短め
サンドラ◯ドの序盤、ゲ◯竜に追われている場面や。 ACのワーム戦等のイメージをしながら……。
「合戦よーーいッ!!」
それは突然だった。
PMC兵が叫び、土嚢を破り、甲板に滑り止めの砂を撒き散らす。
大昔の海上戦闘の所作に、呑気に雑談していた傭兵バイト達が方々に飛び上がる。 船外の砂海へ視線を向ければ───。
オオオオオオオオオオーーー…………ンッ!!
腹の底から響く重低音。
刹那。
砂の下から、ビルのような白い大蛇が一瞬で生え聳え、即にも砂へと消えた。
その長大が繰り成す畝りで巻かれた砂塵は、もはや1つの瀑布と言って良い。
その爆音が幻では無いと砂漠に響く。 鉄と砂の嵐は洗礼となり、神秘を運ぶ舟の杯へと降り注ぐ。
ここは栄華を誇り、凋落した地。 主人無き蛇鯨は、なに故に忘却の中で跳ねるのか。
バッサアアアアーーーアァ…………!!
雄大で長大。 神秘であり恐怖。 表裏一体の光景は蛇というより鯨。
勇猛果敢な水夫ならぬ砂妻達を嘲笑う現実は、芯の底から震わすには十二分だった。
「ビナー!?」
「でけぇ!?」
「何が蛇よ、鯨よりデカいんじゃない!?」
一方、地元民のホシノは妙に冷静だったが、先輩でありOBのユメは情けない鳴き声を上げている。
「こうも間近で見るのは初めてだなぁ。 でもクジラの方が可愛いね」
「ひぃん!? 噂より強そうだよぉ!」
皆がビビる中、オートマタなPMC兵たちは必死に舵取り。
操舵輪にしがみつき、スロットルレバーを全開、ガラガラガラと福引で聞くような音を激しく奏でた。
「ぶつけに来やがる!」
「武装は要らぬってか。 舐め腐りおって!」
「回避行動ォッ! 揺れるぞ掴まれぇッ!」
「最大戦速! 面舵いっぱーい!」
がくっ、と船が一気に傾けば、反作用のままに甲板の小道具、甲板に鎮座していた二足歩行機が砂の大海原へ投げ出される。
「色々落ちたぞ!」
「言わんこっちゃねぇ!」
「今はビナーだ!」
構っている場合ではない。 後で回収すれば良い、今は目的を果たすのが先だ。
「速度から負けてる! 追われちゃ敵わん!」
「試験だって詰めすぎだ、重いんだよ!」
「やるかやられるか、さもなきゃクビだ!」
「捕鯨砲、撃ち方よーい!」
「バイト共も撃て! 撃ちまくれ!」
「ビビる事ねぇ! 生徒の本領発揮だぞ!」
怒声が飛び交い、様々な銃声が砂漠に轟く。
ヘイローを輝かせ、無数の閃光を瞬き、金色の滝を各々吐き出した。
やっとキヴォトスらしくなってきたともいえるが、その中にいても尚、ユメはヒィンヒィンと馬の嘶きを真似るのみ。
「わ、私はどうすれば良いかな!?」
「いつもみたいに盾構えて身を守っていれば良いんじゃないですかね。 私もいつも通り……」
ホシノ、ユメを守るようにビナーを撃つ。
「先輩を守りますから」
その表情は、少し嬉しそうだった。
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ビナー君キターーーッ!!
釣れた釣れた、大物が!
もうね、被害報告と詳細が来るたびに「また君か壊れるなぁ」という感情は抱きたくないのよ!
あわよくば、ここで倒したいのよ。 分かって?
「砂漠のど真ん中だ、存分に暴れて構わん!」
そして施設や市街地の被害だの、損害勘定だの、考えずに済む解放感よ!
試験機の色々が壊れるのは困るが、自社製品の話は内々でナイナイにし易いし、バイトは危険な仕事だと承知の上での参戦で自己責任だから!
ああ、嬉々と言うワシは何処かって?
ヘリポートに鎮座するゴリアテの中だ!
より正確には、そこから砂漠に投げ出されたゴリアテの中だな。 おのれ担当者め、ワイヤー固定が甘かったのではないか?
「まま、ええわ。 ワシも一狩りと行こう」
そう言いながら、コックピット内の様々なスイッチをパチパチと動かした。
パネルに火が灯り、カメラ越しに外部の景色が目前のモニターに投影される。 エンジンの振動が始まり、人型の機体を僅かに震わせる。
ええぞ、ええぞ……!
興奮する! 男子はこういうのが好きなのだ!
「来年は先生に見せるのも良いかもな」
ビジョンで見えた未来の光景……先生もロボが好きだったように思える。
ビジネスの話をするにも、プライベートから侵食するアプローチを取る場合なら、趣味は共通していた方が何かと良いしな。
……ミレニアムのアバンギャルド君みたいのは、まぁ、その名のように前衛的というか、先生と製作者は良くてもなタイプもあるが。
「よぉし! PMC理事のワシ、出るぞ!!」
権力、金、暴力を装備し、いざ出撃!
ビナーよ。 日頃の怨みを思い知るが良い!!
後書き
体調不良中。頭痛、喉の痛み、下痢等……。
風邪かな……皆様もお気を付けください……。