シャングリラ・フロンティア ~星を観る者~   作:雨水 

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意外な友人

エリアボスを突破し、いよいよセカンディルの街並みが見えてきた。

道中ヴォーパルバニーやゴブリンに襲われたりがあったが、特に問題なく来ることができた。

ついでに壊れかけだった致命的な篭手(ヴォーパルガントレット)を追加で入手することができた。

 

ゴブリンとヴォーパルバニーの比率的にウサギの方はどうやらレアモンスターらしい。

その中でも篭手持ちは特に少なかった。

 

 

 

「ここがセカンディルかー、まずは宿屋寄ってセーブポイント作ったりしなきゃな。」

 

宿屋に鍛冶屋はそれに道具屋、寄る場所がいっぱいだなぁ。

てか今何時だ?宿屋着いたら確認しなくちゃなー。

 

そんな事を考えていたら、宿屋らしき場所から出てきたプレイヤー達が目の前を通り過ぎて行った。

 

沼掘り(マッドディグ)やべえよあれ。」

「本当にねー、AGI振りの人は沼地だからやばいんじゃない?」

「いや、それよりも先にソロとか軽戦士ビルドだと確死攻撃あるからそっちの方がまずいだろ。」

 

 

次のエリアボスの話か?

俺のビルド避けタンク系の軽戦士な上にソロだから不味くねえか…?てかそもそも確死攻撃ってのがどんな攻撃かによるか、場合によっては野良でパーティー組むことも視野に入れなくちゃいけねえな。

 

そんなことを考えているうちに宿屋に着き、部屋を借りてセーブポイントの更新を行った。

そして新しく入ったポイントの割り振りとスキルの確認を行うのだった。

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

PN:ツクヨミ

 

レベル:18

 

残りポイント:0

 

職業:傭兵

 

体力30 魔力 20

 

スタミナ 40

 

筋力 30 敏捷 40

 

器用 15 技量 25

 

耐久力 10 幸運 15

 

装備

武器:致命の篭手(ヴォーパルガントレット)

頭:皮の帽子

胴:皮の服

腰:皮のベルト

脚:皮の脚

 

3000マーニ

 

スキル

スラッシュ

ナックルラッシュ

ブーストナックル

タップステップ→スライドステップ

フラッシュカウンター→ジャストパリィ

デュアルインパクト new

 

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なんか新しいスキルが増えてんなー、一旦説明見てみるかー。それにスキルが進化してやがる、使えば使う程進化とか強化されてくって感じか?

 

スライドステップ

タップステップよりも強力な回避補正が入る

 

 

デュアルインパクト

左拳で殴った場所に十字の印をつけ、連続して再度右拳でその印を殴るとダメージに補正が入る

 

ジャストパリィ

敵の攻撃に対し、受け流す体勢かつタイミングを合わせることで発動し、パリィ不可や破壊属性以外の物理攻撃をパリィできる。

 

スライドステップは回避重視の俺としちゃとても助かるが、デュアルインパクトか……これに関しちゃ今んとこ俺の主力スキルになりそうだな。

リキャスト時間もそんなに長くねえし、積極的に使ってくか。

ジャストパリィに関してはフラッシュカウンターの方が良かったな。カウンターアタックに対してのダメージ補正が無くなったのはちょっと痛い。

てかスキル自体もっと積極的に使って良さそうだな。ボスだけじゃなくってザコ敵にも積極的に使うか。

 

「あー、もうこんな時間か。そろそろ夕飯食わなきゃまずいな。一旦ログアウトするかー。」

 

そうして初めてのシャンフロは終わりを告げ、稲星葉月へと戻った俺はゲーム時より少し視線が高くなった事に違和感を覚えつつ夕食を作る為にキッチンへと向かった。

 

「さーて、今日は何を食べるかなー。ん?」

 

ご飯を作る為に冷蔵庫に何が入ってるかを確認していると、普段あまり鳴らないプライベート用のスマホに着信が入った。

 

「珍しいな、誰からだ?」

 

名前も確認せずに電話に出ると、久しく聞いていなかった声が聞こえてきた。

 

『やぁやぁはーくん、久しぶりだねぇ。』

 

まさかの電話をかけてきたのは、国民的トップモデル、『天音永遠』だった。普段はお互い忙しい身であるが故会うこともなければ電話をすることもほとんどない。

 

彼女と出会ったのは自分がまだ国内タイトル戦の頃の時の話だ。

偶然彼女の友人がボクシングが好きだったようで偶々試合を観ていてくれて、偶々うちの会長が天音永遠の大ファンで、偶々自分の観客が隣に座ってる永遠に気づいて騒ぎになったことがきっかけだった。

本当に全てが偶然から産み出された交友関係で、未だになぜ電話する仲になったのかよくわかっていない。

 

 

「お?その声は永遠か、久しぶりだなぁ。何時ぶりだ?」

『んー、多分はーくんの前回の試合の時じゃないかなー。だからだいたい2ヶ月前?』

「結構時間経ってるなー、最近そっちはどうだ?」

『私?私はいつも通りだよ。相変わらずファッション誌の表紙飾りながら、裏ではガッツリゲーム廃人だよ。』

 

永遠と電話をしながら野菜を切ったり、魚を焼くこと数十分。

ご飯、味噌汁、ほうれん草のおひたし、焼き鮭の比較的健康な和食が完成した。

 

「あ、そういえばさ。最近忙しいの落ち着いたからシャンフロ始めたんだよね。」

『あれ、そうなの?てっきりはーくんはそういうのには触れないものだとばかり。』

「いや、斎賀さんから『もし良かったら始めてみないか?』って何度かお誘い受けてたし、落ち着いたら始めるって約束もしたし。」

『なるほどねー、いまセカンディルあたり?』

 

どうやら永遠もシャンフロをやっていたようで、今自分がいる位置をピンポイントで当ててきやがった。こいつ実はどこかで俺の事見てたんじゃなかろうか。

そのついでで今日街で聞いた気になることを聴いてみることにした。

 

「そうそう、セカンディル。エリアボスの沼掘り(マッドディグ)だっけ?あれめちゃくちゃ厄介らしいじゃん。」

『あー、あれね。ソロじゃやらない方がいいよー、できるだけフレンドと一緒にやった方がいいかな。』

「やっぱりかぁ……めんどくせー。」

 

 

基本的にはフレンド以外とはパーティーを組みたくないが、現状フレンドがいない状態な為ちょっと悩んでしまっている自分がいる。

「永遠たs『私は助けないよー?』頼む前に言うんじゃねえっ!どうせ永遠ならそういうって思ってたけども!」

『ま、そういうことだから、がんばってー。』

 

そう言って電話を切られた俺は少し冷めてしまった夕食を食べて、シャンフロにはログインせず明日に備えて眠るのであった。

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