おひさー
「………で、まだ届かないの?」
「………まだみたいだな」
「セシリアさんに悪いから、俺が先に行かせて貰っていいかな?」
鼬は織斑千冬に話しかける。
織斑千冬は少し考えた後
「そうだな。時間が惜しい」
「りょーかいしました。じゃあ、ラファール借りて行きますね」
鼬はラファールを受け取り、その場で展開する。
先ずは武器の確認、今現在このラファールはサブマシンガン2丁とマシンガン1丁を搭載している。
「………刀は絶対いるでしょ」
そこに刀を二本追加する。
これで準備は整った。
射出用カタパルトの上へと移動する。
「一夏」
「どうしたんだ?鼬」
「たとえ俺が勝ったとしても、一夏にクラス代表は譲ってあげるからね」
「は⁉︎おいちょっと待「それじゃ、行きますか」話を聞け‼︎」
当然話は聞かない。
騒ぐ一夏を尻目に空中へと放り出される。
「あら?貴方が先ですの」
「一夏の専用機が遅れていてね。それよりセシリアさん、一つゲームをしないか?」
「ゲーム…ですか?」
「簡単だよ、負けた方は勝った方の言うことを一つ聞く。それだけだ」
「良いでしょう。そのゲーム受けましょう」
「OK、じゃあ始めようか」
ブザーが鳴り響く。
「行きなさい、ブルー・ティアーズ‼︎」
「………やはりそう来たか‼︎」
飛び出す四つのレーザービット。
四つのビットは、バラバラに動き回りながらも四つ全てが鼬を狙っている。
「ブルー・ティアーズ、BT兵器のデータをサンプリングする為の実験用試作機。装備は実弾装備を持っていない」
「あら?良く知っていますわね」
「一週間も時間が有ったんだ。少し調べさせて貰った」
「………」
セシリアは無言で手に持つ巨大なレーザーライフル【スターライトmkⅢ】を撃つ。
発射されたレーザーは鼬のすぐ横を通り過ぎ、地面を焼き焦がす。
「凄い威力だ。まともに受ければ勝負は決まるか」
「当然ですわ。今のは威嚇射撃ですが、次からは身体を狙います」
チャキッ、と銃口を鼬へ向ける。
「………」
二本の刀を腰に展開、腰を落とし、刀に手を添え、目の前の相手に集中する。
そして鼬は横に跳び、今さっきまで鼬がいた場所にレーザーが放たれる。
「………っ」
「………」
互いに言葉は発さない。
ピリピリと肌を焼く緊張感。
(今俺を狙うのは5つの砲台。セシリアさんは空中、俺は地上。ビットはそれぞれ別方向から俺を狙う。左右に一つづつ、後ろに二つ。
この状況から、相手が撃つとすれば………)
空へと駆ける。
足元数センチ先をレーザーが通る。
(先ずは一太刀、勝負はそれからだ)
目の前ではレーザーライフルを構えるセシリア。
後部スラスターを確認、調子は抜群、仕掛けるなら今‼︎
「イグニッション‼︎」
掛け声と共にラファールが加速する。狙いは目の前のセシリア。
「………やはり馬鹿でしたか」
レーザーが発射される。
鼬が行ったのは瞬時加速(イグニッションブースト)、名前の通り加速するが、真っ直ぐにしか動けない。
その間の回避は出来ないのだ。
目の前に迫るレーザー。
それに対しもう一言、鼬もう一言呟く。
「アブソリュート」
刀を振りかざし、セシリアの背に振り下ろす。
セシリアでさえ理解が追いつかない。
普通に考えれば、ISに乗り始めて一週間も経たない人間が特殊無反動旋回(アブソリュート・ターン)を使うこと自体が異常なのだ。
しかも瞬時加速で加速している時に行うなど離れ業にも程が有る。
「………この勝負を見ている中と外の人間の度肝は抜けたか」
「………………」
向き合う二つの機体。
鼬は楽しそうな表情、セシリアは悔しそうな表情をした後真剣そうな表情に変わる。
「どうやら貴方の実力を舐めていたようですわね」
「そりゃどーも」
「ところで、どうやってその技術を身につけたのですか?」
「ああ、この一週間ひたすらデータ収集させられてね。素人に高度技術要求する癖に、失敗したら拗ねるんだもの、習得するしかないでしょ」
会場の何処かからくしゃみの音が聞こえてきた。
「対した才能ですこと」
「身体を動かすのだけは得意なんだ」
再び距離を開ける。
「本気でいかせて貰いますわよ」
「上等‼︎」
レーザーライフルのレーザーが放たれると同時に、ビットからもレーザーが放たれる。
「まじか」
鼬が調べた限り、セシリアが一度に動かせるビットは一つだけだ。
それがほぼ同時に4つ全てが襲いかかってくる。
雨の如く振り注ぐレーザー。
流石に避けるのが精一杯だ。
「………並列思考から、俺を倒すという事に重視した直列思考に変えたのか?」
それなら何とか理解出来る。
今まで一つ一つのビットに指示していたのを、俺を倒すという指示を全部のビットに送った。
「推測しか出来ないし、当たってるかどうか不明だけど…ね‼︎」
逃げるのにも飽きた。
サブマシンガン2丁を展開、斉射しながら気を伺う。
「一夏、初期化と最適化は終わったな」
「ああ………………それよりさ、鼬強すぎじゃね」
「まぁ素人離れはしているな」
「………あの後行きたくねぇな」
「同感だ」
(捉えた‼︎)
(捉えましたわ‼︎)
二人同時の確信。
サブマシンガンを手放し、刀に手を掛けて駆ける鼬。
それを見越してミサイルビットを発射するセシリア。
爆風と爆音が響く。
未だ晴れぬ土煙。
至近距離で相対する二人。
二人の首には刃物が突き付けられている。
「………………予想外だった。まさか近接武器を搭載しているとは」
「………私も予想外でしたわ。順手持ちなら振りかぶるのに時間が掛かりますからね。勝てると思ったのですが、まさか逆手持ちで来るとは思いませんでしたわ」
逆手で持った刀と短刀。
あと数センチで奪われる命。
「どうですか?ここは引き分けという事で」
「断れば?」
「血飛沫が飛びますわね」
「じゃあ、ゲームも引き分けか」
「ええ」
「OK、引き分けだ」
ブザーが鳴る。
初戦は引き分けで終わった。
その後、一夏は本気のセシリアに普通に負けた。
駄文やね、分かりにくいね、悲しいね。
アブソリュート・ターンは、どんな状況下であろうが反動無しで確実に旋回出来る技術と勝手に解釈しました。
一夏?原作より強い設定だけど、ISはからっきしだよ。
あいつが強いのは喧嘩。
多分極道からスカウトされてるよ。