原作と同じところはカットしていきます
反物質レギオンに襲撃された宇宙ステーション”ヘルタ”。
なんとか持ちこたえ優勢に見えたものの、やってきたのは対天体兵器の終末獣。その爪はシールドを軽々と引き裂き、コアから引き出される動力は宇宙ステーションを粉々にしても止まることはないだろう。
しかし、その場に星穹列車がいたのが運の尽き。
開拓者たちによって見事、打ち倒されるのであった。
そして、そのとどめを刺した少女は今、ゴミ箱を見つめていた。
「何やってんの?」
思わず声をかけてしまったセイル。終末獣を倒した後に倒れた彼女、星が少し前に目が覚めていたことは知っていた。
共闘した仲だし、所用が済んだら様子を見に行こうかなーと思ってはいたものの、横になっているでもなく道端にあるただのゴミ箱を真剣に見つめる姿を見たら困惑が勝つ。
まるで吟味するかのように、答えの無い問を追求する求道者のように、ひょっとすると終末獣を相手にしていた時よりも真剣な目で見つめていた。
はっきり言って今すぐにでも医務室に連れて行くべきか、星核に対処できるヴェルトの所へ案内するべきかの2択がセイルの頭を占領している。
「なんだかゴミ箱を見てたら何かが掴めそうな気がした。だけど”ヘルタ”のはダメだね。ハイテクすぎて中身が伴ってない」
「??? そうか……それは残念だったな……」
ヴェルトさん、あなたでも星核の封印に失敗することがあるんですね。
「ところで、あんたは星穹列車の……影の薄い人?」
「うぐッ……人が気にしていることを……! セイルだよ! というか初めて会ったときに自己紹介したよなぁ!」
こてんと首をかしげる星。そのあまりにも自然な動作は本心から忘れていることだろう。
そりゃあ影が薄いとはよく言われるけど、共闘した仲間なんだがなぁ!
まぁ、終末獣との戦いでは主に援護に徹していたから目立っていたかと言われるとうん。
「セイル、セイルだね。よし、覚えた。これからよろしく」
「うん、よろしく。って、これから?」
「星穹列車に乗ることにしたんだ。これで私もナナシビト」
覚悟を決めた顔、というには少しぼんやりした表情で星は言った。
話をきくと”ヘルタ”に残る選択肢もあったとか。ヘルタの興味を強く惹きつけているらしい。
何はともあれ
「仲間が増えるのは大歓迎さ! 背中をあずけた君なら尚更ね!」
「そういうものなの?」
「そういうもの!」
熱のこもったセイルの言葉に対して、不思議そうな星。こればっかりは当事者でなければ共感できないだろう。
丹恒を迎え入れた時はどうだったのか知らないが、なのかが加入する時は状況が特殊だった。ほぼほぼ同年代(?)で、正面から星穹列車に加入するのは星が初めてかもしれない。
ううむ、歓迎会をするには列車に物品が少なかったような気がする。後でカンパニーのショッピングサイトを見なくては。
ふと時計を見ると、姫子が決めた時間が近づいていた。もともと長く滞在する予定ではなかったものの、終末獣を退けたあと出発時刻が繰り上げられた。星に目をつけていた姫子のことだ、乗ることは予見していたことだろう。
よりによって「
「それってなんなの?」
「これ?」
その場をあとにしようとするセイルに星が問いかける。セイルが手に持つのはとある箱。小さいが、見ればなんとなくわかる高級そうな箱。
「ああ、これはいろいろあってお世話になったアスターに差し入れ。貰い物なんだけどいい所のお菓子でね──」
ぐぎゅるるるる
突如、会話を遮る腹の虫。出処はもちろん、星だ。
「そうそう! 近いうちに君の歓迎会を開くんだ。列車のパーティ車両は豪華で広いんだよ。まぁ、シャラップのセンスは破滅的なんだけど」
「……」
「けど安心してくれ、列車にはこれまでの旅で集めた物がたくさんある。それこそ、なのかに聞いてみればお菓子の1つや2つ……」
「……」
「……」
「…………」
「……」
「…………」
「はぁ、どっちか1つだけだよ」
アチーブメント獲得:『語らぬ開拓者の流儀』
条件:選択肢を選ばず、ただ相手を見つめ続ける