IS 鼬   作:クロノ9696

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プロローグ 観測者

 

「・・・・・はい、全部終わりました」

【そう、それでどんな判断を下すつもりなんだ?】

「織斑マドカとアンリの襲来から世の中は徐々に変化しています。これだけ一気に進んでいるということは、終わりは近いのだと判断しました」

【成る程。じゃあ、閉じるのか?】

「いえ、彼らには彼らの物語があります。世界を閉じるのは四道鼬が寿命で死んだ後で大丈夫でしょう」

【ん、分かった。他のパラレルも一段落ついたから一度整理したい、直ぐに戻ってきてくれるか】

「分かりました、でももう少しだけ待ってください」

【ああ、好きにするといい】

「では」

 

通信を切る。

織斑マドカ達のIS学園襲撃から既に6日。

彼女たちの起こした事件が世界的に報道されてしまった関係で、全てを晒さなければいけなくなった。

 

一つ、亡霊企業の存在。

二つ、アンリの存在。

三つ、IS委員会が行っていた非道な実験の数々。

 

最後の実験の証拠は更識鞘が篠ノ之束の依頼で集めていたものだった。

 

そもそもIS委員会自体が、女尊男卑過激派が篠ノ之束の了承を得ずに作り、活動していたらしく、ウザくなってきたら潰すつもりだったらしい。

 

連日IS委員会に対するデモが発生し、つい先ほどIS委員会の解体が宣言された。

これからは中立派の人間だけで運営していくらしい。

 

 

IS学園は、もっぱら修復作業中だ。

アリーナも半壊状態。

学校自体もほんの少しだが荒らされていた。

襲撃の実行犯である二人は、今はIS学園の寮で軟禁されている。

 

だが、二人とももう復讐はどうでも良くなったらしく、織斑一夏と四道鼬を始めとするIS学園一年組に謝罪し、和解した。

 

空狐ちゃんも驚異の回復力で復活、IS学園に乗り込むシーンが放送されていたこともあり、テレビに引っ張りだこだ。

 

アイドル事務所からスカウトされて、彼女らしくないほど困惑していた。

まあ、そこらへんの有名人より美人だし、というか人じゃないし。

 

 

 

 

「やあ妹ちゃん、ここにいたんだ」

「ッ・・・姉さん」

 

後ろから声を掛けてきたのはこの世界の財前黒乃、設定上は喰奈の姉だ。

 

「ごめんね、起きたころには全部終わってた。せっかく頼ってくれたのに」

「いえ、私も早とちりでした。もっと皆の事を信用すべきだった」

「そっか・・・・ああそうだあの二人、私の企業で引き取ることにしたよ」

「マドカ達ですか?」

「うん。私の後釜を探してたんだけど見つからなくてさ、丁度良かったんだよ」

「ですが、良いのですか?IS学園側は反対しませんでした?」

「今は此処より、私と一緒にいた方が安心だと判断したみたいだね」

「そうですか、なら良かったです」

 

喰奈は空を見上げる。快晴だ。

あの日のように、曇ってなどいない。

 

 

「・・・・・もう行っちゃうんだね」

「えっ?」

「何となく分かるよ、この役割が終わるんだって」

「・・・・・そう、ですか」

「でもね、楽しかったよ。私は一人だったからさ」

「・・・・・・」

 

この世界でも、財前黒乃は一人だった。

これも彼女という存在が抱えている業の一つなのかもしれない。

 

「彼らを幸せにしてあげてくださいね、姉さん」

「勿論だよ。人は皆幸せであるべきなんだから、助け合わなきゃ」

「・・・その言葉が聞けて良かったです。私も楽しかったですよ、姉さん」

 

涙が流れる。

体が徐々に光の中へと消えゆく。

 

これは、私の記憶。

那由多以上の時を過ごした中でもとびっきり輝いた記憶。

 

この瞬間この世界で彼女という存在は抹消された。

 

 

「さよなら、喰奈ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あれ?簪ちゃん泣いてるの?」

「そういう鼬も泣いてる・・」

「えっ・・・ほんとだ何で? それに、何かが抜け落ちたようなこの喪失感は何だ?」

「何で・・・どうして涙が止まらないの・・・?」

 

二人は分からなかった。

何故涙が零れ落ちるのか理解できなかった。

ただ、喪失感だけがあって、その喪失感がとても悲しくて。

涙が、止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ッ!」

「どうかしたのか、狐」

「いえ、何でもない・・・・筈です」

「・・そうか。それにしてもこの資料の数は何だ?」

「・・・・そんなに私をアイドルにしたいのでしょうか」

「これ全部そうなのか!?」

 

書庫の一角を占める大量の資料を目の前に、更識鞘は崩れ落ちた。

 

(・・・思い出せない。誰かもう一人居たはずだが)

 

狐は唐突に開いた穴を埋めるべく、必死に思い出していた。

二度と思い出せない誰かを・・・・・





IS10巻読みました。
面白かったですが、やっぱり内容が薄いですね。
でも二年と三年の専用機持ちと二代目ブリュンヒルデが分かったのは良かったですね。
特に前者は今までの出番が二ページあるかないかでしたし、
まさか二代目ブリュンヒルデの機体がアレだったなんて思いもしませんでした。

弾は優しいし、一夏は案外男性人気あったし。

もう一夏はのほほんさんと付き合えばいいよ。
それが一番幸せだよ。


さて次回のプロローグ 男二人で完結です。

結構酷かったですが、これで終わりとなると寂しいものがあります。

えっ次回作?
勿論ありますよ。
次のはもっと細かくやろうと思ってます。
一巻につき10話から20話くらいかけたいな~っと思ってます。

それでは!
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