カードと結果を元に物語を書く、で書いております。
イントロダクション 王の帰還
シーンカード 不滅のあいつ
光カード 3世
シーンカード 中立民族の襲撃
闇カード ドラゴン(NPC)
シーンカード 村長からの依頼
光カード 可愛いもの好き!
獣人
かつては一つの王国として繁栄していた事もある種族である。
しかしそれは過去の栄光。
十数年前に突如として現れた勢力。
皇帝と名乗る者が中心となり、獣人の国は瞬く間に滅ぼされたのだ。
その地には皇帝の勢力が我が物顔で暴れており更なる勢力拡大を目論んでいるという。
…しかし
物心ついた時から山奥で生活をしており、町など行ったこともないあなたにはさっぱりわからない事であった。
育ての親により読み書き等は教わってはいるが、世間の情勢等はわからないのである。
そんな今のあなたの家族と呼べるのは犬や猫の動物たちだけであった。
いつものように山で食料等を取ってきた帰りである。
山小屋のような家の前に誰か倒れていたのだ。
誰かに襲われたのだろうか、来たであろう方向には血の跡が続いている。
手当をしなければと近づくと、その人物にはあなたと同じように頭の上に耳が、そして尻尾が生えていた。
出来る限りの手当をし、目覚めるのを待つ。
目を覚ましたその人は、あなたを見て驚愕と共に涙を零したのだ。
話を聞くとかつて存在した獣人の王国で王族に仕えていた者と名乗った。
そして、あなたの事をそこで見たことがあると。
「あなた様は、獣人の国の王子…おそらく獣人としての最後の生き残りだと思います。」
その者は夜通しかつての王国の事を語ってくれた。
なぜ、滅びたのかまでも。
皇帝は何故かわからないが獣人を目の敵にしており、いつかはここも突き止めるであろうと。
あなたはこの生活が好きであったし、このまま続けばいいと思っていた。
王国が滅びた事は悲しい事とは思うが、無理に争いをする事は好まないからだ。
しかし、家族である動物たちに危害が加わる可能性があるのであれば話は別である。
あなたの日常は皇帝がいる限り脅かされるのであれば、皇帝をどうにかするしかない。
あなたはそう考え、家族である動物たちと共にかつての王国を目指し旅立ったのだ。
王国へ向かう途中にある山。
大陸にある中で1,2を争う山であり、行商人も使うような場所は道の整備はされているくらいには人の手が入っているのである。
耳と尻尾は獣人の証、信用できる人以外には隠した方がいい。
助けた獣人のアドバイスを元にフードで耳と尻尾を隠し初めて整備された道を戸惑いながらも快適に進んでいるあなた。
長い下り坂の途中。
不意に大きな影が飛び出してきた。
その正体にあなたは覚えがある。
かつて家の近くで大暴れし、生態系を脅かしていた大猪だ。
育ての親や動物たちと共に戦い、育ての親が命を落とす原因になり、倒せはしたがいつの間にか居なくなっていたのだ。
「あ、あれは最近ここらへんで暴れてるって噂の大猪だ!」
近くでそんな声がする。
あれから数年間見かけないと思ったら新たな縄張りとしてこんなところにいたのか。
向こうもこちらを覚えているようで、こちらを一心に見つめてきている。
こちらとしてもかつてとは違うのだ。
あの頃の悔しさを元に多少なりとも山で鍛えてはいた。
「今度こそ決着をつけてやる…!」
あなたの叫びと共に大猪がこちらへ突っ込んできた!
大猪の叫びが響き渡り、その巨体が大地に沈んだ。
自分が囮になり、その隙を家族の犬達が中心となり大猪を倒したのだ。
かつては大切な人を犠牲にし、なんとか倒せた存在。
今では余裕を持って御せるのだ。
自分のやってきたことは間違いなく力になっている。
そんな実感と共に
「獣人…?」
そんな言葉が聞こえた。
驚きと共にフードを確認する。
大丈夫、耳と尻尾は隠れている。
では何故…?
「聞いたことがある、獣人の王国のかつての王はその身のこなしで仲間と共に危機に立ち向かったと」
実感は無いが、自分の血縁の父と知らずのうちに似てきているようだ。
育ての親が実は父と実は何かしらで縁があったのかもしれない。
だとすれば自分は3代目だったりするのかな。
そんなことを思いながら周囲に巻き込まれた人がいないか確認に移るのだった。
大猪での立ち回り。
どうやら戦闘中に思った以上に大きな騒ぎになっていたようだ。
幸いにも怪我人等は居なかったが動きが特徴的で獣人ではないかと囲まれそうになったのだ。
驚いたのもそうだが、助けた獣人の言葉を思い出したあなたは整備された道を外れ、山道を進んでいた。
最初は木が多く、枝を伝ったり等して移動していたのだが、木も減り岩肌が多い場所に出ていた。
ここら辺に出てきた時から嫌な感じがしている。
じっと見られているような、監視されているような。
野生動物が縄張りに入ってきた者を観察している時のような気配がしている。
注意を強くしたその瞬間、視界の端で光るものが見えた。
反射的に一歩下がる。
下がった足元に何かが突き立つ。
矢だ、視線を飛んできたほうへ向けると岩の隙間からこちらを狙っている。
その岩の上にウロコ装束に身を包んだ一団が現れた。
ここらで生活している人達だろうか。
何故こんなに敵意を向けられなければいけないのだろうか。
それを知らない事には力による迎撃は好ましくない。
育ての親も言っていた。
「まずは何故かを知りなさい。それでもダメなら拳で語り合いなさい。そもそも話を聞かなければ叩きのめした後で知りなさい。」
さて、自分に上手くできるだろうか。
「まずは話をしたい、何故敵意を向けるのか?」
「貴様のような異常な身のこなしの者など、皇帝の関係者しかおらぬであろう。」
「そんなことを言われても自分は最近山から出てきたばかりだ、皇帝とは関係ない。」
「今まで皇帝の関係者はそう言って手のひらを返してきたのだ。」
…ダメだ、こちらを皇帝の関係者と決めつけ話を聞いてくれない。
動物たちも何かしらしようとしてくれていたが、何故か後方で意見が割れたのか喧嘩が始まってしまっている。
致し方ない、次策に移るか。
足に力を溜め、飛び出そうとする。
その瞬間
咆哮が響き渡る。
その場にいたもの全員耳を塞ぎ、そちらに目を向ける。
「ド、ドラゴン…」
誰かがそう漏らした。
赤い鱗、強靭な牙、大きな羽根。
生き物としての格の違いが見た目、気配から伝わってくる。
自分がドラゴンから目を離せずにいる間に一団は姿を消していた。
既にここには自分と動物たち、ドラゴンしかいないのだ。
「懐かしい気配を感じてきてみれば、お前、獣人か」
ドラゴンから出てきた言葉に驚く。
気配だけでバレた。
これが生命の最上位種ってやつか。
「…そうだ。なんでもかつての王国の唯一の生き残りの王族らしいけど、よくわからない。」
「なるほど、あやつの息子か。もう既に王族は居ないものと思っていたが。」
「何か知っているのか?」
「王国自体には関係ないが、あやつとは個人的に少々縁があってな。」
「一体何があればドラゴンと縁が…?」
「まあな、これも何かの縁だ。もしもの時は我を呼ぶがよい。例えば皇帝と相対する時等…な」
一方的に言ったと思えばドラゴンは飛び立っていった。
「結局何も教えてもらってないんだけど…」
知りたい情報を教えてもらえず暫くそこで呆然としていた…。
ドラゴンとの出会いを経て
ウロコ装束の一団と再び会わず、山の麓まで降りてきた。
先ほどまで太陽も見えていたのに、急に空が曇り始めたのだ。
なんとなく空気もどんよりと重くなったように感じる。
程なくして村が見えてきた。
家族である動物たちも大猪との戦闘にドラゴンとの遭遇と疲労を隠し切れなくなってきているようだ。
村で休みたい所なのだが…どんよりした空気は村から漂ってきているように感じる。
とにかく村に入ってみる。
しかし村に活気は無く、話し声もまばらな村を進む。
宿屋と思わしき家に入り、カウンターに休みたい旨を伝える。
「はいよ、1泊〇〇ね」
…?
そういえば、世間では通貨というものがあって、何をするにも必要と聞いたことがある。
しまった、食料等は用意していたが通貨は用意していない…
通貨がない旨を伝え、近くでどうにか体を休めようと肩を落とし宿を出ようとした。
その時、あなたに声をかける人物がいた。
「もし、お困りのようですね。」
「ええ、まぁ」
「話は聞こえておりました。お力になれるかもしれません。」
「それは助かりますが、あなたは…?」
「おぉ、これは失礼。私はこの村の村長をしているものです。」
村長を名乗った人は村での休息を手配する代わりにあるお願いがあるという。
「近くに住まう大鬼がおりまして、毎年生贄を要求してくるのです。村も徐々に活気がなくなり、今ではこの有様…お願いです、大鬼を討伐してくれませんか。」
困っているのなら、力になりたい。
家族を休ませてやりたいのもある。
しかし一方的に力に頼るのも育ての教えに背いてしまう。
そう考え、一つだけ条件を出した。
大鬼をどうにかするのは引き受けるが、話し合いでどうにかなりそうであれば結果は討伐に限らない事。
村長は渋い顔をしたものの、大鬼をどうにかしていただけるのであれば、と了承を得られた。
家族には悪いけど、もうひと頑張り一緒にしてもらおう。
村長から聞いた大鬼の住んでいるという場所にやってきた。
生贄はいつもここに運んでいるという。
あなたは叫ぶ。
大鬼よ、話がある。
その叫びから少し経ち、急に威圧感がその場を支配した。
ドラゴンほどではないにしても、種族としての格を感じさせる気配、それが後ろにいる。
動物達も感じているようだ、威圧感に屈しないように奮い立てているのを感じる。
自分を律し、気配の方へ振り向く。
そこにいたのは
鬼の象徴の角、武器は見当たらず、身長は140㎝程だろうか、金髪の美少女が立っていた。
「…大鬼?」
「そうだ、私が大鬼だ。私の縄張りに何の用だ。」
「…」
言葉が出ない…
大鬼なのは違いないであろう、気配がそう教えている。
確かに普通の人が相対すれば怯えるであろう。
だが…
「大方、村の者に頼まれ私を排除しようと来たのだろう?今まで何人もそのようなものを見たが、私の姿を見て皆逃げ帰りおったわ。」
「確かに、村の者に依頼され大鬼をどうにかしに来た。だけどまず聞かせてくれ。何故生贄を要求する。君ほどの力なら生贄等要求しなくても生きれるだろう?」
「知れた事。私が鬼であるからだ。鬼であるが故に、人と接しても相容れぬ。故に支配し、その証に生贄を差し出させるのだ!」
「生きる事に人間を生贄とする必要は無い様だが?それに鬼だから相容れないだって?」
だが…
「悪いが俺にはそうは見えないな。俺の家族のこいつらのように俺から見れば君だって、可愛いもんだ。」
「なっ…!?か、かかかかかか可愛いなんて鬼に向かって何を言う貴様!」
「そもそも見た目の鬼要素なんて角ぐらいだし、そんなん言ったら俺なんてこうだぞ。」
「なっ、貴様獣人だったのか!?」
「そうだよ、だから人間にない要素なんてただの個性と俺からしたら変わらないさ。」
「だ、だが鬼は支配するものだ!それは獣人だろうと変わらぬ!」
「人とは相容れないんなら、獣人ならどうよ?鬼が支配してたって話は聞いたことないし、俺は可愛いやつとは一緒に居たい。」
「ーーーっ!?き、貴様…!」
何かに耐えるように顔を赤くした大鬼は言葉に詰まってしばらくすると、覚えてろー!と言葉を残しどこかに消えてしまった。
生贄がどうなったかは分からないが、とりあえず大鬼はどこかにいったようだ。
村に戻り村長に報告し、村でしばしの休息を得て旅を再開したのだった。
…村長から嫌な気配がしたのは気のせいと思いたい。
ここまで書いている段階では皇帝を目視すらもできないからキャンペーンやることになるやろなぁと考えながら書いていました。