カードと結果を元に物語を書く、で書いております。
シーンカード しゃべるオウム
光カード 大いなる剣
クライマックスカード 神々の戦い
この作品では引いたカードに独自の設定がよく生えます。
通路を抜けた先
魔導機械と遭遇したほどの広さの部屋。
奥へと続く通路には扉が、そこには鍵がついている。
部屋の中央には銀の鳥籠が設置されており、その中には
豪華な羽根色のオウムが居た。
「扉にオウム…?」
「綺麗なオウムね。」
「おい、オウムの足を見てみろ。」
オウムの足には銀でできた鍵がぶら下がっていた。
こちらをオウムが認識すると
「アイテムヨコセ!カギトコウカン。ギャァー!」
「交換…?」
「オウムと…?」
さてどうするか荷物を漁れば姫さんにも見せていないものはまだある。
しかしそろそろ装備も心許無くなってきた。
「…姫さん、何かいい感じの物、あるか?」
「そうですね…」
どこに持っていたのか。
姫さんがどこからか取り出したのは。
「とりあえず水、でしょうか。」
「アイテムヨコセ!カギトコウカン。ギャァー!」
「違うようだな。」
消耗品ではない、と
ってことは貴金属か?
「…では、このペンダントを。」
「姫さん、それ。」
姫さんが取り出したペンダント。
決して高級品とかではない。
しかし、魔力と、それとは別の誰かの心が感じられた。
「おばあ様の形見です。」
「形見って、なんてもんを!」
「宝玉の、王国の為です。おばあ様も納得してくれるはずです。」
そう言い放った姫さんの顔は
「…いいからそれ一回しまえ。」
とても見てはいられないものだった。
自分の感情を押し殺し、使命の為なら仕方ないと割り切った顔。
俺の一番嫌いなものだ。
「し、しかし。」
「糸口は見つかった。」
ペンダントを出した瞬間にオウムが一瞬興奮したように見た。
こういった迷宮に設置されていて、そこで要求されるもの。
迷宮は魔力によって姿を変える。
師匠が以前つぶやいていたのを思い出した。
「こいつを使う。」
「それは…飛竜の魔石?」
魔石と小さな金属の塊を取り出す。
加工用の手袋をして、その上に金属を置き
「あんまり行儀いいとは言えないし、危ないからあまりやりたくないんだが」
「これは…!」
金属が形を変えるほどの熱を手袋を通す。
金属が熱され、形を変え始めた。
小さな工具を使用し形を整える。
そして魔石を二つに割る。
「魔石を!?」
「魔石は割ると魔力は放出されず、割った大きさ毎にそれぞれに魔力が残る。」
魔石で形を整えた金属を挟む。
そのままさらに熱を魔石へ注ぎ込む。
徐々に魔石が小さくなっていく。
最終的にそこには
「お、珍しいこともあるな。」
「指輪…?これは魔力が?それに…」
「普段はもっと細かい加工なんかをするんだが、間に合わせな手法だ。」
指輪が二つあった。
魔力も無事に付いているようだ。
「先ほどまでは一つだけだったはずですが。」
「魔石を豊富に使うと魔力が反応して出来上がりが増えることがある。」
「これは…火の魔力?魔石の属性が反映されているのですか?」
「そうだ、加工次第で指向性を持たせたりできるんだがこの手法じゃ属性耐性が付くぐらいだな。」
一つ、持ち上げてオウムを見やる。
指輪を見てオウムが興奮した様子で
「マリョク!ソレヨコセ!カギトコウカン!」
「ほいほい、交換な交換。」
オウムの嘴に指輪を咥えさせてやるとオウムは足にぶら下がった鍵を放り投げる。
それを拾い上げ
「さて、これで違う鍵ってオチはやめてほしいが。」
鍵を扉についている鍵に使う。
鍵が外れ、扉が開けれるようになった。
「よし。」
「開いた…」
荷物を仕舞い、余った指輪をどうするか。
こいつも属性が付与されている。
飛竜の群れが頭をよぎり。
「姫さん。」
「な、なんでしょう?」
「こいつは姫さんがもっとけ。」
「え、これを?」
「あと姫さんの剣の柄、回してみろ。」
「こう、ですか?」
剣の柄を回すと、剣の根本に円状の穴が現れた。
何かを嵌め込めそうな穴であった。
「その指輪そこに嵌めれるように作った。」
「指輪を…?」
姫さんがつぶやきながら指輪を嵌める。
以前メンテナンスした際に気づいたのを覚えていたのだ。
嵌ると同時に指輪の魔力が剣に通ったのを感じた。
「目算だったが、ちょうどいいようでよかった。」
「…」
「しかし高級品ってのは凄いな、魔力の通りがこんなに良いのは初めて見た。」
「…この…」
「姫さん?」
呆然とした様子の姫さんだったが、ハッとすると
「な、なんでもありません!行きましょう!」
「お、おう。」
ずんずんと先を進む姫さんを慌てて追いかける。
いい加減、宝玉を見つけたいもんだ。
「…大いなる剣、まさかこの剣がそうだったなんて。」
姫さんが何か呟いていたが、俺には聞き取れなかった。
通路を進む。
迷宮から入り、何度この行為を繰り返したかわからない。
俺も姫さんも、持ち込んだ食料等が尽きかけていた。
「いい加減、ゆっくり休める場所か、目的地に着きたいんだが…」
「そうですね、随分奥まで来ましたし…」
「姫さん、一つ提案なんだが。」
「何でしょう?」
「次の部屋で補充も、目途も立たなかったら一度体制を立て直そう。」
「それは…」
「この迷宮って一回出たらそれで終わりじゃないだろ?命は終わったら終わりだ。」
「しかしその間に他の者に宝玉が!」
「壊れる前にメンテナンスした方が道具が長く生きれる。」
「何を!?」
「道具に限らず人も一緒だよ。壊れてからでは遅いんだ。姫さんが強引にでも行くっていうなら、無理やり入口までは連れていくそのあとは好きにすればいい。」
「…わかり、ました。」
姫さんが渋々といった様子を崩さず同意する。
俺だっていつもならそこまで無理強いはしない。
しかしここまで一緒にやってきたのだ。
俺の目の前で死にに行く真似だけはさせたくない。
そうして進んでいくと
「これは!?」
「なんつう…!」
前方より急に魔力と衝撃が襲う。
勢いは強いが、攻撃ではない。
まるで何かの拍子に流れてきたかのようだ。
「姫さん!」
「ええ、急いで様子を!」
先を急ぐ、近づく程に圧が強くなる。
息が苦しい。
魔力の濃度も濃くなってきているようだ。
通路の先に近づく程何かが聞こえてくる。
部屋が見えてくる。
姫さんと中の様子を伺う。
広い、飛竜が居た部屋よりも余程
中は祭壇のようになっており、そこでは異常なほどの存在感を放つ人物が何か作業をしていた。
「もうすぐだ、まさかこのような幸運が起きようとは!」
「鍛冶屋、あいつの手元。」
「あれは…」
手元をよく見ると何か丸いものが…
「あれが宝玉です!」
「あれは魔物には見えない…」
「あれは報告にあった魔物とは別ですね。」
「ってことは四天王ってやつが言っていた至高の御方ってやつか…」
「今なら!」
「まて姫さん!」
「なんで止めるのです!」
「よく見ろ、様子が変だ。」
先ほどから観察していると宝玉に何かをしているようだ。
妙な熱も感じる。
まるで胎動しているような…?
「かつての大戦、横やりによって邪魔されたあの戦い!今こそ!」
「大戦…?過去に起きた大戦とは神話の時代の話なはず。」
「あの因縁、消化不良で終わらせられぬ!今こそ!」
「大戦…封印…因縁…まさか!」
「こんな狭き所より甦れ!」
宝玉が二つに割れ、そこより光があふれる。
思わず目を庇い、光が収まった先には
宙に浮かぶ、背中に翼のある人影があった。
「長き封印を解きしもの、いったいどんな者かと思えば…」
「久しいな天の者よ!かつての因縁、その為に手を尽くしたぞ!」
「あの時は横やりも運、そなたの勝ちだと伝えたろう魔の者よ。」
「自らの力のみで倒せず何が勝利だ!」
「仕方あるまい、ここまでしてまで望む決着だ、終止符を打とうではないか!」
その声と共に二つの人影がぶつかり合う。
その衝撃は俺と姫さんを通路の奥へ吹き飛ばす。
あまりの勢いに意識が遠のいた。
轟音
衝撃と共に響いた音に目を覚ます。
横にはまだ気絶しているであろう姫さん。
「おい、姫さん。起きろ!」
「うぅ…」
うめき声を上げてはいるが、見る感じ負傷は無い。
「起きろ!」
「あっつ!?」
手に熱を溜め、姫さんに触れる。
火傷しない程度に収めてはいるが驚くであろう。
跳び起きた姫さんと共に通路を戻る。
先ほどの部屋につくと
内部は吹き飛んでおり、天井は消え空が見えていた。
その先で、何度もぶつかりあう影。
ぶつかり追うたびに衝撃が、魔力が響く。
離れると魔力が、何かしらの属性を帯びて飛び交う。
外れたそれが山肌に、地面にあたるとクレーターを作っていた。
「神話の大戦にて、常にぶつかり合った宿命の二人。」
「神話ぁ!?何年前の話だと思ってんだ!?」
「天の者、魔の者。この単語が出てくるのは神話の特徴です。」
「そんでこんな惨状だってか?あいつらが決着つけるまで待ってたらどうなっちまうか…」
空を見上げると先ほどまでのは牽制と言わんばかりに攻撃の規模が大きくなってきたいた。
終わるころには、地図を書き換えねばならぬほどであろう。
「どうにかしなくては…」
「どうにかって、どうすんだよ。いくら何でもあんな力に…どうにもなんねえだろ。」
正直に言えば、戦場には行ける。
問題は行ったところでどうにもできないだろう。
「いいえ、希望は、あります。」
そう言って姫さんは剣を取り出す。
「神話を終わらした伝承があるんです。」
神々ぶつかりし、大戦
大いなる剣を持ちし勇者
その剣をもって大戦を終わらせた
「そいつは俺も知っている。大いなる剣、魔力を糧とし天も魔もすべて切り裂く。そう続くはずだ。」
「これには続きがあるのです。」
その剣、魔の元になる指輪を嵌め力をふるう
「…おい、もしかしてその剣。」
「先ほど、鍛冶屋の指輪を嵌めた際にはっきりしました。この剣が大いなる剣です。」
「…まて、そういう性質があるのなら一つ問題があるはずだ。」
魔を使う、つまり
「魔力が圧倒的に足りない。魔力の量がその剣の力になるはずだ。」
「…それは。」
…しかしそういう事ならどうにかなる。
「俺に、考えがある。」
「考え?」
姫さんを連れ、祭壇へと向かう。
そこには二つに割れた宝玉が残っていた。
宝玉を手に取ると、予想通り。
「封印に使われた魔力が残ってる。」
「宝玉は魔石だったのですか!?」
「正確には魔石と同じような性質なんだろうな。しかし、これなら」
「ど、どうするのですか!?」
「姫さん、指輪を見せろ。」
姫さんが剣に嵌められた指輪を見せる。
宝玉を一つ手にとり、指輪に押し付ける。
そのまま宝玉に熱を込める。
徐々に宝玉が溶け、魔力が指輪に、剣に伝わっていく。
全てが魔力に変わり剣が輝いていた。
「これが大いなる剣の姿…伝説の姿。」
「でも、あそこまでは…」
姫さんが空を見上げる。
その先では激突が続いている。
あとはあそこまでの手段。
やったことはないが、感覚は知っている
出来ると知っている。
「姫さん。」
「…はい。」
「あそこに行けば、どうなるかわからない。」
「はい。」
「いけるかもわからない。それでも、行くんだな?」
「民の為に。」
「そうか…」
ふぅ、と息を吐く。
精神を落ち着け、石像に触れたあの感覚を思い出す。
そして浮かぶままに唱える。
「ドラゴニクスギガバーストフレア!」
叫びと共に体が変質していく。
あの石像で見たドラゴンへと変わっていく。
「鍛冶屋…その姿は!」
「さあ、俺も始めてつかったからよくわからん!」
「初めてって…」
「いいから、急ぐんだろう?」
「…ええ!」
竜の背に、王女が乗る。
大いなる剣を携えて。
竜殺しが、竜に乗り、神話に喧嘩を売る。
伝承でも聞かないような新たな神話。
その姿は、わずかな人にしか見られていないかもしれない。
それでも、姫さんは自分の信じる物の為、そこに殴りこんだ。
巨大迷宮から突如発生した神話の再現。
そんな中に突如現れたドラゴンライダー。
大いなる剣を携えたその者は
ドラゴンと共に争いを沈めたという。
「って話が王都で今持ち切りなんだってよ。」
「ほーん、噂の切り替えは速いな。」
村に戻った俺は変わらず村で鍛冶屋をやっている。
決着をつけて少なくない傷を負って気絶した姫さんを治療後、人里の近くで下ろし
村に帰ってきていた。
相変わらず、村人相手にメンテナンスや修理をしている。
あぁ、少しだけ変わったことがある。
「ししょー、こんな感じでどうっすかー?」
「おん?おぉ、悪くねぇな。そろそろお前も次の段階かね。」
「やったー!ししょー、なんか帰ってきてから優しくないっすか?」
「ほー、そんじゃ以前に戻そうか。」
「あー、嘘!うそっす!」
帰ってきたら弟子の腕が予想以上に上がっていた。
これを機に本格的に後進を育成するかと俺が居る時も仕事を任せることが増えた。
話していた村人も帰り、静かになった店で俺は
「さて、こいつをどうするかねぇ。」
宝玉の片割れを取り出していた。
竜になる前にさりげなく回収していたのだ。
魔力の大半はもう片方の宝玉に持ってかれていた。
こいつには精々飛竜レベルの魔力しかないのだ。
しかし素材は今まで見たことも無い。
魔石と同じ性質の素材なんて見たことなかったのだ。
「すいません、この村の鍛冶屋はここで間違いないでしょうか?」
「お?いらっしゃい。村人以外の客なんてめ、ず、ら…」
「久しぶり、鍛冶屋。ところでその手にある物について、話を聞かせてもらえる?」
目が笑っていない姫さんの顔を見て、さてどう言い訳したもんか。
…趣味生活まではまだまだかかりそうだ。