IS 鼬   作:クロノ9696

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星空

 

星が見たかった。

 

この暗い地の底で、長年見ていない星を見たかった。

 

来る日も来る日も投与実験。

右腕は、かなり前に切り落とされた。

 

解剖すると言っていた。

 

 

代わりに、良く分からないガラスみたいなもので出来た義腕が付けられた。

 

原理は良く分からないが、思い道理に動いた。

 

勿論、感覚はなかったが。

 

 

そして今日も、向かいの部屋にいる彼女に、外にいた時の話をした。

 

もう、何年も前のことで、あまり覚えてはいなかった。

 

名前も曖昧になっている。

 

だが、幼き日の思い出だけは忘れずに覚えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の話は、この研究所にいる時間の中で唯一の楽しみだった。

 

外を知らない私にとって、とても興味深い事だらけだった。

 

花火、花、木、川、海、美味しい食べ物。

 

なかでも彼は、星という物に対して強く語っていた。

 

住んでいた場所がイナカ?だったから、星が綺麗だったと。

 

その話をしていた時の彼の表情が、とても幸せそうで、いつの間にか私も星が見たくなっていた。

 

 

だから私たちは叛逆した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は夜になっていた。

一夏達が病院についた時点で既に夕暮れ時だった。

そして、夜のとばりが降りて、敵が眠たくなったころに奇襲をかけることにしたのだ。

 

 

その作戦自体、穴だらけの欠陥品だったが。

可能性がある作戦は、それぐらいしか浮かばなかった。

 

相手がISを使うのは分かっていた。

 

そして、誘っているかのように位置情報がオープンチャンネルで公開されていた。

 

 

 

場所は第二アリーナ。

時間を出来るだけ短縮するため、一夏達は自分たちの居場所をステルス状態にして、第一アリーナの上を通り過ぎようとしていた。

 

 

そして真上を通った瞬間、最悪の予想外が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星が綺麗だな」

 

織斑マドカは星を眺めていた。

ISを展開し、レーザーライフルのスコープを覗き込んで、星を見ていた。

 

 

通り過ぎた七つの機体。

 

その一番後ろにいた白い機体目掛けてレーザーを放つ。

 

出来るだけ出力は最低限に、でもISを撃ち落せる威力は維持して。

 

 

レーザーが弧を描く。

フレキシブルという技術だ。

 

無音で迫るレーザーに白い機体が気付いた時にはもう遅い。

 

小さな爆音が響き、落ちてくる。

 

「今だ」

 

手元に準備していたスイッチを押す。

これにより数秒だけアリーナのバリアは解除され、そして絶妙なタイミングでもう一度バリアが張られる。

他者の侵入を許さぬよう、セキュリティレベルMAX。遮断シールドのレベルも4に設定した。

 

 

 

 

歩み寄る。

 

「私の存在をすっかり忘れていたみたいだな」

 

さらに歩み寄る。

 

「そっちの会話は、お前に仕掛けた盗聴器で全部聞いていた。だから、ここで待っていた。もっともあの作戦になることも予想済みだったがな」

 

力強い足取りで。

 

「コピーか、血縁者か。どちらが強いか」

 

迷い無き表情で。

 

「さあ、殺し合おう。ここから生きて帰ったどちらかが、姉さんの後継者に相応しい」

 

強い殺気を放ちながら。

 

「なぁ、兄妹」

 

姉に良く似たその顔で、身内の首を取りに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、第一アリーナ上空では、作戦が早くも失敗したことで狼狽えていた。

 

想定していなかった訳ではないが、まさかこんなに早く失敗するとは。

 

 

 

そんな六人の後ろに。

 

「お前らの相手は俺だ。誰にも邪魔させない」

 

堂々と現れる敵。

 

「力も使わない。今までのはこの状況を作り出すためのブラフだからな」

 

身に纏うは鮮やかな白銀。

 

「第二アリーナへ行こう。あいつも待ってる」

 

年齢は二十歳ぐらいだろうか、少なくとも年上の、透明な右腕を持つ男。

 

「全員纏めて、潰してやるよ」

 

鋭利な殺気が、6人を襲っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 






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