君に見つけて貰うまでの物語   作:如月SQ

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未完/ラストソング

【……~~~~~~~、~~~~~~~♪】

 

【~~~~~~、~~~~~~~~♪】

 

 奏でられる音楽。

 賑やかで楽しげで、何処か寂しさの滲む旋律。

 真っ青な空を飛びながら、『天かける船ローア』は太陽の光を受けて船体をキラリと光らせた。

 響く声は電子的な音を奏で、けれど力強く歌を紡いでいく。

 

【~~~~~~、~~~~~~~♪】

 

【~~~~~~~、~~~、~~~♪】

 

 薄青色の船の甲板には、いくつかの影があった。

 青と白の服に身を包んだ、この船のマスター、『虚言の魔術師マホロア』。

 その側には青緑の体色で、自分の体と同じくらいの大きさの耳を持った『エフィリン』はふわふわとその場で浮いていて。

 それらの中心にピンク色の丸い体の存在、『星のカービィ』が笑顔で歌に耳を傾けていた。

 

【~~~~~~~~~~~、~~~~、~~~~~~♪】

 

【~~~、~~~~~~?♪】

 

 ポップスターの空を優雅に飛行するローアから、エフィリンは縁に手を置き、眼下のプププランドを見下ろした。

 ゆっくりと通り過ぎていく穏やかで平和で賑やかな光景に、思わず笑みが浮かぶ。

 隣に並んで見下ろしていたカービィは、そんなエフィリンの様子に無邪気に笑う。

 そして、それらを見守っていたマホロアも嬉しそうに口元を押さえてクスクスと笑みを溢していた。

 

【~~~~~~~~、~~~~~~~~~~~~~♪】

 

【~~~~~~、~~~~~……~~♪】

 

 サビに向けて段々盛り上がっていく曲調。

 カービィ達は音楽に合わせて楽しげに体を揺らしている。

 そんな甲板の様子を『ローア』は、『AI.N』は感じとっていた。

 溢れんばかりの強いオモイが、歌となって飛び出していく。

 

【~~~~~~~~~~、~~~~、~~~~~♪】

 

【~~~~~~~~~~~~~~、~~~~~~~♪】

 

 チーン、という音と共に、甲板に何かがせりだしてくる。

 真っ白い皿の上には、白いクリームでデコレーションされ真っ赤な苺を乗せたケーキが三つ並んでいた。

 振り向いたカービィはそれに、思わず喜色を浮かべた。

 まだ気付いていないエフィリンを軽くつついて、早速とばかりに何処から取り出したのかフォークをケーキに突き刺した。

 

【~~~~~~~~~、~~~~、~~~~~♪】

 

【~~~~~~~~~~~、~~~~~ ~~~~~~♪】

 

 追加で飛び出す飲み物と、焼き立てのパイ。

 甘い香りを醸し出すおやつに、カービィは溢れんばかりの笑みを浮かべた。

 そんな匂いに誘われるように、カービィに負けず劣らず丸い紺色の体を持つ『グーイ』が、その長い舌を伸ばして甲板に乗り上げる。

 そうして手を振って挨拶をするカービィを尻目に舌を伸ばし、ペロリとパイを平らげてしまい、カービィにほっぺをグイグイと引っ張られる憂き目にあっていた。

 

【~~~~~~、~~~~~~~~~♪】

 

【~~~~~、~~~~~~~~~~♪】

 

 歌に耳を傾けるマホロアとエフィリンは、ふと空を見上げた。

 二人とも故郷はポップスターではなく、この空の向こうにある訳ではない。

 カービィに舌をグイグイと引っ張られているグーイもまた、何かを懐かしむように空を見上げた。

 晴天、明るく真っ青な透き通るような空が、どこまでも続いていた。

 

【~~~~~~~~~~~~、~~~~~~~~~♪】

 

【~~~~~~~~~?♪】

 

 ふと下を見ればピンク色の髪をした少女、『スージー』がローアを見上げていた。

 太陽に重なり目映く光る船を見て、スージーは笑顔で手を振った。

 ひらひらと揺れる手に、カービィとエフィリンも振り返す。

 やがて通り過ぎていく船体を見上げて、スージーは柔らかく目を細めた。

 

【~~~~~~~~~、~~~~~~~~~~~~♪】

 

【~~~~~~~、~~~~~~……~~♪】

 

 再び盛り上がっていく曲調と共に、船が更に加速する。

 そんな船の横に、虹色の羽をはためかせた道化、『マルク』が不意に並び立つ。

 グルリと船の周りを回ったマルクは甲板に降り立ち、その突然の登場に驚くカービィ達の脇をスルリと飛び抜け、残っていたパイをそのまま奪って飛び降りてしまった。

 縁に駆け寄り、両手を上に上げて怒るカービィをケラケラと嘲笑って、奪ったパイを楽しげに頬張り飛び去って行った。

 

【~~~~~~~~~~、~~~~、~~~~~♪】

 

【~~~~~~~~~~~、~~~~~♪】

 

 吸い込まれるような青空を飛ぶローアの後部には、翼を模したウイング。

 どこまでも飛べると主張するかのように、真新しい真っ白な翼は白く輝いている。

 マホロアが作り直したそれを誇らしげに青空に晒しながら、ポップスターの空をかける。

 マスターと、夢で幾度と見たヒーローを乗せて。

 

【~~~~~~~~~、~~~、~~~~~♪】

 

【~~~~~~~~~~~、~~~~~ ~~~~~~♪】

 

 空がキラリと光り、星が一つ流れ、星形のカービィ専用の乗り物、『ワープスター』がローアと並び立つ。

 口元を赤いジャムで汚したカービィはニコリと笑い、躊躇う事なくローアから飛び出した。

 カービィを受け止めたワープスターはローアの周りを何処か得意気にクルリと回ると、その速度を速める。

 一拍置いて更に加速したローアはやがて、カービィの乗るワープスターと並び……ポップスターの空を共にかけていった。

 

【~~~~~~ ~~~~~~♪】

 

 賑やかで楽しげで、けれど切なく寂しい、未完を冠す歌が終わる。

 少しだけ物悲しげなメロディを奏でながら、ゆっくりと終わっていく……『AI.N』の……『新世界の歌姫』の最後の歌が。

 やがて見えてきたのは、色とりどりの風船と旗、マホロアを模した城が中心に聳え立つ、巨大なテーマパーク。

 満足そうにそれを眺めていたマホロアはシルクハットを取り出し、大きなリボンを胸につけ、テーマパークを背に両手を大きく広げた。

 

「サァ! ローアによる『ポップスター遊覧飛行』は楽シンデ貰えたカナァ? でもココカラが本番ダヨォ! 今日は目一杯オモテナシさせて貰うヨォ!」

 

 甲板に戻ってきたカービィはエフィリンと並び、楽しそうにわくわくと体を揺らした。

 エフィリンも見えるテーマパークの楽しげな雰囲気に、故郷、とも呼べる別の世界の遊園地を思い出しながら、瞳を輝かせた。

 早く遊びたい、そんなオモイを押さえきれない様子の二人に、マホロアはより笑みを深めた。

 ココロの底から嬉しそうに、楽しそうに……マホロアは満ち足りたオモイで、それの名を口にした。

 

「ようこそ! ボクの夢のテーマパーク、『マホロアランド』へ!」

 

 『支配人マホロア』を船頭に乗せて、『天かける船ローア』は……誇らしげに空をかけた。

 

ー・・・・ー・ー・・・・・・・ー・・

 




【】の中に入るのは星のカービィディスカバリースターリーワールドの隠し曲、『未完/ラストソング』の歌詞となります。
歌詞を載せるのは著作権的にアウトっぽいので、皆様で脳内補完していただければ……。
動画サイト等で歌わせてみた等もありますので、そちらを聞きながらお楽しみください。
とても良い曲……。
最後まで閲覧、ありがとうございました。
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