さて、せっかくバスタードに乗り換えたのです。空荷でジタへ帰るのはいかにももったいない。復路でも利益を出したいところです。
となると、今度はアマーで安く仕入れて、ジタで高く売れる商品を探さなければなりません。
ジタで仕入れたのがカルダリ海軍関連の商品なら、逆にアマーでは帝国海軍関連の商品が強いのでは――そう思ったのですが。
思いつくアイテムを片っ端から調べても、売値も買値も、結局ジタの方が安いのです。
…流石、世界最大の商都です。
ですが、今の私には不都合です。
仕方ありません。往路に続き、復路でもセリーナの助力をお願いしましょう。
「地域性があるものなら、アイスとか、サルベージ品かしらね」
と、セリーナは即答しました。
「バスタードを使ってBillion単位で動かすなら、アイス精製品――同位体が有力よ。アマーならヘリウム同位体ね 」
…流石です、セリーナ。ありがとうございます。
そういうわけで、ヘリウム同位体をきっかり1 Billion ISK分、仕入れてみたのですが。
…え。
すごく、かさ張りますね。
クレーンでは到底運びきれません。
ですが、流石はバスタードです。カーゴの8割以上を使いましたが、きっちり積み切れました。
さあ、それでは出港です。
復路でも通ることになる、アーベイゾン。
シェラ星系から進入します。
……なんで、ゲートキャンプに遭うんですか!
まずいです。緊張で手が震えています。
深呼吸。
手の震えを無視して、練習したクロークMWDトリック。
進路をヒッコタ星系行きのゲートへ。
クローク、MWD起動、停止命令。
そして――クローク解除。
……あ。
失敗しました。
解除が遅れました。十分な加速が得られず、もたついた隙を相手は見逃してくれません。
警告音。
小型艦にターゲットロックされ、ワープ妨害。
さらに、その後方にはバールゴーン。
あれに捕まれば終わりです。
大型のエネルギー中和装置で船の電力を吸いつくされれば、何もできなくなる。
どうする。
どうする。
どうする。
――Uターン。
シェラ星系に戻るしかありません。
シールドハードナー起動。MWD起動。さらにオーバーロード。
その直後、バールゴーンからのロック。
レーザーの一撃。
そして、重いエネルギー中和。
ですが――まだ耐えられます。
流石、重装甲が売りのバスタードです。
モジュールに無理をさせた甲斐もあり、どうにかシェラ星系へのジャンプが間に合いました。
はあ……。
良かったです。
輸送艦でも、重装甲は大事でした。
彼らがゲートキャンプに飽きるまで、お気に入りの配信者のアーカイブでも見て、気持ちを落ち着けましょう。
…。
……。
帰ってきました。ジタです。
ヘリウム同位体を売りに並べて、交易一往復が完了しました。
利益は、300 Million ISK超。
悪くありません。
いえ。
かなり良いです。
……これ、思っていたより、ずっと稼げるのではないでしょうか。
こうして私は、ハブ間トレードに確かな手応えを感じたのです。
読んでくださりありがとうございます。
カプセラの方も、そうでない方も、感想をいただけるととても嬉しいです。
特に、実際にEVE Onlineを遊んでいるカプセラの方からの感想は、「あるある」でも「そこ違うよ」でも大歓迎です。
先着5名のカプセラの方には、ささやかですが 200M ISK(ベテランなら金策2〜3時間分、初心者にはかなり大きい額です)をお送りします。
この小説をきっかけにEVE Onlineに興味を持った方がいれば、ぜひニューエデンへ。
感想の際に、ゲーム内のキャラクター名を作者へのメッセージで教えてください。