呪術結社鷹の爪   作:わさびにんにく

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第五話 呪霊大空男

 

 

 鷹の爪団は大空男の性能を見るため博士が作った受肉スーツに取り憑かせ外へと出た。普段は主に近所の公園で世界征服を行っているのだが先日、核融合爆弾を使用しようとしているのを管理人のおじさんに怒られて以来、公園での世界征服は遠慮している。

 

「しかしいざ外に出てはみたが大空男が活躍できる状況など都合良くないものじゃな」

「そうですね。いっそのこと日本政府に降伏しろって乗り込んでみますか?」

 

 性能を見るために秘密基地を飛び出してはみたが特に何をするか決めずに外に出たため鷹の爪団はブラブラと商店街を練り歩く。そんなとき商店街にある一つの建物から大きな声が聞こえてきた。

 

 

「ん?なんじゃ?」

 気になった鷹の爪団はその建物へと近付き窓から中の様子をうかがう。

 

「大変だ。黒沼不動産が商店街を潰す気だ!」

「何だって!?」

「何でも真向かいに大型ショッピングモール作ろうとしているらしい」

「そんな物が出来たらお客が全部取られてしまうぞ」

 

 中には十数人の人達が集まっている。どうやらここは商店街組合連合会のようで商店街の住民達が現状の問題について話し合っている。

 

「どうやら商店街が経営のピンチに陥っているみたいです」

「うむ資本主義の闇じゃな」

「ああ!総統見て下さい!」

「ぬあ!大空男!!」

 

 吉田が指をさした先ではなんと大空男が商店街組合の話し合いの場に勝手に乱入していた。

 

「話しは聞かせて貰いましたよ。商店街の皆さん」

「おいあんた、何者だ?」

「オレは大空男。まあ通りすがりのでかい夢を持つ若者。とだけ言っておきましょうか」

 

 大空男は落ち着いた口調で答えるが。商店街の住民達は困惑の表情を浮かべる。

 

「おおい。大空男何を考え取るんじゃ?」

 

 鷹の爪団はこの状況に慌てるが大空男を引き戻す様なことはしない。本能的に大空男の持つ潜在的能力を感じ取り彼の可能性を見たくなってしまったからだ。

 

「その問題。俺に良い考えがある。ショッピングモールに勝ち、尚且つ今より沢山お客さんを呼び込む方法が」

「何!?いったいどうやって?」

「商店街の空き店舗を使って野菜を栽培したり、コミュニティスペースにして地域住民との交流を盛んにさせるんだ」

「な、なるほど!」

 

「さらに商店街の全店舗で協力し合いイベントを定期的に行えば回遊性を高められるぞ」

「凄い、そんな方法があったのか」

 

 その後も大空男はいくつもの商店街再興案を打ち出していく。しかも各店舗の特性や強みを活かすには何が必要で今のニーズが何か的確に答えていく。商店街の住民達は見事に大空男に懐柔され聞き入っていた。

 

「ありがとう。これで商店街も生き返るよ」

「良いって事よ。常に新しい事に挑戦し続ければこの商店街は永遠不滅さ」

「「「「「「大空男ーーーーーーー!!!」」」」」」

 

 

 商店街の住民達に暖かく見送られ大空男は鷹の爪団に合流した。総統と吉田はその活躍に興奮を隠しきれない。

 

「凄いぞ、大空男!商店街再興のアイディアを続々と打ち出すなんて」

「抜群の行動力と発想力です」

 

「持ち合わせてるのはそれだけじゃなさそうね」

 

「「!!」」

 

 突然鷹の爪団の会話に乱入する者が現れた。背後からした声の主を確かめるため鷹の爪団は後ろを振り向く。そこにはバイク用ウェアを着た背の高い金髪の女性がいた。どうやら先程までの大空男の活躍を見ていたようで大空男に興味を示している。

 

「えっと貴方は?」

「私かい?私は九十九由基。特級呪術師だ。どんな女が好みだい?」

 

「「「「!!!!!」」」」

 

「総統聞きました?九十九特級呪術師ですよ!!」

「ぬわああ!何でそんな呪術界の大物がわし等のことを知ってるんじゃ?」

「何故って。あんた等、呪術界の一部じゃ意外と有名人だよ。ステンドグラスサークルの主婦にすら敗北を喫する呪詛師集団ってね」

 

 九十九から何気なく暴露された真実を聞いて総統は少し傷つく。

 

「うぅ酷い言われようじゃ」

「否定できないのが辛いところですよね」

「それでだ、鷹の爪団。そこにいる呪肉体、いい目をしているね。あの男、ちょいとあたしの夢の為に貸してくれないかい?」

「いや、そんなアレはわし等の世界征服に必要な人材なんじゃが・・・・」

 

 総統は戸惑いながら断ろうとするが、九十九は直接大空男に声をかける。

 

「どうだい大空男、ここは呪術界刷新のためにアンタの才能を発揮する気はないかい?」

「願ったり叶ったりだ。丁度世界を相手に暴れてやりたかったところだ」

 

 大空男は九十九と固い握手をする。最早、大空男には鷹の爪団の事など視界にすら入っていない。

 

「よし。じゃあ着いてきなさい」

 

 大空男は一切の後ろ髪を引かれること無く九十九に案内され後ろに着いて行く。

 

「おいっ!どこに行くんじゃ大空男!!」

「頑張って来いよー」

「こらーーーっ!!」

 

 総統は引き留めようとするが吉田はすんなりと受け入れ大空男の背中に向かって手を振っていた。

 

「何すか?」

「何すか?じゃないわい。せっかく作った呪霊が行ってしまったぞ」

「わあ本当だ!」

「こんなことなら外に連れ出すのでは無く、直接世界征服の指示をすれば良かったわい」

「でも仕方有りませんよ。大空男は一箇所に留まったりはしません」

「ん、どういうことじゃね?」

「だって空は・・・・

 

天気(転機)とは切っても切り離せません」

 




九十九さんがちょろっと絡んだだけで終わってしまいました。
呪術要素少なくてすみません。
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