ギターヒーロー in よう実 作:右から左へ
「おはよう山内!」
「おはよう池!」
登校すると、Dクラスの問題児たちが、朝早くから教室で嬉しそうに盛り上がっていた。
いつも遅刻ギリギリか、遅刻してくるのに珍しいなぁと思っていたら。
「いやー、授業が楽しみ過ぎて、目が冴えちゃってさー」
「だな! この学校は最高だよな、まさかこの時期から水泳があるなんてさ!」
「「水泳って言ったらスク水だよな!」」
そう言って教室のど真ん中でハイタッチして喜んでいる。
普通は高校生くらいだと何クラスか合同で体育を行い、男女別になったりするものだけど、高育はクラス間闘争の弊害か、クラス単独で体育な上に男女混合だ。したがって水泳も男女混合になる。
「はかせー。女子の水着ちゃんと記録してくれよ」
「任せてくだされ。体調不良で授業を見学する予定ンゴ」
「記録? 何させるつもりだよ」
「クラスの女子のおっぱいランキングを作るんだよ。そのために携帯で撮影とかな!」
「……おいおい」
山内、池、須藤の三馬鹿に加え、博士と呼ばれているオタクっぽい生徒を中心に、男子の一部がアホな計画で盛り上がっている。そのアホさ加減は男子校のノリだけど、高育は共学だ。
そして女子のバストサイズでトトカルチョを行うとか言い出し、女子別にオッズを付けはじめた。その下卑た内容に周囲の女子たちはドン引きしているし、私もドン引きだ。
うーん、アニメでこんなシーンあったかな? 覚えてないや。
まぁ、男子高校生ならついつい女子をエロい目で見てしまうのは分かるけど、女子もいる教室内で大声で盗撮とおっぱいランキングの相談とか、普通はしない。ここまで馬鹿だと救いようがないな。
「おーい綾小路、お前も賭けないか?」
「いや、オレは……」
珍しく綾小路くんに声がかかったけど、どこか気まずそうにチラチラと私と堀北妹を見てくる。
「綾小路くん、呼ばれてるわよ」
「いや、あそこに混ざるのはどうなんだ……女子から軽蔑されないか?」
「ま、間違いなく軽蔑されますよ……」
「……やめておくか」
綾小路くんは呼んでいた山内に首を振って混ざらない意志を伝えると、「何だよノリ悪いなー」と言っておっぱいランキングの話題に戻った。
「俺は長谷部に賭けるぜ! 一番人気だしな!」
「俺のおっぱいスカウターを舐めるなよ……一番胸がデカイのは後藤だ!」
「後藤……? あぁ、あの初日に辞めるとか言ってた頭がおかしい地味な奴か」
そう言って男子の視線が私に集まる。見んな殺すぞ。
注目されるのは苦手なので、綾小路くんを盾にして隠れる。
私をチラリと見た馬鹿たちは、肩を寄せあってひそひそ話をしをはじめた。
「ここだけの話、俺は後藤に告白されたんだよ」
「まじでッ!?」
「マジマジ! ここだけの秘密だぜ。その時に私服を見たんだけど、アレはかなりデカイぜ……」
いつの間にか私が山内に告白した事になっているらしい。
内緒話のつもりらしいけど、周りが見えていないのか普通に声が大きいから丸聞こえだ。
他の女生徒や綾小路くんから訝しげな目で見られたので、手でバッテンを作って首を振ると、通じたようで皆から哀れみの目で見られた。
「それでOKしたのかよ!?」
「するわけないだろ、あんな暗そうな地味女。俺は櫛田や長谷部クラスじゃないと付き合わないんだよ」
そう言って嗤う山内。
いつの間にか山内に振られてた。ウケる。
◇
「長谷部や後藤がいない!? 他の女子も!! どういうことだ!?」
「まさか……ほとんどの女子が見学になってるぞ!」
午後の体育の時間になると、山内と池の悲痛な叫びがプールに木霊する。
盗撮とおっぱいトトカルチョをすると、馬鹿が騒いでいたせいで、女子の殆どが見学になっていたからだ。
当然、私も見学だ。
「巨乳を拝めると思ったのに!」
「神は死んだッ!」
アホたちがプールサイドで頭を抱えて崩れ落ちているのを、見学組の女子たちが2階から冷ややかな視線で見下ろしていた。
高育のプールは中学の時のような野ざらしのしょぼい設備ではなく、完全屋内の温水プールだ。広々としていて設備も最新。国立とは思えないほど金がかかっているので、2階は観客席のようになっていて、ベンチに座って見学できるようになっている。
今世では泳ぐのは得意ではないけど、プール自体は好きなのでせっかくなら入りたかったな……準備してきた水着が無駄になった。
そして、こんな騒動を引き起こして大量の
女子でプールに入ってるのは水泳部に所属している生徒や、堀北妹のようにサボることをしない生真面目な生徒、そしてチヤホヤされることに命を賭けている櫛田さんだ。
山内や池、そして他の男子たちも、そんな櫛田さんのスクール水着姿を拝めたせいか、一気にテンション爆上がりしていた。
「アホくさ……」
それを見ていた長谷部さんが呆れている。
まぁ、元男として分からないではないけどね。
そして、水泳の授業が始まり準備運動が終わると、男女別でレースが行われるようだ。
1位になった生徒には5000ポイント。
それを聞いた生徒たちは喜んでいたけど、これも税金から支払われるのかと思うと、納税者からしたらモヤるな。
遊び感覚で税金使ってんじゃねえよと。
まぁ、今さらだし、その税金でDTM機材一式とベースやドラムセットを揃えた私が言えた義理でもない。
「あ、あの……」
そんな事を考えていたら声をかけられた。
振り向くと、声をかけてきたのは私と同じようなピンク髪で、眼鏡をかけた同じような陰キャ。そして同じような巨乳の子、佐倉さんだった。
「な、なんでしょう……?」
「あ、あの、私……その……」
もじもじして中々話そうとしない佐倉さん。山内がこんな事をしたらグーで殴るけど、美少女にそんなこと出来ないので根気良く話すのを待っていると、
「わ、私の部屋、後藤さんの隣で……時々、歌が聴こえてきて……」
「あ、もしかして煩かったですか……? す、すみません……」
クレームだった。
寮は鉄筋で、防音がしっかりしてそうだからと、深夜でも気持ち良く歌っていたけど、まさか音が漏れていたとは……
「い、いえ! そうじゃなくて……」
そう言ってまたもじもじすると、私の耳に顔を寄せて、囁くような声で、
「ご、後藤さんって、ギターヒーローさん……ですよね?」
そう言ってきた。
美少女の吐息が耳にかかって思わずドキリとする。
佐倉さんの方を見ると、期待するような目で私を見詰めていた。
けど、
「い、いえ、違います……」
「えっ!? いや、だって、そんなはず……」
そう答えると、動揺してあたふたとしていた。
「ち、チャンネルとアカウント名を変えたので、もうギターヒーローじゃないです……」
「えっ? ……あれ、ほんとだ…… えっ、じゃあ、やっぱりギターヒーローさん?」
「ち、違います」
「???」
端末で私のチャンネルを見たのか、納得したけど納得出来ない、そんな顔で佐倉さんが混乱している。
けど、改名したので私はもうギターヒーローじゃない。そこは譲れない。
「が、学校でアカウント名で呼ばれるのは、は、恥ずかしいので……普通に名前で呼んでもらえると」
「は、はいッ!」
それで納得してくれたのか、嬉しそうに頷く佐倉さん。
「ふ、ファンなので握手……して貰えますか?」
「は、はい、いいですよ」
おずおずと差し出された手を握る。
柔らけぇなあ……私のギターダコでカッチカチになった手とは大違いだ。
「そ、そういえば佐倉さんって……グラビアアイドルやってますよね?」
「えっ!? ……し、知ってたんですか?」
「み、見たことあるような気がしたので……」
原作知識だけど。
少年誌の表紙を飾ったことがあるくらい有名なグラドルというのは覚えている。
そして、私と同じように高育に通いながら特例でブログとかに写真をアップしていたはずだ。
けど、芸名を覚えてないから特定出来ないでいた。
「げ、芸名を忘れてしまって……何でしたっけ?」
「えーと、し、雫です……あの、他の人には内緒にして貰えると……」
よっしゃ! 後で検索しよ。
そんなやり取りをしていたら、水泳の授業が終わっていた。
レースは男子が高円寺くん1位で、2位が須藤。平田くんが3位だったようだ。
女子は1位は水泳部の娘、2位が堀北妹だった。
そして休み時間に端末で「雫」で検索すると、水着姿の佐倉さんのグラビア写真を見つけた。
着痩せするタイプのようで、水着姿だと爆乳だな。眼福。
そしてコメ欄を覗いたら、ストーカーっぽいキモイ書き込みがずらりと並んでいた。それも殆ど同一人物の書き込み。
そういえばストーカー被害に悩んでたんだっけ……
それを綾小路くんが助けて惚れるって展開だったから、放置しておいた方がいいのかな……
うーん、人の恋路の邪魔はしたくないし、どうしたものか。
ぼっちちゃんの巨乳設定
アニメじゃ普乳にナーフされてて
原作では普乳~少し大きいかな?程度だったのが
はまじ神のXの投稿で一気に巨乳に盛られた感
バニーぼっちちゃん
https://x.com/hamazi__/status/1609344190445678592?s=46
今作はバニーぼっちちゃん想定でお送りします
(ヒロアカの方も)
佐倉へのバレの経緯は
→隣室から歌が聞こえてくる
→翌日にその歌をギターヒーローが配信する
てのを何度か繰り返して確信した感じ
ギターの音はアンプで垂れ流しにしてなかったので聞こえてなかった想定
そして、ターゲットを佐倉から偽ぼっちにしただけで、アンチヘイトっぽくなる山内凄い