2026年、なぎすたんすさんの誕生日を勝手にお祝いして書いた記念小説です。

ここで言うのもあれですが……なぎすたんすさん、お誕生日おめでとうございます!!

※なぎすたんすさんが書かれた原作はこちらから
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26786686

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頑張ったけど24日に間に合わなかった……

独自解釈・独自設定が多くなっています(特に検断局まわり)
また、この小説は基本的にユニアス視点で書いています。


White & Yellow

 

──ユニアスside──

 

今、私はソリアと一緒に船に乗ってとある遺物の回収任務に向かっている。

 

「ねぇねぇユニアス!!例の遺物ってこの辺りに封印されているんだよね?」

 

「そうだな。報告によればこの辺りに祠があるらしい。」

 

「でもさあ、ユニアス……ここ海の真ん中じゃん!!こんなところに祠なんてあるわけないよね!?」

 

「これは私の推測にだが、海底にあるんだろう……」

 

「え~!?潜るの!?夏でもないのに!!」

 

「……とは言っても仕方ないだろう。行くぞ、ソリア。」

 

ソリアは文句を言っているが、これが任務である以上行かないという選択肢は選べない。私は海に潜る為の装備を取ってきてソリアに手渡す。

 

「海に潜る任務ってことは……もしかして、ユニアスの水着が見れるってことだよね!?」

 

「……何を言っているんだ君は?」

 

「えっ、違うの?」

 

「まさか、君はこの任務を海水浴か何かだと思っているのか……?」

 

そもそも海に潜るなら、ダイビングスーツなどの専用装備が必要だ。しかも今回の任務では、海底にあると思われる祠まで行かなければならない。この海は最も深いところで約400mあると言われており、素潜りのプロでも限界はせいぜい20m。そんな場所に普通の水着で潜るなんて、不可能に近いだろう……

 

そうこう言っている内にソリアも準備が出来たようなので私達は海に飛び込んだ。だが、海に飛び込んだ私達はとある違和感を抱いた。それは――

 

「ねえ、ユニアス。海ってこんなにも殺風景な物だったっけ?私の記憶だと海にはたくさんの魚がいるはずなんだけど……」

 

そう、海に生物が一切いないということだ。いや、生物どころかモンスターやセレイタスすらいない。

 

「数日前から海が荒れているのも含めてだが……これは恐らく件の遺物の影響だろう。」

 

「ええっ!?今から回収する遺物ってそんなにヤバい代物だったの!?」

 

「状況から察するとそうなるだろう。事前情報は海底に沈んでいることくらいしかなかったからな。」

 

「……っていうことはつまり、曰く付きのお宝ってことでしょ?……最高じゃん!!」

 

「言っておくがあくまでこれは任務だぞソリ――」

 

私はテンションが高くなっているソリアに注意しようと思ったが――

 

「ユニアス、お宝探しだよ!!テンション上がって来たね!!」

 

「はあ、全く君って奴は……」

 

ソリアのあまりのテンションの高さに私は注意することを諦めてしまった……

 

 

 

 

 

あれから数時間後、私たちは海底での探索を大方終えて船に戻って休憩していた。

 

「全っ然見つからないね……海底まで行ったけど祠なんて何処にもなかったし……」

 

「ああ。恐らく何処かに隠されているんじゃないか?」

 

……とは言ってもセンサーの遺物がここで反応している以上、この付近にあるはずだ。だが――

 

「……とは言え、ここらには岩場すら無い。だから、隠し場所を作ってそこに隠すなんてことは出来ないはずだ。」

 

「ええっ!?じゃあ、祠は何処に……?」

 

「さあ……?こればかりはどうしようもないな。」

 

そうこう言っているうちに辺りは太陽も沈んで、随分と暗くなっていた。そろそろ港に戻った方が良いだろう。

 

「ソリア、夜の海は危険だ。また翌朝に出直すことにしよう。」

 

「うん、そうだね……」

 

今日の所は何の成果も得られないまま私たちは海を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから1時間後、私たちは港に到着した。港では今日獲れたであろう魚が多く売られていた。

 

「見て見てユニアス!!美味しそうな魚が沢山あるよ!!」

 

「ソリア、私たちは海鮮を食べにここに来たわけじゃないんだぞ……」

 

「え~!!でも美味しそうだし食べたいじゃん!!」

 

「だが時間が……」

 

今回の任務に使える時間は限られており、3日後にはレイヴィスの拠点に戻らなければならない……

 

「ソリア、残念だが今回は諦めてまた別の機会に……」

 

だが、ソリアの魚を食べたい欲は私が思っていた以上に強かった。

 

「……『残念だが』ってことは、ユニアスも本当はお刺身が食べたいんだよね!?そうだよね!?」

 

「一体どう解釈したらそうなる――」

 

「それじゃあ、早速お寿司屋さんへゴー!!」

 

そう言ってソリアは私の話も聞こうとせずに猛スピードで走って行ってしまった。それから暫くしてソリアが戻ってきた。どうやら、店の予約を取っていたようだ。

 

「ユニアス~お寿司屋さんの予約取れたよ!!よかったね!!」

 

「ああ……店の人から何か情報を得られるかもしれない、行こうか。」

 

そう言って私はソリアの後を追って店に入店した。

 

「へい、らっしゃい!!……おっ、若い嬢ちゃんが来るなんて珍しいな。ウチの客はほとんど地元の漁師だからアンタらみたいな若い嬢ちゃんが来ることなんて滅多にないんだよ。」

 

店に入ると大将と思わしき初老の男性が話しかけてきた。

 

「……もしかしてだが、あなたも漁師なのか?」

 

「おうよ、この道40年は漁師を続けてんだ!!」

 

彼は長く漁師を続けているようで店で出している魚は全て自分で取ってきたものらしい。

 

「ねえ、ユニアス!!この人にあの海のことを聞いてみようよ!!もしかしたら何か知ってるかも!!」

 

「そうだな、長期間漁師を続けているなら海の変化についても何か知っているはずだ。」

 

……ということで私たちは彼に海で起きていることについて尋ねてみることにした。

 

「いきなりすまない。ここ最近、海に何か異変が起きていたりしないか……?」

 

しかし、彼はすぐには答えなかった。しばらく沈黙が続いた後、ようやく口を開いた。

 

「……おい、まさかとは思うが……アンタら検断局の人間か?」

 

「ううん、私たちは検断局じゃなくてレイヴィスだよ!!」

 

「なんだぁ、その“れいゔぃす”ってのは……?俺は60年生きてきたがそんな名前の組織は聞いたことねぇな。」

 

「セレイタス討伐に遺物の捜索、金さえ払えば何でもする組織だ。」

 

「へぇ……そんな組織もあるのか……」

 

「それにしても……何故そこまで検断局を憎んでいるんだ……?」

 

(先ほどの雰囲気からして検断局に対して彼が深い憎しみを持っているのは確かだ。……いや、彼だけじゃない。店にいる他の漁師たちも皆、検断局の話になった瞬間に黙った。町全体が検断局を憎んでいるのか……?)

 

再び彼は黙り込んだがしばらくして口を開いた。

 

「……アンタらは知らないだろうが、今から5年前にこの町はセレイタスに滅ぼされかけたんだ。」

 

「えっ、そうだったの!?とてもそうには思えないけど……」

 

ソリアがとても驚いたように言う。確かに今の街の活気溢れる姿を見る限り滅ぼされかけたようには見えない。そのまま彼は話を続ける。

 

「ああ、今じゃあ復興してここまで持ち直したさ。だが、当時はとてもひどい状態だったさ……建物は壊され、市場もボロボロになり、人も大勢殺された……」

 

「……」

 

「あの時、検断局は俺たちを助けてはくれなかったんだ!!勿論、救援要請だって送った!!だが、ことごとくと言っていいほど無視され続けた……」

 

「ひっ、ひどい!!なんで検断局はそんなことを……!!」

 

「この町の奴らが検断局を嫌っているのはこの一件が原因だ。だから、この町で検断局の話をするのは止めておけ……」

 

「……今この町があるということは誰かが助けてくれたのか?」

 

「ああ、この町が滅びるという危機に救世主が現れた。……その人は髪の色が半分ずつ違う剣士の嬢ちゃんで、今のアンタらと同じくらいの年頃だったな。」

 

(『髪色が半分ずつ違う剣士の嬢ちゃん』か、まさかとは思うが……)

 

私が知っているとある人物と特徴がかなり酷似している。もしかすれば……そう思い、私は彼にその剣士について尋ねてみることにした。

 

「まさかとは思うが……その剣士は左眼に眼帯をしていたりしなかったか……?」

 

「ああ、確かにしてたと思うが……嬢ちゃん、それがどうかしたのか?」

 

「いや、その人物の特徴が我々のリーダーの特徴とあまりにも酷似していたからつい聞きたくなっただけだ。」

 

「びっくらポンだぜ…………まさかあの時の嬢ちゃんがアンタらの上司だったとはなぁ……」

 

彼は衝撃の事実を知ってかなり驚いたのかしばらく喋らなかったが、少しして再び口を開いた。

 

「それで、確か……海で起きている異変について調べているんだな?」

 

「……何か知っているのか?」

 

「ああ。ここ最近……確か1週間くらい前からだったか?海の一部のエリアで水深が浅くなって生物もほとんどいなくなった。岩場が無くなって生物が住みにくい環境になっちまったからな……漁師からすれば困った話だぜ。」

 

「やはり、海の深さに変化があったのか…………いや、待て。今『岩場が無くなって』と言ったか?」

 

「確かに言ったが……それがどうしたんだ?」

 

(つまり、何らかの理由で岩場が平らな砂地に変わってしまったのか……?そして、水深も浅くなっている……ということは、何者かが岩場を砂で埋めたのか……?でも、あれだけ広い海を砂で埋め立てるとなると相当な量の砂が必要になるはずだ。もしそんなことをしていたのなら漁師達の誰かが目撃しているはずだ。)

 

私がそんなことを考えていると、その重苦しい沈黙をぶち壊すかのように突如ソリアが口を開いた。

 

「ユニアス、味噌汁の蓋が全然空かないよ……」

 

「嬢ちゃん、それは引っ張っちゃダメだ。内部と外部の圧力差で開きにくくなってるだけなんで空気を逃せば簡単に開けられるんだ。」

 

そう言って大将は簡単に味噌汁の蓋を開けて見せた。

 

「……ほらな、空いただろ?」

 

「えっ、凄い!!どうやってやったの?もう一回見せてよ!!」

 

 

 

 

あれから時間はあっという間に過ぎて行き、気付けば閉店時間間際になっていた。

 

「……嬢ちゃん達、悪いがもう閉店時間だ。すまんな、役に立てなくてよ……」

 

「こちらこそ、わざわざ時間を取ってくれてありがとう。」

 

こうして私たちは店を後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝、私たちは船に乗ろうと港に向かっていた。

 

「ユニアス、今日も頑張ろう!!」

 

「まだ朝早いというのに君は元気だな……」

 

いつもの話ではあるがソリアは常に元気が有り余っているように感じる……

 

「そういうユニアスはどうしたの?何か考え事でもしてるの?」

 

「ああ、少しだけだが……ソリア、君はこの任務の違和感に気付いているか?」

 

「違和感……?もしかして、依頼をして来た人物が誰なのか分からないところとか?」

 

「それもそうだが……私が考えているのはそれじゃない。」

 

「えっ……じゃあ何が……?」

 

「……それは最初から遺物の在り処が分かっていることだ。」

 

「確かに!!遺物の在り処が分かっているんなら私達じゃなくて普通検断局に頼むはずだよね!!」

 

ソリアは合点がいったとでも言うような表情をうかべる。

 

「だが、少し引っ掛からないか?この町の人たちは検断局を憎んでいる。そんな人たちが検断局に依頼するはずがない。」

 

「きっと依頼者はそれが理由で私たちに依頼したんだよね?」

 

「いや、この港町の人たちは私たちレイヴィスのことを知らないだろう。」

 

「確かに昨日の大将の店でもお客さん達も『レイヴィスってなんだ?』って顔してたもんね!!」

 

「だから私は依頼者はこの町の人間ではないと思っているんだが……」

 

そんなことを喋っていると後ろの方から誰かが歩いてきた。この時間にここに来るということは漁師だろうか……?どうやらこちらに向かってきているようだ。

 

「君たち、面白い話をしてるね。私にも聞かせてくれないかな?私は面白いものを見ずにはいられない性分でね……」

 

その人物は一人の男だった。髪はお団子状に一つに纏められ、上下黒の服装をしている。

 

「君は誰だ……?」

 

「おっと、そうだった。そういえば自己紹介を忘れていたね……私はスバルだよ。よろしくね、君たち。」

 

「私はソリア!!レイヴィスに所属しているの!!それでこっちはユニアス、露出狂の趣味があるよ!!」

 

「ソリア……君は何を言ってるんだ?」

 

「……そうなのかい?でも、悪いことは言わないから人前でやるのはやめておいた方がいいよ。検断局に捕まりたくなければ……ね?」

 

「スバル、君は検断局をなんだと思っているんだ……」

 

「……さあ、何だと思う?」

 

スバルは質問に対して質問で返してくる。いつかの昔に誰かが「疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」と言っていた気がするが、私は特に気にしていないので流すことにしよう。

 

「ねえ、スバルさんってここに何しに来たの?もしかして密漁だったり!?」

 

「ソリア、初対面の人に対してそれは失礼じゃないか?」

 

「ふふっ、ははははは……そんなわけないじゃないか。私はただ海の絵を描きにこの町を訪れただけのただの画家さ。確か……ここに滞在し始めてから1週間くらい経ったかな?」

 

「そうなの?」

 

「ああ。よかったら私の絵でも見るかい?そこまで上手くはないけどね。」

 

「えっ!?いいの!?」

 

「その代わりと言ってはなんだけど、君たちに同行させてもらえないかな?船の上から海の絵を描きたくてね……」

 

「それなら漁師に直接頼めばいいんじゃないか……?」

 

「それが余所者は船には乗せれないって断られちゃったんだよね。だからお願いしてもいいかな?」

 

こうして、私たちの調査にスバルも加わることになったのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、私たちは昨日調査していた地点に到着し、調査を再開したのだが……

 

「やっぱり何もなかったね……」

 

「やはり、何者かが砂で埋めたのか……?」

 

私達は一旦海から出て船で休憩をしていた。唯一、今の調査で分かったことは砂がドーム状に盛り上がっていることぐらいだ。

 

「成程ね……君たち、砂は掘ってみたかい?」

 

どうやら、絵を描き終えたらしいスバルもこちらの話に混ざりに来ていた。

 

「何言ってるのスバル、あれだけの砂を全部掘り返すなんて不可能でしょ!?」

 

「まあ、不可能だろうけどね。そんなことをしていれば日が暮れる。」

 

砂を掘り返す……?確かに不可能だとは思うが、それは全体が砂だった場合の話だ。この付近の海域で埋め立てを行っている怪しい船は目撃されていないだろうから恐らく全てが砂と言うわけではないだろう。

 

「いや、掘ってみよう。」

 

「ユニアス!?ついに疲労で頭がおかしくなっちゃったの!?」

 

「まさか、そっちの白い子じゃなくて真面目そうな黄色い子からぶっ飛んだ案が飛び出してくるとはね……」

 

「悪いが二人とも一旦黙っていてくれ。」

 

「「え~?」」

 

まるで仲良しかのように2人の言葉がハモったような気がするが気のせいだろう……

 

「具体的にどうするつもりかい?まさか、海の水全部抜いてみた大作戦とでも言わないよね……?」

 

「そこまでやるつもりはないが……検証したいことがある。ソリア、ついて来てくれ。」

 

私とソリアは再び海に潜ろうとするがそれを止めるかのようにスバルが話しかけてくる。

 

「すまないけど、私もついて行ってもいいかい?」

 

「別に構わないが……海に潜る為の装備は?」

 

「……ないけど?」

 

「まさかとは思うが、君はその服のまま行くつもりだったのか……?」

 

「そのつもりだけど?まさかとは思うが……君には着衣水泳の授業の楽しさが分からないのかい!?……だとすれば人生の1割は損してると思うよ!?」

 

「分かる!!着衣水泳楽しいよね~!!」

 

「白い子もこう言ってるじゃないか、これで2 VS 1だよ?」

 

「……はぁ。」

 

まともに返すと面倒くさいので無視することにしよう……

 

「そうか……彼女は露出狂!!だから着衣水泳が嫌いなのか……!?」

 

「スバル、そろそろ本題に入りたいから黙ってくれないか……?」

 

「これは肯定と取っていいのかな?」

 

「スバル……」

 

「すまない、つい夢中になってしまってね……心配せずともこの服は撥水だから気にしなくていいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、早速掘ってみようか。」

 

あの後、私たちは再び海底(仮)にやって来た。結局、スバルはそのままの服装で潜ることにしたらしい。ちなみに彼は水中でも呼吸できる遺物を持っているようで、特に装備は必要ないとのこと。本人いわく、その遺物は水中の生き物を観察するために用意したとのことだ。

 

「それじゃあ行くよ!!えいっ!!」

 

ソリアが地面にシャベルを突き立てたが、シャベルは全く刺さらず、むしろ硬いものにぶつかったかのように折れてしまった。

 

「折れちゃった……どうなってるのこの砂!?」

 

「いや、触った感触からして、これは砂じゃない……」

 

「どういうこと!?何処からどう見ても砂じゃん!!」

 

私の想定では、表面は砂で覆われ、内側はコンクリートのドームになっているはずだったのだが……

 

(この砂のドームは、なぜか表面にまったく凹凸がなかった……それだけじゃない。内側から反響する音が聞こえてくる。きっと、このドームはそう分厚くはないはずだ…………だとすればなんだ?)

 

「……そうか、そういうことだったのか。」

 

「どうしたのユニアス?何か思いついたの?」

 

「結界だ。この海域一帯は結界で厳重に封印されているんだ。」

 

「結界ね……だとすればこの硬さにも合点がいく。」

 

「そんなの壊せないじゃん!?どうやって中を見るの?」

 

「別に壊さなくても結界を解除する手段はあるはずだ。これだけ強固な結界であれば何かしらの弱点があってもおかしくはない。」

 

「でも、そんなの探してたら日が暮れちゃうよ……」

 

そう言ってソリアは結界の上に寝転がったのだが――

 

「ちょっと待って!?地面がどんどん沈んでるよ!?」

 

なんと、突如として結界が沈み始めたのである。

 

「結界は君の重さに耐えられないみたいだね……もしかしてだけど、こう見えて体重100kgあるタイプかな?」

 

「そんなわけないよ!?助けてよユニアス!!」

 

「君は本当に運がいいな……どうやら、結界の解除条件は結界の頂点で寝転がることだったらしい。」

 

「ええっ!?そんなわけないでしょ!?」

 

「それを思いついても海中で実行しようとは思わないでしょ、普通。」

 

スバルの言う通りで誰もしようとは思わない行動だからこそ、結界の強度を底上げ出来ていたのではないだろうか……?それから暫くして結界が崩壊し、私達は本当の海底に到着した。

 

「これでやっと遺物の回収が出来るな……」

 

「ここまで長かったね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、どれだけ探しても遺物が見つかることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘!?なんでどこを探しても遺物が無いの!?こんなのおかしいよ!!」

 

ソリアの言う通りだ。隅々まで探して何も見つからないのはおかしい。となると考えられる説としては……

 

「まさかとは思うが、やはりこれは罠だったのか……?」

 

「ええっ!?じゃあ、ここまで無駄足だったってコト!?」

 

そういえば、先程からずっと一つだけ違和感を感じていた。それは――

 

「一つ気になったんだが……スバルも海に入っているはずなのに、何故髪の毛が濡れていないんだ?」

 

「……これはただの遺物の効果だよ。特に他に理由はないさ。」

 

「なら質問を変えよう……何故君はわざわざ遺物回収に向かう私たちの船に乗ったんだ?」

 

「それはさっきも言ったじゃないか。『余所者は船に乗せれないって断られた』ってね。」

 

「それは嘘じゃないか……?少なくとも大将は余所者だから排除するという行動は取らないだろう。このことから推測すると……君が私達に依頼をした張本人だ。」

 

「ははは……証拠はあるのかい?」

 

「ああ。君は何故か私たちが結界を解除するように仕向けていた。わざわざ砂を掘ったかと不自然なことを聞いてきていたくらいだからね。」

 

スバルは何も言わず、沈黙を守っていた。しかし、しばらくして口を開いた。

 

「……ご明察。流石はレイヴィスの人間と言ったところだね。そう、私が君たちに依頼をした人間だよ。」

 

「ええっ!?本当にスバルが黒幕だったの!?」

 

「まあね。せっかくだから種明かしをしよう。遺物は確かに存在するよ……ここじゃないけどね。」

 

「……どういうことだ?」

 

「結界があれば中を見る。人間って言うのはそういう生き物だろう?……だから外に置いたんだ。」

 

「なんでわざわざ種明かししたの……?」

 

その行動を疑問に思ったソリアが武器を展開しながら聞く。

 

「なんでって……ああ、そういうことね。私が君たちに同行したのはここで君たちを始末するためさ。」

 

スバルがそう言った途端、突然強烈な重力が発生し、私たちは地面に叩きつけられた。重力が発生する直前、ソリアは剣をスバルに向けるがそれも重力の効果範囲に入ったことで地面に叩きつけられる。それから5秒ほどして、私たちを押さえつけていた圧力はようやく解除された。

 

「ダメじゃないか君たち、もっと人を疑わなきゃ。」

 

私は腕に装備を纏いビームによる攻撃を仕掛ける。だが――

 

「あのさぁ、水中でレーザーはさすがに悪手でしょ。」

 

水中だったせいかレーザーの威力が大きく落ち、スバルにダメージを与えるどころかかすり傷さえつかなかった。

 

「おっと、危ない。君も居たんだったね……」

 

「嘘……これでも当たらないの!?」

 

スバルの背後からソリアが奇襲を仕掛け、二又に分かれた剣で首を挟んで切断しようとしたが、その攻撃さえもかわされてしまった。

 

「危ない危ない、もう少しでマリーみたいになるところだったよ。」

 

「マリー・アントワネットのことをマリー呼びする人初めて見たんだけど……!?」

 

「ソリア、そんなことを言っている場合か……?」

 

直後、再びスバルを中心に重力が発生し、私達は地面に叩きつけられる……が数秒して再び解放される。

 

「折角の機会だからね、話でもしようか?」

 

「……」

 

「君たちさぁ……ずっと探していた遺物が何処に行ったのか気にならないのかい?」

 

「君が使ってるその重力じゃないの……?」

 

「ふふふ……残念ながらこれとは異なる遺物でね、それなりに大きいものだったんだ。君たちは何だと思う?」

 

「あの結界を張った遺物じゃないのか……?」

 

「不正解。正解はね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船だよ。」

 

船……?水中にあったということは潜水艦だろうか……?

 

「にわかには信じがたいと思うんだけどね、あれはただの船じゃない……宇宙戦艦だよ。」

 

「えええええええええええっ!!!???それって相当レア……どころかこれ以上ない最高のお宝じゃん!?」

 

「……君はそれを何に使うつもりなんだ……?」

 

「……何って一つしかないじゃないか、宇宙へ行く以外有り得ないだろ?宇宙にはもっと沢山の未知があるだろうからね。例えば……宇宙人とか。」

 

「ええ……そんなキモそうなものを見るためにそんなすっごいお宝を使うの?」

 

「まあまあ……考えてみなよ、もし宇宙人の顔が有り得ないほどに間抜け面だったら……面白いと思わないかい?」

 

スバルは悪辣な笑みを浮かべながらそう言う。

 

「一体、何が君をそこまで突き動かすんだ……?」

 

「え?好奇心。」

 

「は……?」

 

「君は面白いと思ったことを確かめてみたいとは思わないのかい?」

 

「特に無いかなぁ……だからって言ってゼロかって言われるとそうじゃないけど……」

 

「黄色の君はどうかな……?」

 

彼は人の名前を覚える気が無いのかずっと色で呼んできている……つまり、興味がないことに関しては本当にどうでもいいと思っているのだろう。

 

「好奇心を否定するわけじゃないが……やっていいことと駄目なことがあるんじゃないか……?」

 

「そうなのかい?納得は全てにおいて優先すると何処かで聞いたことがあるんだけどね……」

 

「そうなの……?」

 

「ついでと言うのもなんだけど見せてあげるよ。宇宙を渡る方舟をね……」

 

次の瞬間、地震と見間違うほどの激しい揺れが起こり、地面が割れ、断層が生まれる。それから少しして断層から全長150m×30m×15mほどの方舟が姿を現した。

 

「まさか……その船の主砲で私たちを跡形残らず消し飛ばすつもりか……?」

 

「いや、この方舟には主砲なんてないからそんな物騒なことはできないよ。それにね……」

 

突如として赤い斬撃が飛んできてスバルの額に傷を付けた。

 

「あれは……!!」

 

ソリアが指差すほうを見るとそこには見慣れた姿があった。

 

「あの姿はキルゼノアか……?」

 

「やはり、現れたか……キルゼノア・ロードレイ!!」

 

スバルは厄介だ、とでも言うかのような顔を見せる。

 

「ここは一時撤退せざるを得ないかな……君たち、命拾いしたね。」

 

「どうしたの、もしかしてキルゼノアにビビっちゃった?ねえ、そうなんでしょ?」

 

「ソリア、ここぞとばかりに煽るな……」

 

「だって、キルゼノアが来たならもうほぼ勝ちじゃん!!」

 

そんなことを言っているうちにスバルは方舟に乗り込む。

 

「じゃあね、君たち。それなりに楽しかったよ。」

 

その言葉を最後に方舟は水上まで浮上し、何事もなく飛び去っていく――

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

「ハハッ、これでも全力じゃないんだろう?……化け物が。」

 

キルゼノアが刀を振るった瞬間、海が碁盤状に割れたのだ。だが、方舟はギリギリ海にはいなかったことで切断されるのを回避しており、そのまま遠くへと飛び去って行ってしまった。

 

「な、何あれ!?ユニアス、キルゼノアが強いってことは知ってたんだけど……あんなにヤバい人だったの!?」

 

「何かと聞かれても……レイヴィスの最高戦力だとしか答えようがないんだが……」

 

「お前たちは私をなんだと思っているんだ……」

 

割れた海の隙間にキルゼノアが下りてきて言う。

 

「えっと……規格外?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、私達は一切スバルを疑わず、騙されてしまった件についてキルゼノアから死ぬほど怒られたのであった……




さっき確認してみたらソリアちゃんズのファンメイドSSはこれを除くとPixivにある一つしかなかったんですよね……

頼むからもっと増えてくれ……

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