それを前にまだ目覚めたばかりだからこそ心や愛とは何なのかという哲学的な疑問をハルは抱いていきます。



 評価していただいた

 ☆9:弥未瑠様、nkm302様、秋葉ばっこ様

 ありがとうございました。
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