あれから、昼食を食べ、休憩後にレベリングを再開したツクヨミだったが、沼に足を取られ歩行速度が低下したりなど色々あり、結局夜になるまでに上がったレベルはたったの5だけだった。
そこからステータスの割り振りを行った。
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PN:ツクヨミ
レベル:23
残りポイント:0
職業:傭兵
体力30 魔力 20
スタミナ 40→45
筋力 30 敏捷 40→50
器用 15 技量 25→30
耐久力 10→15 幸運 20
装備
武器:致命の篭手
頭:なし
胴:隔て刃のベスト
腰:隔て刃のベルト
脚:隔て刃のズボン
15000マーニ
スキル
スラッシュ
ナックルラッシュ
ブーストナックル→ナックルバースト
スライドステップ
ジャストパリィ
デュアルインパクト
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ナックルバースト
スタミナ2割を消費し、ブーストナックルの時よりも大きくダメージとノックバック補正が入る
一撃のみ有効
ツクヨミは鍛冶屋のおじさんが指定した時間を経過したため、武器の受け取りへと来ていた。
「おっちゃーん、武器はできてるか?」
「おう、兄ちゃんやっと来たか。ちゃんと小太刀も篭手もできてるぞ。そら、受け取れ」
「おう、ありがとうなー」
そうして鍛冶屋のおじさんから受け取った武器を1度インベントリにしまって確認した。
彼の地を縄張りにする大蛇の素材で作られた篭手。
頑丈な鱗に包まれたそれは、長き旅の友となるであろう。
毒に侵されるかどうかは使い手次第である。
効果:クリティカルヒットすると、中確率で15秒継続する毒を付与する
湖沼の小太刀
澱めど輝きの欠片を見せる小太刀。
沼荒野の良質な鉱石から作られたそれは戦士の長き友となるであろう。
この剣に輝きを宿せるかは使い手次第。
効果:クリティカルヒットすると、耐久力の減少が一定期間半分になる。
「どっちもいい武器だな、ありがとうよ。またなんかあったら世話になるぜ。」
これまでずっと格闘のみで戦ってたし、そろそろ別の武器も使ってみるか。使ってみないと新しいスキルの入手幅狭まっちまうし。
あのハゲワシ相手にでも試してみるとするかな。
そんなことを考えながら、ツクヨミは再び四駆八駆の沼荒野へと向かっていくのだった。
『ギャァッ!ギャァッ!』
『グギャッ!!』
「群れだとうっとおしいなおい!」
昼間に遭遇した時よりも遥かに凶暴化してやがるなこいつら。夜と昼でモンスターの強さがある程度違うのか。
「まずはお前だっ!」
ツクヨミは剣類のスキルであるスラッシュを点火し、4匹いるうちの1匹の首目掛け小太刀を袈裟斬りでダメージを与えつつ、勢いのままにもう1匹に後ろ回し蹴りでダメージを与えた。
『グギョ!』『ギャァ!』
数が多いからか、それとも自分自身が慣れない武器を持ってるからか倒しきれないことに少し苛立ちを覚えてきたツクヨミだった。
『『ギャッ!!ギャッ!!』』
「遅えんだよっ!」
スキル発動を伴った攻撃によりできた隙を狙うかのようにダメージを受けていない2匹が同時に襲いかかってきたが、ジャストパリィを点火することで2匹同時に弾き、返す刀で斬りつけて難を凌いだ。
そのまま空いた手でハゲタカの顔面にフックを叩き込み、HPを削りきった事で4匹いたハゲタカは3匹へと減った。
「あと3匹...そんで全員手負いか。スキル全然覚えてねえからダメージが稼ぎにくくて仕方がねえ。」
背後から迫ってきていたハゲタカを小太刀で貫き、目の前にいたハゲタカには蹴りを浴びせ2体同時に倒した後、最後に残った1匹をリキャストが上がったスラッシュにより斬撃を叩き込む事で倒しきった。
『グギャァッ!!』
「なんで全部倒した矢先にもう一体来るんだよめんどくせぇ!!」
ツクヨミは空から新たにバンディットバルチャーが現れた事により再び戦闘態勢に入っていた。
だからこそ気づけた、闇から現れた狼に......
一瞬背筋に寒気が走りツクヨミは反射的にスライドステップを点火し後ろに下がった。そのため急に現れた狼の攻撃を躱すことはできたが、目の前にいたバンディットバルチャーは避けることも叶わず倒され爆散してしまった。
『ユニークモンスター:夜襲のリュカオーンと遭遇しました』
「は?ユニークモンスター?」
突如現れたユニークモンスターなる存在に混乱しつつも、流石はプロというところか、急襲するが如く襲いかかってくるリュカオーンの爪による攻撃をジャストパリィを使うことで往なしていた。
『グルルルルッ!!』
明らかにこいつは俺のことを食い殺す気だ、やべえ、どうするか。
多分あのスピードだと俺の足じゃ追いつかれる。そもそも今のステータスじゃまともに戦って勝てる相手じゃねえ。
だからこそ、燃える。
持っていた湖沼の小太刀から
「いざ、勝負といこうじゃねえか!」
リュカオーンが仕掛けてくるよりも先に攻撃をするべく、至近距離まで迫っていき、左右左右と拳を叩きつけていく。
リュカオーンが噛み付こうとしてくるのが見えたためスライドステップを使用し、斜め後ろへ引きながら避けた。
リュカオーンとの距離が空いてしまったため リュカオーンは爪による薙ぎ払いや振り下ろしをしてきた。
だがツクヨミは、全ての攻撃を回避やパリィしつつ、至近距離に潜り込み、デュアルインパクトを点火、左のショートアッパーで顎を撃ち抜き、直後にナックルバーストも点火することでスタミナを消費する代わりに大幅にダメージ上昇バフを受けながら、右のフックを叩き込む。
バフが乗ったノックバックの効果でリュカオーンをほんの少しだけ後退させるが、攻撃が効いている様子は一切見られない。
「硬すぎるだろ!!絶対ダメージ通ってねえじゃんこれ!」
その攻撃を皮切りにリュカオーンも少しイラつき出したのか噛みつき、振り下ろし、薙ぎ払いと攻撃は苛烈さを増していく。
こちらも合間を縫って攻撃をし、幾度も幾度もクリティカルを与えようがダメージが入ってる手応えは一切ない。
ツクヨミは一撃でも貰ったら確実に即死するであろう攻撃を、反射と直感で躱し、弾き、逆にカウンターを入れていく。
ダメージが入っていようが入ってなかろうがお構いなく攻撃し続ける。
「楽しくなってきたなリュカオーン!」
戦い続けること15分
「マジでこれダメージ入ってんのか!?」
(可笑しい、これだけ殴ってりゃ普通はポリゴンが少しくらい出るはずだけど、一切出てねえ)
『バウッ!!』
ツクヨミはひたすらに回避を重ねつつダメージを与えたところで怯む隙も見せなければダメージが効いてる感じにも見えないことに軽く絶望を抱き始めた。
それでもせめて一矢報いてやろうと、リキャストが上がったナックルバーストを点火し、リュカオーンの右目に右ストレートを叩き込み、そのまま眼球を砕いた。
そしてナックルラッシュを点火し、何度もクリティカルを発生させながら乱打を繰り出したが月に雲が重なった瞬間、まるで最初からそこに物体が存在しなかったかのように拳が通り抜けていった。
「なんだ!?」
突然夜の帝王の姿が消えた。
今さっきまでそこに居て、殴っていたのにも関わらず。
リュカオーンの姿を見失ってから約20秒が経った。夜襲という名前を持つくらいだ、きっとどこかのタイミングで奇襲してくる。来るとしたら……
「ここだ!」
振り向きざまにツクヨミは再びナックルバーストを点火、右足を1歩引くと同時に左のアッパーを、直感で振り抜いた。
『ギャッ!』
リュカオーンは、こちらの予想通り奇襲で噛み付こうとしていたようで、口が空いていた。
そんな状態でアッパーを顎に喰らおうものなら、人間でさえ通常よりダメージが入るのだ、神ゲーと呼ばれ現実さながらの物理法則を持つシャンフロなら……当然それも適応される。
そして、急に顎を撃ち抜かれたリュカオーンは、流石に今回はノーダメージと行かなかったようで、その場でスタンしてしまっていた。
「攻めるなら、ここだよなぁ!!」
そんな隙をツクヨミが逃す訳もなく、再度リュカオーンの顎へとデュアルインパクトを叩き込み、左右とフックをデンプシーロールで叩き込み続ける。
そして、最後に左のショートアッパーからの右のフックでコンボを締めた。
その瞬間、ゴキャッ!!と鈍い音が辺りに響き渡った、それとほぼ同時にツクヨミの足元にリュカオーンの牙がドロップした。
それをそそくさと回収し、そろそろスタンから回復するであろうリュカオーンから距離を置いた。
大事な牙を折られた事により、所謂怒りモードへと移行したリュカオーンは、先程までの比じゃない速度で噛みつき攻撃をしてきた。
ツクヨミは反応してその攻撃をバックステップで避けることはできた。なのにも関わらず……
「うがっ!!」
突然、自分の両脚が失われ、着地することができずに転倒してしまった。
「俺は一体なにを喰らったんだ……今の攻撃は完璧に避けたはず...」
状況がわからず混乱している俺に対して、
『ガルルルルッ!!バウッ!!』
「あーあ、俺の負けかよ。夜襲のリュカオーン、次会うときはぜってーお前を殴り倒してやる。それまで負けんじゃねえぞ!」
そう言い捨てるとほぼ同時に、ツクヨミはリュカオーンの鋭利な爪によって顔面を引き裂かれ、爆散した。