IS 鼬   作:クロノ9696

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遅れました、
誰も待ってないと思いますが。


馬鹿

「・・・・・・・・・これで全員揃ったのか?」

「いえ、財前さんと三枝さんがまだです。三枝さんはどこかへ走り去るのが目撃されていますが、財前さんに関しては何も情報がありません」

「・・・死んでいないことを祈るしかないな」

 

場所は国内どこかの山中。

バスが転落し、山中に放り出されたIS学園一行は、後続車の運転手が通報してくれたこともあり、転落から5時間後には前述した二人以外の無事が確認された。

 

「IS学園への連絡が通じないことから、IS学園は既に制圧されている可能性が高い。何とかして向かわなければ」

「そうですね、ですが、バスの転落でパニックを起こしている生徒もいますし、怪我をしている生徒もいます。ひとまずは病院へ向かうべきです」

「ああ、だからここで二手に別れようと思う」

「二手に・・・・ですか」

「既に車は用意して貰っている。山田先生には、専用機持ちを乗せてIS学園へ向かってもらいたい」

「・・・・ええっ⁉私ですか?織斑先生の方が適任だと思いますが」

「・・・・・・・私はペーパードライバーだからな」

「あっ・・・・」

 

織斑千冬は文字通りペーパードライバー、家事洗濯どころか運転も出来ない。

これで元世界最強の称号がなければ只のダメ女だ。

一夏が結婚でもして家から出ていったとしたら、まともに生活できるかすら不安だ。

 

「私は残りの全員を病院へ送った後IS学園へと向かう。頼まれてくれるか」

「・・・分かりました。送り届けます」

「ああ、頼んだ。  では、専用機持ちは山田先生のところへ集まれ、それ以外は私に着いてこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車内

 

「・・・・・・・・」

「・・・一夏?」

 

車に乗った時点で会話は少なかったが、ここまで一夏は一度も口を開いていない。

流石に不安を感じたシャルロットは、勇気を出して話しかけたのだ。

 

「・・・ん、どうしたんだシャル?」

「いや、特に用はないんだけど・・」

「・・・・そうか。実はバスが落ちた後に、おそらく犯人の一人に会ってるんだ」

「えっ?」

「あいつは俺を狙っていた。だから、俺一人で相手しようと思う」

「・・馬鹿なこと言わないで、命を狙われているなら尚更一人でなんか戦わせられないよ」

「・・・・・」

「死ぬかもしれないんだよ?それなのに、何で一人で戦うなんて言うの?」

「・・・・・何でだろうな。俺にもわからないけど、あいつは俺が倒さなきゃいけないって、そう思うんだ」

「・・・・・・」

「相手は必ず複数人いる筈だ。だからシャル達には、他の奴らの相手をしてもらいたい」

 

それでも・・・、そんな言葉が出そうになったが飲み込んだ。

何を言っても無駄だと、感覚的に分かったから。

 

「それにさ、やっぱり誰かが傷つくのは見たくないんだよ。皆、俺にとっては大切な人だから」

「・・・」

「だから俺は許さない。たとえ殺す気が無くても、バスが落ちたことで怪我をした人たちがいるんだ。その人たちの代わりに、俺はあいつを殴りに行くんだ」

「・・・・やっぱり一夏って馬鹿だよね」

「だろうな、馬鹿じゃなきゃこんな事言えないな」

「そんな一夏だから、私は惹かれたんだけどね」

「・・・・・・・・・・?」

 

一夏は気付いていないようだが、普通の感性を持つ人なら、その言葉の意味は理解できるだろう。

到着までまだ時間はかかる。

車内は再び静寂に包まれる。

 

車のスピーカーから流れている最近売れているアイドルの曲が、酷く頭の中に残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「簪よ、さっきのシャルロットの言葉の意味が良く分からないのだが」

「・・・全部終わった後に教えてあげるから」




山田先生が車に乗っていた記述がどこかにあったような気がする。
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