お金を増やすために、私に何ができるでしょうか。
ブループリントの研究では、今すぐの現金は生まれません。
製造も、研究済みのブループリントが少なくお金にならないでしょう。
テック2(T2)輸送艦に乗れます。これは良さそうです。
T2輸送艦はセキュリティが低いエリアも(比較的)安全に通行できます。そして、低セキュリティ・エリア(low-securityいわゆるローセク)はハイセクよりも儲けの種が多いのです。
この線で金策を探してみましょう。
なるほど。Planetary Industry(惑星開発。略してPI)は儲かりそうですね。
惑星から産出される資源を段階的に加工していく仕組みで、二次加工製品までは単一惑星で完結します。
それでは、近隣ローセク星系の税関税率を確認しましょう。
……税率0.2%?見間違いではないですよね?
……この星系の惑星、全部0.2%ですか……?
これは資源採取して一次・二次加工製品を出荷するよりも、二次加工製品を輸入して三次加工製品を出荷する方が儲かるのでは?
計算上はそうなります。それも、大儲けができそうです。
そうとなれば、三次加工品の中で最も儲かる製品を探しましょう。
ロボティックス。
有名ですが、有名過ぎて本当に儲かるか少し疑っています。
…本当でした。
ロボティックスの製造工程は稼働するたびに49,720 ISKの利益を出します。
これは、明らかに一段上の数字です。
次点の誘導システムを製造させた時の利益39,820 ISKと比べても、相場が多少上下してもロボティックスが最優なのは変わらないでしょう。
惑星をロボティックス工場にする。これ以外ありません。
T2輸送艦のクレーン(鶴)。クロークしたままワープできる、ローセク初心者の味方です。
これを使って5つの惑星にロボティックス工場を作り、ジタ4-4(世界最大の商業ハブ)で調達した機械部品と電化製品を各惑星の工場に配達します。
後は待つだけでロボティックスができます。計画通りです。
久しぶりに、自分を賢いと思えました。
…あら?クレーンの積載量だと8時間で原料不足になってしまいますね。毎日3往復ですか。
雲行きが怪しくなってきましたね…。
……さて、それでは出来上がったロボティックスを回収に向かいましょう。
クレーンに乗ってるからゲートキャンプされても大丈夫だと分かっていますが、ローセクに入るときは緊張します。
…誰もいませんね。大丈夫そうです。税関の方向も機影無しです。行きましょう。
クロークワープできるのが強みのクレーンですが、税関に近付くとクロークが剝がれてしまうのが少し怖いですね。心臓にあまり良くありません。
……なんて言っている場合ではありませんでした。
アステロです!
クローク待ち伏せが得意なアステロが潜んでいたのです。
ビー!という心臓に悪いロック警告音。
ほとんど同時に、ワープ阻害。
マズいです。逃げ足が封じられました。
指先がうまく動きません。
ですが、落ち着いて。まだです。
アステロの火力では、クレーンを墜とすにも時間がかかるはず。
その間に、せめて積み荷だけでも税関に預けてしまいましょう。
そう思った瞬間でした。
遠くから、こちらへ向かってワープインしてくる艦影。
……ああ。
トルネード。
中型艦なのに、大型艦用の武器を使える艦船です。
その姿を見た瞬間、私は理解しました。
あ、終わった。
と。
アステロにワープを封じられ、トルネードに狙われた輸送艦の末路は決まっています。
結果は、当然のように撃沈でした。
クレーンの残骸が静かに宇宙に散る中を、カプセルで脱出した私は大急ぎで逃げ去りました。
クレーンと装備一式の調達価格は130 Million ISK。
私の全財産より、ずっと重い数字です。
……困りました。
本当に、困ります。
今度は冗談では済みません。
読んでくださりありがとうございます。
カプセラの方も、そうでない方も、感想をいただけるととても嬉しいです。
特に、実際にEVE Onlineを遊んでいるカプセラの方からの感想は、「あるある」でも「そこ違うよ」でも大歓迎です。
先着5名のカプセラの方には、ささやかですが 200M ISK(ベテランなら金策2〜3時間分、初心者にはかなり大きい額です)をお送りします。
この小説をきっかけにEVE Onlineに興味を持った方がいれば、ぜひニューエデンへ。
感想の際に、ゲーム内のキャラクター名を作者へのメッセージで教えてください。