Fate/stay guilty   作:ヒトノミライ

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遅くなって本当に申し訳ないです。


第2話:開幕

「やっぱり、か」

 

凛は深夜の屋上で静かに呟く。

時たまに風が吹き、その黒い髪をさらっていく。

 

「この魔方陣をどうにかしなきゃ、マズイこのになるわね」

 

そう言って凛はしゃがみ込み、コンクリートに刻み込まれた魔方陣を解除しようとする。

 

凛がこの魔方陣に気づいたのは今日の学校中にだ。ふと、違和感を感じた凛は、恐らくはと屋上に行ったが予想通りに魔方陣が刻みまれていたのだ。

 

この結界は他者から生気を吸い取るものだ。魔術師ならまだしも何も知らない一般人が喰らったのなら死ぬまで搾り取られてしまうだろう。

 

それを阻止するためにここに解除しにきたわけだ。

ゆっくりと、丁寧に解除していく。

そして凛があと一工程を済まそうとした時、

 

「なんだ、消しちまうのか勿体ねぇ」

 

「ッ!」

 

男の声がこの静かな空間に響く。

その男は貯水タンクの上でこちらを見ていた。

その手には、紅い禍々しい槍が握られている。

それを見た瞬間、凛はほぼ確信した。

 

 

ーーこいつはサーヴァントだ。

 

 

ならば、聞かなくてはいけないことがある。

 

「……これ、貴方の仕業?」

 

「いいや、小細工を弄するのは魔術師の役割だ。俺達はただ命じられたまま戦うのみ」

 

そう言い、凛の背後を見据えた。

 

「だろう? そこの少年」

 

「ーーっ! セイヴァーが見えている……。やっぱりサーヴァントね」

 

「それが分かる嬢ちゃんは、俺の敵って事でいいのかな?」

 

ゆっくりと立ち上がる目の前のサーヴァントを見て、凛は即座に辺りを見る。

 

(四方を囲まれているこの場所で戦うのは不利!)

 

「ほう? 大したもんだ。何もわからねぇようで要点だけは理解している」

 

「ッ」

 

「あーあ、失敗したなこりゃ。面白がって、声掛けるんじゃなかったぜ」

 

男は魔力を宿したその紅い魔槍を横薙ぎに振るう。

すると、紅い魔力の残滓が幻想のように線を描く。

 

「ッ!」

 

それを合図に凛はグラウンドの方に駆け出す。

 

「ハァッ!!」

 

恐らく跳躍したのだろうサーヴァントが槍を振るうが、勘を頼りにギリギリ躱すと、凛は呪文を唱える。

 

Es ist gros(軽量)Es ist klein(重圧)…………!!」

 

加速した凛はフェンスの目の前で最後の呪文を唱える。

 

vox Gott(戒律引用)Es Atlas(重葬は地に還る)――――!」

 

唱えたと同時に地面を強く踏み、跳躍する。

 

「セイヴァー!! 着地任せるわよっ!」

 

凛は抱えやすいように身体を丸めるとギュッと目をつぶる。

そして、地面が間近にまで迫った時、身体を何かが抱える。

 

一瞬の浮遊感を感じ、凛は勢いが消えたのを感じて足を地に付けたと同時に走り出す。が、

 

「っ!」

 

すぐそこに紅い魔槍が迫っていた。

だが、甲高い音を立てて弾かれる。

 

「ーーハァ、ハァ……」

 

荒れた息を整えながら振り返ると少し先には槍を持ったサーヴァントが。

そして、凛の目の前に集が立っていた。

 

「セイヴァー……!」

 

集は凛を自身の背に隠すように前に出る。

 

「…………」

 

「…………」

 

両者は無言で視線を交わす。

 

相手は槍を構えているが、集の手元を見ても、先ほど槍を弾いた時の武器を持っていない。

 

だが、身体の方に変化があった。

蛍光色の輪郭を持つ半透明なモノが脚や肘に装備されていた。

そして、右腕は蛍光色の輪郭を持つ金属のようなモノになっていた。

 

それを見ると、槍の男はニヤリと笑った。

 

「いいねぇ、そう来なくちゃ。話が早い奴は嫌いじゃあないぜ?」

 

静かに槍を構える男に凛は忌々しく見つめる。

 

「ランサーのサーヴァント……!」

 

「いかにも。そういうアンタのサーヴァントは随分面白い格好している」

 

ランサーはゆっくりと槍を持つ手に力を入れる。

 

「何者だ、てめぇ」

 

「………僕は、セイヴァーのサーヴァント」

 

「セイヴァー? 聞いた事ねぇクラスだ。イレギュラーか?」

 

「…そうみたいだね」

 

ランサーは考え込むように唸るとまぁいいか、と呟いた。

 

「一応礼儀ってもんは知ってるようだが、一騎打ちをするタイプかわからねぇな」

 

「………君がそう望むのならそうしよう」

 

「へぇ。そりゃイイねぇ。今回は楽しめそうだ」

 

そう言うとランサーはゆっくりと姿勢を低くした。

 

「セイヴァー………」

 

不安そうに見つめる凛を、集は視線をランサーに見つめたまま優しい声色で囁く。

 

「……大丈夫。僕はこんなところでヤられたりは、しないよ」

 

そして集は少しだけ振り向き、

 

「だって、君のサーヴァントはーー最強だからね」

 

不敵に笑う集を、凛は少しの間呆けていたがすぐに我に帰り、告げた。

 

「……なら、それを証明して見せなさいーーーセイヴァー!!」

 

「ーー了解したよ、マスター」

 

二人のやり取りを見ていたランサーは楽しそうに笑う。

 

「…こりゃ、本当に楽しめそうだな」

 

「…待っていてくれたんだね。ありがとう」

 

「いや、当然の事だ。礼はいらねぇよ。ーーそれより、始めようぜ」

 

「…そうだね」

 

二人の間に、緊迫した空気が流れる。

 

「…………」

 

「…………」

 

二人とも構えたまま、視線を交える。

 

 

 

ーーそして一陣の風が吹いた時、

 

 

 

「「ーーーッ!!」」

 

 

 

二人の英雄がーーー動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘描写苦手なのに…………orz
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