神工義肢持ちの魔法少女の幼馴染   作:紡縁永遠

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友として、人として、

 「……」

 「答えは出ましたか?」

 「いや、さすがに……」

 

 金曜日に、仁美が恭介を好きだったことを告げられた。あたしが好きだったことを分かっていて、それでも、幼馴染だからという理由で三日の猶予をくれた。でも、あたしは答えが出ていない。

 

 「私は……」

 「なら、私が告白してきてもよろしいでしょうか、」

 「それは…」

 

 あたしは魔法少女だ、そして人間とは言いえない。魂はソウルジェムになり、いずれ魔女になる。こんな人間が恭介の隣を生きていいのかと思う。

 

 「考えすぎだな、」

 「?!四季?!それに杏子とほむらも……」

 「あの…貴方は……」

 「神廻四季だ。志筑仁美だっけ?お前、無自覚で性格悪いんだな、」

 「仁美はそんなんじゃ!」

 「なんでお前が庇ってるんだか、まぁいい、猶予全部使って答え出てないやつに話すことはねぇ、ほむらと今後について話してろ、お前馬鹿なんだから」

 

 急に現れたと思ったら、追い出された。仁美に手を出すような人じゃないのは分かるけど、さすがに心配だ。

 

 「さっさといけ、どうせここからは悪口しか言わないんだから」

 「嫌味な奴」

 「とっとと行け」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 「さて、それじゃぁ話すとするか」

 「知っているんですか?」

 「相談はされたからな、」

 「では性格悪いというのは?」

 

 さやかが未だに答えがでずに、志筑仁美とともにいたので声をかけて、ほむらと杏子に押し付ける。本人にも問題はあるが、さやかが迷っている理由の一つが志筑仁美にあるので、釘を差しにきたということだ。

 

 「正々堂々恋愛したいと考えているところだ」

 「何が問題でしょうか」

 「その考え自体は問題ねぇよ。ただ、美樹さやかに対しては、嫌がらせになっているってだけだ」

 「言っている意味が分かりませんね」

 「そうか?じゃぁお前、先に好きだった想い人に対して、友達から私も好きになったから譲れって言われたらどう思うよ」

 「さすがにそれは……」

 「そういうことだ。言葉は違っても場合によってはそう受け取られることがあるんだよ。それに、その挑発で告白できるような奴なら、既にしている。さやかは、考えなしに進むように生きているが、くだらないことで考えすぎることがあるんだよ。ていうか、親友と言うくらいなのにそこに気づかなかったのか?」

 

 ファミリーレストランで何も頼まないのも問題なんで、限定パフェを頼む。

 悩んでいるな、それもそうか。志筑仁美の正しさは魔法少女に成ったさやかと相性が悪い。正々堂々、公明正大、坦坦大道、珍しいタイプの女だ。クソ兄貴もこれくらい誠実なら…………無理か、

 

 「私はさやかさんと対等であって、下ではありません。合わないから黙っているというのは、貴方の都合でしょう」

 「そう、都合だ、そしてそれはお前にも当てはまる。もちろん、さやかにもな。本来俺はこの件に関わるつもりもなかった。そもそも上条恭介の何処がいいのかも俺には分からん」

 「それは?!…………」

 「悪いな、俺が知っている上条恭介は腕が治らないと言われただけで、物や見舞いに来ていたさやかに当たるようなやつだ。少しは改善したみたいだが、バイオリンのことしか頭にないようなやつと付き合っても幸せになれると思わないけどな」

 「それは、私も同じです、習い事とかいろいろありますから」

 「そうか、でもな、お前が親友だという美樹さやかもお前の世界にしかいないわけじゃない、お前の当てがはずれることだって大いにある。現に彼奴は、上条恭介と付き合う為の競争、舞台にすら上がらなかった。上がる気がなかった、それでも気にかけているんだから、たちが悪い。性格が悪いといったんだ。お前は大人だが、存外自分よがりなところがあるんだな」

 「…………」

 

 また黙る、まぁそういう認識を持っている証拠だな。インキュベータに唆されない、と言うより対象外の人間だ。ある意味として楽だ。模範解答しか持っていないわけじゃないんだろうが、そういったものが多い傾向にある。

 

 「今回の件で、彼奴の事情を知っている人間が話しているだろうさ、それで何が変わるかは彼奴次第だ。結局選択するのは彼奴だからな。舞台にすら上がらないのか、舞台に上がったうえで、別の選択肢をとるのか」

 「舞台に上がったうえでの選択肢?」

 「競争を演じるのに、八百長がない訳じゃないだろ。上条恭介のことを何処まで理解しているのかはしらんが、少なくとも恋は盲目というから、見えていない部分もあるだろうな。でも、親友は違う、負けたくないと思いながら、お前のほうが隣に立つに値する人間だと考えるくらいの脳はある。そこから勝てる部分を探さないから馬鹿と言われたりするんだけどな」

 「貴方は、何を知っているんですか?」

 「何も知らねぇよ、何を見ても分からないことだらけだ。あくまで見えるのは表面上、その内側までは見れない。でもな、予測はできる、上条恭介は好きだから付き合うんじゃない。告白されたから付き合うような人間だ。そもそも、お前等二人、どちらもバイオリンを超えるようなことはないだろうな」

 「人を馬鹿にしているんですか?」

 

 少し煽りすぎだか?額に青筋が浮かんでる。でも、最初に悪愚しか言わないと言ってはあったし。それに、魔女を知らない此奴が、魔女を知ってさやかに同情して捨てることは無いな、謝罪をしてから告白に行くだろう。もしくは、恐れ慄き、傷つけるかのどちらかだろうな。

 

 「事実だろ、奇跡も魔法もあると断言したさやかの言葉のあとで腕治ってるのにそれに疑問を覚えなかったやつだ。せいぜいがバイオリンと同じレベルくらいだろ」

 「何も分かっていないです。上条くんのことを」

 「何も知らねぇって言ってるだろ。そもそも俺は初対面でぶん殴ってるくらいには、表面を嫌った。何にせよ、さやかの答えが決まるまで待つというのなら、命投げ出す覚悟くらいはするんだな、そもそもの世界が違うんだから」

 「待ってください!」

 

 立ち上がり、適当に金をおいてその場を去ろうとすると呼び止めてくる。

 

 「なぜ、気にかけるんですか?」

 「こっちが注意したことを、問題ないと楽観的に考えて、今になって後悔しながら面倒事を増やすからだよ、お前等の恋愛事情が止まっているのなら、それが増えることがないらしいからな、何にせよ未来が見えているわけじゃない…………そう、分からない、人の数だけ未来があると言うが、俺はそうは思わない道は分かれるんじゃない、逸れていくだけだ。特に大人であるお前は、もう道を進んでる行かも分からないな」

 「貴方は違うんですか?」

 「俺は、先人が残したマニュアルに頼って生きてる。大人でも一人でできることは限られてるしな」

 「そうですか」

 「今度こそ、話を終わらせてもらう。お釣りは取っておけ」

 

 話をきり上げて店を出る。確か風見野の教会か、今なら安全だもんな。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 「ここは?」

 「アタシの親父の教会。少し長い話になるけど、今のアンタには知ったことじゃない、それでも聞くか?」

 「うん、」

 

 杏子について行き、案内されたのは廃れた教会だった。

 

 「正直すぎて、優しい人だった。新聞を読んで涙を流し、どうすれば世の中が良くなるかを真剣に考える人だった」

 「それはいいことじゃないの………」

 「新しい時代を救うには、新しい信仰が必要だっていうのが親父の言い分で、ある時親父は教義にないことまで信者に説教するようになった。

 「…当然信者の数はばったり途絶え、本部からも破門された。

 「あたし達は一家揃って空にも事欠く有様になっちまった。

 「どんなに正しいこと、当たり前のことを話そうとしても、世間じゃただの鼻つまみ者さ 納得できなかったよ。オヤジは間違ったことなんて言ってなかった。ただ、人と違うことを話しただけだ。

 「これは最近知ったことだけど、親父は借金を作っていた。あたし達を養うためにな、そう、神廻組だ。それを知らなかったあたしはキュゥべぇ、インキュベータに願ったさ。

 「皆が親父の話を真面目に聞いてくれますようにって」

 「その願いのおかげで、信者は増えていった。怖いくらいに。そうして晴れて魔法少女の仲間入り。バカみたいに意気込んで、それで世界が救えると思っていた。

 「でもね、ある時カラクリがバレた。信者が魔法の力で集まったって知った時、親父はブチギレたよ。あたしのことを人を惑わす魔女だって。事実そうだったわけだ。

 「奇跡ってのはタダじゃないんだ。希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる。そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立ってるんだよ」

 「それは……じゃあ、これが当たり前だって言うの?魔女になる未来が」

 「それを知って契約したんだろ?」

 「?!」

 

 そうだった。あたしも、魔女になることを知っていていて、それでも恭介を助けたくて。魔法少女になればもっと多くの人が救えるからって、そう思っていた。人を辞めてまで願ったことを今は後悔している。

 

 「でも、なんでだろうな。得たものに対する対価のはずなのに、四季は学校にまで通わせてくれている。正直分からなかった。裏があるんじゃないかって。それで嘘をつかないというから、インキュベータに聞いてみれば、分からないって返ってきたさ。

 「持っている力も、魔女の狂気にさらされて問題ない精神も、インキュベータを見つけたその目も、何もかもが分からないそう帰ってきた。最初は理不尽だって思った。だってそうだろ?魔法少女にならなきゃ魔女と戦えないのに、契約をせずに戦って、人の役に立ってさらに家の復興までやっている。でも最近話してくれたんだよ。その力について、家族を組を失って得た物と、トラウマになるレベルの修行を経て得た力、特別なんてなかった。でもそれを当たり前かのようにこなす四季は特別に見える。だから聞いたんだよ、そしたらさ、特別な人間にはなれなくても誰かの特別にはなれるだろ。そう帰ってきた。

 「だから気づいたんだよ、私にとっての特別は、魔法少女でも家族でもなくて、四季だったんだって。彼奴は放任主義だけどさ、頼ることもしてくれる。影から支えることはできない、実際それは四季が離れていく原因になりかねない。だから、マミやなぎさがいないときに、いろいろ手伝ったりしてさ……悪い、話がそれたな」

 

 あたしは目の前にいる杏子が少し怖く感じた。それが恋心と気づくのに少し遅れて、あたしの思いとはまた別だってことに気づく。一度、マミさんが四季がいなくなっていた時に似ている。ほかの人といるときは取り作っていたんだと思う、あたしはマミさんがあの日以来普通に過ごしていたのを見ているし、転校してきた杏子もそんなことは一切見せなかった、

 

 「話を戻すよ、アンタにとっての特別はその男なのか?」

 「!」

 

 あたしにとっての特別、でも、私が言いたいのはそこじゃない。いずれ魔女になる魔法少女が人に恋していいのかって

 

 「それがアンタにとって特別になりきれていない証拠だろ、特別ならそれを押し殺してでも、伝えるんだな」

 「人としてそれはどうなの?化物が人に恋をするのは」

 「まるで人魚姫みたいだな。勝手に絶望して、気づいてもらえないからって、その男にとって特別になれないなら、意味ないだろ。

 「……どうせ、明日話し合う機会があるだろ、損時に答えが出ればあたしは文句はないよ」

 

 その後は何も話さずに、帰路についた。四季は今お前が魔女狩りに行ったら魔さっきに狙われるか、魔女化するから休め、そう言ってきた。キュゥべぇの死体がいくつも転がっているのを見るに、交渉が大変だったみたいだ。あたしはどうすればいいのかな。




特殊な感じでしたが、杏子もヤンデレ?の道を進んでいます。完全に堕ちるのは恐らくワルプルギス戦かと、まどかの魔法少女化には必要なのでね、
流石にまどかを人間のままマギアレコードのルートには進めませんから。

ヤンデレ織莉子の方向性

  • 甘えさせてくる
  • 甘えてくる
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