カス女ハーレム   作:大豆亭きなこ

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第十八話:誕生

 街は音に溢れていた。

 

 どこもかしこも音に満ち満ちていて、自身の足音さえ聞こえないほどであった。

 

 例えば銃声。

 ヤクザも、スーツ姿の男も、学生も、誰もが片手もしくは両手に銃を携え、殺し合っている。

 

 例えば空を舞うヘリの轟音。

 カラスのように隊列を組んだ戦闘ヘリは豪気にも街の構造を作り替えている。夜空に奔る曳光弾の光。赤に緑に交差して、ライブ会場みたいだ。今、ヘリに纏わりついていたドローンの群れが、連鎖的に爆発しヘリを落とした。ヘリはきりもみしながらアーケードの方へと落ちていく。大きな爆発。次いで小さい爆発がいくつか続く。

 

 例えば悲鳴。

 燃え盛る業火に、容赦のない銃撃に、建物が倒壊する様に、人々は怯え、混乱し逃げ惑っている。流れができては消え、渦を作ったかと思えば散り、四方八方絶え間なく入り乱れている。さもありなん。この街に逃げ場所などない。高い壁が囲んでいるのだから。誰もが他人行儀なのだから。

 

 例えば扇動。

 逃げ惑う人々に紛れた目の座った若者たち。口々に現状を憂い、被害者を肯定し、人々を高揚させる言葉を吐いている。初めは誰もが懐疑的であったが、藁にもすがる思いで言葉に従いだす。武器が配られる。戦場に加わっていく。それに老若男女は関係ない。人間であるならばすべて、この街に住む者ならすべて、熱狂し激昂する。ボイスチェンジャー。1/Fのゆらぎ。

 

 これは音楽だ。一種の演奏だ。

 この街を楽器として、人々は建物は道具は、鳴り続けている。

 

 怨嗟。叫び声。嫉妬。呪い。愛。感謝。そして、歓喜。

 

 ワーグナーはこれを聞いたのか。

 ルートヴィッヒはこれを聞いたのか。

 ショスタコーヴィチはこれを聞いたのか。

 

 惜しむらくは僕に音楽の才能がない事。残念だ。僕が五線譜を自在に操れたのなら、わき目を振らず今を書き留めるのに。

 

 思考が散逸した。良くない。現状を確認しろ。現実を見据えろ。

 

 僕は、走っている。捕らわれた立花を救うために走っている。

 

 西通りを抜け、自由街を抜ける。

 

 倒壊した建物に挟まって、まとわりつく炎を振り払おうとして、どてっぱらに風穴を開けて。人が死んでいる。人が死んでいる。人が死んでいる。

 

 僕は走る。心が壊れないように、変容していくのを感じながら、走る。

 

 地下通路を通り、アーケードを抜ける。

 

 破裂して死んでいる。黒焦げになって死んでいる。真っ二つになって死んでいる。

 

 自問。禅問答。直ぐにかき消す。意味がない。リスクでしかない。心を錆びつかせろ、心を凍り付かせろ、心を殺せ、殺しつくせ。

 

 ──耐えられない。

 

 向精神薬(トランキライザー)を服用。精神安定剤(エチゾラム)を服用。

 足りない。

 覚醒剤を服用。血管にどくどく血が巡るのを感じる。全身を媒介に心臓がビートを刻みだすのを感じる。良かった。僕も演奏に加わることができるんだ。

 

 中央広場へと差し掛かったところで突如、視界が白に埋まった。

 

 照明弾。

 夜を一時的に昼へと変える白リンの輝き。都市警察が出張ってきたのか、民間軍事会社の作戦の一部か判別がつかない。

 

 徐々に回復してきた視力で、僕はあたりを見回した。

 

 死屍累々。屍山血河。

 

 噴水は赤く染まっている。

 木々には臓物が引っかかっている。

 中央にそびえたつ時計塔だけがその不気味な白さを保っている。

 

 その手前に男がいた。小柄な男が立っていた。

 

 男はゆっくりと振り返りながら言った。

 

「思ったより速かったな。まだ生きてるぜ」

 

 無制限(アンリミテッド)。嚴禅会現会長の一人息子、藤代尊。

 

 藤代尊が彼の足元に転がる何かを軽く蹴った。ワイヤーで縛られている何か。顔がぼこぼこに凹んでおり、血で濡れている。

 

「……うぅ」

 

 呻く。生きている。

 

 立花涼音だ。

 

 顔では判別ができない。

 状況と微かな声と背格好だけが、それが彼女であることを示していた。

 

 涼音は、とても愉快で、すこぶる頭が回り、非常に気が利く奴なのだ。これから僕と共にこの街を脱出する予定なのだ。それで、僕の伴侶になってもらうつもりなのだ。

 

 そんな涼音が、芋虫のように縮こまっている。

 

 何か得体のしれないものが喉の奥まで上がってくる。

 僕は吐しゃ物だと思い、それを吐き出そうと思ったが、いつまでたっても酸い液体は上がってこない。ただ鼓動が早まり、呼吸が浅くなるだけだった。

 

 顔を濡らす液体が、自身が分泌する涙であることを認識するのに、時間がかかった。

 

 僕は怒りがこみあげてくるものだと覚悟していたが、そんなことはなかった。汲み上げてみようともするが、どこにもない。心は乾ききっている。認識がおかしいわけじゃない。僕は立花のために怒ってやれない。

 

 千々に乱れた心を集めきった頃には、それはすでに変容を遂げており、事象に対する正確な受容が可能になっていた。

 

 身体反応だけが、僕の感情を示している。それから推察するに、悲しさ、悔しさ、憤怒──を感じている、はずだ。乖離している。心と体が同一じゃない。

 

 僕は今すぐ走り出したかったが、体が動かなかった。理性が止めている。

 向こう側に激情があるのにもかかわらず、何よりも分厚いダムがそれをせき止めている。

 

 なんとかしないと。どうやって。現状を認識してからだ。

 

 藤代雅はゆるりと肩を落として立っている。

 隙があるように見えてその実、体の芯には『猿応理』を通している。彼は今すぐにでも、立花を殺せる。その上で僕に対する防御もできる。

 

 僕は『詐息(さそく)』を取るために右足を半歩後ろに摺り足で下げるが、それに呼応して藤代尊は腰をひねって半身を取った。──『能十(のうじゅう)』。駄目だ、勝てない。

 

 藤代尊は武術を行うに最適な改造を受けている。技のキレだけで言うと、多分、お嬢よりも上だ。

 

 脳内で行ったシミュレーションのすべてで敗北。奇跡が起きてもなお、負ける。装備もない。準備もない。心構えすらできていない。

 

 優勢はあちらにある。感情に任せて動くことはできない。僕自身がそれをさせてくれない。涼音は苦しそうに蠢いている。藤代尊はこちらを見ながらニヤニヤと笑っている。

 

 何もできない。

 

 なら、僕はここに何をしに来たんだ。

 

 覚悟を決めろよ。何の覚悟だ。死ぬ覚悟。無駄死にか。これからが楽しいのに。死力を尽くせ。勝てないのに。だからなんだ。万に一つ勝てるかもしれない。勝ててどうする。満身創痍で、満身創痍の立花抱えてどうする。どうにかする。無理だ。好きにしろ。それでも何もやらないよりはましだ。マシなわけあるか。

 

 声が多い。統制できない。制御できない。僕自身、僕の考えが、行動が読めない。

 

 額に汗が伝い、運悪くまつ毛をすり抜け、目に入った。反射的に目を閉じてしまう。

 ──修行不足。蒼青の父、先代当主、故箕土路黄寿(みどろおうじゅ)の声が頭の中で響いた。

 

 眼を開くと、藤代尊に套路を進められていた。『猿応理』転じて、『飛猟理(ひりょうり)・第四』。速攻速殺の構えである。死んだ。ああ、死んだ。

 

 藤代尊は構えを解かずに言った。

 

「俺の勝ちだな」

 

 僕は構えを解き、頭を下げた。

 

「そうです。尊さんの勝ちです。お願いします、どうか命だけは──」

 

「俺のことは無制限(アンリミテッド)って呼べって言ったよなァ!」

 

 藤代尊の腕から先が空に溶けた。

 次の瞬間、涼音の右ひざから先が吹き飛んだ。

 

「イぎゃァ!」

 

 ──チャンス。『飛猟理』が解けた。僕が動いたのはほとんど自動であった。

 

 僕は自身のシャツを脱ぎ去って、藤代尊に向かって翻す。視界を塞いだところで、がむしゃらに放たれた彼の拳を左ひじで受け止め──激痛が走った──威力を利用して回転。地面を滑って涼音を確保、背後に隠して、再び構えを取る。

 

 僕の左ひじは砕けた。絶え間なく激痛が襲い、ピクリとも動かない。

 

 僕の足元まで血が流れてきた。涼音の血だ。早く止血しなければ。どうやって?

 

 藤代尊が呆れたようなため息を漏らしながら、肩を鳴らし言った。

 

「……んで? そっからどうすんの? 逃げんの? 逃げれんの?」

 

「逃がしてください」

 

「は?」

 

「お願いします。逃がしてください」

 

「その女とォ? そこまで大事か」

 

「大事です。大切です。僕は改心しました。もう何も成しません。この街を出て、静かに暮らします。あなたに迷惑をかけません。もし今までの無礼の償いをしろというのなら、一生をかけて償います。あなたの仇敵を殺します。あなたの望みを叶えます。金だっていくらでも払います。だからお願いします。許してください。助けてください。僕と涼音を逃がしてください」

 

 藤代尊が肩を揺らして一笑に付す。

 

「なら、なおさら嫌だね。今しがた、その女を殺すことは決定した。お前が先に俺から奪ったんだ。お前も俺に奪われて当然だろ」

 

 奪った。蒼青のことか。それとも彼が作っていた不良グループのことか。そんなことのために涼音は死ぬのか。いやだ。

 

「……僕は」

 

 涼音が死ぬのなら、僕のこともいっそ殺してくれ。

 

「生かす」

 

 なんでだよ。復讐がしたいわけではないのか。

 

「……アンリさん、あなたの目的は何ですか」

 

「ない」

 

「ないわけがないでしょう」

 

「強いて言うなら、この街の混乱とお前の不幸を望む」

 

「なぜ」

 

「それがお前の全部を奪うことになるからだ」

 

「…………」

 

 話が通じない。説得の芽が一切ない。

 

 詰みだ。

 投了。チェックメイト。

 こちらが出せる手は、ない。

 

 不意に、僕の足に何かが触れた。

 

「涼音……」

 

 涼音が、醜く歪んだ顔面をもたげ、僕を見ていた。

 

「……あたし、死ぬんですか」

 

「死ぬ」

 

「そうですか。残念だなぁ。折角鮎川君……晴臣君の好感度を天井突破させたのに」

 

「ごめん」

 

「謝らないでください。あたしの実力不足です。勝手に調査して、逆に捕まっちゃったんです。笑ってください。泣かないでください」

 

「ごめん……ごめん。本当に、すまない。僕は君にしてもらってばかりで、君に何も返せなかった。もっと早くに君と出会いたかった。それなら今より、ずっといい方法を、良い人生を──」

 

「いいんです。その言葉だけで、あたしの普通の人生も浮かばれます。それに晴臣君にはたくさんいいものを見せてもらいました。十分です」

 

 声が震えている。僕の声だ。喉には嗚咽。心はフラット。演技めいた言葉と、自動的に造られる表情が、涼音に向けられている。反吐が出る。死んでしまえこんなやつ。

 

「……そんな、そんなこと」

 

「厚かましいようですが最後に一つだけいいですか」

 

 涼音の顔についている血が、僕の涙によって、ギザギザとした円形に、滲む。

 

「うん、なんだ」

 

 涼音の、僕のズボンのすそを握る力が、少し強まった。

 

「決して……絶対に中途半端なところでやめないでくださいね。きっと最後までやり抜いてください。あたしにあなたの物語を最後まで見せてください。どんな結果になろうとも、そのほうが面白い。それで、あたしは地獄で待ってますから、いつか反省会をしましょう。語りましょう。笑い合いましょう」

 

「地獄で、かよ」

 

「当たり前じゃないですか」

 

 涼音の目が、僕の先を見据える。それから何かを悟ったように笑い、

 

「……それじゃあ、お先に──」

 

 涼音の頭が、弾けた。

 

 涼音が肉と化して、飛び散った。

 

 その一部が、僕の体にもかかり、僕の衣服を汚した。

 

 僕は悲しんでやりたがったが、それがどうしても涼音であるとは思えず、不快感が先にやってきて、思わず顔を顰めてしまった。

 

「大サービスだ」

 

 振り返ると、藤代尊が拳銃をひらひらと振りながら笑っていた。

 

「お前にはまだまだやってもらわなきゃいけないことがある。お前が役名すらない雑魚に惚れるとは思ってもみなかったが、それでも別れは言わせてやった。俺は優しいだろ」

 

 僕は返答しなかった。涼音が死んでしまったのだ。

 

 ただ、唯一の僕の理解者。何を捨てても、共にいたいと願った人。結局願っていただけで、僕は、僕のマヒしてしまった心は、理屈と理性で埋めつくされている脳は、勝手な行動を許さなかった。

 

 涼音が死んでしまった。

 

 僕は、今後、何を縋って生きていけばいい。何を頼りに生きていけばいい。

 

 また何かを頼るのか。

 

 見下していた兄に頼り、理解してくれるからと分不相応な女に縋り、また次の何かを探すのか。

 

 あほくさい。死んでやろう。そしたらこれ以上恥をさらさずに済む。

 

 僕は舌を噛みきろうとした。

 

 

『決して中途半端なところでやめないでくださいね』

 

 

 呪いの言葉だ。

 

 そして、生を肯定する、祝いの言葉でもある。

 

 涼音が言うんだ。見ているんだ。なら、最後までやるしかない。

 僕は諦めて言った。

 

「……それで、僕に何をさせるんですか、アンリさん」

 

「最初から言ってるだろう。お前には火種になってもらう。そのために俺は準備してきたんだ。スナーク狩りとかいうお遊びサークルに入って、柄でもないのにコソコソ隠れながら動いて、暗躍してきたんだ。……そら、丁度来たぜ」

 

 藤代尊が指さした方を見ると、過剰なほどに武装された垂直離着陸(ティルトローター)機。闇を切り裂きながら、轟音をまき散らし、高速でこちらに向かってきている。

 

 その姿は、ぼってり太った海鳥のようであり、どこか間が抜けていた。

 

 よく見ると側面には矢を射る女性のデカールと、ADSの三文字。アルテミス・ディフェンス・サービス。薛秦義肢公司の子会社である民間軍事会社だ。

 

 芝生を散らして、砂塵を噴き上げながら、着陸。

 背面デッキが開き、ぞろぞろとヘッドギアを付けた背の低い特殊部隊が出てきた。あちこちに射線を通しながら、隈なくクリアリング。

 

 続いて、その身がすっぽりと覆われるほどの防護盾を持ったディッセンバーが登場。

 そして、真っ白なゴシックロリータを身に纏った、鳶カタリナが現れる。まるで舞踏会に参加する、貴族のお嬢様のように、悠々と、優雅に現れた。

 

 僕とリーナの視線が合う。

 

「先輩、遅くなってしまい申し訳ありません。でも、ちゃんと迎えに来ましたよ。さあ帰りましょう」

 

 僕は目をそらした。

 

「……先輩?」

 

 分かった。分かってしまった。藤代尊がしようとしていること。そして、これから起こるであろうこと。

 

 そんな僕の様子に気付いたのか、藤代尊は顎をしゃくり上げ、リーナとはまた別の方向を指し示す。林の方だ。

 

 少し遅れて、特殊部隊もそちらに射線を合わせ始めた。

 

「すまないねぇ。そちらさんみたいに派手な登場じゃなくて。でも来たぜ。勇気をもって一人で来た。なあ、だから銃をこちらに向けるのをやめさせてくれよ、企業のお姫様」

 

 梶尾水仙。

 彼女はあちこち跳ねまわった癖っ気のミディアムショートをくるくるいじりながら登場した。

 

 リーナは警戒を解かない。水仙の言葉は嘘である。彼女が一人で来るはずがない。なにか、ここにいる誰もが彼女を害せない仕組みがあるのだ。その証拠にリーナが少し苦い顔をしている。にわかに公園中に、人の気配が増え始めた。それも隠れている気配だ。これも仕掛けの一つなのだろう。

 

「尊さん、来ましたよ。流石に嘘はついていなかったみたいですね」水仙が僕の方を見た。「ハル君、やっほー。さっきぶり。TOMASを二つも落としたぜ。ブイ。今はミナミの方を攻略中。そんな大事な時に来たんだ、目一杯楽しませてもらうよ」

 

 不意に、水仙の視線が揺らいだ。向けている先は僕の足元。

 そして彼女は、少し気落ちした様子で呟いた。

 

「そうか、立花死んじゃったのか」

 

 リーナが水仙を睨みながら言った。

 

「で、私はなぜ呼ばれたんです。ハル先輩がいるから来たんですけど、なんで群れのトップもここにいるんですか? それにハル先輩と親し気に……止めてもらえます?」

 

「おお、こっちに来るかっ! あはは、嫉妬心むき出しで可愛いねぇ。見たくないものには目を向けようとしない、盲目のお姫様。君もボク等と同じように、もう彼に抱いてもらったのかな?」

 

 リーナの小さな額に青筋が浮かぶ。

 

「ら? ……もう?」

 

「ああ、つまりだねぇ──」

 

「おい梶尾、まだ早い。煽るなら今日の主役の登場を待ってからにしろ」

 

「……主役?」水仙の視線が広場の入り口の方へと向く。「なるほど、確かに主役か。新婚さんだものな」

 

 熱が風に乗ってやってきた。

 生臭い血の臭いが、風に乗ってやってきた。

 

 風元、広場の入り口。そこには腰を落とし、大太刀を担いだ女性のシルエット。

 

 再び、空に白リン弾が上がった。それは僕らを等しく白く染め上げる。

 その場にいる全員が緊張感、あるいは愉悦を顔に浮かべながら、そのシルエットを見据えていた。

 

 箕土路蒼青が、そこにいた。

 

 粧し込んだ全身を、返り血で染め上げてそこにいた。怒りを滲ませ、そこにいた。

 

「お前らッ‼ どういうつもりだァ‼」

 

 蒼青が吠える。鼓膜にびりびり来る。特殊部隊がリーナの前に出て、射線を通すが、次の瞬間にはその三分の二が、頭を切断され倒れていた。

 

 蒼青の姿を探すと、藤代尊の胸倉をつかんでいた。

 

「尊、どういうつもりだ。なぜ結婚式をぶち壊した張本人たちがここにいる。それに晴臣まで。おい、私が納得できるだけの説明ができるんだろうな。できなきゃ殺す。できても殺す」

 

「結婚式? どういうことですか、先輩! ……まさか──」

 

「黙れ! 喋るな! 動くな!」

 

 蒼青がリーナに向けて発砲。ディセが機敏に動き、防護盾にて防ぐが、縦には蜘蛛の巣のようなひびが入った。

 

「待てって、蒼青。今から全部説明してやるから、焦るな。お前が一番気になっていること、いや心のどこかで気づいてはいたが無視していたことを話してやるから」

 

 蒼青の手から、力が抜け、藤代尊が解放される。

 

「なんだ、それは……」

 

 蒼青の表情が曇る。

 目じりをひくひくさせながら、心臓を掴む。思い当たる節があるらしい。結婚を急いだのも、その不安の裏返しというわけか。

 

 藤代尊は、服のしわを伸ばし、ぱんぱんと砂埃を払った後、シャツの裾を翻しながら鷹揚と歩き始めた。

 そして、僕ら四人がいる位置の丁度中央までたどり着くと、咳ばらいを一つして、心底愉快そうに話し始めた。

 

「足元の悪い中、お集り頂き、恐悦の至りだ、紳士淑女諸君! こンのクソ忙しい中、街の進退が決まりつつある中、諸君に集まってもらったのは他でもない、非常に興味深い事実を、真実を披露するためだ!」

 

 藤代尊がにやりと笑って僕を見る。

 

 この状況、タイミング、すべてが狙い通りか。

 

「箕土路蒼青! 梶尾水仙! 鳶カタリナ! 君たち三人は、少なからずこの男、鮎川晴臣に好意を持っているなァ!」

 

 藤代尊がゆっくりと三人の顔を見回した。三人は頷きもしない。ただ神妙に、その場に縫い付けられたように、彼の言葉に耳を傾けている。

 

「この男は、それを利用した! 君たちのナイーブな恋心を利用して、借金を返そうとした。自分の兄を救おうとした。自分に力がないのを理解しているから、君たち三人を利用して、それらを為そうとした。その上で、彼はこの街で成り上がろうとしている! どうだ、思い当たる節があるだろう! この男は、君たちに何の好意も抱いていない、憎悪しているだけだ! だからこんな非人間的なことができる!」

 

 蒼青とリーナが、目を見開き、何かを考えこむ。

 水仙はその顔に昏きを宿し、まっすぐに僕を見ている。

 

「梶尾! お前、晴臣とヤッただろう?」

 

「花も恥じらう乙女になんてこと聞くんだ」

 

「大事なことだ、答えろ」

 

「……ヤッた。初めはボクから求めたが、最後は彼の方から求めてくれた。いつもの打算的な彼が嘘みたいに、獣のようだったよ」

 

 水仙が煽るように、肩を竦めた。

 

「嘘をつくなッ!」

 

 蒼青が再び吠える。ぎりりと歯を噛みこんで、水仙を睨む。

 

「おま、お前は嘘をついている! 晴臣は私を、私だけを愛しているんだッ! 私が一番だって何度も、何度も何度も何度もォ! 言って、くれたんだ……」

 

 蒼青の語尾が落ちる。

 最後は消え入りそうな声量になっていた。

 

「ほら、蒼青も気付いたように、俺の実家が燃えた次の日だ。あの日一日、お前は晴臣を探し回ったよな。それでも見つからなかった。んでその翌日、ひょっこり現れた晴臣に有無を言わさないまま抱かれた。なあ、強引だとは思わなかったか? 普段とは少し違う匂いが混じってなかったか? ……例えば、ジャスミンとか」

 

 蒼青が、縋るように僕を見た。僕は何も言わなかったし、何も表情を作らなかった。

 

 蒼青が膝から崩れ落ちる。勝ち誇ったように水仙が言った。

 

「ボクの方が先~~」

 

「私抱かれてないんですけど!」

 

「……嘘だ。そんなこと、うそ、だ」

 

「私抱かれてないんですけどッ⁉」

 

「というわけで、この男は稀代のジゴロ野郎だったわけだ。失望したか? 恋心が揺らいだか? そんなわけねぇよなぁ。だって、そんなこと関係ないだもんなぁ。お前らは晴臣に欠けた自分を、求めていただけだ。心の隙間を埋めて欲しかっただけだ」

 

 藤代尊が、悪辣に口角を歪めて言った。

 

「さあ争え! 景品はこの男、奪いあえ! 殺し合えッ‼」

 

 また、どこかで何かが爆発した。街は着実に壊れていっている。この三人と、僕のせいで。

 

「まあ別に最初からそのつもりだったし、ね」水仙がくるくると髪を弄りながら言った。

 

「先輩、後でちゃんと説明してもらいますから!」リーナがスカートを翻し、デッキに足をかけながら言った。

 

「全員、殺してやる」蒼青が、ゆらりと立ち上がりながら言った。

 

 修羅場。

 

 積み立ててきたものが全部崩れた。

 

 これが僕の末路か。この中の誰かが勝利して、僕はその人のモノになる。あはは、傾国の美女にでもなった気分だ。それで、僕はモノとして愛でられながら、勝者の心の穴を埋めるために部品となるわけだ。

 

 どうだ涼音、これが僕の、僕の物語の結末だ。満足したか。

 

 そんなわけないよな。

 

 中途半端は辞めろよ。

 

 最善を尽くせよ。

 

 まだ、できることがあるだろ。

 

 それでも駄目ならその時だ。

 

 僕は、一歩踏み出した。覚悟を決めた。全部を捨てた。

 

 だからさ、見ていてくれよ、涼音。

 僕の大一番を。僕の生涯最高の大ハッタリを!

 

「待て──ッ‼」

 

 僕は、僕を演じる。

 顔には必死の形相、そして沈痛。二足は大地をしっかり踏みしめて、背骨には芯を通す。僕が作ることのできる、最高の自分。彼女たちの理想の自分。

 

「尊さんが言ったことは、半分事実だが、半分は違う!」

 

 人間は完全な嘘をつくことはできない。それに三人は、少なくとも現状、藤代尊の言ったことを信じている。事実であると認識している。

 僕が残してしまった、違和感、綻びのせいだ。だから、そこに乗っかる。乗っかった上で、嘘を紡ぐ。

 

 目指すは相互確証破壊の成立。当初の目的通りだ。

 

 無理なら無理でいい。僕の命なんかは、安い、軽い。

 

 この最後の大一番を、成立させるために命を張ることなんて、やって当然だ。

 

「おいおい、ハル君。言い訳なら後で聞くからさ、邪魔しないでくれよ。この驕り高ぶった二人の、死ぬ前の情けない顔を拝むために、ボクは準備してきたんだぜ」

 

「減らず口を叩けるのも今のうちだ。直ぐに殺してやる」

 

 水仙と蒼青はぎゃんぎゃん罵り合っているが、とにかく足を止めることには成功した。僕はさらに言葉を紡ぐ。

 

「最初は、尊さんの言う通り、君たちを利用しようとしていた。借金を返し、兄を救い、この街で成り上がろうとしていた! でもッ、今は違う! 僕は君たちと関わっていくうちに──」

 

 さっきまでにやにやといやらしい笑みを浮かべていた藤代尊の顔から、表情が消える。

 

「晴臣ぃ? おい、黙れよ。今更、何を──」

 

 さあ、正念場。照れずに言えよ。微塵も隙を見せるなよ。

 

「三人のことを、愛してしまったんだ‼」

 

 その場にいた誰もが驚愕を浮かべる。──よし、空気が変わった。

 

「誰もが一番! 優劣はなく、同列に好きだ! それこそが悲劇、僕の苦悩の元だった! 誰か一人を選ぶなんて、そんな苦痛、ボクに耐えられると思うかッ!」

 

 僕は手を振るう。指揮棒のように。

 

「街がこんなことになったのは、僕の優柔不断が原因だ! 責任は僕にある! 初めから、素直に告白出来ていたら、こんな惨劇は免れることができた! すまない!」

 

「お、お前、何言って──」

 

 黙れ。今は勢いだ。誰にも言葉を発させるな。

 

「僕は、箕土路蒼青が、梶尾水仙が、鳶カタリナが、好きだ‼ 心の底から愛してる‼ やり直そう! 殺し合う必要なんかはない! 僕が好きになった三人だ! きっと仲良くなれるはずだ! 今までのことは全部水に流して友情を、愛情を結ぼう!」

 

 僕は声の限り叫ぶ。

 

「僕ら四人で家族になろう‼」

 

 僕はあらん限りの気迫を込めて、叫ぶ。

 

「僕ら四人で、この街を支配しよう! 僕らの力が合わされば、それができる‼」

 

 僕は、僕を捨て、何もかも振り切って、叫ぶ。

 

「僕ら四人で、ずっと楽しく過ごそう! ワクワクすることをやろう!」

 

 そして、僕は、誕生した。僕であって僕でない何か。

 

 怪物。

 

 そうか。怪物ってのは成り下がるものじゃないんだな。誰もが心の内に秘めていて、誕生するものであったのだな。

 

 空間には沈黙が降りている。

 

 多分、誰もが計りかねている。

 

 やれることはやった。言えることは言った。後は、出目が決まるまで、待つだけだ。

 

 重い空気を破ったのは、やはり、藤代尊であった。

 

「戯言だな。こんな拙い言葉に騙される奴なんかいない。さあさ、お三方、コイツは俺が安全なところに縛り付けているから、殺し合いを続けてくれ」

 

「──面白い!」

 

 藤代尊のセリフにかぶせるように言ったのは水仙だった。

 彼女は顎に手を当て、瞳をこれでもかと光輝かせながら続ける。

 

「つまり、君は、君自身を人質にとって、ボクたちを脅しているわけか。僕の言っていることを信じろ、さもなくば、人質を殺すと。そうしたら僕たちは永遠に欲しいものは得られなくなる。……やるなぁ」

 

「梶尾、コイツは何としても生かす。自殺はさせない」

 

「そういう事じゃないんだろう? ハル君。身体の無事は関係ない。問題は心だ。他の二人を殺して、君を手に入れた瞬間。君に価値はなくなる。そう言った意味での死だろう」

 

 勿論その通りだ。だが声には出さない。建前が崩れるからだ。

 

「いいなぁ、予想外だ。面白い、面白いよハル君! それにこの二人と手を組むなんて考えたこともなかった。すごいな、やれることが無限に広がる。……いいぜ、ハル君。ボクは乗ってやろう。ただし、他の二人が納得したらだ。一人でも欠けたら、薬でも何でも使って、君を取り戻すことにする」

 

 まずは一人。

 水仙の難易度は比較的簡単だとは予想していた。

 

 問題の人物は置いておいて、まずはリーナの攻略にかかることにする。

 

「なあ、リーナ」

 

「欺瞞ですね」

 

「そうかもしれない。でも、君を愛しているのは確かだ」

 

「また甘い言葉を吐いて、あなたは一度私を騙した。もう信用はないですよ。簡単に信じると思います?」

 

「じゃあ、ここで殺してくれても構わない。覚悟はできている」

 

「それは……」

 

「なあ、リーナ。これからはさ、君が欲しかったものをあげる。君の心におけるすべての男性像(アニムス)として、君を愛そう。尽きることのない、愛を君に与え続けよう」

 

「それでも、三分割じゃないですか! 私は、私だけを愛してほしいのに……」

 

「違うぞ、リーナ。愛は分けられない。例えるなら並列回路の電圧のようなもので、上流と下流の愛の量は変わらない。分割もされない」

 

「口から出まかせです! そんな、わけ……」

 

「ならいいよ。信じなくてもいい。でも、これから僕以上に、君を理解できる他人なんて、現れると思うのか?」

 

「でも! ……でもぉ」

 

「リーナ、すべてが思うままにはならないよ。何かは諦めなければならない。これは君が大人になるための試練だ。天が与えた、清濁併せ吞むための課題だ」

 

「…………」

 

「じゃあこうしよう、リーナ。これはお試しだ。期限を決めて、そこまでに納得がいかなかったら、関係を解消しよう。それなら、まだ耐えられるだろう。それにやったこともないのに否定するなんて、もったいないじゃないか。存外楽しいかもしれない。そこの水仙は賢いぞ。君の問題を分かってくれるかもしれない」

 

「光栄だね」

 

「う、うぅ……」

 

 リーナが唸る。服の恥をくしゃりと握ったり、頭を掻きながらその場でくるくる回ったりする。そうして何秒かが過ぎ去った後、リーナは荒い鼻息を沈めながら言った。

 

「わっ……かり、ました。でも、半年です。まずは半年やってみて、その後を決めます。その間は私をしっかり愛してください。不満を一匙も抱かせないでください

 

「わかったよ」

 

「おお」

 

 水仙が拍手で、祝福してくれる。

 

 これで、二人。

 

 さあ、最難関。すべては彼女を説き伏せられるかにかかっている。

 

「お前ら、正気かよ! こいつ、でたらめだぞ! もう、戦争は起こってんだ! 街では人が殺し合っているんだ! 何を呑気に──」

 

「もうそういう段階じゃないんですよ。尊さん。街も他人も今は関係ない。これはボクらの問題だ。口を挟まないでもらいたい」

 

「そうです。それに、そもそもあなた誰です? 黒幕面で狂言回しやってますけど、普通に鬱陶しいですよ。あとで殺すんで、大人しくして置いてください」

 

「俺はッ! ──俺はァ!」

 

「ディセ」

 

「はい」

 

 ディセが残存する特殊部隊を引き連れ、藤代尊に攻撃を仕掛けた。そんなことはどうでもいい。マズルフラッシュや、肉の潰れる音が少々気に障るが、今はそんなことよりも大事なことがある。

 

「蒼ちゃん」

 

 僕は固まってしまっている蒼青の肩を叩いた。彼女はびくんと肩を跳ねさせた後、体が弛緩し僕に倒れ掛かってきた。僕はそれを優しく受け止め、しっかりと立たせてやる。

 

 蒼青が小さく言った。

 

「どういうことだよ、晴臣。意味が、分かんねぇ」

 

「僕は、君と、そしてあの二人と四人で、これから生きていきたいと思う。君が望む、永遠に続く楽しい今を実現しようとしている」

 

「なんで、あの二人がいるんだ。私だけじゃ駄目なのか。ここにいる全員踏みつぶして、お前を手に入れるじゃ駄目なのか。そのほうが、シンプルで、わかりやすいよ」

 

 多分、彼女ならそれができてしまう。水仙はまだ隠し玉を持っている気もするが、それすらも超越してしまうのが、この箕土路蒼青という少女なのだ。

 

「それはできない。それをしたら、君は僕の愛する人を二人殺してしまうことになる。それは流石に耐えられない」

 

「今まで、私に言った言葉は、全部嘘なのか」

 

「嘘じゃない。全部本心だ」

 

「私のこと、一番って言ったのは」

 

「勿論、本心だ」

 

「でも」

 

「さっきも言っただろう。同率だ。全員僕の中じゃ全員一番なんだ」

 

「浮気だ、これは」

 

「そうだよ」

 

「開き直るなよ」

 

「ごめん」

 

「私は、お前が他の女を愛している姿を見るのに、耐えられる気がしない」

 

「耐えてくれ」

 

「私は、私以外の女と契を交わしたという事実が我慢できない」

 

「我慢してくれ」

 

「あいつは、藤代のおっさんの家を燃やした。私が子供のころ世話になった奴らを殺した。さっきだって、宴会場にいきなり乗り込んできて、何人も殺した。私は、奴らに復讐しないといけない。だから、提案は受け入れられない」

 

 蒼青の全身に、にわかに力がみなぎり始める。

 

「殺して、どうするの?」

 

「わからない」

 

「じゃあ、僕は? その場合、僕のことも殺してくれるよね」

 

「それは」

 

「どうなんだ」

 

「多分、できないと、思う。私はお前のことが好きだから」

 

「駄目だよ。きちんと殺してくれないと」

 

「だって! だってぇ! できないよ、そんなことぉ! お前は、お前だけは、私とずっと対等でいてくれた。私の隣を歩いていても、平気な顔をしてた! それを失うことは耐えられない!」

 

「じゃあ、こうしよう。君はここにいる全員を殺す。僕は僕を殺す。どうだ?」

 

「嫌だ!」

 

「それなら、君は僕の提案を呑むしかない。四人で、楽しく暮らすしかない」

 

「それも嫌だ! お前は、私だけのお前であってほしい!」

 

「蒼ちゃん、これは二択なんだ、他の選択肢はない。僕か、それ以外のすべてか、そういった選択なんだ。君は選ばなきゃならない」

 

 蒼青は僕に顔を埋めながら、ずるずると崩れていった。嗚咽が聞こえる。彼女の軌跡の涙の痕が残っている。

 

「蒼青! 騙されるなッ! そいつは問題を覆い隠している! 少し考えればわかる! 殺せ! 殺しつくしてから考えろ! ──チィ!」

 

「殺せ殺せばっかりで芸がないな、あの人は。……それで、蒼青どうする? そろそろ決めてくれないと、後がつっかえているんだ」

 

 僕は蒼青の脇を持って、立ち上がらせてやる。

 彼女は、目元をぐしと拭って、小さく頷いた。

 

 ここに、カス女ハーレムが成立した。

 

 改都に、四位一体の怪物が誕生した。

 

 喜劇だな、こりゃあ。

 

 愛の喜劇(ラブコメディ)だ、これは。

 

 だって笑い話だろ。ハーレムを成立させるために吐いた戯言を、彼女たちは仕方なしに受け入れる。盲目的に信じる。これ以上の笑い話はない。

 

「蒼ちゃん、じゃあ関係が成立した記念すべき初めての仕事だ。僕らの仲を引き裂こうとした、あの男を殺せ」

 

「……おう」

 

 蒼青が大太刀を拾い上げ、ゆらりと構えた。

 

「待て! いいのか⁉ そんな男の言う事を信じるのかッ⁉ 俺は、ずっとお前のために──」

 

 悲鳴すら聞こえなかった。

 

「じゃあさ、僕は少しやることがあるから、二人はこの街の騒動を収めておいてくれ。あとで合流するから」

 

「はい、わかりました」

 

「あいよ」

 

 僕は踵を返し、中央広場を出た。

 

 その際、少し振り返ってみたが、死体が多すぎてどれが涼音の死体かわからなかった。

 

 僕はその足で、自宅へと帰り、父を殺した。




ここまでお読みいただきありがとうございます。
一先ず区切りがつきました。皆さんのおかげです。
次回からは、晴臣たちの過去の話が始まります。所謂出会い編です。
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世界観やキャラについての質問も受け付けます。
私はあなたたちを愛しています。
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