ロボット怪獣のパイロットになりたい!!(仮タイトル) 作:SGMY
真っ暗な部屋に連れてこられ、机に設置されたライトが付けられる。まるで昔の刑事ドラマのようなこの部屋はいったいなんなのだろうか。
「えっと、キミは15歳?中学生のようだね」
「はい」
目の前の職員は資料を1枚1枚捲りながら質問を投げかけてくる。
「名前はロメ・ソーダン、成績は普通と…なぜクェムドに乗っていた?」
「乗っていたというよりも乗らされたと言いますか…」
無理矢理取り込まれたと言いますか…
「キミね、わかってると思うけど一般人によるクェムドの搭乗、操縦は違法なんだよ。これ重罪だよ?」
「はい…」
こんなことならコア達を止めずに戦わせたほうが良かったのではないだろうか。いや、結果は変わらなかったか。
モグラーと呼ばれる怪獣を討伐したあと、俺達はクェムドに包囲された。コアやプロトタイプは戦う気満々だったが俺はそれを止めて素直に降りた。降りてすぐに捕まるとは思わなかったけどな。
「一応未成年による犯行ってのと怪獣退治に大きく貢献したってことで刑罰は免れると思うけど…覚悟はしたほうがいいよ」
「ですよね…」
「あ、ベタではあるけどカツ丼食べるかい?親子丼でもいいけどお腹空いてるだろ?」
「あ、はい。お願いします」
職員の人は壁にあった受話器で親子丼を2つ注文した。俺は椅子にもたれかかり天井を見上げる。
今頃コアやプロトタイプは格納庫とかでゆっくりしているのだろうか・・・・
ロメが何処かに連れて行かれてからもうすぐ1時間ほどだ。この《人類最後の島》に来てすぐにクェムドの格納庫に案内されプロトタイプや損傷したクェムドにすぐに整備班が駆けつける。
「あ、プロトタイプの整備はボクがやるから触らないで!!」
ボクがそう言ったのに1人の整備士がプロトタイプに触れる。プロトタイプは勝手に触られたことに怒り、サイドアームを地面に叩き付けて威嚇する。それにビックリしたのか整備士は腰から落ちていた。腰を抜かした整備士を他の整備士が連れて何処かに向かった。
「まったく…」
ボクがプロトタイプを見上げていると複数人の人間が近付いてきた。銃を持った2人組の後ろに髪を首元まで伸ばし両手に女性を連れている男がこちらを見てきた。
「やぁ、キミが件のクェムドの起動コアかな?ボクはメイケ、メイケ・ナゴーリだ。この子達はボクのクェムドの
技術は進化していると思っていたがここまで技術が進んでるとは思わなかった。起動コアを2つも搭載するクェムドなんてきっと凄まじい出力を出すだろう。
「ご丁寧にどうも。そう、ボクしがあの子の起動コア」
「へぇ、ボクの起動コアと違って不思議な姿をしているね」
そう言われ自分の姿と2つの起動コアを見比べる。彼のところの起動コアはミニスカメイドと呼ぶべきだろうか。フリフリのリボンなどのおしゃれもしている。片方はツインテールでもう片方はポニーテールになっている。ボクはコードを隠すためのロングヘアーに競泳水着のようなスーツにフルジップパーカーを着ているような状態でプロトタイプと繋げるコードの部分をお腹周りの素肌に巻き付けてるそんな状態だ。
「そんなに変わってるかな?」
「そうさ、変わってるよ。あ、ボクがキミの衣装を考えてあげようか?」
「いえ結構です」
きっぱりと断る。それでもとメイケはお茶やゲームなど色々なことに誘ってくる。
「他のパイロットの起動コアを口説くのはご法度だよ」
メイケが来たのと同じ方向からボクと同じぐらいの身長を持つ少女が現れた。
彼女の片手には何やら分厚い書類が握られていた。
「長官!これは違うんですよ。パイロットが帰ってくるまでの間、起動コアの話し相手になって親睦を深めようとですね…」
「うん、心野菜なキミならそういうことすると思ったよ」
「長官、心優しい、だよ」
ポニーテールの起動コアがそういう。長官と呼ばれた彼女は資料を1枚1枚めくる。
「まずキミやパイロットについてだが…正式にこの人類最後の島の防衛や世界中にいる怪獣と戦う対怪獣組織《メアリー》のメンバーとなりクェムド部隊に配属してもらう」
「メアリー?それがここの軍の名前?」
「そうだよ」
長官は数カ月後であるロメが中学校を卒業すると同時にクェムドパイロットに正式に配属させるとのことだった。
「パイロットの彼はもうすぐでこちらに来るだろう。事情聴取が終わった合図も着ている。ご飯を食べたらこっちに来るだろう」
「それまではボクが話し相手になるよ」
「ボク、ここで相方を待つのでいら―――!!」
待つのでいらない。そう言おうとした時だった。右頬び強い痛みを感じた。その後ヒリヒリし始めた。
「そう、罠……だと言うことね」
「なんの話だい?」
ダメだダメだダメだ、これは武力だ。敵意を向けられている。誰に?誰が?決まっている誰かがロメを攻撃した。
「プロトタイプ!!」
ボクがそういうとプロトタイプは目覚めボクの前に手を置く。ボクが乗っている手を顔と同じぐらいの高さまで上げてプロトタイプは動き出す。
突然プロトタイプを動かし何処かへと行く彼女。メイケやその起動コア達はクェムドに乗り込もうとした。
「その必要はないよ」
「なぜですか!?彼女、クェムドで逃げましたよ?!」
「逃げたんじゃないよ。助けに行ったんだ」
それがどういうことなのかメイケはわからなかった。それから数分後、何かが壊れたかのような爆発音に近しい音が鳴り響く。
「まったく…余計なことしかしないよね、貴族共って」
手元にあるタブレットに映し出されている彼が今いる部屋にいる3人のうちの1人を見ながらそう呟いた。