「まーじで歯が立たなかったなぁ。どうやって倒すんだアイツ。てか何気に初めてデスポーンしたな俺」
せカンディルで目を覚ました俺は、リュカオーンの事を考えていた。
なぜ、あの場に二体のリュカオーンが存在していたのか。それだけがずっとわからずに居た。
「まあ考えてても仕方ねえなー。ぶっちゃけ今のレベルであいつにダメージ与えられた方が奇跡だろうし。」
ツクヨミは、リュカオーンの事と今後のことを考えながら、破壊された直後でいまだ痺れる両脚で外へと出た。
そうすると、リュカオーンと遭遇する前までは普通にしていたNPCが何故かこちらを見て怯えていることに気づいき、ようやくステータスを確認するツクヨミだった。
「なーんであんなやべえもん見るような表情でこっち見てたんだ...? まあいいや、ステータス確認したらわかるだろ。」
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PN:ツクヨミ
レベル:23→30
残りポイント:55
職業:傭兵
体力30 魔力 20
スタミナ 45
筋力 30 敏捷 50
器用 15 技量 30
耐久力 15 幸運 20
装備
武器:致命の篭手
頭:リュカオーンの呪い
胴:隔て刃服
腰:リュカオーンの呪い
脚:隔て刃の靴
15000マーニ
スキル
スラッシュ→ラッシュスラッシュ
ナックルラッシュ
ナックルバースト
スライドステップ
ジャストパリィ
デュアルインパクト →トリプルインパクト
衝拳打 new
一艘跳び new
ベストステップ new
ネックハントnew
牙突 new
アクセルLV.1 new
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リュカオーンの
なんじゃそりゃ、てか十中八九これのせいだろさっきの。
つうか負けたのにレベル上がってるし、なんかスキルポイント多くね?
夜襲のリュカオーンは強敵をこそ好む。そこに善悪賢愚は考慮されず、ただ己の存在を示した者にリュカオーンは自身の呪いを刻みつける
それは己の獲物であるという徴しるしであり、傷跡の呪いより発せられる黒狼の気配は半端な存在に大いなる力の残滓ざんしを示す
此の呪いは、黒狼を超える力にて解呪するか、黒狼を打倒する他に解く術なし
・リュカオーンの呪いが付与された部位には防具及び武器の装備が不可となります
・リュカオーンの呪いを持つキャラ以下のレベルのモンスターは一部を除き逃亡します
・リュカオーンの呪いを持つキャラは他の呪いやバフに対して強い抵抗を獲得します
・リュカオーンの呪いを持つキャラはNPCとの会話で補正がかかります
「あのクソオオカミがぁ...要らんもの残して行きやがって...まあ俺もともと頭装備着けてないからいいけども」
ガサッ!
「ん?なんだ今の音、路地裏から聞こえたな行ってみるか」
近くの路地の方から大きな音が聞こえ、なんとなくそっちの方向へと歩き出した。
「今の音、ここからだったよな。」
そこには、毛並みは栗色で耳が垂れているヴォーパルバニーが居た。
まるで着いてこいと言わんばかりにこちらを見ている。
本来裸状態で包丁を持っているのが野生のヴォーパルバニーなのだが、目の前に居る兎は、腰に自分が持っているのと同じくらいのサイズの小太刀を差し、高級そうなコートを身に纏っていた。
「ん? なんでこんな所にヴォーパルバニーが? モンスターって街には入れないんじゃ...」
そんなことを言ってるうちに目の前にいるヴォーパルバニーが路地の更に奥へ行こうと走っていってしまう。
あー、これ絶対厄介事に巻き込まれるやつだー。でも気になるから追ってみるか。
そうしてツクヨミは先に走っていったヴォーパルバニーを追うように路地裏を駆け抜けて行った。
路地裏を駆けることはや数分、未だにあの兎に追いつけずにいた。そして曲がり角を曲がったところで見失ってしまった。
「あれー、おかしいな。確かにこっちの方に来てるはずなのに......てかなんでこんな所に扉が...?」
少し前へ進んでみると、扉らしきものが見えてきた。
普通路地裏なんかに扉なんてあるか?
いやあるわけねえよなー、開けっ放しなんて余計にだよな。こんなん中に入って物盗めって言ってるようなものだし。
まあ一応覗いて見るか。
そうして扉の方へと近づいていくと、クエストの表示ができた。
【YES】 【NO】
「なんじゃこれ……んー、まあ受けてみるか!
そもそもユニーククエストって特殊な条件下でしか出てこないとか掲示板に書いてあった気がするし、受けない方がむしろ大損だろ。」
クエストを受注し扉の中へと入っていくと、そこにはヴォーパルバニー達が暮らす城下町が広がっていた。
ただここに居るヴォーパルバニー達は跳梁跋扈の森で見かけたものとは違い、人の言葉を話し服を着て普通に生活をしていた。
「いらっしゃいなのさ、アタイはジーグル。いまラビッツでは彼の夜の帝王を相手に弱い身ながら正面切って戦い、片目を潰し、牙をへし折ったあんたの事で持ち切りなのさ。」
「そうは言ったって、それ以外にゃまともにダメージなんか入れれてないぜ?」
「そりゃ相手が悪すぎるってものなのさ。夜の帝王はドラゴンすらおやつ感覚で喰い殺す最強種、神代の加護がなけりゃ、今頃あんたはアタイと話せていないのさ。」
これはリュカオーンのやつと戦ったことで発生したクエストなのか。もしかしたらこのクエストを進めることであいつにリベンジする機会があるのか?
「それに、あんたは夜の帝王に餌としてじゃなく、一個体として認識されてる証の傷があるのさ。それだけでも充分すごいことなのさ。とりあえず、オカシラの所へ案内するのさ。」
「俺結構な数のヴォーパルバニーを殺ってるわけだけど、そのオカシラとやらに殺されたりしないかい?」
「大丈夫なのさ、そもそもこっちだって積極的に開拓者を殺しに行ってる、それで殺られたら当事者の責任なのさ。第一その程度で殺すような人じゃオカシラなんて務まらないのさ。」
改めて思うけどシャンフロのAIって結構凄いのな。こっちの言いたい事の意図を汲み取って返事をする。その上で世界観に一切の違和感を持たせない。
神ゲーなんて名称じゃ生温い気がするんだが。
「さ、着いてくるのさ」
そう言ってジーグル先導の元歩き出し、先程と同じくらい狭く暗い道を歩いていき、マップ上では空白の場所...つまり行き止まりへと辿り着いた。
「ちょっと待つのさ...【
目の前に先程通った扉と同じくらいのサイズの扉が展開され、ジーグルは迷いなくその扉を潜っていった。
きっとこれはジーグルの魔法により作り出された転移門なのだろう。
次はなんの警戒もすることなくあとを着いていき扉をくぐると、和風な作りをした場所へと出た。
辺り一面を見渡すと、どこもかしこももふもふでいっぱいだった。
「ラビッツに来る人間は居ても、兎御殿に来た人間はあんたが初めてなのさ。」
その言葉から察するに、このシナリオを受注したことがあるのはまだ俺だけ。
他の人が知らないクエストを新参者でなおかつまだ初めて間もない人間だけが入って来れている。他のプレイヤーにバレたらかなりかなーりめんどくさい事になるのが目に見えている。
シャンフロにはPvP要素やランニング要素がある時点でそもそもが潜在的に他のプレイヤーは敵ととれる。
情報独占? 上等だ。この情報が知りたければそれなりの対価を用意すればいいだけの話だ。まあ、条件を知った所でクリアできるかは別だが。
「さ、オカシラのいる部屋はここなのさ。」
そう言ってまた飛び跳ねているジーグルの前には先程通った扉よりも大きな扉があった。
衝拳打
頭部に攻撃を当てると仰け反り確率を高め、確率で気絶を付与する
一艘跳び
跳躍力に大きく補正がかかる
ベストステップ
不安定な足場でも1回だけ完璧なジャンプを成功させる
ネックハント
首に対する斬撃攻撃のダメージに補正をかける
牙突
小太刀又は刀による刺突ダメージに補正をかける
アクセル
レベル数に応じて一時的にSTRとAGIに補正をかける