僕は空我になりたくなかった   作:宮ノ入蓮慈

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初めまして、初めて投稿するので色々と拙いところはありますが是非読んでいってください。


終わりと始まり

ある日に突然、人は死ぬんだ、それは必然的であり偶然である、でも死ぬのならば僕は安らかに苦しまず死ぬのが理想だと思ってる。だけどそれは理想でしか無かった。

 ある朝、登校してると後ろから女の人の叫び声が、子供のなく声が、男の人の怒鳴り声が聞こえた。なんだろうと振り向くと男の人がナイフを振り回してた、すぐ側には子供が逃げ遅れていてそれを見つけた奴はナイフを子供に向けたんだ、咄嗟に僕はその子を庇い背中をザックリといかれた、背中がとても熱くなり痛みで呻き声が出た

 「ぐぁ゛っ」

 それでも僕は痛みに耐えながら子供に笑顔を向けた、少しでも安心して欲しくて

「大丈夫、お兄さんが護るから」

そう言うと僕は犯人に向かい拳を握りしめ、この湧き上がる闘争心と守護心に身を任せ右足でアスファルトを蹴り、左足を強く踏み込んで腰を回転させ、右拳を突き出す右肩を入れフォロースルーするボールを投げるように腕だけでなく、全身を使って打ちこむと殴った感触が拳から伝わる

「ぐぁ!」

 ナイフを手放し犯人が倒れる、そして僕も、

「ぁ……」

 足に力が入らない……膝を着くどころか冷たいアスファルトに倒れ込んでしまった

「お兄ちゃん!」

助けた子供がいの一番に駆けつけて来た、それを見た僕は微笑みながら確認する 

「……無事かい」

「うん」

子供は何度も頷く、その目には涙があったでも良かった、命に別状はないみたいだ

 「君!大丈夫か!」

 周りにいた大人たちがやって来た、犯人の方を向くと多くの大人に取り押さえられているのが見えた

「……ぁ」

答えようとしても声が出なかった。寒い……寂しい……目が意思に反して閉じていく……怖い怖い怖い怖い!!

 嫌だ!嫌だ!嫌だ!死にたくない!死にたくない!

 しにたく……な……い……

 最後に聞こえたのは遠くから聞こえる救急車のサイレン、子供の泣く声、大人の呼びかけだった気がした。

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 ここはどこだろう…真っ暗だけど暖かい…あ、光が見える……ここから出るにはそこしかないみたいだ……

「おんぎゃー!」

 え、僕ってば赤ちゃんになってるの?そこからは慣れない赤ちゃんの日々だった、いや、思ったよりはすぐに慣れ、父と母の下で健やかに育っていた。

 だけどいかんせん何もすることがなく暇で仕方なかった。ミルクを飲んでは寝、出すもん出しては寝、寝すぎて眠くなくなってはじっと天井を見てたりと暇で仕方なかった。そんな1年を過ごし、ハイハイできるようになった頃家中を這いずり回ったのは仕方がないと言える。

「あらまぁ、またここまでハイハイしてきたの?すごいでちゅねー」

「だからと言って何も対策しない訳にもいかないな」

 めでたくないが、赤ちゃん対策グッズでリビングのみの制限がかけられた……移動させてくれよ……

それから月日が経ち歩けるようになった頃にはめでたく対策グッズである柵もなくなり父の書斎へと潜り込むことができるようになった。

「ふむぅ……」

 どうやら父は物書きだったらしい、確かに良く家に居るし締め切りがとか何々賞が取れたとかは聞いていた為もしやとは思っていた、そんな父の書斎には壁1面の本棚があり本が所狭しと並んでいた。

 シリーズ物や、辞書、もあれば見たこともない本もあった。その中でも気になったのが古代日本の幻の一族の存在と書いてある本だった、

「あう?」

 そこに書かれていたのは古代日本にはかつて栄えた一族がいたと言う伝承があった事、その一族に関する遺跡が未だ何処かに眠っている事、その一族は武器を多彩に操っていた事が書かれていた。

「おぉう……」

 それらの事を考えると薄ら頭に思い浮かんだのはここは仮面ライダークウガの世界なのかと言うことだった。

「ないない」

 でも流石にそれは勘弁して欲しい、たとえ退治されるグロンギだとしてもだ、一般人の自分やその家族がヤツらの餌食にならないとは限らないのである。

 そこからは特に特筆すべきことはない幸せな家庭ですくすくと僕は育っていった、幼稚園ではみんなと遊びつつも先生の言うことや手伝いをしたり、小学校ではクラスメイトの世話をしたり、中学校では文芸部に入り自分なりの文章で物語を綴ったりと過ごし、高校では進路をどうするか悩みながらも文学部を目指した。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――

午前中にカフェでスマホを操作し小説を書きつつ人を待ってると

 「朝日くーん!」

 元気な声で僕のあだ名を呼ぶ声が後ろから聞こえた、どうやら漸く来たようだった。

「あ、おはよう」

 白いシャツに茶色のパンツと言うシンプルな服に身を包むボブにした茶髪の健康的な女性がこちらに近ずいて来ていた。それに対し彼は前世からのコミュニケーション能力を活かしさらりと席に座るよう促しつつも挨拶を交わす。

「ありがとう、待たせちゃってごめんね」

「いえいえ、早く来てしまっただけだし」

彼女の名前は沢渡桜子、城南大学考古学研究室に所属する大学院生で、僕の大学来の友人であり同じ学部でゼミが一緒だった、彼女とはゼミの飲み会で隣通しになり話していくうちに気が合いそれからは連絡を取り話す仲となった。

「どうなの?最近は」

「んー、まぁまぁ」

最近は卒業してから漸く書籍化された僕の作品でご飯が食べれるようになったけど調子に乗るにはまだまだだった。 

「まぁまぁ?まぁ、元気にしてるならいいけどね」

 そう言うと彼女は届いたコーヒーを少し冷ましつつ口に含んだ。

「元気ではあるさ、だけどそっちは元気ないみたいだね」

「あはは……分かっちゃうか」

 苦笑いしつつも肯定した彼女は少し顔を伏せつつも理由を話してくれた。

 彼女の所属する城南大学考古学研究室はいま九郎ヶ岳で地殻変動によって出現した古代遺跡の発掘調査を行っている。もちろん彼女は実地調査への参加を望んでいた。しかしその希望は通らず研究室で現地から送られてくる古代文字の解読を任されたのだ。

「もちろん、文字の解読は大切な仕事だってのはわかるけどさ……」

僕は無言で頷き話を促すことにした。

「でもね、本当は現場で調査したかったんだよね……そこでしか得られない空気を感じてみたかった」

 そう言った彼女はテーブルの上のコーヒーを見つめていた、その様子を見ながらコーヒーで口を潤してから僕は彼女の言葉を聞いて思ったことを言葉を選びながら言った。

「うん、気持ちはわかるよ、僕も同じ立場だったら悔しいと思うしなんで自分は行けないのって思うだろうね」

「うん、そうなんだよね……」

「ならさ、その気持ちを燃料にして燃やし尽くしたらいいんだよ、文字の解読に」

 そう伝えると彼女はそっと顔を上げた、その目には驚きと光を得たという輝きがあった。

「燃料……燃やす……いいねそれ」

「俺なりに励ませたかな?」

「ありがとう、朝日くん、ちょっと元気になった」

 そう言うと彼女は僕の手をぎゅっと握った。僕は元気な声になりほっと一安心して微笑んだ。

 そんな営みの日々を壊す彼らが九郎ヶ岳で目覚めたのはこの時まだ知る由もなかった。




いかがだったでしょうか、主人公の名前やその掘り下げなどはしっかりとしますので次の投稿までお待ちください。
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