シャングリラ・フロンティア ~星を観る者~   作:雨水 

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神ゲーに挑みたい

 

「あー、やっと買えた。ずっとやりたかったんだよなこれ」

 

ゲーム店「ロックロール」から大きめのレジ袋を持って、出てきた者が居た。日本人にしては珍しい白色の髪を揺らし金色の眼を輝かせながらながら、ゆっくりと歩いていく。

 

彼の名前は稲星 葉月(いなほし はづき)、パッと見は女性にしか見えないが、大学2年のれっきとした男子である。

 

「今までは忙しくって時間なかったからなぁ。今までやったことないジャンルだけど、楽しみや〜っ!」

 

ゲーム販売店から出てきた事から察する通り、彼は1つのゲームソフトを買っていた。

 

「待ってろよー、『シャンフロ』っ!絶対完全攻略してやるからな!」

 

 

シャングリラ・フロンティア、通称シャンフロ。

 

 

 

 

 

1年前の春に発売されたフルダイブ型VRゲームで、登録者は3000万人にも上る化物タイトル。最も多くの人が同じゲームを同時にプレイした世界記録を持ち、僅かな低評価が圧倒的な好評価で上書きされるという、誰もが認める神のゲーム――所謂『神ゲー』として世間から認知されている。

 

 

 

中世並の文明世界でありながらも、SF要素を落とし込んでおり、プレイヤーは其の世界の住人――開拓者となり、広大な世界を自由に生きていく………というのが、シャンフロの特色なんだとか。

 

 

 

「おっと、危うく通り過ぎるところだった。……ただいまー、誰も居ねーけど。」

 

自宅へとたどり着いた葉月はシャンフロをプレイするためにすぐに手を洗い服を着替えて、いつも使っているVRチェアへと腰をかけた。

 

 

「さー、始めるかっ!!」

 

その言葉を合図に、既にVRチェアに挿入されたシャンフロのカセットを起動させた。

 

 

 

真っ白で何もない空間にタイトル画面が出てきた。

いつものパスワードを入力しアカウントにログイン、そのまま新規作成のボタンを押した。

 

 

「おー、結構色んな項目があるんだなぁ。流石神ゲー、ここでも楽しませてくれるのか。」

 

MMORPGにはド定番となってるキャラメイク、その自由度はさすがと言う他ない。

人種、体格、性別、アクセサリーに初期装備、角などのたくさんの項目があった。

 

 

手馴れた手つきでカスタマイズメニューを弄っていき、リアルよりも髪は長く、目の色は赤へと変更し、リアルベースでキャラクターをクリエイトしていく。

 

だが、とある項目で手を止めた。

 

「ジョブと出身地……ジョブかぁ、ジョブってことは武器の適正とか色々変わるよなぁ?しかも出身地に関しちゃメリットデメリットちゃんと考えねえとまじぃな。」

 

そういいながら出身地の項目をスクロールしていき、1つの出身地が彼の目に止まった。

 

『忌み子』

ファステイアの裏路地からスタートし、ファステイア内の1部NPCからの好感度がかなり低い。

代わりにAGI、STMに補正あり

 

 

「忌み子……忌み子かぁ、いいなそれ。これにしよう。ジョブはまあ、色んな武器使えるし傭兵でいいか。」

 

そうして彼のシャンフロの第1歩は1番最初の街、ファステイアの裏路地から始まった。

 

「さーて、まずは定番のステータス確認からっと」

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

PN:ツクヨミ

 

レベル:1

 

職業:傭兵(短剣使い)

 

 

 

体力20 魔力 20

 

スタミナ 30

 

筋力 10 敏捷 20

 

器用 10 技量 10

 

耐久力 10 幸運 10

 

装備

左:無し 右:護身用ナイフ

頭:皮の帽子

胴:皮の服

腰:皮のベルト

脚:皮の靴 

 

3000マーニ

 

スキル

スラッシュ

 

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「おー、スタミナと敏捷性が高えのか、つうか思ってた以上に思い通りに体動くな。」

 

暗く狭い通路、そんな場所にスポーンした彼はステータスを確認してすぐさま街を出ていき、1番最初の探索エリア『跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)の森』へと駆け出した。

 

「これがシャンフロ、噂に違わぬいいゲームじゃねーか。」

 

跳梁跋扈の森へ着いてすぐに、緑色の体色、葉っぱのような耳、ボロボロの衣服、右手にはおそらく手作りであろう石斧を持った敵がいた。

 

ゴブリンか、最初の敵といえばこいつかスライムが基本だよなー。

にしても群れてんのか、ちょっとだりーな。

 

そう思っていたら、向こうもこちらへと気づいたようで、手に持っている斧を振りかぶって襲いかかってきた。

 

『ギャッ!!ギャッ!!』

「おっと、思いどおりにはさせねーぞ」

 

思っていたよりも素早く斧を振り下ろしてきたが難なく避け、先程ステータスで確認したスキル、スラッシュを首筋に叩き込んだ。

 

『ギャッ!!!!』

「隙がでけえな、がら空きだぜ?」

 

首を切られたことで仰け反ったゴブリンの側頭部へすぐさま上段蹴りを叩き込み、バックステップで距離を取る。

 

『ギギャッ!!』

 

すぐさま体制を直したゴブリンがまた斧で殴りかかって来る。

 

「遅いっ!」

 

振り下ろされる斧にタイミングを合わせ左拳によるカウンターを決めたところで。

ゴブリンが膝から崩れ落ちた

 

目の前のゴブリンはそのまま倒れ、やがて爆散していった。

それと入れ替わるようにSEが鳴り響き、ツクヨミのLVアップを告げた

 

 

「思ってたよりも身体が動くな、てかこれ武器使わなくってもダメージ入るなら短剣要らねえな。」

 

そう言いつつインベントリの中へと短剣をしまい、森の中を彷徨って行く。

 

 

 

 

 

それから1時間が経った頃

 

「おー、大量大量」

 

襲いかかるモンスターの撃退を繰り返し、既にLv8へと上がり、ヴォーパルバニーやゴブリンを倒すことで得たアイテムを確認していた。

 

武器は護身用のナイフから変わり、篭手をつけたヴォーパルバニーが落とした篭手へと変わっていた。

 

「あ、てかステータスそろそろ振るか。」

 

ステータス画面を開き、AGI、STR、STMを中心にポイントを割り振っていき、所詮避けタンクビルドへと育成していく。

 

「てか今気づいたけどなんかスキル増えてんのな。

えーと、なになに?タップステップにフラッシュカウンターか。

明らかに回避系と格闘系だな。」

 

タップステップ

回避行動に補正が入る

 

フラッシュカウンター

パリィ後のカウンターのダメージに補正が入る

 

どっちも明らかに俺向けだなぁ、正直ありがてえ

だけどカウンターなしで普通にダメージ与えるスキルがもう1つ欲しいところだなー。

 

まあ、レベリングしてたらそのうち覚えるか

まあ無いもの強請ったってしょうがねえか、もう少しレベリングするべ

 

「さーて、次の敵はどこかなー」

 

そうして彼は新たなる敵を求めて、また森を彷徨い始めた




はーい、こんにちは
最近シャンフロにハマったんでゆるりとやっていきます
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