降格回避√カイザーの野望   作:ハヤモ

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前書き
繰り返しになりますが、当作における法律云々は妄想によるものです。
もしかしたら原作にも細かい設定があるかもですし、ツッコミもあるかもですが、温かい目で見てくれると幸いです。


交通室の裏側/仕掛け

連邦生徒会。

キヴォトスの全行政を担い、学園都市の運営に従事する中央組織。

 

各自治区から選出された生徒が議員として所属し、防衛室や財務室等、11の部署で主な業務を行う「行政委員会」と、それらを取り纏める「統括室」とで構成される。

幹部12人で運営される為、聖書の12使徒にあたる説があるが……今はさて置こう。

 

実働部隊は防衛室の指揮下にあるヴァルキューレ警察が主だが、他の自治区や政治的な理由で介入が困難な場合は、SRTを投入。

他にも、ブラックマーケット等の摘発現場にて、議員が銃や盾を装備して直接動く場面が度々目撃されており、自前でも多少の戦力があるのが伺える。

 

このように学生の身分でありながら、キヴォトス全体を仕切り、必要に応じて法律の執行や武力介入が可能。

そして法律に抵触する相手であれば、学校のみならず、大人……企業に対して制裁を加えられる権限がある。

SRTが工場に突入したのが良い例だし、後は来年のビジョン、カイザーのクーデターに対し、罰金刑を下す件もそうだ。

 

年の功万歳なオールドタイプほど、気に入らん秩序形態だな?

だが悲しいかな、法律施行も暴力も生徒の方が大人より上、それが学園都市キヴォトスなのである。

社会を知らぬ若造如きが経済を回す企業様にケチつけられるとか理解出来ぬ、ドブカスがぁ……と思うだろう。

ワシもだ。 プレジデントもだろう。 クーデター起こしてサンクトゥムタワー制圧するし。

 

ただ、全く融通が効かぬ訳でもない。

来年のクーデターは失敗、課せられた罰は罰金止まりなのだが、これは操業停止命令の代わり、いや、減刑の結果である。

大企業を下手に止めると、失業率の増加を招き、経済悪化が懸念された為だ。

連邦生徒会も、学生の身分なりに経済の必要性を感じている証左だな。

……仕返しや面倒事の拡大を忌避して投げただけ、ともとれるが。

 

このように、権限があるからと後先考えずに好き放題する能無しではない。

だが会長がいない時ほど外交や交渉は面倒を避けるように消極的な姿勢をとり、これが各自治区からの信頼を損ね、企業から舐められていく要因ともなっていく……。

 

 

 

しかぁし今回! 強気に出てきおった!

生徒の癖に生意気な!(オールドタイプ)

 

会長がまだ健在にも関わらず、である。

アビドスの防砂堤列車の撤去"推奨"には裏があるのは間違いないが、その裏事情……敵の正体が分からない。

 

それもあって、コチラが出せるカードは現状、感情論を中心とした現地民の訴えメイン。

最弱カードともいえるコレは、安全やデータという言葉にアッサリ駆逐されてしまう。

 

予想だが「それってあなたの感想ですよね?」「感情論やめて貰って良いッスか?(笑)」「それで通行人の女子供(←言葉の人質/肉壁を使う卑劣)が巻き込まれたら責任取れんの?」と殺意が湧くドヤ顔で返される未来が見える見える……。

(本当にただ感想を述べる場や、言えるだけの根拠がある場面ではカウンターを受けるので使ってこないだろうが)

 

振り翳す分には良いが、されると面倒、だけど何方かのデッキには高確率で組まれているという、王道を往く存在……。

ここに感情論ではなく、仕事や経済、現地市民の生命財産保護の為に有用だと訴えても、安全の壁を前に判決を覆すのは難しい。

 

「同情するけど安全第一、ヨシ!」

「正しくなきゃ生きる価値ナシ!」

「よってアビドスは敗北者じゃけぇ!」

 

となりかねん。

 

なら戦うで、拳で! と脳筋で行けば、それこそ感情論、それも暴力となれば誰の目に見ても悪者になってしまう。

であれば、感情論ではなく正論の上を行く正論を探し、相手の矛盾を見つけて指摘し、揚げ足取りをして転ばせる。

それも連中が定めた法律やら条約とやらをそっくりそのままお返し出来たら、勝利の絶頂も一入というもの。

 

とりま、連邦生徒会交通室に抗議の電話。

連中の"推奨"に強制力は無くても、黙認は肯定と捉えますと後々言われてはムカつくからな。

 

なお防衛室に言わないのは来年、カヤが絡んでくるからだ。 刺激は少なめにしたい。

 

 

「こちら連邦生徒会、交通室です」

 

「カイザーPMC理事だ。 アビドスの件だ、御宅が突然に安全基準どうこうとほざきおったヤツだ。 納得のいく説明をしろ」

 

「規則です」

 

「なぁにが規則だ、前兆もなく突然に指摘してきたのは何故だ。 納得いかんぞ」

 

「そう申されても規則は規則です」

 

 

でた、このパターンだ。

何を言っても同じ言葉を繰り返す奴だ。

堂々巡り、何を言っても決まりだからと繰り返してくるbot野郎めが。

常識や倫理観が欠如した奴、自己顕示欲を満たす目的のクソクレーマー相手ならば、まともに対応するだけ時間の無駄だし、それで良いと思う。 それこそbot……人の仕事じゃなくて良いまである。 対応側の心身を守り、人件費を削減できるから。

 

だが今回のように、真面目な話の時まで持ち出されては困る。

 

せめて説得しようとか、担当者に繋げるとか、上に話はしておくとか、同情してくれつつ知的な返答をする奴なら溜飲も幾らか収まるものを、そうする気概が感じられんし。

恐らく相手は言葉選びは疲れるからしたくないのだろう。 そもそも考える頭がないか、必要とも思ってない可能性も高い。

とにかく、ひたすらに面倒だな早く終わらねぇかなと思っているに違いない。

或いは仕事の勝手が分からないから、法律や規定という右に倣えな文字列に縋っているか、仕方なく仕事をしている新人か無能がやりがちなものだと、ワシは勝手に解釈して唾棄している。

 

だからと諦めて折れては、話が続かん。

こういう時は相手がbotなのを良い事に、ここぞとばかりに嫌味を言うか、違うアプローチを仕掛け、法だの規則だので返せないやり方を模索する。

 

 

「お前じゃ話にならん。 室長を呼べ」

 

「規則で出来ません」

 

「では根拠となるデータを観閲させろ。 まさか公表できないとは言わせない」

 

「規則で……」

 

「もうええわ!!」

 

 

ガチャァン!!

思わず携帯を机に叩きつけてしまった。

 

そんな規則なんか知らんわ!!

てか、有る事無い事言ってたろ絶対!?

 

……いかんいかん、結局相手の思う壺に。

冷静にならんと勝てる戰も勝てんぞ。

 

それにしたって、ワシをコケにするとは思わないじゃん?

益々、この件は潰さねば収まりがつかん。

 

 

「良かろう、そこまで規則た法だと拘るならば、当然自分達もそのルールに則っているのだろうな?」

 

 

ブツブツ文句を言いながらもワシ、連中のホームページや纏めサイトを漁り、今回の基準とやらが、どこまで効力のあるものか調べてみる。

 

すると、おかしな点が見つかった。

連中の言い分に対する違和感、喉元に魚の小骨が引っ掛かったような不快感……その正体に僅かに触れた面持ちだ。

 

何故"推奨"程度で、ここまで強気に出られたのか、からくりが見えてきた。

 

各部署単独では、勝手に法律を作れない。

何かある時は議会に出し、皆で話し合い、時間を掛けて必要有無を精査、粗を削る。

そして施行の数ヶ月前、半年前などに余裕を持って世間に御触れを出し告知する長い過程が必要だ。

間違っても11部署ある内の1部署が、昨日今日で突然オラオラ出来る力を得て、統括室と連邦生徒会長の承認をすっ飛ばすなんて、できよう筈がございません。

 

故に不思議だったのだが。

交通室と癒着している団体の存在が浮上した。

 

市民が利用する車、その免許の発行や更新をする、免許センターと車検場を合体したような役所モドキがある。

そこのお偉方が集まって出来た団体があるのだが。

 

ここに属する大人は選挙で選ばれた訳でもなく、当然、議員でもなければ法律を作る権限は一切ない。

窓口の上司の、そのまた上司が勝手に集まっただけの存在だ。

 

じゃあ無害じゃん、関係ない老人会か何かじゃん、とはならない。

 

この団体が作成した、僅か数頁のPDFが各窓口と交通室に出回った途端、アビドスの防砂堤車のような特殊車両は登録出来ない方向になったのだ。

 

え? なんで?

法律を作れず、権限無いのにって思うじゃん?

 

ところがどっこい、裏技があるんだなそれが。

 

連邦生徒会が公式ルールなら、連中のは所謂身内、社内ルール発動ってヤツだ。

 

というのもお偉方の出した御触れは事実上、窓口のガイドライン、事実上のルールとして運用されていた。

となれば、お偉方が新しいルールを作れば、それが窓口でのマニュアルに加えられ、特殊車両は登録拒否(使用不可能)となる訳だ。

 

アビドスの特殊車両は、要らん誤解を招かないよう、ワシら出資企業やアビドス高校が連邦生徒会に届出を出している。

だがこれを拒否出来るとなれば、違反物として処理され、関わったスポンサーが悪徳企業として無慈悲の情報開示公開ルートを辿る。

すると企業の信頼が下がり、利益が減り、株主に追求される等の弊害発生。

そしてアビドスから撤退、市街地の経済が滞り、なんなら特殊車両の建設も中止、砂に埋もれて荒廃していく可能性がある。

 

連中はそれを狙っていたのだ。

或いは特殊車両の別の目的を察しての妨害工作か。

なんであれ───。

 

 

「くそっ、やられた!」

 

 

ワシ、どこぞの死神のように頭を抱えて叫ぶ!

 

議会の議決も要らない、市民への説明もいらない、公聴会もいらない。

連邦法は1文字も変わっていない、しかし誰もが従わねばならないルールをポンと一瞬で作れる、セコくて汚い大人のやり口。

 

実に気楽なものである。 クソが!

汚い大人はくたばれえええ!!(ブーメラン)

 

もしワシのように意見する者が現れても、理由は安全ではないから、と言っておけば、大抵の市民は納得し、仕方ないね、そもそも特殊車とか誰が持つんだよと、対して気にも留めないで終わるだろう。

となれば、アビドス市民や生徒がどんなに反対しても、他の自治区に暮らす市民や生徒を味方にするのは難しいかも知れない。

 

そこに追い討ちとして交通室とタッグ。

あくまで推奨してくれ、と団体からお願いされ、金を握らせたのだろう。

そして交通室(+防衛室)が連邦生徒会の名前を振り翳し、ネームバリューで事実上の公認のように振る舞い、有無を言わせないようにしてきたと。

 

だからこれは、アビドスへのピンポイント爆撃で間違いない。

 

問題は……。

 

 

「何故ここまでするのか、だな」

 

 

交通室はまぁ、分かる。

金を貰ったから仕事してますのノリでしかないだろうな、良くも悪くも。

 

団体の方はどうだ?

何故アビドスを潰そうとする?

やはりシェマタの存在を察してか?

 

 

「いや、それら含めて色々だな」

 

 

なにせ思い当たる節が多過ぎる。

カイザーにネフティス。 何かしらのファンドやスオウ。 ゲマトリア。 金や利権問題。

 

今や様々な企業や市民、生徒が絡んだ。

個人レベルの怨み辛み、復讐などを数えたら、きっとキリがない。

 

ただ重要なのはアビドス、潰すゾ! という邪悪な敵の仕業という事だ。

 

 

「とにかく、このふざけたルールをぶち壊す」

 

 

崩し方は大体決まった。

連中のいう安全基準とやらの矛盾を指摘、このおふざけを撤回させ、終わらせる。

 

これも調べている道中に判明した事だ。

 

先ず、連中が根拠とする安全基準だが。

これが『存在しない』のだ。

 

いや、正確にはあるのだが。 その比較対象が明らかにおかしい。

市民や生徒が使用する、その辺の道路を走る4輪駆動車や自動2輪の「基準」を、そのまま建設中の特注車に当て嵌めておるのだ。

 

そりゃ規格がそもそも違うのだ、比較対象が全く違い過ぎれば、合う筈がない。

あれだ、原付でノーヘルと2ケツは駄目という決まりを、そのままハイランダーの車両に当て嵌めているという、とんでもねぇ事をしてやがるのだ。

 

 

「舐めた真似ばかりしおって」

 

 

こんな致命的な矛盾を抱えたままとは杜撰よの。

相手が不良の集まりで頭ワルワルそうなアビドスだからと馬鹿にしたのが運の尽きよ。

まぁ完全に間違ってもいないが。

 

 

「これならアビドス高校のガキ共でも勝てる」

 

 

元より予定していたが……悪意への戦い、経験させておこう。

脳筋ホシノや頭ふわふわのユメ、他の不良にも良い刺激になる。

 

ガキ共の養分となれ、ゴミ共め。

 

ワシを妨害した報いにしちゃ、優しい方だ。




後書き
ネームド生徒や、原作の展開が無い……。
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