僕は空我になりたくなかった   作:宮ノ入蓮慈

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続けて書き上げたものを投稿します。誤字脱字などがあれば教えてください。


1話

朝、朝食を食べ終わり執筆活動に移ろうとした時にスマホが鳴り響く、

「ん?なんだろ?」

 端末に沢渡桜子と表示されていた、特に思い当たる節は無かったがとりあえず出ることにした。

「はいもしもし朝日です」

「……朝日くん…」

 声に元気がなかった、それだけで何かが起きたのは察せられる。少し覚悟をした、何が来てもいいように

「どうしたんですか?沢渡さん」

「うん、……死んだって…みんな…」

「すみません、詳しく聞いても?」

 死んだ……?みんな?研究室のか?少し混乱したが冷静になるように少し深呼吸をし、話を促した。

「九郎ヶ岳にある遺跡の実地調査に向かったメンバーが全員死んでしまったの……」

「全滅ですか……」

「うん、大学で解読してたら警察の人が来てその報せを……うぅ…」

 彼女の辛さは相当なものだろう、親しい人達が突然亡くなったのだ、今は少しでも落ち着いてもらうためにも会うことにした。

「今からそっちに向かうよ」

「うん……待ってるね…」

 通話切った後、着替えを済ませバイクのジャケットにプロテクター、ヘルメットとグローブを着けてバイクに乗り走らせた。

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 私立城南大学は東京の文京区にあり、華やかさでは無く歴史と伝統を感じさせる佇まいとなっている。

 バイクを停め、彼女の居る研究室へと走って向かうとスーツの2人組が居たが気にとめずその横を通り過ぎて行った。扉をノックし、少し間を置いて扉が開かれると憔悴した様子の彼女が出てきた

「朝日くん……」

「沢渡さん」

 言葉が上手く出なかった、ただ安心させるために来たというのにだ。

「大丈夫?」

「うん……」

 せいぜい口に出せたのはそれくらいだった、青ざめた彼女少しずつではあるものの安心したようだった。

その様子を見て僕も少し安堵した、すると2人組の片割れが固い声で話しかけてきた。 

「失礼、あなたは研究室の関係者の方でしょうか?」

「いえ、沢渡さんの個人的な友人で朝日雅空と言います」

「私達はこういう者です」

 そう言い警察手帳を掲示してきた、やはり、この件には何かがあるようだった、いや分かっていた、この世界が仮面ライダークウガの世界ならばこうなることくらい、分かっていて尚も何もしなかったのは僕だった、ひとつでもピースがかければ崩れるであろうと思い足踏みしたのは自分が臆病だったからだ。

「そうですか……彼らの死因は?」

 ちらりと警察の2人が目配せをした後、声をかけてきた方が事のあらましを喋りだした。

「今現在、はっきりとした死因は明らかになっておりません、ですが全員が即死のこと、その近辺にて同時刻に山崩れが起きたことが分かっています。今はその二つの関連性を調べています。」

「…そうでしたか、ありがとうございます。」

「そして、沢渡さん」

 彼女の方に目を向ける刑事は少し間を置いて優しく声をかけこう告げた

「これから貴女にお預けしたいものがあるそうです。申し訳ありませんが署の方にご同行願います。どうやら遺跡から出土したもののようでして」

「はい……」

 彼女に目を向けると少しは落ち着いているもののやはりまだショックを受けていることに変わりはなく声にはいつもの元気がなかった。

「でしたら僕も同行しても良いでしょうか?流石に彼女1人で向かわせるのは酷ですから」

「それは……」

 そう言うと刑事の2人は目を合わせどうしたものかという表情を見せる。

「私からもお願いします……」

 そう彼女から告げられると仕方ないと受け入れて貰えることになった。

ここでも僕はまだ「彼」が現れるのを待っていた。いつまで経っても現れることの無い「彼」を。

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

ここは警察署の特別対策本部での一コマである。

多くの人員が投入され、各班に別れた刑事達を初めとする特別対策本部では九郎ヶ岳集団殺害事件の真相を解明すべく取り掛かっていた

 「おい!情報はどうなった!」

 そうベテランの刑事は拳を机に叩きつけ苛立ちを隠さず言った。

「それが明確な情報が一切ないんです」

「なんだと?」 

「あるのは謎の人影が1つとクウガと言う謎のメッセージのみなんです」

 そう言い最後に撮られたであろう動画をベテラン刑事に見せる若手刑事

「なんだそりゃ?」

「分かりません、ですがこれぐらいしか手がかりが無いんです。後はもう殺される時の映像が入ってるだけですし」

「だとしてもだこんな事をするやつが野放し何て末恐ろしい……」

「全く持って同然です」

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 その頃2人は視聴覚室にて事件の最後に撮られたあの映像を見せて貰った後でアタッシュケースを受け取っていた。

「これが出土したものですか……」

 僕にはわかりきっていた、コレが何であるかなど、コレが末恐ろしくも頼もしい戦士の力の源だということを。白々しくも初めて見たフリをするのは未だにこれからの恐怖の連続に目を塞ぎたいからであろうと悟っていた。 

「えぇ」

「アレはコレを見てクウガと言い憎々しげに打ち捨てた……何か関係があるとしか思えませんね」

 嘘だ、知っている、彼がコレを、アークルを身につけ凄まじき戦士になる事を、だが未だに彼は現れない……。

「沢渡さん、今から研究室でコレを調べるんでしょ」

 僕は分かってるのに何も出来ることなど無いもうすぐ始まる物語に僕はいないんだから……

「よくわかってるわね、そうよ…残された意志をつぐわ」

「なら研究室に送ってくよ、そばに居るからコーヒーを淹れるくらいしか出来ないけどね」

 少しおどけてみたが上手く笑えただろうか…

「ううん、それでもありがとう……」

 そう2人は警察署を出て駐車場へと向かって行こうとした時、声が聞こえた。

「リヅベダクウガンヂバサ」

 その声の方に向くと人の形した怪物がいた、

「な!?まさかもう!?」

 しまった、思わず口に出してしまった、しかしこんなことに気が逸れてる場合では無い、いち早く彼女の身を安全にしなければ。

「きゃああああ!!」

足がすくみ身動き取れない彼女の元に向かいその背を盾にし庇う。

「ぐぁっ!!」 

熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!背中を鋭い何かが襲い身を焼くような痛みが訪れる。思わず口に出るのは苦痛の声だった。

「早く逃げて……」

「いやぁぁぁ!朝日くん!!」

 まだか、まだなのか「彼」は早く来てくれ!なぜまだ来ない!!僕には出来ないんだ、早く来てくれここに「力」あるんだ、後は貴方だけが必要なんだ。……違うか、「彼」は現れない…分かりきった事だ、だって彼は今までずっと現れなかったんだから居ないんだよ、居ない人間を待つくらいなら、守れる人を護らずに後悔するくらいなら僕はこの命を燃やして、燃やし尽くして護るんだ。

「沢渡…さん…アタッシュケースを…」

「え、なんで今それを……?」

「良いから早く!ゲホッ」

 警察署に怪物が現れ事態は混乱しつつも発砲をする警察官が次の犠牲者となっている今しか機会はない、少しでも多くの人が助かる為には今この場で覚悟を決めた僕が力を手にするしかなかった。

「持ってきたわよ…でもどうするつもり?」

「こうするんです…」

 血塗れの身体を起こし仁王立ちし、アークルを腰に叩きつけるように装着した。その刹那

「ぐがァァァァァァァァ!!?」

腹を掻き分け蝕む痛みに耐えながら決して目は怪物から逸らさずに睨みつける。

「いやぁぁぁ!?」

 膝を屈せず両方の拳を握りしめて痛みに耐えながら震え、こう思った、僕の苦しみなんぞどーだっていい1人でも多くの人を護るただそれだけに集中しろ。

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

 その瞬間、朝日雅空の身体から閃光が迸る

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

警察署前では警官らの拳銃の発砲音が鳴り響く1人撃っては怪物の凶刃に晒され、倒れ呻き声をあげる。

「いやぁぁぁ!!」

「嫌だぁ!死にたくない!!」

「撃て!1発でも多く当てろ!」

しかしその多くの鉛玉はからの身体に弾かれるのみだった。

「ギギバゲンビギソ」 

そしてまた1人その強靭な力によって犠牲となるその刹那、白と黒で構成された人影が怪物へと襲いかかった。

 その人影は怪物を殴りつけると警官達を庇うように立った

「!?、撃ち方やめ!」

「な、なぜです!」

「アレは恐らく味方だ…現にこうして我々を護るようにしている……」

 彼らはまじまじとその姿を見た白い甲冑に黒い身体真っ赤な目と額から伸びた一対の短い角。人のする姿ではなかった。あまりにも生々しい生物みを帯びたその姿は怪物と同じとしか思えなかった。

「ゴラゲンギソギグガダバンザ!」

「…………」

 その白き戦士は何も答えず構えをとった。その姿は堂に入っていたが何処か怯えてるように見えた。

「ギベ!ザボグ!」

「オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」

 【続く】




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