IS 鼬   作:クロノ9696

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はいラスト!


一夏

 

「ねえ師匠」

「どうしたんだ?狗」

「もし、もしもだよ。僕がもっと強かったらさ」

「強かったら?」

「父さんと母さんは帰ってくるのかな?」

 

師匠から返事は無い。

ただただ悲しそうな目で、僕を見ていた。

 

「姉ちゃんだって、遠くに行ったりしなかったよね」

「………………」

「だからね、師匠。僕を、強くしてください」

「………狗。お前は正義の味方にでもなるつもりなのか」

「うーん、わかんないや。でもね、それだけ有名になったらさ、父さん達帰ってくるかな?」

 

師匠は少し考えた後、言葉を口にした。

 

「狗、お前を鍛えてやる。でもね、正義の味方に何かなれない。人には自分と、自分と関係のある人しか助けられないんだ」

 

悲しそうな顔をしていた。

まるで、自分がそうだったかのように、師匠は話した。

 

「狗、私がここにいるのは一ヶ月だけだ。その間にお前を出来る限り強くするつもりだ。その後は、自分一人で努力して強くなるんだ。良いな」

「うん。分かった」

「狗、お前は剣の才能がある。だからまずは剣術を鍛える。覚悟が決まったなら、この木刀を取るんだ」

 

師匠が何処からか取り出した木刀を、僕は、取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢を見た。

懐かしい夢を。

俺に狗という名を与え、一ヶ月間鍛えてくれた人。

俺、織斑一夏が生まれて初めて師事した人。

最後まで本名は教えてくれなかったが、一ヶ月で強くしてくれた人物。

今の俺を見て、師匠はどう思うのだろうか。

強くなったと褒めるだろうか?

愚か者と罵るだろうか?

分からない。

分からないけど、この道は間違っていないと思いたい。

誰かに言えるような事じゃ無いけれど、誇りにもならないけど、この道は間違っていないと思いたい。

 

そんな事を考えながら、歩き出す。

身体が痛い。

コンクリートの上で寝たからだろうか。

まぁ仕方ないか、今回は数が多かったから疲れたんだ。

 

「………服、汚れてるな。落ちにくいから汚したくないけど、仕方ないか」

 

その場を後にする。

大勢の人が、血みどろで倒れている倉庫から出て行く。

 

「………今日は土曜日だからな。学校無いし、家に帰って洗濯して寝るか」

 

「千冬姉は何処で何してるか知らないけど、俺がこんな事してるの知ったらどんな反応するかな」

 

月に一度程度しか家に帰ってこない姉の事を考えたが、まぁそんな事どうでもいい。

 

姉は姉、俺は俺だ。

姉がISにハマったように、俺が闘いにハマっただけだ。

 

 

「………でも」

 

ちらと振り返る。

 

「流石にやりすぎたか」

 

 

 

 

 

時は2月中旬、

 

彼がISを動かす少し前の土曜日。

 

 






一夏、どうしてこうなった


では、プロローグはラストです。

明日か明後日に本編開始です。
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