なぎさが甘えるようになって、と言ってもマミに牽制をしながら甘えてくるので、甘えているとはいえいないが、それでも、子どもらしさが増えた昨日。今日見滝原中に呉キリカはこなかった。割って入ったときに、制服だったからか正体がバレないように引いたのか、どちらかはわからない。でも探しに行かなければならはいとは確実だ。
「マミ、」
「ええ、呉さんが来ていないのなら、警戒をしている可能性はあるわね、」
現在、見滝原の大半を縄張りとする俺達は、魔法少女として御法度の他チームと言ってもチームを組んでいる魔法少女は少ないのだが、他の区画に行くことにした。なぎさの迎えは継続として、義眼で魔力を追うも魔女しか視えない、そう簡単には行かないか。
「インキュベータがいると、こう言うとき楽なんだけどなぁ」
「呼んだかい?」
「ああ、呉キリカ走っているか?」
「知っているよ、彼女がどうかしたのかい?」
「魔法少女狩りの候補」
「なるほど……それ以外にもあるだろう?」
「白羽女学院の魔法少女の管轄はどこだ?織莉子は抜いてもらって構わない」
「わかった、連れて行こう」
インキュベータは公平だ、他の魔法少女の個人情報は与えない。でも、縄張りに関しては結構気楽に教えてくれる。まぁ縄張りの範囲を知らないと問題になるからそれに対する情報共有というやつだが、呉キリカを選ばなかったのは、確実な縄張りがないはずだ。まだ魔法少女になって間もないのなら、他人の縄張りにいるはずという経験則だ。
放課後なぎさを連れて他の魔法少女の下へと向かう。杏子とほむら、さやかにはまどかの護衛および、グリーフシードの確保に回ってもらった。ほむらと杏子はいいとしてさやかじゃ精神的に弱すぎるからな。
向かっていった先は五郷工業跡地だった。
「なんでここをピンポイントに、」
「ちょうど呉キリカがここの魔法少女と戦っているからだよ、実力は呉キリカの方が低いけど、固有魔法を含めればその限りじゃない」
「そうか―――
「四季?!」
「見えた、行ってくる」
神々の義眼で捉えた先には、呉キリカと、盾を備えた柄の長いポールアックスを持った藍を基調とした騎士のような魔法少女だった。
結界を発動できるようで呉キリカを捕縛して倒そうとしていたが、
「――― ヴァンパイアファング ―――」
呉キリカも、黙ってそれを受けるわけではない。昨日と同じように、爪を伸ばして、少女の左胸を攻撃する。予期していなかった攻撃の用で直に喰らっている。次の攻撃は?!
「小巻!」
「晶…?」
「――― カグツチ
「え?なんで?」
「全く…………見えていても体が追いつかないのは問題だな。まぁ今回は、斗流の本来の戦い方ができるからいいとするか……昨日ぶりだな呉キリカ」
「やっぱり、君はわたしを知っているんだね」
「そりゃ、同じ学校の同じクラスだしな、マミ、なぎさ、その二人を連れて下がってろ!」
カタギに一般人に手を出した。ここは日本だ、たとえ庇うために飛び込んできたんだとしても、カタギに手を出すことだけはやっちゃいかん。目的を吐かせたうえで、腕一本もらおうか。
「本当に何でだろうね、魔法少女が強いのはわかる、でも君はおかしい。男だし、何より、魔力を持っていない。昨日も言ったね、何者?」
「
「転校生か……キミ厄介だね、さっきの奴みたいに鈍臭いわけじゃない、」
「そりゃ、斗流なんでね」
俺が今回使っている武器は大きな鎌、両手で使う巨大化武器だ。対して相手は大きいとはいえ爪であり、近接戦をお持ちする武器、伸ばす仕込みもあるがそれは既に二回見ている。ならば、予備動作も十分分かるし、何よりその手の技は魔力消費が激しい。何故なら元の爪と、伸ばした爪との形に整合性がないからだ。マミのようにリボンの応用や杏子のように元々そういうふうに作ってあるならまだしも、必殺技として伸ばしているのなら連発はできないはずだ。
その証拠に、呉キリカの纏うオーラがだんだんと小さくなっていっている。微々たる差だけど、神々の義眼に視えない変化はない。
「一応聞いておこう、なにゆえ魔法少女にも攻撃する」
「グリーフシードの確保のためだよ、少し脅しで回収しようと思ってたんだけどね」
「そうか……己がためか―――
「それは?!」
「もともとある型だ、でも……願いに頼ったその爪と、修練を重ねたこの爪じゃ、練度も強度も何もかもが違う」
斗流血法カグツチの中ではもっとも精密性の高い技、義眼の視力も合わされば、その練度はデス仙人、師匠に匹敵する。
「嫌だ、こんなところで死ぬわけには!」
「死ぬ、か、カタギが飛び込んできたのにも気づかず、魔法少女とは言え殺す気で攻撃をしたのにも関わらず、生きることを望むか。命に対しての向き合いが足りないな」
「お前に何がわかる!」
「さぁな、ただ命に対して命で向き合ってきただけだ」
六の目を誤差もなく、瞬時に穴を開けること可能な技だが、ソウルジェムの破壊はできない、たとえ殺すのが目的であろうと、殺しに殺しで対応したらそれはただの獣だ。斗流の奥底、下法中の下法は獣に成り下がるがそれでも斗流の基本の型ならば、獣ではなく、誇りを持って、人として、対応しなければならない。
ソウルジェムはあった……腰か、なら腕を貫いても問題はないな。
「―――
誤差0.0何秒かの間隔で二の腕と前腕を貫く。空けた穴は四本、最大を10と数えると少ないが、魔法少女ではなく人として償ってもらいたいから、回復が得意なマミを呼んで、
「――― バウンスファング ―――」
「あ?」
マジか……腕に穴空いてるんだぞ。H・Lでもその状態で腕を使うやつなんていなかった。せいぜいが足を使うか、手を使ってもボタンを押す程度のものだ。腕そのものを使っての攻撃は予想外だ。それに、速い……周囲の粉塵の速度は呉キリカと同じ速度、つまり俺が遅くなっているということだ。でも、体を胸をきり裂いたからと言って俺も止まるわけじゃないし、斜めにきり上げられ、できた切り傷を腹筋で塞ぎその上に血糸で出血を止める。
速度が遅くなるのは自身の思考と体の動き。でも神々の義眼にはそんな小細工は通用しない。
「―――
「?!んっな?!」
「二撃目はない―――
逃がしたか…逃げ足の速いことで。でも腕や足ならともかく腹をきり裂かれたのはマズイなぁ、マミに回復魔法わかけてもらうかそれとも……内臓に届いてるな、仕方ない救急車を呼ぶか、
「大丈夫?!」
「あ…救急車呼んでくれ、あとそっちの方も、怪我をしてくれるか?」
「なんで…」
「警察も呼ぶから怪我してないと怪しまれる」
「……治るんだよな?」
「もちろん」
「頼む」
貂熊爪で浅く切り裂き、救急車を待つ。もちろん服にも切り目を入れておいた。じゃなきゃ怪しまれるからな。ちょうどきり裂きま事件があったからよかった。まぁ呉キリカじゃないけどな。
遠くからサイレンの音が鳴り響く。また入院か…H・Lよりかは少ないスパンだな。流石に非日常でも彼処と比べるのは失礼か。
ヤバい腹に力がはいらなくなって来た。血糸は解除してあるけど、内臓まで届いた傷を腹筋だけで止められると思わないでほしい。
「遅い……」
「四季!」
マミが叫んでいるが、そちらを一瞥せずに、目を開き付ける。もちろんカラコンを付けてだ。神々の義眼は眼球ごと変わるからな、対策しないとバレてしまう。
着いたな補剛してもらわないと……
最初に行っておきましょう、小巻も晶もヤンデレにはなりません。ギリギリメインキャラじゃないのでね。ちなみにゆまは魔法少女になる前に対処ができてしまうため、メインキャラではありますが今回は除外です。
ヤンデレ織莉子の方向性
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甘えさせてくる
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甘えてくる