神工義肢持ちの魔法少女の幼馴染   作:紡縁永遠

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送る供花に背伸びする日々

 さやかが魔法少女になったので、罰として勉強をさせているのだが、こいつなんでこんなに要領が悪いんだ?

 

 「お前、よくそれで魔法少女やろうと思ったな。学生の本分は勉強だぞ、」

 「アンタが言うな!」

 「なんでだよ」

 「さやかさん、あなたにそれを言う権利はないわよ、四季は一週間で組の経理をしながら、追いついてきたわ。今この中で勉強ができないのは、さやかさんと、杏子の二人よ、」

 「義務教育を受けていなかった杏子と同レベルという事だ」

 

 国語。組の仕事、主に話し合いに使われる。数学言わずもがな、事業に対する金の出入り。社会、事業やってりゃ現代系統は覚えられる。科学、H・Lで馬鹿みたいに見てきた。英語、四分の三修行だったが、ニュヨークにいたため問題はなし。

 

 「そもそもが、意味のないことをしてるわけじゃないんだ、黙ってやれ」

 「はい…」

 

 さやかが勉強をしている間はもちろん事業整理だ。人手が足りなすぎる、マミ見たく頭が良くてこちらの事情をくんでくれる人間がいればいいんだけどな。

 二日前、……美国にには、こちらが作った借りは無かった。ただ、昨晩会うための口実ができた。あの爺さんは嫌いだったから死んでもどうでもいいが、現当主には少なからずの恩があった。といっても勝手に避難先にしていただけなんだけどな……この街をより良くしようと、ヤクザの裏稼業について対策をと来たが、話し合えば分かるもので表に美国、裏に神廻という立ち位置ができた矢先に、美国さんの奥さんが亡くなられて、関わりが減っていった。

 美国久臣、経費改ざんか……除法が回り次第動くとするか。どうせヤクザは裏を生業とする。魔法少女と同じように陰ながら世に対して動くのだから。

 

 「ふぅ……」

 「それは?」

 「美国久臣の葬儀、訃報だよ。今回は一人で行ってくる」

 「そう……わかったわ、」

 

 なんとか忌引き休みを取り次ぎ、喪服で葬儀に参列する。人数は少なかった。葬儀に招待をした本人ですら驚いていた。世界は狭い、このところそんな考えをよく浮かべる。美国織莉子、美国久臣の御息女だ。そしてこの葬儀場には俺と美国織莉子しかいない。

 

 「一度、他の組との抗争に無断で避難場所にさせてもらったことがあった……その時に顔を合わせただけだが、随分と雰囲気が変わったな」

 「……ニュース、見てないの?」

 「葬儀の日程を記載した訃報を渡して来てその言い草は来るなと言いたいのか?普通、自殺者の葬儀は小規模なはずだが」

 「いえ、貴方には神廻組には来て欲しかったのよ、たとえ期待していたものでなくとも、それに復興しているんでしょう」

 「さすがに知ってるか、そうだなぁ、人手が足りないから、話し合おうと思っていた矢先だよ……親を家族を失う痛みはわかる、けど、進まなきゃならない。俺は想いを意思を受け継ぐことにした。織莉子さん、貴方はどうするんだ?」

 「今は、自分の存在意義を全うするわ、それより、最後までやるんでしょ?骨上げ手伝ってくれる?」

 「もちろん、」

 

 本来ならば、2人1組で「骨上げ箸」を使って遺骨を骨壺に運ぶもちろん遺族がだ。血を分けたわけでも盃を交わしたわけでもない美国久臣の葬儀に参加できているのはやはりヤクザであることと、不正疑惑から誰一人として葬儀に参加しなかった事がある。

 

 「……」

 「……今、貴方どこに通っているの?」

 「見滝原中」

 「そう、そのうち転校するかもね」

 

 突然のカミングアウトに驚きはしたが、それでも察する。

 

 「今は何処に?」

 「白羽女学院、恥さらしは淘汰され、嫌われる」

 

 いわゆるお嬢様学校と言われるその学院は家柄が武器になる為に、今の美国には酷く陰湿な場所になっているであろう。見滝原周辺の高貴な家は美国家だから、掌返しとかもあるかもしれない、ならば俺ができることは、次に彼女が行く学校でのイメージを変えることだけだ。

 

 「そうか、話は通しておくよ、外聞を断ち切るのは神廻組の得意とすることだ、ただ、さすがに久臣さんの遺恨は晴らせないがな」

 「ありがとう」

 

 二人で、骨上げを終えて、職員の何とも言えない表情を横目に、少しの会話を終えて別れる。

 全く、これじゃ、誰が大人かわからんな。年齢も姿形もここにいるのは子供が二人、なのに、纏うものはだがいに大人であろうと、背伸びをし続けて、生き急ぐ。なるべく早くに吉報が来ることを願ってその日は終わった。

 

 「またな」

 「ええ、」

 

 そのまま、帰り、用意してもらっていた塩を服にかける。

 

 「女?」

 「空気を読め、お前と同じ親をなくした子供だよ、なんでだろうな、親を亡くした人間は背伸びをしようとするのか。それとも背伸びしなきゃ、自分を保てないのか……」

 

 何故が、女に会ってきたとどす黒いオーラをまとったマミが出迎えてくれたけど、流石にすぐにそれを抑えてなぎさと杏子のいる部屋に向かう。こういう時に無理に寄り添わないのがマミの良いところだ。親をう失う悲しみを理解するマミだけど、それでも、失い方も、在り方も、何もかもが違う。

 結局子供が背伸びをする理由に答えはでず、眠りにつく。




今回短いですが、織莉子が出てきました。
織莉子のヤンデレ化にあたって、元のキャラ的にお姉さん系で行くか、それとも甘えてくるタイプにするか悩みどころです。
お姉さん系だったマミは甘えるタイプにしたのでお姉さん系でもいいかもですが、織莉子も子供ではあるので、甘えさせるタイプでもいいかもしれないということで、アンケートをやってみたいと思います。

ヤンデレ織莉子の方向性

  • 甘えさせてくる
  • 甘えてくる
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