IS 鼬   作:クロノ9696

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遅くなりました。

まぁ、駄文ですがね。


戦後

 

____夜

 

時刻は23時、予習をする者や談笑する者もいるが、大抵は寝静まる時間。中にはアニメ待機している者もいるが。

 

 

織斑一夏は夜の海岸へと来ていた。

勿論夜釣りや月見をしに来たわけではない。

 

片手にはいつかの木刀、上半身は何も着ていない。

 

簡単に言えば、鍛錬に来た。

 

木刀を振りかぶり、振り下ろす。

 

空気を割く音がする。

 

休むこと無く、また木刀を振りかぶり、振り下ろす。

 

木刀を受け取ったあの日から変わらずに続けている事は、この鍛錬だけ。

 

素振り全力で1000回、腹筋と腕立て伏せを250回。

 

何があろうが毎日続けてきた。

 

一夏………いや、狗が師匠に習ったのは自分一人なら確実に守れる剣術。

 

たとえ相手が数百人いようが確実に守れる剣術。

 

IS戦闘には向いていないから使っていないが、リアルファイトでは常に使い、今のところ無敗を貫いている剣術。

 

 

素振りを始めてからおよそ一時間が経過した。

 

それまで無言で振り続けていた一夏だが、いきなり振るのを辞める。

 

「………そこに居るんだろ、千冬姉」

 

少し前から感じていた人の気配。

一夏は気づいていたが、素振りが終わるまで話しかけようとしなかった。

 

「………鍛錬とは、中々気合が入っているな」

「別に、これは習慣。あの日からずっとこれだけは続けてきたんだ。追いつけないと分かっていても、追うのが辞められなかっただけさ」

「………もう6年か、早いものだ」

「………なぁ、千冬姉。鼬はあの人の弟子だろ」

「………気付いていたのか」

 

一夏は腹筋をしながら続ける。

 

「あのタイミングで八極拳が繰り出せるのは、あの人の弟子ぐらい。

それに鼬って名前と、あの髪型にしている理由を聞いた時に、何と無く分かってた」

「………………」

「普通の親なら、子供に鼬なんて名前つけないしな。

白髪の長髪で、人助けをしている人なんかあの人ぐらいだし」

「………」

「………………千冬姉は師匠に教えて貰えなかったんだろ?何でなんだ?」

 

疑問を問い掛ける。

今までずっと疑問に思っていた事を問い掛ける。

 

俺が習えて、何故千冬姉は習えなかったのか。

 

「………知りたいなら教えてやる。

成長限界がきていると言われたんだ」

「成長限界………?」

「伸びない奴に教える必要は無い、そう言われたんだ」

 

つまり千冬姉は、6年もしくはそれ以前の時点で成長限界がきていた。

 

「………あの人は文字通り化け物だ。私自身が気付かないことでも分かってしまう。

確かに私は、あの時既に、引退を考えていたからな」

「………っ⁉︎」

「決意したのはお前が攫われた時だがな。私がISに乗ることで誰かに被害があるなら、乗るのを辞める、そう思ったんだ」

「そうだったのか」

 

確かに織斑千冬は、第二回モンド・グロッソ以降ISに関わる仕事はしているが、IS自体には乗っていない。

 

「………一夏、強くなるんだ」

「えっ?」

「気が遠くなるぐらい昔の事だが、確かに一夏は私に言ったんだ。俺が千冬姉を守る、とな」

「______あ」

 

確かにそんな事を言ったような気がする。

 

「私は、ずっと待っているからな。お前が私を守れるぐらい強くなる事を」

 

そう言ってその場を去る織斑千冬。

 

その背中は、此方からの返答を拒絶しているような気がした。

 

 

 

「………なら、早く強くならなきゃな」

 

そう自分に言い聞かせ、一夏は鍛錬に打ち込む。

 

自らの願いである、誰かを守る為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、IS学園屋上。

 

 

「………」

 

鼬はここで夜風に吹かれていた。

本来ならこの時間はIS学園自体が閉鎖されているので、

鼬は壁を駆け上がってきた。

ナイス人外。

 

「………いやー良い風が吹くねー」

 

何故鼬がこんなところにいるのか、簡単に言えば閉め出された。

ちょっと砂浜を散歩している間に部屋の鍵を閉められ、簪も寝てしまった。

 

起こすのも可哀想だったので、散歩を継続し、寝られそうな場所を探していたのだ。

 

「…浜風だっけ?潮風だっけ?」

 

今はどうでもいい事を考えながら、屋上を満喫していた。

 

 

「…一夏の太刀筋、何処かで見た事あるんだよなー」

 

ふと、そんな事をおもった。

いや、答えは直ぐにでる。

鼬には4年分の記憶しかない、なので見たことがあるとすれば師匠の太刀筋だけだ。

 

狐は主に体術中心、鼬は武器全般と体術を教えられてきた。

 

「………俺で四人目だし、可能性はあるからなー」

 

「師匠に教えられ、そこから独自に発展させたのか。それとも今の武器で師匠の剣術が出来ないのか」

 

悩むが、そんな事を考える必要はない。

何故なら鼬にそんな事を考える必要は無いからだ。興味が無いからだ。

 

鼬にとって大切なのは、師匠との約束を守る事。

それ以外のことは二の次だ。

 

目の前で誰かが喧嘩しようとしたのなら止める。

たとえ巻き込まれたとしても、鼬なら確実に圧倒できる。

寧ろ標的が自分になった方が楽だ。

 

 

「………………そういえば」

 

此処に来るまでに簪さんに似た青髪の少女を見た。

簪さんは姉がいると言っていたし、彼女がそうなのかもしれない。

 

 

喰奈さんも姉がいると言っていた。

どんな人か聞いたら、化物みたいな人と答えた。

どうやらその人がIS関連の仕事をしているらしい。

 

 

「………ま、どうでもいっか」

 

今俺が頑張っているのは、しょうもない理由で死にたくないからだ。

 

強く夜風が吹き付ける。

その微かに青色が残った白髪をたなびかせ、次の瞬間にはその場から消えていた。

 

 

全ては師匠の願いを叶えるため。

 

願いを持たぬ鼬の行動原理は、それだけなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………はい。

はい、お願いします」

 

ピッ、電話を切る。

相手は武器製造の大手企業だ。

彼女、更識簪が代表候補生になった時から彼女のIS用の武器を作ってくれていた。

 

つい先ほど制作中のISの武器のデータを送った。

彼等なら要望通りの性能で作ってくれる筈だ。

 

「………………データも揃った。後は作るだけ」

 

既に脳内では完成している外見を、図面に書き込んで行く。

 

モデルは昔好きだった作品の主人公機、その最終形態。

 

今迄メカメカしいデザインだったのに、最終形態だけ人間ぽいデザインだった事が簪の記憶に強く残っている。

 

装甲だったものが布に変化するなど誰が予想出来ただろうか。

 

それを、彼女は再現したい。

 

必要なデータは確かに揃った。

財前さんが言っていた【極上のデータ】も手に入った。

完成すれば、カナダの代表機【大和・砕破】にこそ届かないが、他の追随を許さない性能のISが出来る。

 

「………………時は来た」

 

「私を馬鹿にした奴らを、見返す時が」

 

 

 

 

 






カナダの化物のIS名は【大和・砕破】です。

製作陣は日本アニメの狂信者という設定です。
名前のモデルはあの宇宙戦艦。
名前を決めた時は日本の政府とそこそこ揉めた。
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