降格回避√カイザーの野望   作:ハヤモ

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前書き
感想、意見などいつもありがとうございます
中には厳しい意見もあり、それを否定できない己の甘さに気付かされる事暫しな事も…己の軽率な見切り発車や、文才の皆無さに忸怩する想いです


黒幕は?

 

 

「普通の壁を作っていれば、こんな面倒にはならなかったんだよ。 そもそも大人達が好き勝手に作って争ってる事に、なんでおじさん達が付き合わなきゃならんのかねぇ」

 

「大きな防砂堤は砂嵐対策として必要だったかに思えます。 その予算の捻出に、鉄道車両の1種という形をとったのも面白い判断です……でも関わったハイランダーを巻き込むなんて。 道路を走る車やバイクとは違うのに」

 

「難しい事は分からないけど。 皆を引き連れて襲撃するのは駄目?」

 

「「駄目」」「ですよー?」

 

 

議会の帰り道。

ホシノ、ノノミ、シロコはブツブツと文句を言いながらも次の議会をどうするか考える。

 

向こうはキヴォトスの自動車やオートバイの多くを扱ってきた組織であり、実績も重ねてきた信頼ある大人ども。

故に安全という言葉は一見、正当性の塊にしか聞こえない殺し文句であり、これを覆すのは至難の業に思われた。

 

しかし、向こうが一方的に絡んできた今回の件……色々オカシイのも事実。

ハイランダーは鉄道業界であり、街中の道路を走る自動車業界とは全然違う。

前提からして技術も業務も違えば、安全基準も異なり、そもそも管轄からして違い過ぎる。

野球やソフトボールのルールを、同じ球技だろと無理矢理サッカーやバスケに持ち込むくらい意味不明なのである。

長年「車」という言葉に晒されて変になった老犬が、形ばかりの地位を悪用し「車」と名が付くなら自分達の私物だと思考が混濁、モノに出来ると勘違いしたのかも知れない。

 

そんな痴◯老◯なルールが、一夜にして更新なんて横暴、誰が認めようか。

窓口職員も「は?」と思った筈だ。

だけど悲しいかな、老犬の奴隷と化した上司で固められた現場の空気の中では、己の生活を脅かしてまで反論する勇気がある筈もない。

ましてや、赤の他人の「特殊車両」などという趣味趣向の改造車カテゴリかと思わす言葉の羅列に付き合う者はいなかった。

 

それにしても、という前置きも付くが。

連邦生徒会の安全室も絡んだとはいえ、大きな利権を持つハイランダーにケチをつけるとは、リスクがデカ過ぎる。

車の製造部品や燃料やらの輸送も、鉄道が大なり小なり関わるだろうに、回り回って損害を被るとは思わなかったのか。

それとも被害を被る事になっても、市民ら下々が受けるから自分達は関係ない、余興に過ぎないとでも?

 

こんな真似をして、一体誰が得をするのか?

ただアクセルとブレーキを間違えた者共による事故に過ぎないのか?

 

誰かが書いた雑なシナリオ、そのレールの上を無理矢理走らされているような奇妙な感覚も否めない。

 

 

「とにかく次までに新しいやり方を考えないと。 一緒にいたハイランダーの人達は頼もしいけど、アビドスの問題だからね」

 

「私も身内が見ている手前、頑張ります⭐︎」

 

「んっ。 もし負けそうになったら相手を襲う」

 

「やめようねシロコちゃん!?」

 

「そんな物理的に盤上をひっくり返しても、心象が悪くなるだけですよー?」

 

 

見込みが無くても、和気藹々なアビドス組。

理事も期待はしていないが、必勝のカードをハイランダーの方に持たせている以上は案じていない。

それよりも、悪意ある大人との戦いを通して成長してくれたら、それで良い。

 

議会の俎上で終わるだけの、形ばかりの勝ち負け、プライドを賭けたゲームで終われない。

裏で暗躍する敵や組織の存在がチラチラする以上、これらを何とかしないと、また似たような事態が発生するかも知れない。

しかし主犯、数、目的など確たる証拠もなく、想像の域を全く出ない。

 

 

「これはゲームか? 『奴』の……」

 

 

理事はビジョンで見えた記憶を手掛かりに、ふと呟いてみるも、思考の闇に呑まれるばかりであった……。

 

 

 

───────────────────

 

 

 

いや本当、向こうはナニ様なのか。

取り敢えず、矛盾だらけの安全基準とやらを次回あたりスオウが指摘する筈。

そうなれば表面上、この勝負には勝つ。

 

向こうの提示する安全や比較が、自動車の衝突テストとやらと知れたら、嘘や誤魔化しが露呈し、信頼は地の底に堕ちるであろう。

 

すんません、間違えましたーなどと言い訳し、議会を延長させ、欺瞞に満ちた改竄資料を持ち込む暇を与えないように手も回してある。

それも調停室や議員に対してのみならず、向こう側の奴……窓口の職員など、上に反感を抱いている者共にも手回し済。

今回の欺瞞の裏付けをさせる発言や、過酷な労働環境を内部告発という形で行わせ、メディアにも情報を流させる。

 

簡単な話、ニギニギさせた……金を……!

 

三権分立? 司法、立法、行政? 公正取引?

聞こえんなぁ!?

 

それすらも表面上。 愚民を誤魔化す為の欺瞞……この世は欺瞞に満ち溢れている!

金と権力で欺瞞に欺瞞を上書きし、世界はそれとなく回っているのだよ!(過激な偏見)

というか、連邦生徒会の汚職が酷いのに、ナニを今更という感じ。 大人も子供もお姉さんも汚い奴はマジで汚いし、割とご近所に沢山生息している事を学んで、どうぞ。

 

とにかくアビドス側の勝利は確定演出として、防砂堤車の建設や町に掛けた金は無駄にならずに済む。

 

 

「だが金だけで解決しない問題もある……」

 

 

プレジデントや連邦生徒会長といった、ワシより上の権力者が絡んでいない事を切に願う。

 

何よりゲマトリアとかいう、異形の探究者達なんかは特に。

連中、崇高にしか興味が無いようでいて、意に反する者には容赦しないからね?

ビジョンで見えたものだと、ベアトリーチェとかいう先生アンチなトラブルメーカーが"除名"されたからね?

あとは、そう。 奴だ。

 

 

「……地下生活者」

 

 

思わず呟いてしまったが、慌てて口を閉じた。

どこぞの魔法世界の、名を呼んではいけない例のあの人状態だが、強ち間違いでもあるまい。

 

名は体を表すというが、陰鬱とした性格と場所にいる引きニートみたいな奴である。

先生の持つオーパーツ、シッテムの箱に住まうOS……プラナに大人になれない奴と罵倒されてもいたか。

 

だがコイツの能力は脅威だ。

人々の思考を誘導、駒のように操り、本人達は操られている自覚がない。

 

そんな奴は死を追求しており、それを観測する為に、シェマタを軸として人々を操り、最後はホシノを絶望で反転。

不完全ながらテラー(恐怖)化させると、アビドスどころかキヴォトスを危機に陥れた。

 

過程で後輩や先生、彼女を止めようと動いたヒナが危険に晒された他、テラーにはテラーをぶつけるんだよと死の神……クロコまで来てドッタンバッタン大騒ぎとなった。

その果て……クロコが奴に、そんなに死を追求するなら手伝ってやんよと銃を突きつけて脅した事で、奴は更なる引き篭もりとなり、以後、危害を加えてくる事は無くなった事で事態は収拾するのだが。

 

ワシがいらん世話をしたせいで、キーパーソンとなるユメの死はなくなった。

そして先んじるように、シェマタを中心にワシは活動しておる。

 

つまり、歴史? は変わってしまった可能性があるということ。

すると、未来を予測する事が難しく、地下生活者という脅威が常に付き纏う事になる。

 

もしかしたら、今回の黒幕は奴である可能性も捨てきれん。

 

いや、まだ分からんがな……。

 

 

「ワシに平穏が在らん事を」

 

 

切に祈るばかりだな。




地下生活者など、何か話がとっ散らかっても、コイツのせいにすれば何でもあり…というキャラを出すのは軽率だったかも知れません。伏線モドキがあるアピールも、人によっては余計な言い訳、ノイズに。不快な想いをした方、申し訳ありません。
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