ロボット怪獣のパイロットになりたい!!(仮タイトル)   作:SGMY

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ソレの起動

突如太平洋にて巨大生物が確認された。巨大生物は一番近かった島国《日本》を襲った。軍はすぐに動きそれを鎮圧しようとしたが失敗、その後巨大生物は散歩をするかのように建物や人々を踏み潰しながら世界を横断した。巨大生物は太平洋の自分が現れた場所に戻り、姿を消した。その後、大小異なるが世界各地にて未確認の生物が出現し都市を破壊した。これらの生物を怪獣と呼称し、我々は太平洋に人工島を作りそこに逃げ隠れ、外の世界を手放した。

だが人類は負けばかりではなく、怪獣の討伐も何度か成功し、男のロマンである巨大ロボット兵器などが作られた。全長50Mのそれは《Creaturae mechanicae quae monstra devorant》というプロジェクト名から文字を取り、その名も《C.M.Qu.M.D(クェムド)》。怪獣を食らう生物としてその名を授けられた。

 

それから数百年、人類は負けてばかりだった。だが最近になってようやく反撃の狼煙が上がろうとしていた。

 

「今回は学生である皆さんをこの間奪還されたハワイに見学をしに行きます!」

 

担任の先生が学生たちの前でそう言う。俺達は《人類最後の島》の学生でここ数百年無理だった怪獣から土地の奪還に成功した土地に踏み入れる事となった。

 

「数百年、人類の手が届かなくなった島に行き、その生態系や自然の調査などが今回の目的です!もし怪獣がいればすぐに避難!そして皆さんに配られているその時計型の通信機にて先生、もしくはクェムドのパイロットに緊急信号を送ってください!」

 

先生は腕時計を見せながらそう説明する。

 

「あ、見ろ!クェムドだ!」

 

外へのゲート前にクェムドが並ぶ。外に出る準備が完了したのだろう。

 

「では行きますよ!外の世界へ!!」

 

ゲートが重々しく開かれる。俺達学生が乗ったバスと並行するようにクェムドも外に出る。

 

「これが…外の世界か」

 

何処までも続く水平線、青く煌めく海、そしていつも浴びてるはずなのにここでは違うように感じる太陽の光。

 

「ここからは船で島まで向かいます!」

 

バスやクェムドが載っても全く傾かない巨大な船。こんな物があったなんて知らなかった。

俺が船の端で水平線を眺めていると後ろから突然声をかけられた。

 

「島まで結構かかるらしいよ」

「えっと…」

 

赤髪の女子生徒だった。クラスメイトということはわかるけど生憎俺は人の名前を覚えるのが苦手で相手の名前がわからない。

 

「雫、小鳥遊雫だよ」

「小鳥遊ね」

「雫でいいよ」

 

雫は俺の横に座り、タブレットでこれから行くハワイと呼ばれていた島の情報を表示し、俺に渡してきた。

 

「人がまだ沢山いた時代ではこのハワイって島は観光客とかで賑わってたんだって」

 

タブレットをスクロールすると観光のパンフレットがいくつも出てくる。それだけ人気の島だったのだろう。スクロールを続けていると1つの記事が出てきた。

 

「最初の怪獣が消失してすぐハワイの火山が噴火、2体目の怪獣が出現した」

「地下を移動する怪獣って授業で習ったな」

 

ハワイにある火山の噴火と共に現れた怪獣、その被害者数は100万を越え、ハワイから人は消えた。

 

「最初に怪獣によって奪われた島を最初に取り戻せたなんてね」

「でもこれで人口が増える」

「そうだね、そう言えば君の―――」

 

何かを言い終わる前に担任の先生による招集がかかった。雫はそれに呼ばれたため、足早に去った。

 

「最初に奪われた島を最初に取り戻せた…か」

 

本当に取り戻せたのだろうか。いや残党を炙り出すための俺達なのではないだろうか。それとも現れた怪獣から学生を守ったクェムドという名誉が欲しいのだろうか。

 

この時の俺は自分の予想が当たっているなんて全く思わなかった。そしてあんなことが起きるなんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明け、ハワイと呼ばれていた島に到着した。学生達はクェムドに守られながら歩く。目的はハワイを隅々まで確認し怪獣がいないことを確認するためだ。

 

「はい!ではここからは各班に一機クェムドを配備してもらい、島の探索に行きたいと思います!」

 

俺の班には青いクェムドが来た。量産型のクェムドは色で判断するそうだ。

 

「にしても…うちのクェムドは武器が多いな」

 

武器と言ってもナイフや剣が大量に付いていた。

 

「青いクェムド…Bの10だね。確か最近入った人で《強者は多種多様な武器を扱える者だ》って言ってた人だね」

 

確かに多種多様な武器を使えたら強いだろうけどワンパターン過ぎないだろうか。

 

「っていうかあんた誰」

「え、去年も同じクラスだったろ?!田中だよ!」

「あぁ、日野山ね」

「知ってるんじゃん」

 

日野山はクェムドを足元から見上げ、歴戦のようについた傷を見ていた。

 

「これは歴戦の傷だね。パイロットも相当な腕を持ってるみたい」

「お前さっき最近入った人って言ってただろ」

「」

 

日野山は高高く笑って誤魔化した。その後、クェムドの準備が完了したため俺達は山の探索を始めた。軽装備で。

 

「なんで山なんだよ!俺十分な装備持ってないぞ!?」

「ははは、大丈夫だって。山は危険って言うがそれは登山だろ?今、俺達はクェムドの手のひらで登ってるんだからな!」

「全登山家に謝れ貴様!」

 

そう声を荒げたのは同じ班の竹中だが、そんな声聞こえないのか山頂に着き、日野山が別の山に向かって何か叫んでるのが聞こえる。

 

「彼女ほしいいぃ!」

「あほくさ」

「山の上なら遠くまで見えるし登って正解だとは思う」

 

そうして竹中やほかの奴らも叫ぼうとした時だった。

 

ズンッ

 

島が震えた。地震かと思ったが俺達がいる山は震えておらず、目の前の山肌が崩れていく。スマホに緊急のアラートが鳴り響く。

 

「おい、嘘だろ…アレって…!!」

 

目の前にあった山はただの山ではなく、怪獣が擬態した山だった。

 

『学生達!すぐにクェムドの手に乗って!早く!』

 

パイロットはクェムドの手を降ろして俺達が乗りやすくしてくれた。竹中達がクェムドの手に乗り、俺も乗ろうとした時だった。

 

「は!?」

 

俺達がいる山も震えだし、俺がいた地面が崩れていく。崩れる地面に足を取られ、俺は崩落に巻き込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……施設内に負傷者を感知、状態を確認。

……損傷60%、心拍数低下、深刻な状態。

……緊急処置を実行。

……損傷した心臓の代わりに《動力コア》を移植。

……《動力コア》の軌道を確認、細胞の活性化に成功。

……再生力大幅に上昇。

……本機と適性検査、完了。

……本機との神経接続可能。

……《動力コア》起動。

 

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