ハイスクールD×D 蒼白なる器   作:小説のシメサバさん

6 / 6
激動の始まりって話。

前回のあらすじ:ミジンカス

朝見たら評価に色が付いてて朝から無駄にハイテンションになりました。
まっっっじでありがとうございます。それでは本編どうぞ。


深夜×パトロール

器は悩んでいた。別に家に帰ってきた家主にえげつない威力の連撃を食らって死にかけたとかではなく別の要因で困っていた。

この町についてだ。昼間に町中を探索した時に幾つかの場所で妙な気配があった。昨日戦ったあの怪物とも違うまた別の雰囲気の気配だった。

家主から聞いたこの町で起きている失踪事件とも何かしらの関わりがあると見ていいだろう。今は時計で言うと深夜の2時。家主は風呂に入って歯を磨くとさっさと寝てしまった。家主から受けた連撃の痛みがまだ続く体を起こすと器は深い眠りについている家主に気づかれない様に窓から夜の町へと飛び出した。

 

夜の町は暗い。深夜でもまだ部屋の主が起きているのか灯りがカーテンの隙間から見える窓もある。夜空には数は少ないが星々の光が見えた。

星空の下、探索者は町の中を闇に溶け込みながら疾走する。昨日の家主の様に化け物に襲われている者がいるかもしれないからだ。そうやって探索者が昼間違和感を感じた箇所を順々にパトロールを行い数箇所の探索を終えまた次の場所に到着する時だった。ゴンッ(!?)

突如走っていた探索者の頭が何かに激突し鈍い音を立てた。探索者は驚き目の前を凝視する。しかしながらおかしい。目の前には何もなかった。

探索者は混乱する。しかしどこかで同じ経験をした覚えがあった。そうだ。結界だ。何故か通れない箇所がハロウネストには多々あった思い出だ。

この場合どうやってこの結界を通り抜けるかだが、探索者には一つ心当たりがあった。

【影の衣*1】だ。コレを使えばもしかしたらこの結界を通過出来るかもしれない。

そうと決まれば即行動。探索者の基本だ。見えない壁に向かって勢いよく突っ込みながら体を虚無へと変える。

何かを通り抜ける感覚と共に飛び出す。成功だ。無事に通り抜けることに成功した探索者は意気揚々と結界の内部へと足を踏み出した。

 

探索者side out

 

 

side???

 

私たちは今とあるはぐれ悪魔と町ではもう使われていない廃工場で戦闘中だった。はぐれ悪魔ガーリー。人の上半身にムカデの胴体が付いた見た目をしたランクはBのはぐれ悪魔だ。

主人であった悪魔を毒で攻撃し逃走した悪魔だがかなり策略に長けていたのかこれまで何度も追手を振り切っているはぐれ悪魔だ。

だが今は違う。結界によって逃げられる範囲は非常に狭まりガーリーは一体なのに対してこちらは4人。囲む様に戦っているので逃げる隙もない。

 

「くらえっ!」

 

「ぐあああっ!?!」

 

ガーリーに向かって滅びの魔法を打ち込む。ギリギリ避けられたようだが体勢を崩した。そしてもう一度滅びの魔法を打ち込もうとした瞬間だった。

 

「!?!??」

 

突如仲間の1人が狼狽だした。

 

「どうしたの朱乃!?」

 

反射的に魔法の発動を切り、狼狽える仲間に注意がいく。悪魔はこれを好機と見たか這う様に逃げ出そうとする。

何かを察知した様子の朱乃が叫ぶ様にして応える。

 

「結界の中に何者かが侵入しました!現在進行形でこちらに向かって来ています!」

 

「何ですって!?」

 

おかしい。この結界は人避けの機能もある結界だ。この場所を意識して尚且つ結界を傷付けずに内部に侵入するなんてほぼ不可能だ。

赤髪の少女が動揺し、はぐれ悪魔ガーリーが逃げ出そうとした瞬間だった。

 

「!来ますっ!」

 

小柄な別の仲間が結界内に侵入したであろう何者かを察知して叫ぶ。早い、結界の端からここまではかなり距離があったはず。

その場に居る全員が警戒した瞬間だった。

ガシャアアアアアアン!!!!

突如工場のまだ割れていなかったガラスが弾け飛んだ。全員が音のした場所に向かって視線を向ける。

 

月光を背にして小さな影が映る。その身長は人と言うには小さかった。せいぜい50センチかそこらだろう。

しかしその小ささとは裏腹にその気配はあまりにも強大だった。虚無。そこにあってそこにはいない。矛盾しているがそうとしかアレは表せない。

古来より闇とは生物の根源的な恐怖の一つであった。そこに居るのはまさにその闇そのものだ。

 

「あ、ああ…」

 

ガーリーが震える。ランクBの悪魔にとってそれはあまりに存在が異質で恐ろしかったからだ。

小さな闇は剣を抜き構える。雲から顔を出した月の月光がその白銀の刀身を照らす。その姿はまるで御伽噺の死神の様だ。

誰一人として身動きが取れない。小さな者の体が揺れた。瞬間その小さな影が掻き消える。気付くと小さな影ははぐれ悪魔の眼前に現れた。

 

「あああ、…」

 

ガーリーは余りの恐怖に失神しそうだった。怖い。その感情がガーリーの脳内を支配する。

今ここに新たなる異物が参戦した瞬間だった。

 

リアス・グレモリーside out

 

 

side器

 

器は困惑していた。何故か、それは探索者が結界に入ってすぐに巻き戻る。

結界の内部に入ったは良いもののどうしようかと探索者が考えながら歩いていると段々と戦闘音の様な音が聞こえて来たので水晶ダッシュを使って急いで飛んできたのだ。

するとどうだ。そこは古びた大きな建物があり中から音が聞こえる。入り口が分からなかったのでガラスを叩き割って入った。

だが今の状況はどうだ。変な気配を出しながら不思議な力を使うするヒト*2が4人とムカデとヒトを合わせたような死に体の化け物が居るではないか。

 

器はどちらに加勢すべきか悩んでいた。状況証拠だけ見れば完全に化け物が一方的に襲われているとしか言えない。

しかしヒトであるあの4人が化け物を狩りヒトを守る職業のヒトの可能性もある。

 

「ア、アア…お前は、お前は何なんだああああ!!」

 

突如化け物が襲いかかってくる。成程。コチラが敵だったか。

そうと決まれば探索者の行動は早い。すぐに釘を構え直すと振り下ろされた化け物の鉤爪をその釘で受け流し斬りつける。

化け物の腕は鉤爪ごと後方へと斬り飛ばされた。

 

「あああああああああああああああ!?!?!!!」

 

化け物が絶叫する。苦し紛れに振るった爪は腕ごと無くなった。怯んだはぐれ悪魔ガーリーに向かって器の攻撃が連続して撃ち込まれる。

 

「ガア、あぁ…」

 

もはや化け物の生命は終わりかけであったそして最後の一撃がガーリーの首を切り付けた。大量の鮮血。ガーリーの首から上にはもう何も無かった。

器は敵とはいえ戦った相手への敬意は持つ。だから最後は痛みの無いように一瞬で首を落としたのだ。

そして器は真っ直ぐに家へと帰ろうとするその時だった。

 

「待ちなさい。」

 

突然赤い髪のヒトに声を掛けられる。やけに高圧的な態度じゃないか。器は少し悲しくなった。

 

「アナタをここ最近の失踪事件の関係者の疑いがあるわ。重要参考人としてアナタを確保します。」

 

は?え?器は困惑した。だってそうだろう。戦っていたのに加勢したら突然捕まるなんて理不尽なことである。

それに自分がこのヒトたちに捕まったらロクな目には合わない気がする。それに家主にも被害が出る可能性も有る。

 

そんな思考を巡らせた探索者は結論を出す。そう。

 

逃走だ。

 

「「「!?」」」

 

「あ!?待ちなさい!」

 

驚いているヒト達と引き止める声。そんな声を無視して探索者は逃走したのだった。

無論逃走経路が分かりにくい様に川沿いを走って匂いも痕跡も残さずに探索者は帰るべき場所に帰ったのだった。

今日も夜空の月は神秘的な光を放ちながら空に浮かんでいる。

そうして今日の遭遇を皮切りに少しずつ、少しずつではあれど器と少女の運命の歯車は動き出したのであった。

 

 

 

*1:
一瞬体を虚無と一体化させて攻撃や特定の結界を通り抜けることのできるダッシュの進化版

*2:
器は雑誌で家主の種族の名前を知った。




原作キャラクターとの初遭遇。
はぐれ悪魔ガーリーは噛ませみたいになってしまいましたが実際は追い詰められてボロボロで手札が何も無かったから弱かっただけで本来は罠を張りまくって相手をじわじわと追い詰める戦法を得意とする悪魔結構強めな悪魔です。

リアス一行も強いんですけど原作を通っていないので今はイマイチ気味だったり。

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