降格回避√カイザーの野望   作:ハヤモ

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前書き
オリジナル展開をと思っての今回の事件でしたが、ブルアカのキャラとのやり取りが少なく、gdgdな蛇足にも感じ…巻きではありますが、この辺までにした方が良いかなと


自我ある古尻尾の末路

アビドスが決定的な反論材料を手にし、いざ会議前日という正にその時。

 

突如、ワシの携帯に通知が入った。

 

内容は『本日付で特殊車両の登録を再開する』というもの。

これは自分達の発言を撤回し、アビドスの特殊車両を認め、ごめんねごめんねぇと遁走したという意味だ。

 

 

「大人の屑がこの野郎(ブーメラン発言)」

 

 

ワシ、クソデカ溜息!

決勝戦の直前、向こうがこれ以上血を流す前に白旗を上げて逃走、戦場そのものが消失した事実に意気消沈!

 

生徒側が決定的な証拠を手にしたのに気付いたのだろう。

遅過ぎる……いやまぁ、提示した『安全』がガバ穴だらけな時点で残当以下ではあるのだが。

ここまでの時間と闘争の浪費は何だったのだ?

 

ア ホ く さ。

 

調停室も、身内である生徒会のメンツや今後の派閥争いを気にして差し戻し的なのを強制執行、判決を下す事から逃げるかなと考えたが。

 

おお、悪党よ。 堂々降参とは情けない。

 

 

「潔いいなんて驕るなよ」

 

 

君達安全厨(笑)にはガッカリだよ。

こんな事なら、最初から仕掛けるなって話。

 

安全解体ショーの始まりや、からこの始末⭐︎

殺したかったけど、死んで欲しくなかった!

 

ワシは馬鹿な悪党が権力を傘にして自由落下していくザマを、エンタメの一環として楽しんでおったのに!!

 

 

「まま、ええわ」

 

 

落ち着こう……私的な理由は良い。

当初の目的であった『授業』は済んだ。

この経験を今後に是非活かし、悪意蔓延る社会で生き延びる戦術にして貰いたい。

延いてはワシの楽に繋がればヨシ。

 

 

「良かったなユメ、ホシノ。 君達の勝利だ」

 

 

今頃アビドスにも連絡がいって、皆で偽りの勝利を能天気に歓喜、小躍り中だろう。

肝心の安全協会や、交通室は大したお咎めもなく、のうのうと逃げたというのに。

 

だが責任を負うのが大人だ。

少なくとも、見えたビジョンの中にいたシャーレの先生は、事あるごとにそう言った。

 

敗者は賠償金や諸々戦後処理を負わせるもの。

向こうも立場が逆なら、そうしたろうな。

 

まさか自分だけ助かるなんて、都合の良い話がある筈もない。

 

とりま、尻尾は潰れて貰って、どうぞ。

隠居してれば良いのに、若者相手にオラオラとでしゃばり、ワシにまで迷惑をかけた老人会は即解散だよ!

 

自浄作用が働いて、内々で始末されるだろうが、そのザマァ展開を遠隔で知るのも一興か。

 

 

「未来は若者が創っていく。 それを権力に縋って妨害する、おい先短い老人には退場して頂く」

 

 

勿論、若い生徒……悪事に手を貸した連邦生徒会の議員も例外ではないが。

悪い子は、どんどんしまっちゃおうねぇ?

つまり矯正局で反省して、どうぞ。

 

 

 

───────────────────

 

 

 

以下、協会側の顧問が、上位組織である安全研究機関に捨てられる際の会話───。

 

 

「明日の会議の件、前回と同じ段取りです」

 

「その件なんだが」

 

「ああ仰らないで、馬鹿なアビドス生や市民が何人来ようと『安全』と言っとけば黙ります。 交通室も味方にいる、余裕の勝利だ、格が違いますよ」

 

「やめろ。 連邦生徒会の議員が纏めた、調査報告書を読んだ」

 

「……なんだそれは」

 

「あんたら老人会が根拠にしていた衝突データ、あれ、ハイランダーの車両の規格や素材ですら無かったそうだな?」

 

「い、いや、あれは正式な実験で……」

 

「ハイランダーの路線ではない、別会社の地下鉄車両を壊したデータでアビドスの車両を禁止した。 そうだろ?

明日の会議でコレを出されたら、何も説明出来ず、恥を晒してキヴォトス中の笑いものだ。 同時に『安全』基準の信頼は根底から崩れ去る。

……会議の前に方針を戻す登録を再開する」

 

「待ってくれ、まだ対応策を……」

 

「何もかも遅いんだっつってんだよッ!!

あんたらのぽっと出の『おすすめ』に付き合って、大手に喧嘩を売る羽目になった!

その責任はな、うちが被るんだぞ!!」

 

「は? 言わせておけば調子乗りやがって!

数頁のPDFに従っただけだろうが!?」

 

「だから問題なんだよ! 『法律』でもないものに従った『俺達』がな!!」

 

「協会は悪くねぇ! 『推奨』しただけだ!」

 

「ああ、そして『推奨』を鵜呑みにした。

……どっちに正義があるかは、議員と市民達が決めるだろう。

テメェら老◯共は明日の会議に来なくていい。 大人しく篭ってりゃ良いのに、若者に正論で物申した気になりやがって。

組織の内外に損失を与えるだけの安全協会の席は、もうどこにもねぇよ」

 

「待てよ!? 俺は老犬共に付き合っただけで、そ、それに家族だっているんだぞ!」

 

「家族は全員にいるんだよ! あとな、そうやって自分の家庭すら人質にして同情してくれって言う奴に、誇れるような愛情があるとは思えん。

いざとなれば家族を捨てて、自分だけ助かろうって発言にも聞こえるぞ?

その上で聞こう、そうやって家族を盾にするお前に『人の心あるんか?』と。

そんな事ないってなら、そっくりそのまま返すわ。 こっちにも家族がいる、巻き込むんじゃねえってな。

じゃあな、老犬に尻尾を振るだけの凡夫」

 

「く、くそっ……」

 

 

子供には誇れない、醜い大人の口論の果て。

未来なき者共は尻尾切りされる事となった。

 

 

 

・・・

 

 

 

こうして鉄道安全研究機関の本部は、老犬共の巣窟である安全協会に見切りをつけ、特殊車両の登録拒否を撤回、議会の席を取り上げた。

 

ついで、小遣い稼ぎをしていた交通室長に反感を持っていた議員らの内部告発により、連邦生徒会内でも議席が変動。

人材管理室による人事異動が発生、悪しきは瀉血される運びとなる。

 

必然的に議会は閉幕、アビドス側の勝訴。

謂わば不戦勝、という奴だろう。

 

 

「やったねホシノちゃん! 私達勝ったんだよ!」

 

「悪く言えば逃げられたんですけどね」

 

「もー! わざわざ悪く言わないの! 今はみんなでお祝いだよ!」

 

 

戦勝ムードの与り知らぬ裏側で、様々な思惑が渦巻いていた結果ではあったが……。

 

カイザー理事やネフティスを主軸とした、出資企業連盟による働きかけにより、肩入れした一部連邦生徒会役員及び窓口の職員の活躍。

あと地味ではあるが、ハイランダーの貨物輸送管理部らの現場署名など、協力者は無数、多岐に渡る。

 

何にせよ、銃や爆弾を使わない、1つの不毛な戦いは意外な形で幕を閉じたのであった。

 

 

 

「ホシノ先輩……法案と調査、世論が会議を待たずに安全機関を追い詰めた形ですね」

 

「そうなるのかな。 カイザーの理事が裏でアレコレしてたんだろうけどさ」

 

「今更ですけど私達、何と戦っていたんでしょうか?」

 

「大人と戦った」

 

「そうだねー……でも争点は前と違ってさ、法律じゃなかった。 だって法律にはどこにも『禁止』なんて書いてなかった」

 

「はい。 たった数頁のPDFでした」

 

「なのに、その数頁がルールを書き換えた。 連邦も選挙も議会も裁判も全部すっ飛ばしてね……本当、大人って汚いよ」

 

「ですが助けてくれた方もいます。 見えない所で理事さんや、議員さんも。 皆さんの想いが嘘を暴きました」

 

「ん、新しいやり方を教わった気分」

 

「……悔しいけど、おじさん認めるよー」

 

 

こうして生徒は学び、1つ大人になっていく。

それが目に見える形で実を結ぶのかは分からないが、世の中の物事、人の良し悪しの存在を知り、精神的な成長に繋がったと信じたい。

 

来年、アヤネとセリカが入学してくる。

 

そして連邦生徒会長の失踪。

治安の悪化。 SRT廃校、キヴォトスの危機。

鍵となる連邦捜査部シャーレの先生の着任。

 

イベントは多い。

 

激動の年、カイザーPMC理事は生き残れるのか否か。

 

果たして未来は───。




後書き
次章以降があればゲーム本編軸にして、キャラを出していく?
ですがアビドス以外となれば、どう自然と絡ませるかなど問題が…
積み小説もある中、どうするか…
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