ロボット怪獣のパイロットになりたい!!(仮タイトル) 作:SGMY
巨大な口に食べられた後俺はなにかの椅子に座らせられていた。
「えっと…これは?」
左右に操縦桿らしき物があるためコックピットのようだけど俺はクェムドパイロットじゃない。これは一体どういうことなんだ?
「…確かプロトタイプに食べられて…」
プロトタイプに食べられたと思っていたんだがアレは夢だったのだろうか?っというかこの島に来たこと事態が夢であって欲しかったなんて思う。
『目覚めた…?』
突如背後から声が聞こえ、椅子と壁の間から覗き込む。そこには1人の少女がいた。
天井から吊るされている管が何本も少女に刺されており、両腕も謎の機械に繋がれていた。
「えっと…?」
そう言えばプロトタイプって人型ロボットが組み込まれているって書いていたよな。
『ボクのことは知ってるでしょ?』
「一応…」
『この子は《プロトタイプ》、ボクの名前《起動コア》』
多分それ名前じゃない。なんてことは言わず俺も自分の名前を名乗る。
「俺の名前はロメ、ロメ・ソーダンだ」
『よろしくね、ロメ』
優しく微笑む少女コア。でもコイツとプロトタイプって暴走して研究施設破壊したんだよな。この幼気な少女が。
『むっ、ボクもプロトタイプは悪くないよ。アレはドクター達が悪いから』
「な、なんの話?」
『ボクもプロトタイプも暴走なんて一度もしてないよ!アレはプロトタイプの使命を無視して殺戮兵器にしようとしたあっちが悪いから!』
心を読まれた?ただのロボットではない?
『心を読めた理由はボク達三人!いや二人と一機はもう一心同体の存在だからだよ!』
少女曰く俺は一度死にかけたらしい。そんな状態の俺を治療するという名目で半分改造し、プロトタイプとコアと俺はほぼ全ての感覚が繋がり、機能しなくなった心臓の代わりにコアは自身の起動コアを俺に適用するように改良し埋め込んだとのことだった。
『感謝してね!』
「一心(物理)同体なんて思わないだろ」
コアと話しているとモニターが点滅し始める。5回ほど点滅したあとモニターに外の景色が映し出される。
『うん?あ、確かに!そろそろ怪獣退治に行こっか!』
「俺は怪獣との戦いなんて知らないぞ!?一般学生だぞ!?」
『大丈夫!初戦闘はボクとプロトタイプがやるから!操縦桿を握ってもらうのはまだだから!』
コアがそう言うと触れていない操縦桿が独りでに動き始め、プロトタイプを操縦する。プロトタイプの髪のような部分を使ってタッチパネルを操作する。
『よーっし!ボクとプロトタイプとロメの初陣だよ!景気よく行くよーっ!あ、ボクの運転って結構荒っぽいと思うから何かに捕まっててね!』
「な、なにするのか先に聞いても?」
シートベルトを付け椅子を強く抱きしめる。ガクンっと視点が下になり、姿勢を低くしている事が分かる。
『プロトタイプ!ボク達が産まれた産声を上げに行こう!』
プロトタイプが壁に爪を刺して登る。天井を破壊し地上へと出る。初めて太陽を見た二人は大はしゃぎしていた。プロトタイプなんて雄叫びを上げていた。地上に出てすぐに怪獣に襲われているクェムドを発見し、蛇腹剣のようになったプロトタイプの髪を使って斬り刻む。
「この髪つよ!?」
『ロメ!これ髪じゃないよ髪に見えるけどこれサイドアームだよ!怪獣で言う触手だけど』
「こんなサイドアームなんて見たことないよ」
このサイドアーム?は色々な事が出来るらしく結構万能とのことだ。
『っ!プロトタイプ!怪獣達から攻撃が来るよ!』
怪獣達が口に何かを集めてこちらへと向けて放った。俺はヤバいと思い回避しようとするがプロトタイプは口を大きく開けてそれを食らった。
「っ!?何も口にしてないのにジュースのような何かが喉を通る感覚がする…!?」
『美味しい!これ美味しいよ!プロトタイプ!何年も食事してないからね!
コアがそう言うとプロトタイプも楽しみだと言わんばかりに体に巻き付けられた鎖を難なく破壊し頭頂から怪獣に向かってジャンプする。
『ボク達の最初のご飯はモグラーだー!』
モグラーとはこの怪獣のことだろうか。プロトタイプは勢い余って頭部を踏み潰してしまった怪獣の亡骸を掴み貪り食う。プロトタイプが怪獣を食べるたびに俺の舌が旨味を感じ取る。
『美味しい!美味しいよ!この歯ごたえ!』
「か、怪獣の肉の食レポなんて聞いたことねぇよ…」
『ボク達、半永久的に動けるように怪獣の体内にあるエネルギーを吸収する機能がついてるんだ!だから食べないといつか動かなくなっちゃう!』
プロトタイプとコアは初めての食事に感極まったのかサイドアームを変形させて他の怪獣を掴み踊り出す。歌を歌うように雄叫びを上げた。プロトタイプはどうやら嬉しいらしいが捕まった怪獣は引き摺り回されてそれどころではないだろうな。
「クェムド事態こんなに強いのか…?それともプロトタイプが強すぎるのか…?」
『あれ?近くに知らないクェムドがいる。あ、なんか話しかけてきた』
俺達と一緒にこの島に来たクェムドだ。怪獣が出たからこっちまで来たんだ。
『機体、番号…?あ、名前か!プロトタイプだから0!パイロットは…』
「俺は操縦してないからパイロットはコアじゃないか?」
『ううん、ボクは補助機器だから今のパイロットはプロトタイプだよ!』
クェムドパイロットの声は聞こえないがコアの話からするに機体番号とパイロットの名前を聞かれたんだろう。
『え?あのモグラーは突然変異?ならすぐに倒さないとね…!』
サイドアームをチューブに変えて怪獣の死骸に突き刺す。
「今はなにをしているんだ?」
『今は怪獣からエネルギーを吸い取ってる!今からする必殺技はすっごいエネルギーが必要なんだ!』
「必殺技?」
必殺技って必ず殺す技って書いての必殺技だろうか。モニターの端にゲージが表示され怪獣から吸い取ったエネルギーがどんどん溜まっていくのがわかる。
『よーっし!行くよ!』
プロトタイプが一度咆哮をし腕や足を地面に刺して体を固定する。その後口を開き1つの砲台が現れる。
「こ、これはぁ!?」
『見ててロメ!これがボク達が長年考えてた必殺技!!』
プロトタイプのサイドアームに掴まれ大空へと投げ飛ばされる怪獣。モニターにはその怪獣に照準が合わさり赤い文字で《ALL CLEAR》と書かれていた。
『今度こそここから始めるよ!ボク達が決めた未来への旅路を!…世界に閃光が瞬く時、我らは蘇らん!開門!
ズドンという重い音と共に一閃の閃光が怪獣を塵も残さず消滅させた。
『ふっふー、目覚めたばかりだしこんなもんだよね〜』
「すげ…これがクェムドと怪獣のバトルか!」
そんなことを言っているとコアが何やら気になる事を言いだした。
『え?拘束?…なるほど、クェムドを取り込んで情報を引き出すんだね。クェムドって食べれるのかな?』
あれ、いい感じに終わりそうだったのにまさかプロトタイプはクェムドを食べようとしてる?!