神工義肢持ちの魔法少女の幼馴染   作:紡縁永遠

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今回はほむら視点から始まります。


廻りだす歯車、膨大な因果

 インキュベータを追って商店街にまで来てしまう。幸いまだ路地裏や廃ビルの間だからまどか達に気づかれることはないだろう。落ちた?

 追っていくさなか足を滑らせたように穴だらけのインキュベータが廃ビルに転がるので私もそれを追う、そこにはインキュベータを抱えたまどかがいた。遅かった。

 

 「ほむらちゃん?何、してるの?」

 「あなたには関係のないことよ、早くそいつをこちらに渡しなさい」

 「駄目だよこの子怪我してる、ほむらちゃんがやったんでしょ?」

 「あなたが知る必要のないことに首をっ込まないで」

 

 ここにいる使い魔は薔薇園の魔女のもの、巴マミや私には問題なく勝てる相手ではあるけれど今のまどかにはそうはいかない、早くインキュベータを回収して避難させないといけないのに。まどかは優しいからそれをしない。まどかを傷つけることのできない渡しに出来ることはただ言葉でお願いするだけだった。

 

 「お願い、何も聞かずにソイツを渡し「まどか!こっち!」っぅ……」

 

 美樹さやかね、相変わらず奇想天外なことを消化器は武器じゃないのに、それにあっちは不味いインキュベータがいるなら契約される可能性がある、私にできることはマミより早くまどかを救い出し契約をさせないことだ。

 既に周りは魔女の結界へと変わってい、幾百幾千と薔薇が咲き乱れている。花の香ではない死臭がするがこの異常な空間ではそれが当たり前化のように調和している。この距離なら時止めを使えば問題なく使い魔とまどかの間にはいれる。

 

 「危ない!」

 「ほむらちゃん……」

 「あ、アンタなんなのさ!電波ちゃんかと思えばコスプレしてるし、それにこの空間はなんなのさ!」

 「説明している暇はないわ、ともかくそこから動かないで、かばいきれない」

 

 私が使う武器は基本的に魔力で強化したハンドガンだ。マミのように空中に大量展開することはできないし弾切れも物理的な問題として残る。美樹さやかがいるこの状況で事態が好転する可能性は低い、毎度毎度、好きな人が親友に取られた程度で魔女化するのだから今ここで殺してしまったほうがいいかもしれない。腕を飛ばして、自分で治してもらう。うん、そうしよう、それなら好きな人への執着も減るはずだ。

 

 「動かれると庇えないって言わなかったかしら?」

 「後ろに目でもついてるのかよ……それに私は転校生、アンタを信用していない!」

 「信用してくれなくて結構、私はまどかを助けられればそれでいいわ」

 「話の通じない「それはどっちよ!……あなたに言ってもしょうがないわね、どうせ単純でバカで、愚かなあなたにはわからないことでしょうけど」……好き勝手言い過ぎだ!」

 「さやかちゃん助けてもらってるのにそんな言い方は駄目だよ」

 「本当にね!」

 

 庇うなんて戦いをしなかったからやりづらい逃げてくれてもいいのに拮抗してしまうせいで人間二人分のエネルギーを回収しようと躍起になっているみたいだ。早くかたをつけないと……あれ?そう言えばマミはなんで来ないの?そろそろ介入位はするはずでは?

 

 「―――   ティロ・ボレー   ―――」

 「―――   斗流血法(ひきつぼしりゅうけっぽう) 刃身ノニ(じんしんのに) 空斬糸(くうざんし) 赫棺縛(かくわんばく) 紅絡新婦(くれないじょろうぐも)   ―――」

 

 そう考えていると、横合いから弾幕が張られ、巴マミの必殺技が響き渡る。それともう一つ、赤い糸が私達三人を縛りあげ、糸を作り出した本人の後ろにあるネットにダイブさせられる。この人、戦えるの?

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 「―――   斗流血法(ひきつぼしりゅうけっぽう) 刃身ノニ(じんしんのに) 空斬糸(くうざんし) 赫棺縛(かくわんばく) 紅絡新婦(くれないじょろうぐも)   ―――間に合ったみたいだな」

 

 警察に厳重注意を受けたあと商店街へ行くとキュゥべぇから緊急念話があったとマミが言うのでそちらに向かうと暁美ほむらではない暁美ほむらが、おそらく見滝原中の生徒を守りながら戦っていた。魔法少女の戦いには横入りがご法度らしいが、人命を優先し、回収に当たる。「どうせ使い魔だからグリーフシード落とさないからいいはずよ」そう言って嬉々として飛び込んでいったのだ。

 赫棺縛で引っ張り紅絡新婦で受け止める、一番怪我をしないで済む方法だ。そして今回は一般人の保護を優先とするため近接戦ではなく遠距離用の刃身を使う。

 

 「―――   斗流血法(ひきつぼしりゅうけっぽう)シナトベ 刃身ノ弐拾八(じんしんのにじゅうはち) 不倶戴天(ふぐたいてん)   ―――」

 

 身の丈程のある和弓を作り出し構える。

 

 「―――   幻隼突(げんしゅんとつ)甚雨(ひさめ)   ―――」

 

 矢はもちろん三叉槍を小型化した物で鏑矢のように綺麗な音が鳴る。攻撃合図であり、脅しであり、そして恐怖を全面的に使った技である。音はするのに何処にもない、何処から来るのかも分からない。気づいた時には死神に襟首を掴まれる。貂熊爪と同等レベルの速度を誇るシナトベの技である。

 一体、二体、三体、続けざまにつがえては撃ちを繰り返し使い魔の掃討を完了する。弓を消し振り向くとポカンと大きな口を空けた少女が三人並んでいた。

 

 「ありがとな此奴回収してくれて、マミ回復させてやれ、内容は大体分かったから聞く必要はない」

 「なにかしら」

 

 黒い長髪を後ろになびかせて聞いてくれる暁美ほむらではない暁美ほむら、これより暁美とする、が聞いてくるので一応謝ってから質問をする。

 

 「質問を質問で返すようで悪いが、アンタは一般人を巻き込んだ、キュゥべぇが意図的にそう仕向けたとしてもそれに対応できなかったお前が悪いというわけだ」

 「アンタなんかに私の目的がバレるよりかはマシね」

 「いろいろと知ってそうだな、よし、マミ勧誘はせずに事情だけ説明させてやれ、」

 「あら、なんで?」

 「いいか、キュゥべぇは詐欺師だ。嘘をつかないとしても半分くらいしか情報を渡さないような奴だ、故に下らん願いをされるわけには行かない」

 「わかったわ、」

 「というわけで、三人ともついてこい、部屋は幾らでもあるから説明にも困らない」

 

 家についてからは、応接室にそれぞれ分かれて現状食べる人間が二人しかいないのに大量にあるケーキをだす。それを暁美は平然と食べ始める。

 

 「単刀直入に聞く……ソウルジェムとは何だ?何故魔法少女は魂が指輪に込められる?」

 「?!どうやってわかったの?」

 「少々話が長くなるから割愛させてもらうが、少々特殊な目を持っている。キュゥべぇが見える理由もそれだそれで、お前は何をしてるんだ?」

 「まどかを助けるため、正確にはまどかを魔女にしないために、魔法少女にさせないようにしている」

 

 やはり義眼で見た魂の位置は正しかったようだ。ソウルジェムは名前の響きの通り魂の宝石らしい。そしてもう一つ爆弾が投下される。

 

 「魔法少女は魔女に成る、インキュベータはそういう奴よ、あなたの評価は百点満点ね」

 「なるほど孵卵器というわけか、魔女の孵化を促し産み付けるよくできた名だ」

 

 誰彼構わず絶望したら魔法少女は魔女になるらしい。だが此奴は何故そんなことを知っている、それこそ目の前で見たりしない限りそれを知るすべはない、なぜなら暁美ほむらはそもそも魔法少女ですらなかったのだから。暁美に変わるまでは魂の位置は正常であった。どうやって契約をしたのかだ。

 

 「……あなたに隠しても良くはなさそうね。いいわ話してあげる。私がやっているのは時間遡行よ、まどかはいずれ最強の魔女になる。それこそ魔法少女ですら太刀打ちできないほどにね」

 「それでそれを阻止しようという話か、わかったできる限りのサポートはしよう、胸糞悪い話ではあるが、悪魔と契約したあとならまだしま勧誘を邪魔するぶんには文句がないからな」

 

 こうしてマミに内緒で暁美と共闘することしたのだがこれが一つの要因としてマミの精神が不安定になりすぎて壊れることになるのだが、それはまだもう少し先である。ちなみ暁美も、魔女のプライベート空間の奥にある隠された小部屋について知らなかった。開けてみればという意見がでたが果たして暁美はどっちなんだ?

 

 「そんなの知らないわよ、でも新たな対策に使えるかもだし、調べてみる価値はありそうね」

 「そうか、ならできたら調べておくよ、ちょうどあっちも話が終わったみたいだしな」

 

 マミと合流して誤解を解くことに専念をする。まどかの才能からグリーフシードの取り分が減ることを危惧してキュゥべぇもといインキュベータを殺そうとしていたと言うことにした、マミがそういった考えだったのも大きいだろう。三人をそれぞれの家に送り届けて、ノートにスケッチを取る。もちろん今日あった使い魔だ。

 最初は魔女の文字の解読用ノートだったが今は魔女図鑑になっている、すでに攻略して使えない魔女図鑑有効活用する方法は今のところない。それでも少し肩の荷がおりた。マミ以外にも戦えるヤツがいるのなら「生きたい」と願って戦うマミを休ませることができるからな。

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