まず再開に先立って、生存報告でございます。
只今、ストックが4話分ございますが、こちらの私事で投稿が遅れそうでございます。
日本は熱海の郊外の別荘に戻り。浦部が熱海に出る支度を済ませたときに、紫が霊夢と魔理沙を連れて帰ってきて、浦部、碓氷と紅魔の面々をリビングに集めた。
紅白の巫女と白黒の魔法使いは各々に自己紹介を始めた。
「博霊霊夢よ。あなたたちが協力者の浦部と碓氷…で良いのかしら?話は聞いてるわ。」
「ああ。浦部正武だ。で、こいつが…おい、碓氷?」
浦部の隣で碓氷は呆気にとられていた。夢にまで見た光景が目の前に広がっているのだ。昇天しそうなくらいの喜びが胸からこみ上げていて、どう表現すればいいのか分からないのだろう。涙も溢れてきそうだ。
「どうした?具合でも悪いのか?」
魔理沙の問いかけで碓氷は我に返り、頬をたたき活を入れ言葉を連ねた。
「悪い。俺は碓氷貞光だ、噂は聞いてるよ。アンタ達に協力できて嬉しいよ。」
「よろしくな。」
魔理沙はにかっと笑った。碓氷もそれに応えた。確実に心の中はあらぶっているに違いない
「碓氷さん、先程地下に行ってたのは…」
「これらを渡そうかなと思ってね。」
碓氷は扉に積まれていた大きな二つのアルミ合金の箱を机の上に載せた。一つの箱の中からはケルテック社製のプルバップショットガン、KSG。もう一つの箱の中からはのP90、それにあたかもおまけのようにUSPが隅の方に置かれていた。いずれもアンビが利く銃だ。
「好きな方を。左利きでも扱えるから心配はありませんよ。」
「それは嬉しいわね。」
「強そうなコレ、貰っていくぜ!」
霊夢より先に魔理沙はKSGに手を出してプレゼントを貰った子供のように目をきらきらとさせていた。速射性に劣るも作動信頼性では優れている古き良きポンプ式ではあるものの、機関部がストックに集中し、そこから装填していくプルバップ式だったり、二つのチューブマガジンを使い分けることもできる。
「仕方ないわね。ならこれでいいわ。」
霊夢はP90を手にとってじっくりとそれを見つめた。従来の短機関銃とは違う個人防衛火器として作られたP90は人間工学を取り入れて構えやすいフォルムになっている。弾数が多く、ソフトターゲットに有効な特殊弾5.7×2.8mm弾が使えるのがウリだ。
霊夢達が銃に釘付けになってる最中、咲夜はただじっと見ていた。
「咲夜はいらないの?」
「私は既に貰いましたから。」
咲夜は手品のようにHk416とUSPを出した。ウィスキーから頂いたためアタッチメントでごった返している。
「強そうだな…。」
「はい。ですが私はやはりコレが…。」
そう言ってさらに手の中にナイフを複数出現させる。やめろやめろと魔理沙が窘める傍ら、紫は浦部と話していた。そして浦部が口を開いた。
「霊夢、魔理沙。これから俺たちは温泉街に行くが、どうする?」
「温泉!?あるのか!?」
行く行くと目を輝かせて魔理沙は喜びを露わにしていた。
「私はパス。紫、今の進捗…」
「温泉で休みを取ってからね。」
この様子だとむしろ行ってこいと言わんばかりに霊夢の意見をつっぱねた。確かに通常業務の間に銃の練習もやってたし、行きたいと言えば行きたいのだが、それよりも先にレミリア達を連れ戻すのが大事なのではないのだろうか。
「分かりましたよーだ。」
「よし、碓氷、温泉は?」
「貸し切りだぜ。」
「最高だ。それにしても…」
浦部は魔理沙と霊夢の召し物をじっくりと見た。彼女たちからすれば正装だろうが、あまりにも目立ちすぎている。しかも既にあるコンテンツがそっくりそのまま出てきているために問題なのだ。
「何なんだ…?」
魔理沙が浦部の視線に耐えかねて嫌々しく呟くと浦部は碓氷を呼んだ。
「碓氷。」
「ついに兄貴も理解してくれたか!」
碓氷は義兄同然の浦部にようやく自分の趣味を理解してもらえたようで感極まった。しかし、浦部はその意に反して、むしろ案ずるような口振りで返した。
「違う。彼女たちに普通の召し物を。これじゃあ狙ってくれと言ってるようなものだ。」
「用意できてない。それどころか咲夜さんやお嬢様の分もないんだよな。あ、みんなは準備してて。でも銃は持って行かないでくれ。」
碓氷は話が幻想郷の面々に呼びかけ、指示を促す。彼女達は各々に準備に入った。
「そうか…。隠し通せるか…。」
「隠し通すんだよ。どうしたんだ。兄貴らしくない。」
「この騒動に、CIAが噛んできてるからな。恐らく、各国諜報機関も鼻が良ければ感づかれている。」
「面倒事増えたのかしら?」
紫は横やりを突っ込んだ。碓氷は頷いて応えた。
「そうですね、紫さんのところの式神の力を借りることができれば…。」
「私が不在の時の管理を任せているから難しいの。」
「浦部さん。私たちの準備は整いました。」
咲夜は少し大きなトランクを両手で持って横から呼びかけた。
「じゃあ兄貴、楽しんできてくれ。」
「あぁ…。」
オールバックの頭を掻きながら浦部は咲夜やお嬢様、霊夢に魔理沙のいる玄関口に足を運んだ。