ロボット怪獣のパイロットになりたい!!(仮タイトル)   作:SGMY

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ソレの目覚め

あれからどうなったのだろうか。崩落に巻き込まれたところは覚えてるがそれ以降は覚えていない。

 

「身体は…動くな」

 

辺りを見渡すと壁や床、天井に爪痕がありここでも戦闘が行われていたことがわかる。少し歩くとここは何かの施設だったようでクェムドの研究施設のようでクェムドのパーツや設計図などが壁一面に貼られていた。

 

「クェムド事態はこの島を奪われる前から作られていたのか」

 

資料などを読んでみると知らない情報がたくさん出てきた。ハワイに怪獣が出現する前、休眠中の怪獣を発見した政府はその怪獣を改造し、兵器として運用する計画を立てていた。それでできたのがクェムドのプロトタイプ。

 

「しかしプロトタイプは起動しなかった…?」

 

プロトタイプの起動実験は何度も行われたがどれも失敗、一度たりとも成功しなかった。

理由としては起動に莫大なエネルギーが必要で施設内の電気じゃ賄えないほどだった。

だが怪獣の体内から怪獣という巨体を動かすエネルギー源を発見。ソレを《起動コア》として再び実験するが失敗。今度は怪獣に組み込んだ情報処理装置が機能しなかった。

 

「人工知能を持った人型ロボットを搭載?」

 

高い頭脳と情報処理を行える人工知能ロボットを第二の処理装置にすることで代用。プロトタイプの起動に成功した。

だがプロトタイプは暴走、施設内を破壊し従業員を襲い封印することとなった。しかし得られた物は多く、暴走した原因も処理装置として人工知能以外にも怪獣の脳も使用したためだった。

 

「怪獣の脳を使用しないことで性能は大幅にダウンするがクェムドの量産ができた…」

 

え、もしかしてその封印されたプロトタイプってここにあったりする?

 

施設内を探索すると明らかにヤバいだろうという扉を発見した。銀行とかの金庫に使われていそうな重々しい扉は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開かれていた。

 

 

 

 

 

「開いてるのはダメじゃない?」

 

中に入ると見たことないクェムドがいくつもの鎖に繋がれて地面に伏せていた。腕や首、体、足の全てを鎖で繋がれていた。まるで罪人を逃さない監獄の檻のようだった。

 

「これがプロトタイプ…」

 

資料や設計図、完成図を見ていたが改めて見ると普通のクェムドと違う見た目をしていた。今のクェムドは怪獣に対抗するためファンタジー世界の竜人のような形をしているがプロトタイプも竜人のような形をしているが他のクェムドにはない後頭部から髪のような物があり、尻尾が2本もあった。

 

「ここ、電気通ってるんだ」

 

プロトタイプ近くにあったモニターは点滅しており、触れると起動した。モニターにはプロトタイプの状態が表示されている。

 

「なんでここ手の形をしているんだ?」

 

パネルの横に手の形をしたくぼみがあり、そこに手を載せる。するとチクッと何かを刺された。突然の痛みに驚き、急いで手を離すと指先から血が出ており、モニターには《遺伝子の登録完了》の文字が書かれていた。

 

「なんで遺伝子登録なんか…」

 

突然金属が軋むような音が聞こえ、後ろを振り返ると大きな目と合った。どうやらプロトタイプは目覚めたらしく、俺を食料として見たのか鎖で縛られているその大きな口を無理矢理開き―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜パイロット〜

突然怪獣が出現し、急いで学生達を避難させようとしたところまでは良かった。でも山が崩れ、生徒1人を守れなかった。守れた生徒達を安全なところまで連れて行き、他のクェムドパイロットに連絡を取り、救援を要請した。だけど救援が来るまでの間はわたしが1人で相手にしないと行けない。

 

「クェムドに乗って初めての戦いが実践だなんて…」

 

正直今回は先輩達が怪獣を掃討したあとの島だからと油断しきっていた。

 

腰につけていたナイフと剣を取り怪獣と向き合う。怪獣は危険度G級で大型の一番弱い部類だと思う。休眠していたのかそれとも今ここに来たのか。鋭い爪を持ち、モグラのように地面を掘るタイプだと思う。

 

「はあああ!」

 

ナイフを投げるのと同時に走り出し、剣をひと刺し。弱い怪獣ならコレで心臓を貫いて倒せる。訓練通りにやれば勝てる。そう思ってた。

 

「ギイィイイイイ!」

「え?きゃあっ!?」

 

突然横から攻撃され宙を舞い転げ落ちる。見れば別の怪獣がいた。同種の怪獣のようけど不意打ちとは言えクェムドを弾き飛ばすなんて信じられない。

 

「1対2なんて卑怯な…」

 

先ほど現れた怪獣に剣を振り下ろす。1つの金属音が響き見れば剣が折れていた。わたしはすぐにその怪獣から離れて折れた剣を捨て新しいのを取り出す。きっと整備されてなかったか劣化していたから剣が折れた、そう思っていた。

先ほどと同じように遠距離からナイフを2本連続で投げる。が、怪獣に当たる前に全て落とされる。

 

「なんで!?」

 

クェムドのモニターに超スピードでナイフを叩き落とす怪獣の腕が見えた。さっきのも剣が劣化で折れやすくなっていたのではなく。

 

「あの怪獣が目にのも止まらぬスピードで折った!?」

 

そんなのG級じゃない。D級の怪獣だ。わたしのような新人が相手にして勝てるような相手じゃない。

 

「既存のデータにあんなの見たことない。つまり…突然変異だ…」

 

突然変異した怪獣は能力の上昇の他に知能も格段に上がる。それはつまりこの怪獣達は私達が来るのを待ち伏せしていた可能性があるということだ。

そんな事を考えていて怪獣の接近に気付けなかったわたしは重く早い一撃を食らい、クェムドの損傷率80%を超えた警告音が鳴り響き始めた。

 

「やだ…わたし…まだなにも…」

 

クェムドの操縦桿を動かすが関節などから軋む音しか聞こえない。相手が動けないと知ると怪獣達はクェムドを何度も攻撃し始めた。

 

こんなところで終わりたくない…

 

モニター越しに怪獣が鋭い爪で機体を貫こうとしてるのが見え、走馬灯が見えそうな時だった。

 

GOGAAAAAAAAA!!!!

 

重々しい重低音で怪獣のような雄叫びが聞こえた。もしかしたら新しい怪獣の産声かもしれない。

ますます死を確信し、目を瞑る。数秒、数十秒が経つが痛みは一向に来なかった。

 

「…?」

 

目を開けると蛇腹剣のような何かが怪獣の腕を切断した。怪獣は威嚇をするかのように叫ぶ。それを聞いて同型の怪獣が次々に現れる。

 

「こんなにも隠れていたの…!?」

 

動けるようになったクェムドを操作して怪獣達から距離を取る。だけど損傷は激しく立っているだけでもキツく、膝をつきそうになったがクェムドが現れわたし達を支えてくれた。

 

『っと!大丈夫か!』

「っ!はい!あ、ごめんなさいやっぱり無理そうです!」

 

ここで救援が来てくれて安堵したのもつかの間、怪獣達は熱線エネルギーを溜め始めた。

 

『まずい!全員!シールドを全開にしろ!』

 

そう言われてシールドを展開する。怪獣達は熱線エネルギーを溜め終わり()()()()()()()()に熱線を放った。

 

見上げると白と黒クェムドらしき機体がいた。だけどわたし達が乗るクェムドと違うところが多かった。身体中に鎖のような物が巻き付けられており、背中にはチューブが何本も繋がれていた。

 

『なんだアレは!?』

 

怪獣達の熱線をあのクェムドは()()()()。まるで水分を補給するかのようにゴクゴクと飲み続けた。背中に刺さっていたチューブが外れ、巻き付けられた鎖を破り、そのクェムドは自由となった。

クェムドはその巨体で信じられないほどにジャンプをし、2体の怪獣の頭を踏み潰した。

 

『な、なんというジャンプ力だ…!?』

 

潰した怪獣の体を持ち上げ、そして食らった。まるで空腹の生き物のようにガツガツと食べる。その白と黒のボディがどんどん赤くなる。後頭部から髪のように垂れている部分を動かし、器用にもう1体を持ち上げ貪り食う。

 

『隊長!アレもクェムドなんですか?!』

『あんなの見たことないですよ…!』

 

他のクェムドパイロットがそのクェムドに驚愕しているともっと驚くことが起きた。白と黒のクェムドの髪のようなものの先端が鷹や鷲のような爪に変形し他の怪獣を掴みまるで子供が玩具で遊ぶかのように引き摺り回し、強く地面に叩きつけ、喜びを表すように雄叫びを上げる。

 

『ひっ!』

『しょ、所属不明機体!通信願う!機体番号を言え!パイロットは誰だ!誰が乗っている!?』

 

クェムドはこちらに振り向き口を開く。

 

『機体番号0、プロトタイプ』

 

プロトタイプ?機体番号0ってそんなの聞いたことない。

 

プロトタイプと名乗ったクェムドは髪をチューブのような物に変形し先ほど倒した怪獣達の体に突き刺す。怪獣達から黄色の液体を抽出し、一匹となった突然変異した怪獣に向き直る。

 

『今度は何を!?』

 

腕や足を地面を強く叩き、体を固定し口を開いた。口内から砲塔のような物が現れる。突然変異した怪獣は逃げるために地面を掘ろうとしたが怪獣の死体に刺さなかった髪を使って突然変異した怪獣を軽々と宙に投げ捨てる。

 

『あの巨体を投げ飛ばした!?』

「撃ち抜く気…!?」

 

エネルギーを溜め終わったプロトタイプから放たれたその一閃は怪獣を塵と残さず消し炭にした。

 

プロトタイプ、アレに乗ってるパイロットはきっと凄い方なんだ。後でお礼を言おう。

 

これで戦いは終わり、わたしはクェムドを修理するために港に帰ろうとした。

 

『プロトタイプ!所属不明機体であるお前を拘束させてもらう!』

「えええぇ!?」

 

隊長機達がプロトタイプに銃口を向けた。

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